diario
ポーチだポーチだ 11月18日
できました、ポーチ。
小箱を入れる専用ポーチです。
服飾デザイナーの藤井陽介さんとのコラボ・・・と言いますか
無理やりお願いして甘えて作って頂いたのです。
4色8種、すべて藤井さん手描きの絵が入れてあります。
このポーチ企画を思いついた時は、なんとな~く
「ポーチがあったらかわいいなぁ」程度でした。
小箱自体が生活に必要なものでは無くて
完全なる趣味の世界、生きる上での余興のようなもの。
その余興にさらなる余興(ポーチ)って、どうなんだ?
自分ひとりで盛り上がっているだけな気がする。
そんな風に思っていたのですが。
▲十字の模様
▲秋の牡鹿・・・かわいい
▲栗鼠!リス!りす!
▲教会にあるような模様
▲パステルイエローにシルバー、紐は水色、かわいすぎ
▲これも教会の模様のよう。紺に金の模様、黄色の紐・・・身もだえする。
▲ルネッサンス時代のドレスの模様のような。
黄色と水色ってなんでこんなに(以下略)
オーナメント付きの盛り上がった小箱も入ります。
出来上がってみれば、大げさなのは承知なのですけれど
「小さな夢も動けば叶う」としみじみ嬉しくなりました。
生地と紐の種類は藤井さんと選びましたが
色や図柄はおまかせしました。
想像していた以上に、思い描いていた以上のポーチが完成しました。
これは今回だけ特別、限定なのです。
んもう、かわいすぎちゃってどうしよう。
(しつこくてすみません・・・!)
8枚のポーチ、4枚は神楽坂のギャラリー
「ラ・ロンダジル」にお預けしましたので
ぜひお手に取ってご覧ください。
残る4枚は11月29日からの個展でご覧いただく予定です。
小箱をポーチに入れたら安全に持ち運ぶことができます。
旅行に大切なアクセサリーや、肌身離さず大切になさっているものを入れて
またはクリスマスのプレゼントとして、
選んで頂けたら嬉しいです。
それにしても、自分用に1枚とっておこうと思ったのですが
結局どれもこれも選べなくて、
最後にもし残ったら、その1枚を手元に置こうと思っています。
全部がお嫁に行けばそれが一番、でございますけれども・・・
なんともはや。いやはや。ウハハ。
妄想茶道具小品展 11月15日
今年の秋~冬は小箱の展示が続いており
お知らせばかりなのですが・・・
東京・神楽坂にありますギャラリー「ラ・ロンダジル」にて
明後日11月16日から開催の展覧会に出品いたします。
タイトルは「ロンダの妄想茶道具小品展」
いわゆる「お茶道具として」作られたものではなくても
たとえば小さな器を茶碗に・・・とか
ガラスの小瓶を振出(金平糖などを入れる器)に・・・
など見立てて使うことがあります。
KANESEIの小箱を、ちいさなお菓子入れにいかがでしょうか、と
提案していただいています。
ちいさなチョコレートやドライフルーツを蝋紙に包んで入れたり。
または香合としてお使いいただくことも。
▲ラ・ロンダジルさんのInstagramよりお借りしました。
竹編み風シリーズです。
小箱の他、ハガキサイズの額縁2点、楕円の額縁2点もございます。
額縁には裏板、アクリルガラスが入っておりますので
お好きな写真や展覧会の絵ハガキ、古裂やコラージュなど
お好きなものを入れてください。
▲こちら4点の額縁
「世界にひとつだけのとっておきをテーマに謳う妄想茶道具小品展は
現代作家が提案する茶道具と古いもの面白いものを
取り混ぜた愉しむ心が最優先の
固いことは言いっこなしの茶道具展です。」
(ギャラリーのリーフレットより)
秋の神楽坂へ、お散歩がてらどうぞお越しください。
よろしくお願いいたします。
ロンダの妄想茶道具小品展
天野ミサ 彫金
大桃沙織 金工
KogoccoPepin 胡桃細工
加藤キナ 鹿角細工
KANESEI 古典技法小箱
伯兆 蒔絵
橋村大作 吹きガラス
村瀬玄之 張貫漆器
山本景子 漆・木工
2024年11月16日~11月30日
12:00~19:00
日曜・祝日・最終日 18:00まで
11月18日・25日 休廊
新宿区若宮町11 摩那ビル1F
03-3260-6801
ポーチがあれば安全に 11月07日
これ、なんざんしょ?
紐でぐるぐる巻き。答えは
小箱のポーチでした~!!
いや、見てすぐわかりますよね、お粗末様でした。
いま、友人で服飾デザイナーの藤井陽介さんにお願いして
小箱のポーチを計画中。
ポーチがあれば小箱を安心して持ち歩いていただけます。
試行錯誤が続いておりまだ試作で
布や紐も変更かもしれませんけれど、おおむねこんな形です。
そして藤井さんに手描きワンポイントを入れてもらって
コラボしよう!と言う計画。
▲ムフフ・・・もうぜったいカワイイ
そうは言っても時間があまりありません。
11月前半にはなんとか完成しないと!
皆様に手に取っていただける日が待ち遠しいです。
川野芽生さんの物語 10月17日
先日お知らせいたしましたオンライン展覧会
「ニコラス・カルペパーの窓」展が公開されています。
この展覧会では作品の出品作家ひとりと
コラムや物語をつける作家ひとりを組み合わせて
作品と文章を同時に楽しんでいただくというコンセプト。
わたしの小箱8点に、川野芽生さんが
物語ふたつを付けてくださいました。
▲すべて画像は展覧会より
川野芽生さんといえば、歌人でもあり
小説は芥川賞候補にもなった新進気鋭の作家さんです。
今回は大きな小箱(変な表現)4つには「星を仕舞う」という作品を
小さい小箱4つには「函(はこ)のかなたの世界を見る」
という作品を書いてくださいました。
不思議で深遠で少し怖くて、想像がどんどん膨らむ物語です。
わたしが作った小箱ですが、なんだかもう、どこか遠くの国の・・・
もしかしたら違う星のもののように感じるのでした。
小箱にこんな素敵な物語を添えていただけて、なんて嬉しいこと!
この展覧会を企画してくださった「桐とリボン」の方々へ
感謝申し上げます。
「ニコラス・カルペパーの窓」展覧会場は
下記のリンクからどうぞご覧ください。
小箱とニコラス・カルペパーの窓 10月10日
2021年の春に初めて発表した小箱は
おかげ様で今年2024年の秋~冬には
3つのグループ展に参加、そして個展を
開催させていただけるところまでたどり着きました。
そのグループ展のひとつ目は10月13日から19日まで開催されます。
「植物の香りのネセセールvol.2
~ニコラス・カルペパーの窓」というタイトル。
そしてオンライン展示会という形です。
オンライン展示・・・初めてです。
わたしは下記写真7点の小箱を出品いたします。
ニコラス・カルペパーとは
17世紀イギリスの植物・薬草学者にして占星術師。
オンライン展覧会って・・・?と最初は戸惑ったのですが
主催の方にお話しを伺いました。
展示期間中はオンラインの会場にて作品と
同時に発表されるエッセイと共にお楽しみいただき、
会期終了後20日から展示作品は
オンラインショップにてご購入いただける、
というシステムだそうです。
今回の展示・・・ネット上ですので
つまり写真をPCやスマホ等の画面でご覧いただくのですけれど、
写真も美しいものになりますし、オンラインならではの楽しみ方も。
いつでもどこでも誰とでも、ご覧いただけます。
▲これらの写真はいつも自分のスマホで撮っております・・・
上記写真の小箱はもちろん、参加作家のみなさんの作品も
ぜひお楽しみいただければと思います。
どうぞ下記リンクのご案内をご覧ください。
よろしくお願い申し上げます。
植物と香りのネセセールvol.2〜ニコラス・カルペパーの窓|オンライン展覧会のご案内
写真と額縁と 9月09日
先週9月6日から、中野にあります写真専門の画廊
「ギャラリー冬青」にて開催の展覧会に
KANESEI の額縁を使って頂いております。
匿名の写真家 H.J 氏によるフィルム写真作品です。
▲70年代に撮影された作品。被写体は当時の恋人、現在の奥様。
額縁は全部で11点使って頂いておりますが
(その内の2点は同時開催の名古屋での展示に使用)
どの額縁もしばらく前に作ったものです。
上の額縁は本銀箔の艶消し仕上げ。
写真の空の青、車の輝きとコンクリートの乾いた感じと
とても良く合っています。
今回の額装はすべてコーディネートされた
渡部さとるさんとギャラリーの方によるものです。
わたしのアトリエにお越しくださり額縁を選び、
写真とのマッチングをしてくださいました。
▲とてもクラシカルな額縁だけど、服のチェック模様や
木漏れ日の影に不思議と合っている。
こうして作品を納めた額縁の姿をギャラリーで見たとき
自分の手元にあった時の記憶が薄れて
知らない額縁を見たような気持ちになりました。
晴れがましいような寂しいような、不思議な気持ちです。
▲内側の側面にアワビ貝を貼った額縁は
輝く車体とつながるイメージ。
美しく詩的で力強さもあって、青春とノスタルジーと切なさと苦しさと
色々と混ざった感情が沸き上がる写真作品に、
わたしの額縁を使っていただく事が出来たのは幸せなことです。
▲この額縁は他社製。これもスッキリとして美しい額縁です。
わたしの青春の地であるフィレンツェの
サンタ・トリニタ橋の風景があったことも
わたしの気持ちを揺さぶった理由の一つでした。
H.J氏による写真展「melody」は、ギャラリー冬青にて9月26日まで。
もうひとつ名古屋で同時開催のH.J氏写真展「eyes」は
もしご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお出かけください。
色のカタチ 8月08日
昨日8月7日より、松屋銀座で開催の
「色のカタチ」という催事に小箱を出品しております。
13個と数が少なく、わたしは会場でお迎えできないのですが
銀座にお出かけの際にお立ち寄り頂けましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
「色のカタチ」
松屋銀座7階 遊びのギャラリー1979
8月7日(水)~13日(火)最終日17時閉場
いとも優雅なる中世の小宇宙 内藤コレクション写本展 7月29日
7月の始まりの頃
上野の国立西洋美術館で開催の西洋写本展に行きました。
あ、あつい・・・。
でも上野の公園口はすっかり整備されて横断歩道を待つ必要もなく
あっという間に美術館に到着しました。
いえ、以前から西洋美術館は駅から一番近い場所でしたけれど
そうは言ってもこのスムーズさは段違いに快適です。
タイトルにある「内藤コレクション」とは
この一連の写本コレクションを寄贈なさった方で、
筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史氏とおっしゃるそうです。
さて、展覧会で展示されている写本は
いわゆる「羊皮紙」(獣皮紙)に顔料で彩色し金箔を施したもので
元は本の1ページでしたが後世に切り取られたもの。
額縁に納めて展示されています。ほとんどの作品が写真撮影可!
▲北イタリア・パヴィアの教会所蔵だったミサ聖歌集の一葉。
このシワシワな感じがいかにも「羊皮紙」でドキドキします。
金も彩色もとても美しく残っていて感動します。1480年頃の作
560年前に作った人々が、いるのですなぁ。
パヴィアのサン・サルヴァトーレ教会のために作られた本の一部とのこと。
小さな穏やかな街パヴィアのこの教会、訪れたことがあります。
あそこに在った物が流れ流れて日本に。
場所も時も遠い遠い離れたところ。
不思議な感覚です。
その他にも気になったものと言えば
これもフランス15世紀の写本画家であるジャン・コロンブの作品です。
この人物の顔を見れば「あ!コロンブ!」とすぐに分かる。
なぜかと言えば、かの有名な「ベリー公のいとも華麗なる時祷書」の
画家のひとりだからです。
ランブール兄弟が制作半ばで亡くなった後を継いだのがジャン・コロンブ。
「ベリー公の華麗なる時祷書」を見るたびにランブール兄弟と
コロンブの力量の差が気になって(ちょっとがっかりして)いたのですが
コロンブさん、すみません。
実物のコロンブ作品は輝くような美しさでした。
マリア様の表情も背景も、イエス様がヨセフを見上げる眼差しも、大変に厳かでした。
他にも沢山の作品が並びます。
▲聖歌集・・・どんな曲なのか聞きたい。
▲ひたすら可愛いったらない。
▲力強くてカッコ良い!
これからいらっしゃる方も沢山と思いますので
ネタバレはこの辺までにします。
とにかく小さな世界がずらりと並んでいて、見て回るのに時間がかかります。
虫眼鏡ご持参の方もいらっしゃいました!
