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秋に暖かさを 10月02日

 

だいぶ秋も深まって 東京は肌寒い秋雨です。

真夏に涼しげな銀の額縁をご紹介しましたが

今日は暖かみのあるシンプルな金の額縁をご覧いただこうと思います。

白い壁も暖色の額縁を飾るだけで暖かみを感じられます。

 

クラシカルでもモダンでも どちらの作品にも対応できて

既存の家具や壁の色にも違和感無く馴染むことができるように

(この条件を満たしてはいませんが できるだけ近づくように・・・)

装飾は内側に細かいラインを入れるだけに押さえました。

パステル画やデッサンを入れてみるのはいかがでしょうか。

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* 本日「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

「works」の額縁 PINK 10月01日

 

わたしが作る額縁には その時のわたし一人の

流行のようなものが反映されています。

先日ご覧いただいた「TEAK」と「frido」の角が丸いのも

いわば角が丸いマイブームの真っ最中に作った訳ですが・・・

(「マイブーム」は便利なので使っている言葉ですが既に死語だとか。)

今日ご紹介する「PINK」(「classical」)の模様も

「古代ギリシャ模様マイブーム」最中につくった額縁です。

黒やベンガラ色の艶のある模様が入ったテラコッタの壺が

出土していますが これらの壺のデザインの一部から借用しています。

こうして額縁の一部にピンク色で入れると

あまり「ギリシャ的」な感じはしませんね。

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穏やかな色使いの静物画を入れるイメージで作りました。

「works」の額縁 TEAK 9月27日

 

 今日も引き続き「works」に掲載している額縁をご紹介いたします。

「modern」のトップ TEAK です。

 

一時期 額縁の角を丸くするのに凝った(大げさですが)ことがあります。

この TEAK もその時期に作りました。

先日ご覧いただいた frido も同時期の物なので角が丸いのです。

名前のとおりチーク材を寄木にして作ったのですが

シンプルながらもなかなか楽しい額縁になったと思っています。

写真を入れても良さそうです。

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「works」の額縁 frido 9月24日

 

今日お話したい額縁は frido です。

この額縁はハガキサイズの小さなもので

ドイツの友人夫婦に長男が誕生したときのお祝いとして作りました。

この子の名前が Frido Serafin と言います。

今はもう満3歳になってベルリンで元気に成長しています。

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「works」の額縁 fiore 9月21日

 

こちらKANESEIサイト内の「works」で

既にいくつか額縁をご覧いただいていますが

これらの額縁のお話をはじめようと思います。

 

まずは「classical」ラインのトップ fiore です。

イタリア語で「fiore」とは花のこと。

この額縁の四隅に花を彫刻しました。

わたしとしては百合の花のイメージなのですが・・・いかがでしょうか。

そして百合の花はフィレンツェ市のシンボルということもあり

KANESEIの額縁モチーフとして登場してもらうことにしたのです。

この額縁はいくつも作っており 思い入れもひとしおです。

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散歩中に金木犀が放つ香りに気付き周囲をキョロキョロ眺めています。

あんなに華やかな香りなのに花はとても小さくて。

この香りをかぐと本格的な秋を感じます。

 

家族の肖像のために 9月19日

 

旅先でなにげなく撮った笑顔の写真がとても上手にできて

引き伸ばして部屋に飾ろうと思い作った額縁です。

スナップ写真の額縁はあまり装飾的ではない方が合うようですね。

とはいえ わたしはやはりデコラティブな額縁が好きなので

シンプルながらも四隅に金の装飾を入れることにしました。

この額縁に入れている人物写真の背景は森なので

細く濃色の木地とのバランスも取れました。

 

思い出の写真 記念の写真 大切な人の写真・・・

KANESEIの額縁に入れて身近に飾って楽しんでいただきたいと思っています。

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* 本日「works」内 「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

      どうぞご覧下さい。(左から4点目です。)

わたしの額縁の原点 9月11日

 

今日ご覧いただく額縁はフィレンツェで3年間通った修復専門学校

木工修復科の修了制作として作ったものです。

以前ご紹介したスペインの本「Coleccion CANO DE P.E.A」に

掲載されているゴシックスタイルの額縁を模刻しました。

角材の状態から木枠を組み 彫刻し 石膏を塗り金箔を施し

グラッフィートと呼ばれる技法で模様を入れています。

金箔の上にカゼインテンペラを塗り この絵の具層を

細く引っかくことで下の金箔を出しています。

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私がイタリア フィレンツェの修復専門学校「Palazzo Spinelli」へ留学したのは

当初は絵画修復を勉強するためでした。

大学時代から色々な先生にお世話になっては

油絵修復の手伝いをさせて頂いたり 模写をしたりと準備し

大学卒業と同時にフィレンツェへ行きました。

修復学校が始まる秋までの4ヶ月間 語学学校へ通いましたが

その頃にパリに留学中の友人を訪ねたことがあります。

パリ16区にあるマルモッタン美術館へモネの大作を観に訪れた時

思いがけずゴシックスタイルの額縁達に出会いました。

美術館入口からすぐにミニアチュールの作品を集めた部屋がありました。

赤い壁に暗い照明の中で小さな額縁がギッシリ展示されており

その部屋に足を踏み入れた瞬間の感動と言いましょうか

衝撃のようなものは今も良く覚えています。

それまでも沢山の額縁を見ていたはずですが

この時ほど「額縁」に打ちのめされた(としか言いようがありません)

ことはありませんでした。

パリからフィレンツェへ戻ったのは修復学校が始まる1週間前でした。

赤い小部屋で見た額縁の感動と衝撃が尾を引いたまま

そして漠然とどこか心の底でうごめいていた疑問が重なって

翌日の夕方には修復学校へ転科願いを出しました。

こうして木工修復科へ通うことに決め

同級生が家具修復工房で修行する中 私は額縁制作工房へ行き

3年後の修了制作で パリで見たゴシックスタイルの額縁を

イメージしてこの額縁を作りました。

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こうして文章にしてみると我ながらなんと衝動的なのだろうかと思いますが

私にとっての人生の転機 重要な瞬間というのは本人の好む好まざるに関らず

本能的に(?)決断が下される・・・と言う風に感じています。

どんなに迷っても理由付けを考えても 既にもう決まっていることのような・・・?

 

この額縁は私的記念碑になっています。

primavera 春の色 9月10日

 

季節はずれなタイトルですが・・・

この額縁を春に作ったので「primavera」と名付けています。

 

以前額縁メーカーの方とお話しする機会がありました。

「明るい色の額縁は案外少ないが希望されるお客様は多い」

とお話されていたことを良く覚えています。

それもあってパステル調の額縁を作ろうと思い立ちました。

ちょうど季節は春でした。

春をイメージする色と言えばピンクや淡い緑などかと思いますが

水色の爽やかさも良いのではないでしょうか。

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秋をイメージした額縁は何色でしょうか。

作ってみようと思います。

* 本日「works」内 「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

不動のゴールデンコンビ 9月01日

 

金を使った額縁に色を組み合わせる場合

色の数だけ選択肢がありお好み次第です。

パステル調でも原色でも 最後には必ずまとまってしまう

その調和の力は「金色」の持つパワーだと思っています。

そのなかでも金と黒の組み合わせ これはもう

クラシカルな額縁では不動の一位と言えるのではないでしょうか。

そしてアカンサスも典型的なモチーフのひとつです。

このゴールデンコンビで作りました。

ともすると強烈で過剰装飾な印象になる金と黒とアカンサスです。

できるだけシンプルに 強さも柔らかさも兼ね備え

前に出過ぎない印象の額縁に と理想ばかり高くなりました。

典型的なデザインこそ 作るのが難しくまた楽しく

作者の個性もまた見えてくるのかもしれません。

ともあれ・・・アカンサス模様は好きなモチーフです。

たのしく作ることが出来ました。

版画作品などと相性が良さそうです。

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* 本日「works」内 「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

16世紀のトリノで 8月09日

 

この額縁はもう何年も前に作ったものですが改めて・・・。

16世紀のイタリア北部の街トリノで作られた額縁を模刻しました。

以前このdiarioでご覧に入れた本「la cornice italiana」に掲載されており

いつか実物を見てみたいと思っている憧れの額縁の一つです。

本に掲載されている写真で見ると 金箔の色はもっと深みを増していますし

汚れや虫食い 四隅の接合部分にひび割れがあったりと

500年近くの時間を過ごしてきた風格を感じられます。

私もこの額縁を作る際にアンティークな雰囲気を出そうと工夫をしたのですが

本当の経年による厚みを新しい額縁に加えるのは難しいことです。

私が作ったこの額縁が500年後に存在するかはわかりませんが

できることなら どんな変化を遂げたか見てみたい!と思っています。

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* 本日「works」内 「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

冷たい輝き 7月21日

 

今日は連日の暑さからすこし開放されそうですが

夏になると額縁も見た目が涼しげなものを飾りたくなります。

銀箔の冷たい輝きはすっきりとした気分にさせてくれるので

真夏のインテリアには最適です。

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* 本日「works」内 「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

作る楽しみ 7月19日

 

額縁制作はもちろん楽しく 好きなことを仕事にできたことを

感謝しつつ毎日の制作に励んでいるわけですが…

たまに 純粋に「作る楽しみと喜び」を感じる為に また気分転換の為に

額縁以外のものを作りたくなります。

worksにてご覧いただいている小箱もそんな時間で作りました。

今回はまた違った気分で引き出しのツマミを作ってみました。

ホームセンターなどで細工用に売られている白木のツマミに

古典技法額縁と同じ方法で石膏を塗り箔を貼り彩色しました。

いつもどおりにアンティーク風の仕上げにしています。

普段使っている引き出しもツマミを替えると雰囲気も変わります。

いかがでしょうか?

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* 本日「works」ページ内「other」にこちらのツマミ3点をアップいたしました。

  ご注文に応じて制作もいたします。どうぞご覧下さい。

思い出のクッキー 7月11日

 

額縁の四隅に石膏の盛り上げ技法で色々な装飾を施しますが

下の写真の模様を私はクッキーと名付けています。

小さい子供の頃の記憶にあるクッキーの模様を思い出しました。

バターの香りがほんのりとして薄焼きのサクサクした美味しさが

なにかとても幸せな記憶となっています。

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* 本日「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

銀を錆びさせてみたら 7月02日

 

銀箔を使った額縁の仕上げはサビ予防のために

必ずニスやラッカーを塗ってコーティングする必要があります。

でも意図的に錆を出して普段と違う色味を表現するのも

変化が楽しめるのではないでしょうか。

下の写真の額縁2点はどちらも同じサイズ同じデザインです。

左は銀そのものの色の艶消ししあげ

右は錆を出した仕上げにしました。

同じデザインでも銀の色によって雰囲気が変わるものです。

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*本日「works」ページにこちらの額縁をアップしました。

 どうぞご覧下さい。