集中力と体力と時間と、すべてに余裕があるときに
満を持しての訪問をお勧めいたします。
最後に
これらの写本を人生を懸けて収集された内藤先生は
ほぼすべてのコレクションを西洋美術館に寄贈されましたが
上記の一枚はいまもデスクに置いて毎日を過ごしていらっしゃるとか。
後日に図版でこの作品を探しましたが、どうやら掲載されていないようです。
これは内藤先生だけの、大切な思いと歴史なのでしょう。
この展覧会は8月25日まで開催です。
暑い時期ですがお勧めです。
わたしももう1度行きたいと思っています・・・。
写真の古典技法 5月09日
某日、友人の篠田英美さんの写真展レセプションに伺いました。
彼女はいろいろな国で成長し
今も海外と強い繋がりを持っている人で、
撮る写真もまた外国なのに日本のよう
また日本の風景なのに外国っぽい・・・
英美さんの世界はとても広く居心地が良いのです。
今回の写真展に、わたしが作った額縁2枚も
参加させてくださいました。
2015年に銀座のギャラリー林で
わたしたち2人の額縁と写真の二人展を開催しまして
その時の作品2点です。
ギャラリーの方とのお話しで
写真にも古典技法があると言いうことを知りました。
今やデジタルがメインになった写真の世界。
フィルムで撮影し現像、プリントして完成する写真は
もはや古典技法なのだとか。
デジタルとフィルムによる「古典技法」と
作品にはどちらも特徴があって
好みの世界としか言いようがありません。
古典技法で古色を付けた額縁に、古典技法で撮影・現像した写真。
懐古主義ではない(つもり)ですし
奇をてらってわざわざ、という訳ではありません。
古典技法と呼ばれるものに惹かれるのは
結局は雰囲気や肌触り、質感の好みとしか言えないのだけれど。
篠田英美さんの展覧会「銀河は高く歌う」は
中野のギャラリー冬青で5月25日まで開催です。
ぜひお越しください。
星の指輪入れ 4月18日
星の指輪入れが完成しました。
成城学園前にあるアンティークショップ
「attic」さんからのご注文で制作しました。
箱義桐箱店製のアクリルガラス入り指輪ケースに
いつものように古典技法で水箔(14K金箔)を貼り磨き
星の模様を点打ちで散らしています。
▲加工前の指輪ケース、桐の木地です。
18の小部屋があって、それぞれに
黒い別珍のクッションが入っています。
難点はアクリルガラスが取り外せないこと。
カバーはしましたが石膏の作業時には不便・・・。
ううむ、でも加工を前提に作られていませんから
仕方がありませんのです。
指輪はもちろんですが、こぶりのピアスも入れられます。
お店で使っていただく箱ですので、頻繁に開け閉めすること
不特定多数の方が触ることを考えて、
箔の表面をすこし厚めにコートしました。
その効果なのか、表面がいつもよりガラス質に見えて
それも良い雰囲気に仕上がったような。
成城学園のお近くにお越しの際には
ぜひ atticさんへお立ち寄りください。
星の指輪入れもお越しをお待ちしております。
額縁の蔵出し販売 3月28日
以前に展覧会用などに作ってそのまま
自宅の片隅で眠っている額縁がいくつもあります。
本当は展覧会時に販売できれば良かったのだけど
そう上手く行くことも無く・・・
長らく冬眠していた額縁たちを
オンラインショップで販売しています。
サイズは規格サイズではありませんが
鏡を入れていただくことも可能ですし
もちろん作品の額装として、
またお店の展示や什器として、
色々と使っていただけると思います。
▲piatto-francese フランスの古いお皿をイメージしたデザイン。
▲金焼 金箔を貼り磨いてから焼いたもの。かなり強い古色です。
▲銀焼 こちらも同様に銀箔を貼り磨いて焼いたもの。
どの額縁も、手に取れば作った時の記憶がよみがえります。
いちいち感傷にふけっている場合ではないのでございますけれども。
新しい持ち主の方に使っていただければ額縁の使命を全うできるはず。
よろしければどうぞ、KANESEIのオンラインショップをご覧ください。
懐かしの天使 3月11日
イタリア滞在から帰国して
オンラインショップも再開するのを機会に
新しい商品も載せることにいたしました。
新作ばかりではなくて旧作もいろいろと。
純金箔と純銀箔の双子額縁、かれこれ・・・
大変大昔に作ったものです。
その頃はエージェント事務所に所属しておりまして
マネージメントを担当してくださっていた方の
アイディアでアンティークの布を入れました。
な、なつかしい・・・
天使の模様が織り込んであるシルクを
クッションになるようにして(キルト芯を入れて)
ふかふかにしてあります。
帰宅後に外したアクセサリーを乗せたり
お店の展示にも使って頂けたら・・・と思っています。
このふたつの額縁を作っていた頃
なんだか無駄に色々と悩んで考えていたような記憶が蘇っています。
この頃に比べれば今は自分との付き合いが
ずいぶんと楽になりました。ハハハ。
オンラインショップでどうぞご覧くださいませ。
ジョヴァンナお披露目 12月11日
今年もまたこの時期になりました。
「小さい小さい絵」展です。
秋に完成させましたギルランダイオ作
「ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像」部分模写を出品します。
展示即売会、でございます。
第29回 小さい小さい絵展
12月21日(木)~27日(水) 最終日は17時閉場
池袋東武百貨店6階1番地 アートギャラリー
03-5951-5742
名刺大の板にボローニャ石膏地を作り
卵黄テンペラで模写しました。
この絵「ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像」を
ギルランダイオが描いた当時と同じ技法と材料です。
額縁もまた、古典技法(木地にボローニャ石膏
端先に赤色ボーロに純金箔水押し)で制作しました。
まるっと全部を古典技法で制作しましたので
(一部の板と接着剤など以外)
雰囲気や手触りはルネッサンス当時を感じていただけると思います。
今年はこの1点のみの出品になってしまいましたが
その分だけ「濃い1点」になっております・・・。
12月末、暮れが押し迫ったお忙しい時期ですが
お近くにお越しの際にどうぞお立ち寄りください。
秘密の小箱展 2023 10月12日
少しずつお伝えしておりましたが
箱義桐箱店谷中店にて、今年も
「秘密の小箱展」を開催させて頂けることになりました。
昨年1回目は9月でしたが
今年は11月9日から19日までです。
▲額縁はシルヴァーノ・ヴェストゥリ氏彫刻木地のカルトッチョ。
DMも作りました。
写真は浅野カズヤさんに撮って頂いたもの。
撮影時に色々とお願いをして
思った通りの写真を作っていただきました。
やれ薄暗くしろ、やれ文字装飾を目立たせろ
赤っぽくするな、銀座の古いバーっぽくしろ等々・・・。
「銀座の古いバー」で浅野さんにイメージが通じたのが
同い年のよしみと言いましょうか、
笑ってしまったのですが。
おかげ様でイメージ通りのDMが出来ました。
浅野さん、ありがとうございました。
快く写真を使わせてくださった
曹洞宗「禅の友」編集のMさんにも感謝申し上げます。
謎めいて、いわくありげで、秘密めいた雰囲気・・・
になりましたでしょうか。
▲肝心なのはこちらのご案内面
「秘密の小箱展」
-フィレンツェの古典技法で作る小さな箱-
2023年11月9日木曜から19日日曜まで
10:30~19:00 月曜・火曜休み 最終日は17時まで
箱義さんの美しい桐箱に古典技法で細工した小箱です。
あなたの大切なもの、思い出をいれてください。
新旧を併せて展示いたします。
秋のお散歩に、どうぞお立ち寄りくださいませ。
考えながら生きる 9月04日
ででーん
ひょっこり
「禅の友」9月号です。
立秋とお盆を過ぎて日もだいぶ短くなって
「禅の友」表紙背景もすこし深い色になりました。
この額縁は「サンソヴィーノ」スタイルと呼ばれるデザインで
渦巻きとウロコが特徴です。
例によって摸刻でして、オリジナルは1500年代後半に
北イタリアで作られたものです。
日本人の「死」に一番近い宗教でもある仏教
(もちろん違う考えの方々もいらっしゃいます。)
この「禅の友」でも、自分や家族の死を迎えるにあたっての気持ち
ひとりで物事を考え整理する時間の大切さなど
毎号に死生観についてのコラムや仏教の考え方などが載っています。
「教え」ではなくて、「私はこう思います。あなたはどう?」
と問いかけられているような文章です。
毎月「禅の友」編集部から届けていただく度に
自分との対話の機会になっています。
9月はお彼岸もありますね。
今月もまた、気持ちの整理をしてみようと思います。
それにしてもまぁ、派手な額縁でございますね!
曹洞宗と古典技法額縁、このギャップを
楽しんでいただければ嬉しいです。
額縁伝道 8月03日
曹洞宗の冊子「禅の友」8月号です。
この額縁も7月号同様
イタリア・ピエモンテ州で作られた額縁のレプリカです。
7月号の額縁が1700年代、この額縁は1600年代末。
100年近いひらきがあります。
さわやかなレモンイエローの背景に青葉色のロゴ。
夏らしくフレッシュな感じです。
偶然ながら(または編集さんの楽しい企みか)
表紙の写真と額縁実寸が同じ!
小さい額縁ですから、それが可能だったのですね。
▲実物額縁を探せ!・・・すぐばれますね。でも面白い。
毎月編集の方がこの「禅の友」を数冊まとめて
我が家へ届けてくださるのですが
編集部に届く読者の声をプリントしたものも
同封してくださいます。
これがもう、なんとも嬉しいのです。
わざわざまとめてプリントして送って下さる
編集さんのお気持ちに加え
表紙の感想をわざわざ投稿してくださる
読者の方のお気持ちのありがたさ。
それこそ老若男女からのご感想です。
ひとこと「励まされる」では足りないくらいです。
いままで額縁に興味がなかったけれど、新しい世界を知った
切り抜いて壁に貼って、中に子供が描いた絵を入れて家族で楽しんでいる
額縁の表紙は突飛で最初は驚いたけれど、気づけば毎月面白くなってきた
などなど。
わたし一人の活動では狭い世界でしたが
こうして「禅の友」の皆さんのお力で
いままで接点がなかった方々に額縁の
魅力を感じて頂ける機会になりました。
自分が好きなものを作って手元ばかり見ていたけれど
顔を上げて見回してみたら、いつのまにか
笑顔の人が周りに沢山いてくれた、といった感じです。
ありがとうございます。
いつの間にか残りはあと4か月になりました。
額縁の魅力と楽しさを感じて頂ける機会を
大切にしようと思います。
それぞれの愛を込めて 7月27日
先日、友人と話していた時のこと。
「猫を飼っている人は抜けたヒゲを
大切に保存することが多いから
猫ひげ小箱の需要は実はあるかも・・・」
と教えてくれました。
▲友人が送ってくれた猫の毛ボール写真。
愛があふれて、ボールも小箱からもあふれている。
なにせペットは猫はおろか
一切飼ったことがありませんので
「猫のヒゲが幸運をもたらすお守りになる」のは
知りませんでした。
これぞまさに、目から鱗が落ちました。
さっそく手元にある細長い小箱を
ふたつ選んでいそいそとネットショップに上げました。
おついでの際にでもぜひご覧ください。
「小箱に何を入れるのか問題」は
相変わらずわたしのなかで渦巻いています。
ただ飾る、拾った石(大切な石)を入れる
お母様の形見の指輪を入れる、そして
猫のヒゲを保存する・・・
わたしが何か使用目的をもって作らなくても
持主がそれぞれ自由な発想で、
それこそわたしには思いつかないような発想の
使い方をして下さるのでした。
箱は小さくとも、とても大きく広い世界です。
そしてわたしの心がふわっと幸せになります。
あまり大きな声で提案する内容では
無いかもしれませんが
手元供養にも使っていただけたらと考えています。
大切なご家族、話したり触れることはできなくても
せめて一部だけでもそばにいて欲しい。
そんな時にKANESEIの小箱を使って下さったら
とても嬉しく思います。
芸術は長く人生は短し 5月25日
曹洞宗の冊子「禅の友」6月号です。
2015年に完成させたレプリカ、オリジナルは
16世紀のイタリア・トスカーナ州で作られた祭壇型額縁で
オリジナルの額縁はロンドンの
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館が所蔵しています。
かつてアトリエLAPISのメンバーだったSさんが
製作販売してくださったキットを使って作りました。
(残念ながらキット販売はすでに終了)
▲制作キット。写真はアトリエLAPISからお借りしました。
小さくてぎゅっと詰まっていて、それはそれは可愛い額縁です。
作っている間も楽しくてたまりませんでした。懐かしい。
そんな思い出深い額縁を表紙に採用していただけて
(毎月それぞれに感慨深いのですが)
これまたいろいろと思い出してしみじみします。
裏表紙には額縁の裏面を入れてください!
とのお願いを叶えて頂きました。
こうした変形の額縁って裏面はどうなっているのか
気になりますよね?(気になると言ってください・・・)
このレプリカの木地はオリジナルに
忠実に作ってありますので、構造も同じ。
窓をくりぬいた一枚板をベースにして
それぞれ装飾を組み合わせてあります。
この額縁にはKANESEIオリジナルの
銅の吊り金具を付けてありますので
これまた裏面を掲載していただけてうれしい限り。
6月号に掲載されている青木千恵さんのコラム
「時事を考える」のテーマは「人と音楽」
坂本龍一さんについてです。
坂本龍一さんの好まれたラテン語の名フレーズ
「Ars longa, vita brevis」(芸術は長く人生は短し)
人生は短いけれど芸術は長く後世へ残り続けるという意味と同時に
芸術を完成させるには人生は短い、という意味もあるとか。
「芸術」とは、「生きる」とは一体なんだろう。
そんなところから改めて考えたくなります。
「禅の友」、ぜひお手に取ってご覧ください。
脱・開店休業 5月08日
開店休業に近い状態だった
8つ小箱とテンペラ模写2点を追加して
更新いたしました。
せっかく作ったのに放置していては
立ち寄ってくださった方にも
「ああ、ずっと同じままだ。
つまらないな。やる気がないんだな!」と
思われてしまってはもったいない。
▲新作の星模様も出しました。
小箱は手に取って実際ご覧いただいてこそ
小ささや面白さをお伝えできると思うのです。
でも今の世の中は遠く離れた場所からも
ご興味を持っていただけるのですから
使わない手はありませぬ。
小さいものがお好きな方は
全世界にいらっしゃるのですからね・・・。
▲委託でお預けしていた「おなじみ」も帰ってきました。
小箱は、プレゼント用とお伝えいただければ
オーガンジーのポーチに入れて包装いたします。
今は国内限定販売ですが、近々には
海外からのご注文にも対応できるよういたします。
ぜひKANESEI ネットショップ
ご利用くださいませ。
お待ちしております。
5月の空の色 4月24日
曹洞宗の冊子「禅の友」5月号です。
今月の表紙には2016年に作った
彫刻額縁を使っていただいています。
16世紀のイタリア・ボローニャで作られた額縁のレプリカ。
2016年って最近のような、ずいぶん昔のような。
今月号の背景は真っ青!これぞ5月の空の色です。
額縁の茶色との2色でバシッと引き締まっています。
かっこいい。
今月も「額縁が自分の写真を自分で額装」
自己額装、セルフフレーミング写真を撮ってみました。
表紙一枚だと額縁が小さい・・・ので4冊並べてみたら
不思議で面白い「部分自己額装」になりました。
そして裏面に小箱を載せて頂いております。これまたうれしい!
今月号、面白かったのは「素髪ケア -自分の髪を知る-」です。
合成シャンプーやカラーリング剤
日常的に使っているけれど改めて考えてみたこと。
環境はもちろん、自分の体への影響や湯シャンの方法やコツなど。
市販のシャンプーを使わずお湯だけで洗う湯シャン
実は懐疑的だったわたしですが
このページを読んでちょっと試してみようかしらん?
と思いつつあります。
髪の健康は髪だけケアすれば良いのではない。
食べ物、運動、呼吸や血の巡り、そして
心の健康も影響するのですって。
「それはそうだろうなぁ!」と納得です。
「禅の友」ぜひお手に取ってご覧ください。
クチュールジュエリー展 2023 ~春を編む~ 3月13日
3月後半のイベントのお知らせです。
なんだかお知らせが続いて恐縮です・・・
KANESEI活動記録ということで。
大阪の阪急うめだ本店で開催の
「クチュールジュエリー展 2023 」
昨年に続き今年も参加いたします。
会期は3月22日水曜から27日月曜まで。阪急うめだ本店9階の催場です。
メインはアクセサリーのイベントなのですが
小箱も仲間に入れて頂いております。
わたしは期間中毎日会場の店頭に立つ予定です。
ぜひお越しくださいませ。
2月のギャラリーササキ商店「工芸市」につづいて
大阪での催事なのですが、だんだんと
新大阪や梅田の駅も「全然知らない!」から
「何となく知っている」になってきました。
デパート催事も早くも4回目・・・
冷や汗が少し減ってきたような・・・
会場でお待ちしております!
ヨーロッパの古典技法展 ―絵画・額縁の魅力― 3月09日
横浜市の市が尾にある古典技法の教室
「Atelier LAPIS」の展覧会のお知らせです。
わたしが月曜コースを担当させて頂いてから
早くも12年目!なんと早いこと。
こちらのアトリエの講師と生徒さん方の作品の展覧会です。
横浜本牧絵画館の第4回 作家・研究者支援プログラム展示
と言うことで、かなり本格的な展覧会になりました。
わたしは額縁を2点出品いたします。
↑16世紀半ばにフィレンツェで作られた額縁の摸刻と
↑18世紀にイタリア・ヴェネト地方で作られた額縁の摸刻の2点です。
展覧会のポスターはアトリエ主催の筒井先生の作品です。
水曜コース講師の井上雅未花先生の作品
古典技法で制作された生徒さんの作品
そしてわたしの額縁のご紹介ページなど。
それから、2022年秋にご紹介しておりました
「古典技法額縁制作見本」の額縁はこの展覧会で
筒井先生のご解説と共に展示いたします。
わたしは会場にてお迎えすることが出来ず恐縮ですが
ぜひ生徒さん(とわたし)の情熱のこもった作品をご覧頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
和風に見えてくる不思議 3月06日
「禅の友」(曹洞宗の冊子)の3月号が届きました。
今月は「cassetta-1」という名前で出している
額縁を選んで頂きました。
雛祭りの時期だから、バックはピンクで可愛く!
額縁も併せて可愛らしいものを!!
と編集の方が作って下さった表紙です。
それにしても漢字タイトルが隣にあるせいか
額縁がとても和風に見えてくるのが不思議です。
なんだか金糸で織られた帯のような。
オリジナルの額縁は16世紀半ばに
フィレンツェで作られた額縁なのですが
日本人のわたしがレプリカを作りましたので・・・
なにか「和の血」が注がれたのかもしれません。
▲こうして見ると大して和風でもないような・・・。
影の有無とか?やっぱり和風??
なぞの折衷と言うことで!
この「禅の友」は毎号に山下裕二先生の「体感!日本美術」
というコラム(今月は若冲と田中一村)があったり
今月号には箱根駅伝で総合優勝した駒澤大学の
監督インタビューなども掲載されていて
読みごたえがあります。
お手に取って頂けますと幸いです。
遅ればせながら 2月20日
今年2023年の「禅の友」(曹洞宗の冊子)表紙に
採用していただいた額縁のご紹介
2月号は遅ればせながらこちらです。
渋い辛子色の背景にサンソヴィーノ木地額縁でした。
「マッチョ」なイメージの額縁に
黒のタイトル文字がかっこいいのです。
一見すると何の冊子か分かりませんが
それもきっと今年の狙いの一つなのだと思っています。
そして裏表紙にもなんと・・・!
小箱を採用して頂いたのです。
編集の方が「裏表紙に広告が入らない時には
小箱も入れられるかも・・・」と仰っていたのですけれど
早くも2月号で実現しました。うれしい!
もうすぐ3月号が発行されます。
3月号は雛祭りの時期なので
可愛らしい雰囲気になる予定です。
ご期待ください~!
心斎橋でのグループ展出品のお知らせ 2月02日
大阪・心斎橋にあります「ギャラリーササキ商店」で
開催されます工芸市に出品いたします。
7名の作家がそれぞれがこつこつと作った物・・・
ホームスパン、丹波布、螺鈿細工、陶器、染色、椅子、
そして小箱です。
2022年春に阪急うめだ本店
「クチュールジュエリー展」にて
初めて小箱を発表させていただいた際に
偶然見てくださったササキさんが
お声をかけてくださったのが始まりで、
いやぁ、どこでどんなご縁が繋がるか分かりません。
東京生まれ東京育ちのわたしが
初めて行った大阪の初めての催事で
出会った方とのご縁です。人生おもしろい。
それぞれ全く違ったものを作っている方々、
わたしもお目にかかるのが楽しみなのです。
きっとお話が弾むだろうなぁ!
・・・そしてお買い物も進むだろうなぁ・・・
DMの写真を見ただけで既に鼻息荒くなっております。
わたしは今のところ、初日と二日目は在廊予定です。
お近くにお越しがありましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ。
ギャラリーササキ商店の工芸市 2023
2月21日㈫~27日㈪ 12時~19時(27日は17時まで)
大阪市中央区心斎橋筋1-6-4 佐々木ビル3F
禅の友 2023年1月号 12月15日
以前に「仕事の時間 2」でお話した
額縁の撮影大会ですが、
その時に撮って頂いた写真がこの度
皆さんにご紹介できるようになりました。
曹洞宗が出版している冊子「禅の友」の2023年表紙を
一年間、KANESEIの額縁写真で飾らせて頂きます。
この冊子は書店では購入できませんが、
曹洞宗のお寺、学校や関連施設で配布しています。
また曹洞宗宗務庁にご連絡頂きますと
1冊80円+送料でお届けいたします。
1月号の表紙は、フィレンツェにある
バルディーニ美術館所蔵のレプリカ額縁です。
全面が輝く純金仕上げ、むくむくと膨らむ末広がりなデザイン、
とにかく派手でお目出たい雰囲気で
お正月向き・・・と言った感じです。
背景のバキッとした黄色で
これは編集者さんが選んでくださったのですが、
額縁の陰影や「激しさ」に負けず、引き立ててくれています。
▲キョーレツだけど、それが良い。
昨今、宗教的なことは敏感な内容で
あまり話す機会もありませんね。
わたしは仏壇と神棚がある家に生まれ、
日曜学校にも通い、
今は特定の信仰は持ちませんが
真言宗のお寺にあるお墓に入る予定…
半年後一年後が予測出来ないような日々、
今回この冊子に使って頂く事で
宗教について更に考える機会になり
心の支えとは。
こんな時こそ、背中にそっと手を当てて
「大丈夫だよ」と言ってくれるような「心の支え」が欲しくなる。
それは宗教かもしれないし、隣にいる人かもしれない。
自分自身でも良いのでしょうね。
上の写真は、表紙に使って頂いた額縁に冊子を入れてみた図。
自分で自分を額装・・・
セルフ・フレーミング!(そんな言葉はないかも?)
日本唯一のボッティチェッリ 12月08日
今月1日から丸紅ギャラリーで開催中の
「美しきシモネッタ」展へ行きました。
皇居のお堀端にある丸紅ビルに
今年完成したギャラリーだそうで、
まさにこの一枚の作品のために作られたようなギャラリーでした。
▲ビル入口で迎えてくれたシモネッタ
整理券配布と聞いて並ぶ覚悟でしたが
すぐ入場でゆっくり見られました。
日本で所蔵される唯一のボッティチェッリ作品とのこと。
最初の印象は「思ったより大きい!」でした。
(作品サイズ:650×440mm)
彫刻と金のかなり力強い額縁に納まっていたのも
印象を強めていたかもしれません。
丁寧に描きこまれた部分―—顔やペンダント、
レースなど―—と、あっさりとした部分
(背中側の衣装や髪)とのコントラストが
一見未完成かと思わせつつも、その落差(?)で
描きこまれた部分の美しさが引き立っているようでした。
そして背景の窓の向こうの空の美しさたるや。
以前読んだ本で、レオナルド・ダ・ヴィンチは
「ボッティチェッリの背景は単純で趣も無くて
つまらない」と言っていた・・・と読んだ記憶がありますが、
わたしは昔からボッティチェッリの描く背景の風景画が好きです。
透明で透き通って、強い風が止まった、その瞬間のよう。
薄そうな空気感。
意味づけも無くスッキリとして、前景を引き立てます。
つまらない風景なのでは無い、
そういう風に描いたのよ!と擁護したくなる。
このシモネッタの背後の空もまた、雲さえ無いのだけれど
ただ青空があるだけでは無くて、
ほんの少し茜色に染まりつつある空なのです。
この何とも言えない陰影と趣きは、いつまででも
見ていたい気持ちにさせられるのでした。
▲丸紅サイトからお借りしました。
実物の色はこんなものじゃない、際立つ美しさ。
実は大学1年の頃、まだ一般公開されていない頃に
お世話になっていた先生のコネクションで当時社長室
(会議室だったか応接室だったか)にあった
この「美しきシモネッタ」を見る機会がありました。
その時は「わぁキレイ」という
子供っぽい単純な感想しか無かった記憶でした。
その後、テンペラ同好会に入り卵黄テンペラ画模写を経験し
ルネッサンス美術に興味が深まり、
卒業制作ではテンペラ画模写研究をし、
その後フィレンツェに留学して・・・
大学1年生の頃とはずいぶんと違う気持ちで
「シモネッタと再会」できたようです。
▲新聞広告、チラシ、チケット。
なぜカラーにしなかったんだろう?
ボッティチェッリが生涯を暮らした
フィレンツェの、ウフィッツィ美術館にある
彼の名画に比べれば小品だけれど、
この作品が日本にあって、見ることができて幸せだなと思います。
新年1月31日まで公開とのこと、
ぜひぜひお出かけくださいませ。お勧めです。
「美しきシモネッタ」 2023年1月31日まで
*チケットは現金では購入できませんでした。
クレジットカード、または交通系ICカードがあると便利です。
ふたつの雑誌に掲載して頂いています 12月01日
夏から秋にかけて取材をしていただいた記事が
掲載された雑誌が、いま発売されています。
ひとつは婦人画報「美しいキモノ」の
「ITEM 注目のモノ」というページです。
▲表紙からして美しい
そしてもうひとつ、こちらは会員誌ですので
限られた方にしか見て頂けないのですが、
イオングループのカード会員向け雑誌「mom」です。
こちらの取材は真夏に我が家に来てくださった
ライターさんとフォトグラファーさんによる記事です。
▲顔写真やらプロフィール・・・箱で隠しました。すみません。
▲もうクリスマスな表紙です
自分のことや自分が作った物が印刷物になって
書店に並んでいる(ほんの数ページでも)って
不思議な感覚です。
うれしはずかし、だけど他人事のような。
「へぇ。」と冷めた目になって、
自分自身を俯瞰して見られるようです。
いや、とか言いつつやっぱり嬉しいです!
機会がありましたら、ぜひ
お手にとってご覧いただけますと幸いです。
秋の実の小箱 11月14日
豆小箱
ただでさえ「小箱」ですのに
輪をかけて小さい豆小箱ですが
その小ささ故に装飾するのも特に楽しいものです。
中世の模様をパスティリア(石膏盛り上げ)で入れて
赤ボーロに純金箔を水押し
今回は古色を付けてみました。
パスティリアで入れた丸い点々が
秋の実のように見えて、
なかなか気に入っております。
外側寸法:35×35×23mm
大切な指輪をひとつ入れて。
いかがでしょうか。
展示会「色のカタチ」に出品しております。
明日15日夕方5時までの開催
ぜひお立ち寄りくださいませ。
「色のカタチ」ito to ki no katachi
松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979
11月9日(水)~11月15日(火)
初日12時開場
最終日午後5時閉場
星輪違文小箱 11月10日
「たまには作ろう東洋風」と
謎のスローガンを掲げておりますが
先日の屈輪文につづきまして
こちらの小箱は輪違文様です。
輪違とは輪を交差させた模様でして
一番見かけるのは「花輪違(花七宝)」でしょうか。
輪の中央のひし形部分に花が描かれているもの。
この小箱には花の代わりに星を入れました。
言うなれば「星輪違」「星七宝」。
星の中央の点はパスティリアで
ぽちっと盛り上がっています。
▲手のひらに乗るサイズ。
可愛くできたかな、と思いつつも
星のせいで純和風とも言えない雰囲気。
それもまぁ・・・模索中ということにします。
それにしても最近は黒やグレー色の登場が多いのですが
と言うのも、どうやら華やか系より
モノトーンに近かったりシックな色使いの方が
人気がある・・・との分析。(当社比。なんちゃって。)
ふり返るとピンクや水色が多かったかもしれません。
しばらくモノトーン・シック路線も
これまた模索してみようと思います。
昨日9日から松屋銀座7階で開催の
「色のカタチ」に出品しております。
どうぞ秋の銀座へお越しくださいませ。
わたしは下記のスケジュールで店頭におります。
9日(水)16:00~20:00
10日(木)休
11日(金)12:00~17:00
12日(土)10:00~15:00
13日(日)10:00~15:00
14日(月)休
15日(火)10:00~17:00
「色のカタチ」ito to ki no katachi
松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979
11月9日(水)~11月15日(火)
初日12時開場
最終日午後5時閉場
竪琴をひく人のとなりに 11月07日
イタリアのシチリア島には
ローマ時代(4世紀頃)に建てられた
villa romana del casale
ヴィッラ ロマーナ デル カザーレ という
とても美しい屋敷跡があります。
直訳すると・・・
「ローマ時代の農村邸宅」でしょうか。
それはそれは凝った精密なモザイクがあり
19世紀に発掘されて今も美しく保存されています。
行ったことありませんが。
・・・行きたいなぁ。遠いなぁ。
今日完成した小箱はこのヴィッラの
床モザイク模様をお借りしました。
組紐模様です。
▲桐木地小箱にボローニャ石膏、パスティリアで装飾
赤色ボーロに純金箔水押し、古色仕上げ
モザイクは色とりどりで華やかですが
小箱は古典技法の純金箔の古色仕上げで。
▲外側寸法:45×45×20mm
▲ヴィッラの床モザイク。写真はお借りしました。
4世紀イタリアに、今と同じような
古典技法が存在していたかというと
おそらく未だ無かったと思いますけれど、
トーガを着て優雅に海を眺めながら竪琴をひく人、
その横にこの小箱・・・
などと想像してしまうのでした。
明後日水曜から松屋銀座7階で開催の
「色のカタチ」に出品いたします。
どうぞ秋の銀座へお越しくださいませ。
お待ちしております。
わたしは下記のスケジュールで店頭におります。
9日(水)16:00~20:00
10日(木)休
11日(金)12:00~17:00
12日(土)10:00~15:00
13日(日)10:00~15:00
14日(月)休
15日(火)10:00~17:00
「色のカタチ」ito to ki no katachi
松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979
11月9日(水)~11月15日(火)
初日12時開場
最終日午後5時閉場
小箱展示販売のご案内「色のカタチ」松屋銀座にて 10月27日
「色のカタチ」
ito to ki no katachi
11月9日水曜日から15日火曜日まで
松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979にて
展示会をいたします。
今年5月と同様のメンバー
ジュエリーアーティストの方々の作品と
KANESEIの小箱をご覧ください。
新作もいくつか発表いたします。
改装を終え新しくキレイになったスペース
「遊びのギャラリー1979」での展示で
とてもワクワクしています。
場所は、以前の「和の座」の斜め前です。
わたしは下記のスケジュールで店頭におります。
9日(水)16:00~20:00
10日(木)休
11日(金)12:00~17:00
12日(土)10:00~15:00
13日(日)10:00~15:00
14日(月)休
15日(火)10:00~17:00
秋のお散歩に、ぜひ銀座へお越しください。
お待ち申し上げております。
「色のカタチ」ito to ki no katachi
松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979
11月9日(水)~11月15日(火)
初日12時開場
最終日午後5時閉場
「秘密の小箱展」はじまりました 9月24日
相変わらず大騒ぎをして準備して
開催に漕ぎつけました
「秘密の小箱展」でございます。
台風の近づく金曜日の朝に搬入・展示
そしてお客様をお迎えしました。
▲小箱の他にテンペラ画模写、小さい額縁も置いています。
友人・知人も早速来てくれました。
緊張している時に知人の笑顔を見られるのは
本当にうれしいことです。
谷中という場所柄、通りがかりで
立ち寄って下さる方々も。
会場ギャラリーの「箱義桐箱店」へ
ご用でいらしたお客様と
思いがけず色々なお話が出来たりと
久しぶりに「初対面の方々と
お話をする楽しさと緊張感」も思い出しました。
▲総勢75点の小箱の全員集合
毎度のことで自分でも呆れますが
心は浮足立って焦ります。
お化粧もし忘れ(マスクを最大限に
広げて前髪を下して隠しました)
お昼休憩で気が抜けて居眠りして、
なんともトホホな面もあった初日。
本日2日目も台風大接近中ではありますが
昨日よりは落ち着いて店頭に立てそうです。
雨が心配ではありますが
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
お待ちしております。
▲千駄木駅から徒歩数分です。
箱義桐箱店 谷中店にて
9月23日(金)~10月2日(日)
10:30~19:00 金曜土曜日曜のみ営業
13時より17時まで在廊いたします。
その時が来た 9月22日
もう延々とずっと作業を続けて
アトリエLAPISの生徒さんには
「もはやわたしのライフワークです」などと
宣言して苦笑いされていた小箱が
ようやく、やっと、とうとう(しつこい)
完成いたしました。
いやぁ、続けると終わる時が来るのですね。
永遠に終わらないんじゃないか・・・は
大袈裟ですけれど、途中でもう
投げ出すだろうと諦めかけていました。
▲右の銀色の棒(メノウ棒)で点々を入れる。
形状サイズは鉛筆とほぼ同じです。
▲ライト付きルーペが役立ちました。
展示会が目前になって
「ここで完成させねば永遠に完成しない」と
腹をくくった次第です。
茶色ボーロにホワイトゴールドの水押し。
マイクロ点々でダマスク模様を入れました。
▲側面にも模様は繋がっています。
ほんのりとボーロの暖色を感じられる。
迷いに迷い、中は濃いピンクに。
改めて眺めても気になる点は多々あって、
でもまぁ一山越えられたような気がします。
記念碑的小箱になりました。
明日9月23日より開催の「秘密の小箱展」に
出品いたします。
どうぞお越しくださいませ。
「秘密の小箱展」のお知らせ 9月05日
以前にも少しお話したのですが
小箱の展示会をいたします。
箱義桐箱店 谷中店にて
「秘密の小箱展」です。
秘密にしたいのか
見ていただきたいのか
変なタイトルなのですけれど
KANESEIの小箱は
大きなものは入らないけれど、
あなたの「秘密」を入れたら
大切に守りますよ・・・
というイメージなのです。
フォトグラファーの篠田英美さんに
これらの素敵な写真を撮って頂きました。
そして沢山の方に助けていただき
励ましていただき
ようやく漕ぎ着けました。
初・KANESEI小箱個展・・・
浮足立っておりますが
どうぞよろしくお願い申し上げます。
DMハガキ、お送りいたします。
ご希望の方は私までご住所をお知らせください。
小さな箱に詰め込んで 8月25日
先日の夜、ぼんやりとしていたら
親友からメッセージが届きました。
「こんな文章を書きました」と。
なんだかとても嬉しくて、
高校時代、制服を着ていたころの彼女と
母になった今の彼女と
わたしが知らない幼いころの彼女の姿が
輪っかの中で繋がったイメージ。
心の一部分は今も変わらないままね。
ぜひ読んでみてください。
あやちゃん、ありがとう。
ネットショップでいざいざ 8月22日
今年4月の投稿で声高らかに(?)
宣言してしまったからにはやっぱり
実現しなくてはなりません・・・。
ネットショップ開設でございます。
とは言え、ええ~と、作ったは良いが。
公開する勇気が出ずに右往左往して
早くも2か月が過ぎまして
ようやく先日こっそりオープンいたしました。
本当は満を持して「オープン記念」銘打って
何かしようかな、などと考えておりましたが
すごすご諦めました。
良いのかな? 本当にこれで良いのか。
大丈夫なんだろうか・・・。
お金のやり取り、発送などなど
売れる前からドキドキしています。
今のところ商品は少しの掲載ですが
これから徐々に増やしてまいる所存です。
▲ロゴが大きすぎた気もします・・・
改善点満載の見切り発車でございますが
もしご興味持っていただけましたら
下記のページをご覧くださいませ・・・。
ああもう、すみません!
(今のうちに謝らせてください!)
https://kanesei.theshop.jp/
丸三角四角ちらほら五角 5月12日
先日ご覧いただきました kirikami の
白い小箱と同じ技法で凹み模様を入れた
「丸三角四角ときどき五角」小箱です。
いつものように古典技法で純金箔を貼り
艶消しで仕上げました。
名前のとおり、ランダムに
丸三角四角、ちらほらと五角形を
散らばせています。
内側は金色の反対色(補色)で青に。
箱の角もすこし丸くして
ぽっこりした印象にしました。
丸っこくなくシャープにした方が
模様と合っているかな・・・?と
迷いつつ。
いかがでしょうか。
外側寸法:62×54×47mm
桐木地にボローニャ石膏
赤色ボーロに純金箔、艶消し仕上げ
この小箱は松屋銀座7階「和の座ステージ」
で開催中の催事に出品しております。
どうぞお立ち寄りください。
小箱展示販売のご案内 松屋銀座「和の座ステージ」にて 5月05日
小箱の展示販売のお知らせをいたします。
5月11日水曜日から17日火曜日まで
銀座の松屋7階「和の座ステージ」にて
KANESEI小箱をアクセサリーと一緒に
展示販売いたします。
3月大阪の阪急うめだ本店での催事に続き
東京で展示する機会をいただきました。
銀座にお出かけがありましたら
ぜひお立ち寄りくださいませ。
わたしは下記の時間に店頭にて
お越しをお待ちしております。
12日(木)15時~20時
13日(金)10時~16時
14日(土)14時~20時
15日(日)10時~15時
17日(火)10時~18時(最終日18時閉場)
イベント出店のお知らせ 3月14日
以前から作りためていた小箱を
展示販売する機会を頂戴しました。
3月23日から28日まで
大阪の阪急うめだ本店 9階催場
午前10時から午後8時まで(最終日6時まで)
「My happiness クチュールジュエリー2022展」
KANESEI で出品いたします。
アクセサリーのイベントの中で小箱。
ひとりちょっと毛色が違うのですが
1点もののクチュールジュエリーに
1点ものの小箱を一緒に、いかがでしょうか。
小さな額縁やオーナメントなども
出品させていただく予定です。
なにせ初めてのデパート催事
大阪に行くのも初めてなら(我ながら意外ですが)
小箱を発表するのも初めてと
初めて尽くしで大慌てなのですが
とにかく「楽しんでしまえ!」と
思っております。
いえ、思おうと思っております・・・。
お近くにお出かけがありましたら
お立ち寄りください。
期間中は毎日店頭でお迎えする予定です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
500年間の感想をお聞かせください・・・ 12月13日
以前に「Firenze 2020」の中でもお話した
ローマのアンティーク額縁ギャラリー
La Cornice Antica di Fabrizio Canto カントさんの
インスタグラムに先日載った1枚の写真。
お許しを得てこちらでもご紹介させていただきます。
昨年2020年2月にカントさんのギャラリーを
訪ねた際に見せてくださった祭壇型額縁が
ようやくお披露目になったそうです。
ギャラリー訪問のお話はこちらから。
ロンドンのナショナルギャラリー所蔵の
ラファエッロの「聖カタリーナ」が
額装されたとか。
カントさんからナショナルギャラリーへ
お嫁に行った祭壇型額縁です。
▲2020年2月カントさんギャラリーにて。
イタリア語で祭壇型額縁は il tabernacolo
男性名詞なのです。だから「お婿に行った」かも。
コロナ禍でローマからロンドンへの
輸送や手続きに時間がかかったりと
普段とは違うご苦労もあったそうですが、
ナショナルギャラリー内の額縁部門で
修復が施された祭壇型額縁は、
昨年近くで見て触って匂いまで嗅いだりした
「あの額縁」ではあるけれど、もう
とても遠い存在になってしまったような気がします。
イタリア・フィレンツェでルネッサンス時代に
作られた額縁が、巡り巡ってイタリアを出て
海を渡ったロンドンに終の棲家を得た・・・
500年近くの長い時間、どんなことがあったのか。
アメリカに滞在していた時期もあったそうです。
「何を見て感じたのか」など、この額縁に
聞くことができたら。
内容はきっと面白いような恐ろしいような・・・ですね。
ロンドンに行きたいな、再会したいな、と
来年以降に夢は膨らんでおります。
ハガキサイズ用額 100点展 12月06日
先日よりご覧いただきました絵葉書用の額縁を
こちらの展示会に出品いたします。
代々木にあるGallery Picaresque にて
12月4日から26日まで開催されます。
秋にこちらのギャラリーの方から
お誘いのご連絡をいただいて
少々悩んだのですが
なにせ腰が重いワタクシ
これも何かのご縁かも、と思って
参加させていただくことにしました。
多数の工房・作家がそれぞれ制作した
ハガキサイズの額縁をご購入いただけます。
クリスマスのプレゼントや
思い出を身近に置くために、いかがでしょうか。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
絵葉書を楽しむ 3最終回 11月25日
「絵葉書を楽しむ」でご覧いただいた
ハガキサイズの額縁ご紹介最終回です。
▲右上の彫刻額縁です
Andrea Buonaiuto
“Allegory and the vanity of earthly pleasures”
Fernand Léger「都市のための習作」
John Constable「モルヴァーン・ホール,ウォリックシャー」
「楼閣山水之図」奈良平城京左京二条二坊五坪出土
クラシックな額縁ですが
和洋折衷でいけます。
いかがでしょうか。
額縁:fiore-1
絵葉書を楽しむ 2 11月18日
先日完成しました絵葉書サイズの
額縁ご紹介2回目、金の艶消し額縁です。
▲左上の金色額縁です
純金箔を使っていますので
輝きは本物、でも艶消し仕上げで
摺りガラスの向こう側からの輝きです。
Vassily Kandinsky「コッヘル―墓地と牧師館」
サンドロ・ボッティチェッリ「聖母子と天使」部分
ルネ・マグリット「The castel in the pyrenees」
アンドレ・ケルテス「マルティニーク,1972年1月1日」
青色は金色に映えます。
直線的な写真作品もぱっきりと合う。
いかがでしょうか。
額縁:intrecciata
赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き
艶消し仕上げ
絵葉書を楽しむ 1 11月11日
先日から作りはじめていた
小さな額縁3つが完成しました。
絵葉書のサイズなのです。
額縁は、中に入れる葉書によって
雰囲気もずいぶんと変わります。
着せ替えをしてみましたので
ご覧ください。
まずは中央下の黒い額縁から。
伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」
Gustav Klimt ,Allegory of “Sculpture”
増田健二「誰かの昨日の部屋」より
Domenico Ghirlandaio
Nativity of the Virgin,detail
どれかお好みはありますか?
展覧会を見終わって好きな絵葉書を買ったり
遠い旅先から送られてきたお便りなど
せっかくですから額縁に入れて
身近に楽しんで頂きたいと思います。
額縁:
Atelier LAPIS展「心の遠近」 10月14日
市が尾にある古典技法アトリエ
Atelier LAPIS の月曜日講師を担当して
いつのまにやら10年になりました。
いやはや、時間の流れは早いものです。
10月25日から Atelier LAPIS(アトリエ・ラピス)
の全ての講座で合同の展覧会を開催します。
コロナ禍で何度も休講になり、その間も
生徒さん方は地道に制作を続けてこられました。
そうした額縁、テンペラ画や油彩画など
古典技法の作品を発表します。
講師陣もまた、さまざまな気持ちを抱えながら
制作した作品を出品します。
わたしも2020年に制作したサンソヴィーノ2点を
展示させていただくことにいたしました。
あまり大きな声で「ぜひに」とは言えず
心苦しい気持ちもありつつ、なのですが
もしおついでがありましたら
銀座にお越しの機会がありましたら
ご高覧下さいますようお願いいたします。
29日金曜の14時30分以降、わたしも
在廊を予定しております。
Atelier LAPIS「心の遠近」
2021年10月25日(月)~31日(日)
11:00~18:30(最終日15:30まで)
月光荘 画室Ⅱ
中央区銀座8-7-18-1F
コンスタブル展と額縁の謎 4月12日
三菱一号館美術館で開催中の展覧会
「コンスタブル展」に行きました。
なんと・・・展覧会は1年以上ぶり。
我ながら信じられませんけれども。
さて。
この展覧会ではもちろん19世紀イギリスの
美しい風景を描いたコンスタブル作品を
ぼんや~り観て心を洗うのが目的ですが
実はもうひとつ。
額縁にある謎があって、実物が見たかったのです。
▲最後の部屋にあった撮影可の作品
「虹が立つハムステッド・ヒース」
1836年 カンヴァス テート美術館所蔵
この額縁はおそらく19世紀のオリジナル。
上部をご覧ください。
スライド式の仕組みと突起があります。
これは一体なんだ・・・?
▲本展では厚い無反射ガラスが入っていました。
先日、京都の「ガクブチのヤマモト」さんの
インスタグラムにこの謎があったのです。
山本さんが「これは一体なんだ??」と。
その後、わたしもどうしても気になって
イタリアの額縁史先生に尋ねました。
先生がさらにロンドンのナショナルギャラリー
額縁部門の方に問い合わせてくださり
とうとう謎が解けたのでした。
「額縁の表からガラスを出し入れできる仕組み」
なのですって。
当時のロンドンは産業革命真っ只中で
大気汚染もひどかったとか。
(おそらく石炭の煤でしょうか)
ヨーロッパでは今も昔も一般的には
油彩額縁にガラスは入れないのですけれど
当時は室内に飾る油彩画も煤で汚れるほど
大気汚染がひどかったから、だそうです。
なるほど・・・。理由は分かりました。
だけど、具体的にどのような仕組みで??
実物を見ましたけれど、その仕組みは
想像するしかありません。
ガラスのサイズはおそらく、
左右は額縁窓と同寸法で、上下の寸法が
5~10mm程度大きいのではないでしょうか。
で、下のカカリ内側にサンがあって
ガラスを表から差し込んで、
上の金具をスライドさせて留める、と。
そんな風に想像します。
突起は引っ張る取っ手なのか、
はたまた押してガラスを動かすのか
これは謎なままです。
▲展覧会見学後に外に出ましたら
コンスタブル的な空と雲が。
いつか実際にガラスの出し入れを
しているところを見学したい。
額縁の仕組みをじっくり見たい。
などと夢見ています。
いつかきっと実現したいです。
三菱一号館美術館 5月30日まで
香りの喜び 1月25日
もともと自宅で過ごす時間が多いわたしですが
緊急事態宣言が発令されて、ますます
引きこもりに拍車がかかっております。
出かけたいな、と思うこともあるけれど
家が好き、家でしたいこともするべきことも
沢山あります。
そんな毎日、快適ではあるのですが
家での時間をさらに快適にしよう!と
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のポプリを1袋、
ネットで購入いたしました。
そして、ずっと前に買ったはいいけれど
使い道が見つからなったアンティークの
ガラスポットに入れました。
▲一見すると庭の枯葉・・・だけどよく見ると
葉以外に花や木の実、唐辛子なども入っている。
すこしミントやラベンダーも感じるすっきりとした
でも古いお屋敷の家具のようなノスタルジックな香り。
ガラスポットもようやく役割を得ました。
いやぁ、大変に良い香りです。
このポプリ、お値段が・・・あの、
ポプリを買うには勇気がいるのですけれど
少量で部屋中を香らせてくれますし
ポットの蓋を閉じて節約(!)すれば
勇気の分は十分に活躍してくれそうです。
▲残りの入ったパックはワイヤーで閉じて
さらにチャック付きバッグで密封!
ジャムの空き瓶にも入れて
こちらは作業部屋におきました。
これでわたしの個人スペースはいつも良い香り。
期待した以上に香りに喜びをもらいました。
自宅待機も快適度が上がって・・・
あとは精力的に制作するのみでございます!
がんばりますぞ。
小さい小さい絵展 2020 12月14日
毎年12月、暮の押し迫ったころに開催される
「小さい小さい絵展」ですが
今年も無事に開催されることになりました。
ルデゥーテのバラより部分模写と
フィリッポ・リッピよりアレッサンドリ祭壇画部分
どちらも黄金背景テンペラ画の模写です。
展示即売会
このような時期ではありますが
お近くにお越しの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。
よろしくお願い申し上げます。
第26回 小さい小さい絵展
12月17日(木)から12月23日(水)まで
今までとは違う気持ちで 2月10日
ベルナール・ビュフェ美術館に行きました。
一緒に行った人の希望で立ち寄りましたので
わたしは何となく、大した興味もなく行ったのですが。
久しぶりに、というのもなんですが
とても感動しました。
期待していなかったのも大きいかもしれません。
(失礼な話です、すみません。)
▲写真はベルナール・ビュフェ美術館H.Pからお借りしました。
ビュフェの作品はいままでにも何度か
目にすることはありましたが、正直なところ
あまり好みではなくて流し見していました。
今回、若いころの作品から小品、大作など
まとめて鑑賞することができました。
第二次大戦中にもあきらめずシーツに描いたこと
自画像をずっと描き続けていたこと
特徴的な黒い線が誕生したころのこと
苦悩したこと、感じたこと考えていたことなどなど。
作品もさることながら、専門に扱う美術館なので
丁寧に解説、展示がされていたことで理解が深まりました。
美術館設立者がビュフェ作品にほれ込んで集めた
とのことで、その愛情と熱意も感じられました。
額縁もスタイリッシュでかっこいいものがありました。
ガラスが入っていないので、絵の色艶やタッチが
手に取るようにわかるのも素晴らしいのです。
以前に流し見していたころと比べて
自分の精神状態も経験も変わったからかもしれません。
でも今後またビュフェの作品を観る機会があれば、
きっと今までとは違う心持で鑑賞することが
できるような気がします。
東京からすこし遠いけれど、旅気分でぜひ。
おすすめです。
鎌倉彫の力強さ 1月15日
先日お話した鎌倉の八幡様詣でのさいに
鳥居横の茶寮「風の杜」に寄りました。
天井が高くて広々して静かで、とても居心地よい場所。
壁には鎌倉彫の鏡入り額縁がありました。
▲お店の許可をいただいて写真を撮りました。
写真が悪くて見づらいのですが、
ぐり模様(下部の渦巻き)はかなり深く彫ってあります。
わたしのイメージしていた鎌倉彫よりも
現代的でスッキリしていて力強い。
▲額縁の外側寸法はだいたい500×500mmくらいだった印象。
▲英語のパネルも。制作は博古堂さんという工房のようです。
どんな方が彫ったのかな。若い方か、男性か女性か。
作品からいろいろ想像するのも面白いのです。
外国からのお客様も多い八幡様のカフェなので
いろいろの方の目に留まると良いな、と思います。
1500年前と同じものを使う 1月10日
少し前のお話ですが、埼玉県行田市にある
「さきたま史跡の博物館」へ行きました。
ここは5世紀から7世紀の大型古墳群で有名だそうですが
国宝展示室にてちょうど企画展開催中でした。
「金錯銘鉄剣」とその精密な復元品の展示です。
オリジナルは錆びているけれど、その迫力たるや!
オーラがただものではなく発せられているような。
権力者の威厳の象徴。
純金で象嵌された文字は今も輝きを失っていません。
復元品は大きさ材質、作り方から研ぎ方まですべて
5世紀ころに作られたままの姿で復元されたとか。
ガラスケースに入っていますがすごい迫力。
目の前に突き付けられたら背筋が凍りそう。
▲右下の剣が復元品。ひどい写真ですみません。
象嵌の様子、刃の輝きが間近で見られました。
鉄剣も驚きの品でしたが、わたしにはこちらも衝撃。
奥には鉄剣とおなじ稲荷山古墳から出土した
道具類も展示されています。いずれも国宝です。
・・・なんだか見慣れた道具がただ古びている、
という感じです。
▲左から砥石、ヤリガンナ、チョウシ、カナハシ、大小のチョウナ
いずれも現在でも伝統建築で使われている道具そのままの姿。
5世紀にはすでに今のわたしが額縁制作でも使うような
ペンチのような、ニッパーのような道具も。
▲サビをとって直せばいまにも使えそう?
そうか、1500年前の職人も同じような道具を
日々使っていたのか
この道具はすでに1500年前に完成された形なのか
感慨深い気持ちになりました。
1500年の時間は人間の進歩に長いのか短いのか?
ゴシックへの旅 12月18日
暖かな冬晴れの日に上野の西洋美術館へ行きました。
混雑する企画展を横目に、常設展の入り口から入り
目指すは版画素描展示室で開催中の
「ゴシック写本の小宇宙 内藤コレクション展」です。
獣皮紙に書かれた(描かれた)美しい装飾文字と
挿絵、イニシャル文字を、かなり近寄って見られました。
そして写真撮影も許されていました。
▲50×60mm程度のごく小さなスペースにぎっしり!
中世の厚い壁に囲まれた修道院内、
外光と蝋燭の灯りのみの時代
これだけ細かい文字と挿絵を描くには、
相当な集中力と技術が必要だったはずです。
若くして熟練した技術とセンスのある職人(僧)がいたのでしょう。
当時は老眼鏡などほぼありませんでしたから。
ユーモラスな人物、写実的なウサギやリス、
装飾的な草花など、時間を忘れて見入ります。
これを描いていた時、楽しかったんだろうな、
この線を引くときは筆をどう持ったのかな、
ラテン語が分かるともっと面白いだろうな、
などと静かに興奮しながらの鑑賞でした。
そしてまた映画「薔薇の名前」を観たくなったのでした。
▲各要所にパネルで用語や技法の解説も。
ものすごく小さな世界を出て、美術館外の広い世界へもどる。
数時間の別世界への旅行のようでした。
有名作家の絵があるわけではないけれど、
写本好きな人にはどうにも堪らない展覧会です。
ぜひお出かけください。
国立西洋美術館 ~2020年1月26日(日)
小さい小さい絵展 2019 12月04日
毎年同じころに同じお知らせを。
今年もまた「小さい小さい絵」展に出品いたします。
池袋東武百貨店6階1番地 アートギャラリーにて
12月19日木曜から25日水曜まで。
今年は丸い黄金背景チューリップ、
のんきな鼓笛隊、赤い服の貴婦人3点
ボローニャ石膏地に卵黄テンペラの模写です。
お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。
よろしくお願い申し上げます。
美しい種、のようなもの 11月01日
銀座のギャラリー林さんから
展覧会のお知らせをいただきました。
▲写真はギャラリー林さんよりお借りしました。
漆、螺鈿、蒔絵でつくられた美しい種のような、
空想で作られた植物標本だそうです。
指先サイズから、大きくても手のひらに乗るサイズまで。
ものすごく手が込んでいることがわかります。
かわいい、かわいい!
小さいもの好きには堪りません・・・。
標本(作品)に添えられている文章も
まるで図鑑の解説のようだそうです。
これもじっと読んでみたい。
銀座へお出かけの際には
ぜひお立ち寄りください。
plant collecting- 空想植物標本
2019・11・1~11・7
ギャラリー林
中央区銀座7-7-16
11:00~18:00 会期中無休
5mmの空間をつくる 10月30日
銀座6丁目にある「画廊るたん」のオーナーは
大学の大先輩でして
わたしが額縁を作り始めたころから
仕事を下さり応援してくださり・・・
とてもお世話になっております。
その画廊るたん所蔵の作品を額装させていただきました。
佐野ぬい先生の版画です。
この額縁は、オーナーとわたしとふたり一緒に
デザインを考えて作った思い入れのある額縁です。
銀箔艶消しで細い枠、変哲もないのですが
側面は木地仕上げです。(写真が悪くてすみません。)
一般的な版画の額縁はマットとガラスが接していますが
この額縁ではオーナーのアイディアで
マットとアクリルガラスの間にはスペースを作っています。
ほんの5mm厚の空間がつくる趣と影ができました。
シンプルなだけに珍しくもないデザインです。
何気ないことばかりですけれど、こうした
ちょっとしたことが作るうえでの楽しみですし
見る方が気づいてくださるとうれしい。
こちらの作品は画廊るたんでご覧いただけます。
お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。
小さい小さい絵展 2018 12月06日
そしてとうとう2018年も師走を迎えました。
先人たちが「人生はあっという間」との
言葉をたくさん残していますけれど
いやまったく、その通りでございますね。
今年も「小さい小さい絵」展に出品いたします。
テンペラ画模写を4枚準備いたしました。
池袋東武百貨店にて12月20日(木)から
12月26日(水)までの1週間です。
お近くにお越しの際に
お立ち寄り頂けましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
手のひらサイズのミニアチュール展 3月12日
2月に完成をご覧いただいた
「クリヴェッリの花」のテンペラ模写と
昨年暮にご覧いただいた
「ゴッツォリの天使」テンペラ模写2点を
東急デパート吉祥寺店で開催されます
「手のひらサイズのミニアチュール展」に
出品いたします。
カルロ・クリヴェッリ作
「聖母子と聖フランチェスコ、
聖セバスティアヌス」から卵黄テンペラ部分模写
サイズは60×60mm(額縁含まず)
ゴッツォリ作マギ礼拝堂のフレスコより天使
卵黄テンペラ模写。55×40mm(額縁含まず)です。
30数名の作家による日本画、水彩、アクリル画
そしてテンペラ画と様々な技法で描かれた
小さな作品展です。
ぜひお立ち寄りください。
よろしくお願い申し上げます。
手のひらサイズのミニアチュール展
2018年3月15日(木)~21日(水)
東急百貨店吉祥寺店 8階美術工芸品売場
小箱に入れるのは 2月02日
冬の小箱に夏の思い出。
成城学園前のアンティークショップ
attic さんで取り扱って頂いています。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
写真と額縁の相乗効果 1月24日
2017年のおわりに、フォトグラファーの篠田英美さんの
写真作品とKANESEIの額縁を合わせて
展示する機会をいただきました。
2015年、銀座のギャラリー林での展覧会以来です。
前回同様に篠田さんにわたしの額縁3つをお渡しして
篠田さんが額縁に合せて写真を選んで額装するという
ふだんとは逆の方法 --たいていの場合、作品に合わせて
額縁を選んだり制作しますので --で出来上がりました。
「maria」
マリア様の白い像が明るい陽に照らされています。
モノクロで白い像がより際立って、暗い色の額縁とも
馴染んで美しい額装になったと思います。
ダークグレーのマットも篠田さんセレクトです。
「bar」
南米の夜のバー。
音楽と人のざわめきが聞こえてきそうです。
明るい笑顔と影のコントラスト、人の肌の色が
金色の額縁にぴたりと合っています。
「doll」
写真のタイトル「doll」、この赤ちゃんはお人形。
生きているかと見紛うような生々しい人形と
後ろで微笑む女性(人間)の、不思議な写真です。
そして純金箔の底光りするような輝きにかこまれて
まるで舞台装置のような、ただならぬ世界を演出しています。
この「doll」と額縁の組み合わせは
明るい自然光で見ても世界観はうすれません。
じっと見ていたいような、部屋には飾りたくないような
何とも言えぬ大好きな作品になりました。
強烈な額縁に、強烈な写真・・・フフフ。
陶房遙の額縁 吉田信介さん 12月11日
11月、友人の紹介で江古田にある「ギャラリー水・木・土」へ。
陶房遙の吉田信介さんの展覧会が開催されていました。
吉田さんは福井県で陶製フレームを作っていらっしゃって
以前にお話を伺ってから一度お会いしたいと思っていたのです。
今回の展覧会はうつわ中心の予定だったところ、
わたしがお邪魔するので急きょ額縁を持って来て下さったようで・・・
ありがとうございます。念願叶い手に取って拝見できました。
陶製額縁は粘土が乾いた時、そして焼く時で2回縮むので
それを計算して粘土板から整形しなければならないそうです。
吉田さんから制作方法をお聞きして、その手間にびっくり。
側面から額縁を見て、おや、真鍮が見えています。
これは裏板を留める金具でした。もちろん手作りです。
この仕組みは吉田さん特許出願中ですのであしからず。
(なんちゃって、特許申請はわたしの想像です。
でも素晴らしいアイディア!)
陶製の額縁は硬質だけど緩やかな揺れがあって
乾いた感触、質量など、木製や石膏下地の額縁とは
違った表情が面白いのでした。
経年変化はどんな感じだろう。
陶製は水洗いできるのも魅力ではないでしょうか。
吉田さんがなぜ額縁を作りはじめたのか、そして
額縁に込めた思いを伺って、うーむ・・・
ここにまたひとり、額縁愛を語りあえる人に会えたようです。
額縁を作る材料、方法、場所は違えど「作る情熱」に触れて
大変に感化された日でした。
ここのところ、わたしの額縁情熱が下火になってきたような気がして
内心恐怖が渦巻いていたのですが、また盛り返せそうです。
いろんな額縁作家がいるのだなぁ。
嬉しい。
小さい小さい絵展 2017 11月30日
あれ、ついこの間ようやく秋が始まったのでは?
と思っていたらもう師走間近です。
どうしよう、どうしようと言っていても
時間は過ぎていくものですね。
今年の「小さい小さい絵」展は
12月7日木曜日から13日水曜日までの1週間です。
例年と同じく卵黄テンペラの模写を出品いたします。
暮の忙しい時期、息抜きにすこしだけ
お立ち寄り頂けましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
今年はDMにも載せて頂きました。
タイトルが「カトリーヌ・プレイ・・・」とありますが
「カトリーヌ・ブレイの時禱書」が本当です。
ミスプリ、失礼いたしました。
第23回 小さい小さい絵展
12月7日(木)~12月13日(水)
池袋東武百貨店6階1番地 アートギャラリー
吉田博展 8月28日
23日の夕方、Tokyo Conservation の仕事のあとに
新宿で開催中の「吉田博展」を観に行きました。
毎度のことながら会期末ギリギリ、この日は閉館もギリギリの時間。
ですが会場は老若男女(若い人も沢山)で中々の混雑でした。
吉田博は版画家として有名なのでしょうか。
わたしにとって吉田博作品は油彩画にとても馴染みがあります。
Tokyo Conservation では数年前に吉田博をはじめ
妻のふじを、そしてご家族の方々の作品を修復させて頂きました。
その時に間近に観て触れた博の作品は、それはそれは
見惚れるように色が美しいのが印象的でした。
山や雲を描くピンク、水色、緑、紫の色はそのまま
戦争画にも使われていて、厳しい画題と画面なのに
その色使いを見ると吉田博は戦争中も冷静に自分を失わず
描く努力をしていたのだ・・・と感じるのでした。
今回久しぶりに再会した吉田博の作品は、修復の場で
見ていた時とは違い、白い壁でライトアップされていて
「よそいき」の顔をしていましたが、やはり清々しい美しさでした。
ガラスが無い額縁に納められている作品もあって
筆跡がダイレクトに感じられる反面、やはり汚れやすいからか
画面全体がうっすらと灰色がかっていたりして、
繊細な色使いが陰に隠れていたのがすこし残念でした。
それはさておき、やはり吉田博の作品に触れられるのは
幸せな、そして深呼吸したような気持ちにさせてもらえました。
展覧会は昨日終わってしまいましたけれど、大変盛況でしたので
また近々きっと展覧会が開催されることでしょう。
その日を楽しみにしたいと思います。
めぐり逢う朝 もう一度 7月03日
7年前にもご紹介したことがある映画「めぐり逢う朝」ですが、
手元には古いVHSビデオしか無くてすでに観ることも叶わず
最近はサントラCDもあまり聞いていませんでした。
先日どうしても観たくなって、絶版になっているDVDを
中古で購入することにしました。
映像も音楽も何もかもが好きな映画なのですが
観るたびに小さな気づきがあって、また嵌っていきます。
この映画のどこが好きなの、何が魅力なの、と聞かれたら
ひと言ではとても言えませんけれども、
父と娘、老と若、師と弟子、妻と夫、富と貧、俗と清、剛と柔
そして死と生。
世の中のさまざまな対比が表現されているのも魅力のひとつです。
美しい映像、美しい音楽と必要最低限のセリフで物語が進みます。
ああ、でも
ここでどれだけわたしが叫んでも栓無いことではありますが
どうぞ機会があったら、いいえ、機会を作ってでも
ぜひともご覧になってほしい映画なのです。
頭の片隅に「めぐり逢う朝」を置いておいてください。
考えてみたらわたしは、老師と若い弟子の映画が
好きなのだと気づきました。
この「めぐり逢う朝」を筆頭に「薔薇の名前」しかり
「いまを生きる」のキーティング先生と生徒たち、
「風の谷のナウシカ」のユパ様とナウシカも師弟。
「ニューシネマパラダイス」のトトとアルフレードも
ある意味師弟関係と言えるでしょう。
わたしは今まで、何人もの素晴らしい師に導かれ
今に至っているから、なのだと思っています。
尾崎雅子さんの作品 麻布十番ギャラリーにて 6月19日
2005年に知り合ったステンドグラス作家の尾崎雅子さんと
とても久しぶりに再会することができました。
6月14日から開催されている山田浩之さんとのコラボ展覧会の
オープニングパーティーにお邪魔しました。
雅子さんは岡山で活動されていますが、東京でも展覧会や催事等
とてもエネルギッシュに活躍しておられます。
下のランプは信楽焼の山田さんのオブジェに
雅子さんが組んだランプが取り付けられています。
ランプの白い部分は新素材でガラスと陶器の間のような材。
ろくろでひねって焼いてあって、とても透光性が高いとか。
白を通した柔らかい光、壁にうつる影の形が印象的でした。
明かりが灯っている時と消されている時
どちらの雰囲気も変化があってすてきです。
明りがあると、白の渦巻き模様(ろくろ跡)が際立ち、
赤絵の足に影が出来て今にも歩き出しそう。
明りを消すと一変して赤絵が鮮やかで楽しい雰囲気です。
白の縁に焼き付けられた金も輝きます。
勝手な印象ですが、上が怒った鬼、下が眠っている鬼
のような気がしました。
麻布十番ギャラリーで6月26日まで開催中。
お出かけください。
「誰かの昨日の部屋」 増田健二写真展 6月01日
昔のブログ記事をさがしたら、もう8年前の10月
「花水木」というタイトルでした。
先日、ポストに「花水木」の写真作家である
増田健二さんからのお手紙が届いていました。
「いろいろあって過去にしたかったけれど結局できなかった個展を
ようやく開催することになったので知らせる」という
内容と展覧会のDMでした。
今日、増田さんにいただいた「花水木」を
近くであらためて眺めています。
過去に1度だけ額縁のご注文を頂いて制作し、
それから何年か後にその額縁に納めた写真作品を頂戴して、
その写真のためにもう一度額縁を作って、作品を毎日見ている。
そして、とうとう個展を開くというお知らせが届いた。
作品が手元にあるのでとても身近だけれど、遠い人。
道ですれ違ってもお互い気づかないと思うけれど、
なにか細くて切れないご縁が繋がっているような気がします。
大阪での展覧会、こちらでもご案内を載せます。
関西にご在住の方、また機会のある方に
増田さんの作品をぜひご覧頂きたいと思います。
2017年6月7日(水)~18日(日)
11:00~18:00(12日13日休廊)
大阪市北区本庄西2-14-18
お姫様とねこ 3月06日
先日ご覧いただいたねこのテンペラ画と
ラテン語を入れた額縁の額装が終わりました。
ねこテンペラは白と金のアンティーク風額縁
ラテン語の額縁には 中世のお姫様の模写テンペラ画を。
ちなみにこのラテン語は “ver erat aeternum”
オウィディウスの詩から借用しました。
「永遠に続く春」という意味だそうです。
お姫様とは関係がありませんけれど、装飾として。
この2点の黄金背景テンペラ画を3月16日から22日までの
「小さい絵と猫の絵画展」に出品いたします。
東急百貨店吉祥寺店8階の美術工芸品売場です。
お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
小さい小さい絵展 2016 + 猫の絵画展 11月28日
2016年は残すところあとひと月とちょっと。
早いものです。
今年の暮もまた「小さい小さい絵」展に出品いたします。
今回はいつもの小さい絵展にプラスして
猫の絵画展も同時開催です。
先日ご覧いただいた猫のテンペラ画を展示予定です。
池袋にお越しの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
小さい小さい絵展 猫の絵画展
ティントレットの世界 10月10日
国立新美術館で開催中の、アカデミア美術館所蔵
「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展に行きました。
ベッリーニ、クリヴェッリ、カルパッチョ、ティツィアーノ
そしてわたしの大好きなティントレットの作品が出ています。
19歳の時にはじめてヴェネツィアでティントレットを観たとき
うす暗い部屋の天井近く一杯にあった作品の
灰色がかった青と紫がかった赤、強いハイライトの白と
影の縁にある反射の表現の激しさで
「な、なんだこのオドロオドロしい絵は!」が第一印象でした。
なにせその頃のわたしはボッティチェッリとモネ凝っていて
明るい色使いと女性的な美を追っていたのです。
でもティントレットの作品に「ぎゃっ」と思ったのもつかの間
旅の最中になんども、教会やドゥカーレ宮など本来あるべき場所
-美術館ではなくて-で観る機会を得るにつけ
独特の強さと不思議な世界に引き込まれたことを覚えています。
今回ひさしぶりにティントレットの作品に触れる事ができて
ヴェネツィアで観たときの感情や部屋の匂い、空気の様子を思い出しました。
この展覧会にはルネッサンスらしい額縁も出ています。
肖像画の小品に付けられていた額縁には、金箔をふんだんに使った
グラッフィートなど繊細な額縁があって、それも見どころ。
ちなみにわたしのおススメはティントレットの「動物の創造」です。
神様が動物、鳥、魚を生み出した瞬間を描いています。
筆使いも構成もドラマチック、そしてちょっとユーモラス。
神様が今まさに「さぁ、行きなさい!」と叫ばれた瞬間でしょうか。
みなが神様の指さす方、同じ方向を目指しています。
鳥が不思議な飛び方をしています。
そして右端のユニコーン。
天地創造時にはユニコーンがいたのかな。
顔しか描かれていませんが、躍動感あふれる全身が見えるよう。
東京での展示は今日で終わってしまいますが、大阪に巡回します。
おいでの際にはぜひ楽しみにご覧ください。
「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」
東京・新国立美術館 10月10日(月・祝)まで開催
大阪・国立国際美術館 10月22日(土)より開催
吊金具、お作りいたします 7月11日
昨年、特別に作ってもらった吊金具2種類を
KANESEIで受注制作、販売できることになりました。
大きいものは3つ穴で銅
小さいものは2つ穴で真鍮で作られています。
ひとつひとつを糸ノコで切りだしていますので
少しずつ違いがあって、同じものはありません。
「揺れのあるかたち」をお楽しみください。
価格:小真鍮製 900円
サイズ:31×17×1mm
耐加圧:30kg(静荷重時)
ネジ穴:2.1mm幅ネジ対応
価格:大銅製 1200円
サイズ:44×24×1mm
耐加圧:30kg(静荷重時)
ネジ穴:2.1mm幅ネジ対応
それぞれ1個からご注文をお受けいたします。
ネジは付属しませんのでご注意ください。
(お送りしますのは上記吊金具のみ、付属品はありません。)
2.1mm幅のネジで取り付けるものに応じた長さのネジをご用意ください。
また、別途送料を全国一律500円を頂きます。
海外も可能な限り対応いたしますのでご相談ください。
ひとつ当たり30kg(ステンレス木ネジ2.1×10mm静荷重使用時)
に対応しておりますが、
落下事故による一切の責任は負いかねます。ご了承ください。
モダンデザイン、クラシカルデザインを問わず
幅広くお使いいただける吊金具です。
ご自分でお作りになった額縁に、
ずっと大切になさっている額縁の古い吊金具を替える時、
あるいはアンティーク額縁の金具交換にもどうぞ。
ご希望の方はKANESEI contact のページからご連絡ください。
お待ちしております。
メディチ家の至宝 ルネサンスのジュエリーと名画展 6月16日
目黒にある庭園美術館で開催されている
「メディチの至宝」展に行きました。
ロレンツォ・イル・マニフィコの頃から、メディチ直系の最後
アンナ・マリア・ルイーザまでの人物を中心に
メディチがコレクションしてきた素晴らしいジュエリーでした。
ルビーにダイヤ、真珠にサファイア、そしてカメオに黄金。
身に付けたらさぞかし重かろう!というような物ばかりです。
ブロンズィーノの描く陶器のような肌の肖像画も
輝くような美しさでした。
庭園も緑濃くツツジが美しい季節でした。
なにせ小さな -ジュエリーとしてはとても大きいけれど-
ブローチやカメオですので、覗き込んで観ても良く見えない・・・
雰囲気と輝きを楽しんで、帰宅後に図録でじっくり見ました。
超絶技巧は図録写真の方が大きくて詳細が良く分かるのでした。
図録によると、ロレンツォ・イル・マニフィコの元コレクションに
「tazza farnese」という瑪瑙でつくられた古代の皿状カメオがあったそうで、
記録によると10.000フィオリーノという価格だったとか。
(今回の展覧会には出品されていません。)
下の写真、「tazza farnese」はウィキペディアよりお借りしました。
同記録にはフラ・アンジェリコの大きな円形テンペラ画が
100フィオリーノとあるそうで・・・
単純に、アンジェリコの絵100枚分の価値がある?!
なんとまぁ。
当時それだけ古代カメオに価値があるとされていたのですね。
盛期ルネッサンスの華やかさを夢想できる展覧会でした。
2016年4月22日~7月5日まで開催
出久根 ちせ展 花の音色 Fiore Fiorito 5月23日
6月13日の月曜日から開催される
出久根ちせさんの展覧会に、KANESEIの額縁5点を
使って頂くことになりました。
わたしが留学していたのと同時期にかけて
フィレンツェに6年間滞在されていた出久根さんの作品は
日本とイタリアのイメージがまさしくミックスされていて
手の込んだミクストメディアの作品です。
出久根さんとわたし、年齢がちかくて経験も似た部分があって
わたしの勝手な感想ではありますが、
額縁の打ち合わせの時も「感覚が近い人」と感じました。
この作品にはこの額縁、このマット、と阿吽の呼吸で決まったといいましょうか。
出会うべくして出会った、なんて思っております。
目黒区恵比寿にあるイタリア輸入家具のお店での開催です。
お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
出久根 ちせ 展
花の音色 Fiore Fiorito
2016年6月13日~7月18日
会場:ABITARE(JR恵比寿駅東口から徒歩8分)
生誕300年記念 若冲展 4月25日
4月22日から始まった「若冲展」のオープン前日にあった
内覧会とレセプションに参加させて頂ける機会があり、
大喜びでそそくさと出かけてきました。
ロビーで受付をして、オープニングセレモニーを少々拝見。
都美術館の館長、NHK会長、そして岡田美術館館長の挨拶が続きます。
今回の展覧会、岡田美術館が所蔵したという「孔雀鳳凰図」が楽しみでした。
83年ぶりに発見されたとか・・・。
かなりの混雑でしたが、広い会場内にある作品がすべて若冲という
極楽の中にいるような熱気と喜びが満ちていました。
印象的なのはやはり若い若冲が描いたという孔雀鳳凰図。
筆使いはさすが若冲なのですが、後年の作品のような
鬼気迫るような怖さ(?)は少なくて、色使いが華やかです。
黒色が少ないからでしょうか。
何度も本やテレビで見て、見慣れたような気分になっていた
升目描きの「鳥獣花木図屏風」の想像以上の色の繊細さにも驚きました。
画像では分からない、象の額の淡い朱鷺色の美しさ!
面白くて可愛らしい、そして神々しい世界でした。
展覧会カタログ表紙にもなっている「梅花群鶴図」の
真正面から見た鶴の顔。
私は生きた鶴を良く見たことがありませんが、
このトウモロコシのような頭、そしてなにより
乱れの無い筆運びに引き込まれました。
細い細い筆で一本ずつ描かれた羽、太さ長さが均一です。
いつ筆に絵具を付け足したのか、いつ息継ぎしたのか。
どんなスピードで筆を運んでいたのか。
この一糸乱れないハッチングを見ていると
ルネッサンス時代のイタリア人画家カルロ・クリヴェッリを思い出します。
時代も国も宗教も違う二人の画家だけど、もし
お互いの作品を見る機会があったなら
なにか通じるものがあったのではないでしょうか。
たった1ヵ月だけの開催です。
ぜひお時間を作ってお出かけください。
生誕300年記念 若冲展 東京都美術館
伊藤若冲「孔雀鳳凰図」について 岡田美術館
帆立貝のタベルナーコロ 番外お知らせ 4月07日
制作過程をご紹介しております
帆立貝のタベルナーコロ額縁ですが、
この度、Atelier LAPIS では木地キットを
予約受注製作することになりました。
木地サイズ:H280×w175×D50 (mm)
入る作品のサイズ:H112×W85×D5 (mm)
上の写真の右が木地、左はオリジナルの額縁です。
「ITALIAN RENAISSANCE FRAMES AT THE V&A A TECHINICAL STUDY」
1500年代にイタリアで作られた額縁を元にしています。
このキットを使って模刻することも、
ご自分でデザインした額縁を作ることも可能です。
ご注文の受付は5月末まで、商品のお届けは2016年10月以降の予定です。
価格はひとつ¥11.880
ご希望の方は下記のリンクからご注文下さいませ。
Atelier LAPISのブログ:タベルナクル型額縁のキット
KANESEIではこちらのキットを使って制作しました
完成品のご予約もお受けいたします。
額縁デザインは上記の写真と同じもので、手彫り、
純金箔を使った古典技法で制作いたします。
こちらも5月いっぱいの受注です。
完成品のお届けは来年2017年以降を予定いたしております。
また額縁に納めるテンペラ画模写も同時に受注制作いたします。
フラ・アンジェリコ、リッピ、ギルランダイオ、
あるいはクリヴェッリやゴッツォリ等、ご相談ください。
本格的な祭壇画が完成します。
ページ上部右の「ccontact」からご連絡くださいませ。
ミニアチュール絵画展のお知らせ 3月03日
昨年暮の池袋東武百貨店での「小さい小さい絵展」
に引き続き、今年も吉祥寺東急百貨店で開催される
「ミニアチュール絵画展」に出品いたします。
ハガキサイズ以下の小さな作品ばかり、40余名の作家による
日本画、油絵、水彩にテンペラ等様々な小品が並びます。
2月29日のテンペラ模写2点も出品いたします。
3月10日木曜日から16日水曜日までの一週間
お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りくださいませ。
英国の夢 ラファエル前派展 2月25日
渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
「英国の夢 ラファエル前派展」に行きました。
なにせこの時代の美術・装飾芸術が大好きですので
見逃すことはできません。
ミレイ、ロセッティ、バーン=ジョーンズにウォーターハウスと
ラファエル前派の有名どころが並びます。
ポスターにもなったウォーターハウスの大作「デカメロン」ですが
こちらは1916年作、そしてストラドウィックの「おお燕よ、燕」
という1894年の作品も展示されており、つくづく眺めたのですが、
どちらの作品も、登場する人物たちの顔が全員おなじ。
上記の「デカメロン」にいたっては男女とも同じ顔です。
まるでモデルはひとりで、それぞれデッサンを組み合わせたよう。
なぜ?? 顔に重きを置かない、装飾的な絵画・・・?
ウォーターハウス自身の自画像?
はたまたレンブラントの描くサスキアのように、妻や恋人の姿?
気になります。
見逃せない額縁ですが、この時代のイギリスの額縁の特徴である
装飾モチーフを四隅にだけ置かず、中央にも配置すること、
あるいはあえて四隅に置かず中央のみに置くスタイル。
作品タイトルや作者の名前等をゴシック調文字で入れて
装飾の一部にすること、そして木地に直接ボーロと金箔を施す、といった
典型的な例が沢山みられました。
昨年開催されました上田義彦さんの展覧会でも使われていたタイプ。
作品も額縁もともに、とても楽しい展覧会でした。
会期も残りわずか、お出かけください。
「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」
2015/12/22(火)-2016/3/6(日)
花影 尾形純展 2月22日
田町にある絵画修復スタジオ
Tokyo Conservation 室長であり、わたしの
大学時代の恩師でもある画家 尾形純先生の展覧会
「花影 KAEI 」が開催されています。
今回はホームギャラリーのトビン・大橋ギャラリーが会場。
オーナーの大橋さんのお住まいでもあるマンションを
期間中はギャラリーとしておられるそうです。
普段、修復スタジオでも先生の作品に触れる機会はありますが
(額装の相談をしたりお手伝いをしたり)
いわゆるギャラリースペースでは無く、生活空間に
展示されている作品は、今までと違う顔をしていました。
居心地の良い居間に展示されていたり、書斎や寝室にも
それぞれ合う作品が展示されていることもあって
鑑賞する側の心も普段よりリラックスしているからなのか、
心によりすんなりと入ってくるように感じました。
明るい色の作品-桜色や藤色など-もありますが
漆黒の闇に月と滝を表現した作品のまえにいると
ひとりしずかに思索にふけりたくなるような気持ちになります。
六本木一丁目駅から直通、レジデンス内にあります。
ギャラリーにご一報後、どうぞお出かけください。
2月28日までの開催です。
額縁見比べ ヨーロッパと日本 2月15日
まだ雪が残る箱根の山の上
ポーラ美術館に行きました。
「自然と都市 印象派からエコール・ド・パリまで」という展覧会を開催中。
風景画を中心にモネ、シスレー、ルノワールにシャガール
フジタやゴッホ、ゴーギャンと有名どころがずらり勢ぞろいです。
東京で開催の展覧会なら混雑したでしょうけれど、
平日の箱根ではゆったりと静かに鑑賞できました。
作品はもちろんながら、額縁鑑賞も楽しい展覧会です。
フランスのルイ13~15様式でしょう、金の華やかな額縁が主ですが
同じ金でもボーロの色、仕上げの違い、経年での色の変化も興味深いところ。
おそらくここ数十年内に作られた額縁もあって、それらの
古色付けの方法を探って考え込むのも楽しい時間でした。
「ポーラ美術館の絵画―日本の洋画、日本画」が別室で開催中で、
そちらでは日本製の額縁を、これまたお腹いっぱい(?)観ることができました。
ついさっき観た本場ヨーロッパのルイ様式の額縁のようなデザイン・・・
だけど日本で作られた額縁は細部のデザインや木地の形、色味がやはり違うのですね。
日本の額縁製造の歴史は、当然ながらヨーロッパよりずっと短く
当初は本場の額縁の模倣からはじまっているのですが、
徐々に「日本らしいオリジナル性」も備えた額縁が作られるようになり、
それが「日本の洋画」にしっくりと合っている、ということを
あらためて確認できました。
モネの「睡蓮」、シャガールの恋人たちの様子は何度観ても素敵ですし、
フジタの「姉妹」と岸田劉生の「麗子坐像」は、作品と額縁の
組み合わせを観るたびにため息が出てしまう。
岡田三郎助の「あやめの衣」の実物は初見で感動、
ルソーの「エデンの園のエヴァ」の前で原田マハ著の
ルソー像を思い出す・・・
それはそれは贅沢な、幸せな時間を過ごすことができました。
あまりに沢山見過ぎて頭が痛くなりましたけれど。
3月13日までの開催です。
チャンスがありましたら是非。おすすめです。
小さい小さい絵展 2015 11月19日
そして今年もまた暮を前にして
「小さい小さい絵」展の出品準備をしています。
毎年11月は、小さい絵の仕上げをして額を作って
箱に詰めて届ける、わたしのルーティン
-五郎丸選手にあやかって!-です。
上の左から時計回りに
ポーケよりギリシャの踊り手
ポーケより小姓
オズボーンよりセジロアカゲラ
オズボーンよりベニヒワ
昨年出品しました4点に加えて上の4点、
あわせて8点を出品、展示即売いたします。
池袋にお越しの際にはどうぞお立ち寄りくださいませ。
「第21回 小さい小さい絵展」
12月3日(木)~12月16日(水)
展覧会のお知らせ 「額縁とポートレート」ギャラリー林にて 10月08日
10月29日から1週間 「額縁とポートレート」と題して
写真家篠田英美さんと2人展をいたします。
場所は銀座7丁目にあるギャラリー林です。
こちらでは昨年秋に Atelier LAPIS の展覧会をさせていただきました。
KANESEIの額縁を新旧合わせ18点出品いたします。
最近このブログでご覧いただいていた額縁も登場。
また11月1日の日曜日午後にギャラリートークも予定しております。
どうぞご高覧下さい。
お待ちしております。
ギャラリー林
2015年10月29日(木)~11月5日(木)
11:00~18:00 会期中無休
11月1日14:00~15:30 ギャラリートーク(参加費無料)
遠足展覧会 ギャラリー916へ 9月24日
市が尾にある古典技法の教室 Atelier LAPIS の
月曜コースを受講されている生徒さんと一緒に
以前にもご紹介しましたギャラリー916 へ「額縁遠足」にでかけました。
いつものアトリエを離れて、珍しい額縁を見学に行く遠足です。
ギャラリー916では、写真家上田義彦さんの展覧会が
会期を延長して現在も開催中です。
許可をいただき展示額縁の写真を撮りましたのでご紹介しますが、
作品には加工をしております。見難い点をお許しください。
シンプルモダンな額縁から古典技法の額縁まで、様々なスタイルの額縁を
組み合わせて展示された広い空間は、とても居心地の良い場所です。
写真と額縁の組み合わせの可能性をひしひし感じます。
なかでも、アメリカのアーツ&クラフツ時代の額縁が見どころ。
これまた以前にご紹介しましたニューヨークにある額縁のギャラリー
「LOWY」から頂いたカタログ「A CHANGE OF TASTE」の時代です。
この日もカタログ片手に鑑賞しましたが、掲載されている額縁の
まさに実物が使われており、ちょっとした興奮でした。
1920年頃に作られた carrig-rohane の額縁です。
外側の鎖束のような編籠のような模様も素敵ですし、
内流れの部分、石膏地に縮緬のような細かい模様が
入れられているのが印象的でした。
どうやって作った地模様なのでしょうか。
繊細な模様でありながら、力強い男性的な額縁でした。
こちらもアメリカ東部で1900年代初めごろに作られた額縁。
素朴な雰囲気の彫刻に、おおらかに刻印が打たれています。
箔足は美しく、確かな技術が感じられました。
こちらはイギリス風?
バーン・ジョーンズの絵が入っていそうな雰囲気で
アーツ&クラフツ時代のスタイルです。
内側の平らな部分に木目が見えているのが特徴的。
これが磨かれた石膏地のつるりとした面が作られていたら
印象はまったく違うでしょうね。
こちらもまた、アメリカのアーツ&クラフツ時代のもの。
ギリシャ風の装飾で、アール・デコも感じます。
内流れの部分は、おそらく木地をうすく彫った上に
石膏をかけて「揺れ」のある趣をだしています。
大げさに言えば、この「揺れ」がこの額縁の命です。
ここも上の額縁同様につるりとした面が作られていたら
印象がまったく違うはず。
もしもっと古い時代だったら、きっとつるりと平らに
磨くスタイルで作られたのではないかな、と思ったりします。
アメリカのアーツ&クラフツ時代の額縁を数点観ることができましたが、
コントラストがはっきりした、男性的な額縁という印象でした。
その他、イタリアのサンソビーノ額縁(写真撮り忘れ)や
南の地方(ナポリやシチリア、もしくはスペイン?)の額縁、
シンプルながら目を引くような額縁が色々展示されていました。
そしてやはり、額縁が生き生きとしているのは
なかに納められた写真の力によるものがおおきいのです。
写真と額縁がお互いを高めあっている。
理想の額装のかたち。
ご一緒して下さった生徒の皆様、ありがとうございました。
今後も「遠足」の機会を設けたいと思っています。
今回ご参加頂けなかった皆さんも、ぜひ次の機会に。
遠足展覧会のリクエストもお待ちしております。
木村尚樹展 -降り積もる光- 6月29日
広尾にあるエモン・フォトギャラリーではじまった
木村尚樹さんの展覧会の、オープニングレセプションに伺いました。
今回展示されている写真は、イタリアで撮影された作品がメインだとか。
光と影のコントラストの美しい窓辺の風景が並びます。
記憶にある場所のような、でも記憶よりもっと繊細な印象。
よく知っているけれど、本当はまったく知らない場所。
心象風景に近いイメージでした。
KANESEIの額縁も8点、小品に使って頂いています。
お近くにおいでの際には、どうぞお立ち寄りください。
木村尚樹 「through the window -降り積もる光-」
2015.6.24(水)~7.25(土)
平日11:00~19:00 土曜11:00~18:00
日曜、月曜、祝日休廊
キューティクルプッシャーの使いみち 6月25日
最近手に入れてとても気に入っている道具があります。
石膏垂らし描きでつくるレリーフ模様装飾
(わたしは盛り上げ装飾と呼んでいます)の
アウトラインを整える作業にぴったりなのです。
この道具 ネイル用品のお店でみつけた「キューティクルプッシャー」なるもの。
爪の甘皮を処理するステンレス製の道具とでも言いましょうか。
上の写真で 右側のスプーン状になっている部分で甘皮を押しこみ
左側の小さな部分(鈍い刃物状)で押し込んだ甘皮を削り取るようです。
この左側の小さな刃物状の部分がレリーフの石膏を削るのに最適!
いままではおそらく歯科の道具であろう 似たような道具を使っていましたが
このプッシャーはずっと優れています。
まずグリップが太くてしっかり握れること。
そして刃物状の部分に厚みがあるので 削る時のイヤな音
-黒板をチョークで引っ掻くような 思い出すだけでぞっとする音!-
が出にくいのです。
紙やすりでちょいちょいと研いで使えば切れ味も程よくなります。
そしてそして 従来の歯科道具よりお手頃価格。
このプッシャーは 例えば粘土細工や模型など
細かい作業にも使えるのではないか?と思います。
男性はなかなかネイル売り場に足を踏み入れるのに戸惑うでしょうけれど
ネットなら様々なメーカーから発売されているプッシャーが選べます。
わたしがこのプッシャーをネイルに使う機会はありませんが
今後は手放せなくなりそうです。
ボッティチェリとルネサンス -フィレンツェの富と美- 6月22日
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催している
「ボッティチェリとルネサンス -フィレンツェの富と美-」展を観ました。
平日の午後でしたが、予想通りに混雑していましたが、
それもそのはず、なかなか充実した展覧会でした。
さて、この展覧会の目玉は何と言ってもボッティチェリの作品ですが、
テンペラありフレスコあり、そして油彩との混合技法もあり、
ボッティチェリの技術の高さを感じられるのはさることながら、
それらの作品が丁寧に修復されており、修復箇所とオリジナルの見比べも
興味をそそられました。
イタリアならでは(?)の線描きによる補彩は、オリジナルと修復箇所を
近くで観れば明確に区別でき、離れてみればオリジナルと融合して邪魔をせず。
とくにフレスコの大きな画面の補彩は苦労がしのばれる個所もありました。
衣装や天使の翼などは熟練の修復師の手によるもの、そして
画面端の辺りにはまだ修業中と思われるような拙い筆跡もあって、
イタリアの修復の幅や奥深さ、そして大らかさも感じられたのでした。
古典技法額縁の出品もまた素晴らしいラインナップです!
ルネッサンス時代の額縁と言えば、世界に「額縁」という存在が生まれて
まだ歴史が浅い頃です。タベルナコロ形(祭壇型)額縁やトンド(円形額縁)、
また上部が半円型の額縁など、イタリアのルネッサンス時代を代表するような
スタイルの額縁を間近で見ることができました。
いま、わたしが作る額縁には故意に傷を付けたり汚したりすることもあり、
いわばルネッサンス当時に作られた額縁の雰囲気を再現しようと
努力している訳ですが、リアルに500~600年の年月を経た額縁の
金箔のかすれや汚れ、ボーロや石膏下地の経年変化を見て、
色々と感じ、考えることができました。
今後の制作に少しでも生かすことができればと思っています。
それにしても、いつもの愚痴ですけれど、
図録に額縁の写真も載せて頂きたいのです・・・。
無理な希望ではあるのでしょうけれど
作品のオリジナル額縁ではないかもしれませんけれど、
それでもせめて巻末の付録でも良いので
額縁写真の羅列でも良いので!
お願いしたいものです。ううむ。
・・・などと言いつつも、やはり図録は買いました。
そしてフィオリーノ金貨のチョコレート。良くできています。
ルネッサンス当時は本物の金貨かどうか歯で噛んで確かめたとか。
金貨は美味しくないでしょうけれど、金貨チョコレートは美味しい!
会期終わり間近です。
テンペラ、額縁、修復にご興味ある方、ぜひご覧ください。
写真と古典技法額縁の関係 6月08日
友人の勧めで 竹芝にあるギャラリー916をたずねました。
写真の展示を主にするギャラリーです。
今は上田義彦さんの『A Life with Camera』という展覧会が開催されています。
ギャラリー916は上田義彦さんがキュレーターも務められる場所であり
また今回の展覧会は上田さんの写真家としての35年間をまとめる展覧会だとか。
この展覧会では 倉庫のような大変広い空間の床から天井まで
サイズも撮影時期も違う写真が並んでいます。
すべての写真が額縁に納められていて それがシンプルな額縁もあれば
アンティークの箔を使ったもの 画材店で手頃に入手できそうなものまで。
人物ポートレイトから風景や静物の ありとあらゆる写真が
これまたありとあらゆるテイストの額縁にぴたりと納まって展示され
不思議な統一感と写真のエネルギーが感じられる展覧会でした。
いままで古典技法の額縁 それもに金箔を使ったような
クラシカルなデザインの額縁と写真は なかなか難しいか・・・と
思っていましたが 今回の『A Life with Camera』展で覆されました。
シンプルな白木の木枠に白いマットに入れられた写真の隣に
アメリカのアーツ&クラフツ時代の金箔額縁に入った写真がさらりと並ぶ様子は
圧巻でもあり また大きな喜びと「再確認」でした。
アメリカのアーツ&クラフツ時代の額縁は わたしは今まで
本でしか見たことのない額縁でしたので それもまた興奮のひとつでした。
巨大な空間にならぶ力強い写真と それを支える様々な額縁。
ぜひご覧頂きたいお勧めの展覧会です。
A Life with Camera
Yoshihiko Ueda
2015.4.10 – 7.26
〒105-0022 東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル 6F
OPEN: 11:00-20:00 (平日) / 11:00-18:30 (土日、祝日)
CLOSE: 月曜日(祝日を除く)
入場料: 一般 800円、大学生/シニア(60歳以上)500円、
高校生 300円、中学生以下無料 (Gallery916及び916small)
ミニアチュール絵画展のお知らせ 5月30日
毎年12月に池袋にある東武百貨店で開催される「小さい小さい絵」展が
今年は吉祥寺にある東急百貨店でも開催されることになりました。
総勢50人近くの作家による小さな絵ばかりを集めた展示で
わたしの描いた黄金背景テンペラ画模写も出品していただきます。
お近くにおいでの際は どうぞお立ち寄りくださいませ。
「ミニアチュール絵画展」~私だけの小さなお気に入り~
2015年6月11日(木)~17日(水) 最終日は17時閉場
東急百貨店 吉祥寺店 8階美術サロン
女子美術大学美術館収蔵記念 森田元子 -真実の形象-展 5月11日
田町にある絵画修復スタジオ
Tokyo Conservation で昨年度修復を終えた
森田元子さんの作品展が開催されます。
女子美術大学美術館収蔵記念 森田元子 - 真実の形象 - 展
森田元子さんは明治36年生まれ 女子美術大学では岡鹿之助に師事し
卒業後はフランスへ留学。昭和22年からは女子美の講師として
後進の育成にあたられました。
去年の半年間近く 40号から50号の作品をメインに
たくさんの森田元子作品の修復に携わらせて頂きましたが
その作品の多くは自画像で 日がな一日元子さんと向き合い
作品から発せられる強い意志や挑戦する気持ちを受け続けていました。
まるでもう とても良く知っている人のような気がしてしまうほど。
先日スタジオでこの展覧会のDMにある
森田元子さんの写真を見た時に その目の力と顎を引いた表情から
作品の力強さがワッと心に蘇りました。
お近くにおいでの際はぜひご覧ください。
女子美術大学美術館収蔵記念 森田元子 -真実の形象-展
2015年5月22日(金)〜6月17日(水)
女子美 ガレリア ニケ
http://www.joshibi.net/museum/nike/
山下りん 日本のイコンと日本の額縁 3月12日
3月8日放送のNHK番組「日曜美術館」は
日本最初のイコン画家山下りんを取り上げていました。
その番組の中で 御茶ノ水のニコライ堂
(正式名は東京復活大聖堂)も登場しました。
ちょうど先日 このニコライ堂を見学したばかりで
またキリスト教美術についての内容でしたので
とても興味深く観ました。
山下りんはロシア留学から帰国後 このニコライ堂で生活し
アトリエも与えられイコンを描いていたそうです。
先日見学に行った際に購入した小冊子には
りんが描いたイコンを額装してロシア皇太子ニコライに献上したことが
写真とともに掲載されています。
日本語の文字も描かれているからでしょうか
またイエス様や天使の顔だちもヨーロッパ的ではなくて
イコンと言えどもビザンチン様式の物よりずっと身近に感じます。
そしてこの額縁。
菊や百合 水仙などのとても日本的な図案です。
この額縁について少し検索してみたのですが
漆による金蒔絵の装飾が施されているそうです。
このイコンが描かれ献上されたのは明治24年(1891年)とか。
日本における額縁制作の始まりは明治半ばとされていますから
この額縁は日本で作られた額縁の極々初期のものです。
額縁というよりも「大切な絵を囲む平たい箱」というような認識で
蒔絵職人が作ったもの・・・なのではないでしょうか。
山下りんはロシアで額縁を沢山見ているはずですし
この蒔絵額縁についてアドバイスをしたかもしれません。
NHK「日曜美術館」
-祈りのまなざし イコン画家・山下りんと東北-
3月15日の夜に再放送があります。
「日本正教会の歴史 1」
著者 司祭パウエル及川信
日本ハリストス正教会教団 西日本主教教区宗務局
2008年8月28日 初版発行
有元利夫展 小川美術館 3月09日
「好きな画家は誰ですか」と聞かれたら
あの人もこの人も・・・と沢山挙がりすぎて困りますが
でもきっとわたしの3本指には入るだろう作家のひとり。
有元利夫の展覧会が今年も小川美術館で始まりました。
青い空に浮かぶ雲 遠いまなざしの人物
低く遠いところに見える地平線 それと接する空の色
かすれたような画面も気持ちを落ち着かせてくれます。
彼が描く晴れた日の地平線と夜の森が特に好きで
それらの絵の前にいれば いくらでも時間は過ぎてしまいます。
陳腐なセリフですが 何度観ても飽きることなく
新しい発見と考えるヒントをくれる作品です。
毎年この時期に開かれている展覧会ですが
やはり毎年観ずにはいられないのです。
小川美術館/彌生画廊
有元利夫展
2015年3月2日(月)~3月14日(土)
11時から17時まで 会期中無休
atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年12月 12月08日
今日ご紹介するMさんの額縁は
すでに9月に完成させていらしたのですが
すっかりご紹介がおそくなってしまいました。
額縁制作ははじめて 自分にできるか心配 と仰って
真夏にご入会なさったMさんですが
毎週の努力の甲斐あって 立派な額縁が完成しました。
Mさん 素敵な額縁を作って下さりありがとうございました。
木地にボローニャ石膏 濃茶色に着色
細枠に純金箔水押し装飾 植物文様はミッショーネで純金箔装飾
ワックスによるアンティーク仕上げになっています。
特にベースに濃い茶色を選んだのがこの額縁のポイント。
黒だと正統クラシックな雰囲気になりますが
茶色だとすこし優しい感じ そして現代風にも感じます。
完成間近 まだピカピカの出来立ての額縁をアンティーク風にするために
凹みを作る作業をしました。
丹精込めて作った額縁に傷をつけるなんて・・・と最初は恐々のMさんが
徐々に躊躇いが消えて真剣に傷を入れていく姿を見ていて
「むむ 良い度胸・・・」と内心とても感心してしまいました。
この凹みを作る作業に大切なのは 躊躇いを無くすこと。
最初はなかなか難しいことなのです。
そして打った跡の凹みにも それぞれの人柄が表れるのが
不思議でもあり 面白いところです。
11月に開かれました atelier LAPIS の展覧会に出品した
キャンデラブラム装飾額縁を
「works」内「classical」にアップいたしました。
どうぞご覧ください。
小さい小さい絵展 2014 11月13日
毎年恒例で出品させていただく小さい小さい絵展も
今年で第20回を迎えるそうです。
わたしも15回目の出品となり 記念の年
とても嬉しく思っています。
昨年に出品したもの2点に 今年描いたもの5点を加えました。
暮も間近でお忙しい時期ですが 池袋にお出かけの際には
どうぞお立ち寄りくださいませ。
よろしくお願いいたします。
「第20回 小さい小さい絵展」
11月27日(木)~12月10日(水)
池袋 東武百貨店6F1番地 美術画廊内 絵画サロン
http://www.tobu-dept.jp/index.html
Atelier LAPIS 展覧会のお知らせ 10月23日
横浜市の市が尾にある古典技法の研究所 Atelier LAPIS では
生徒さんの作品を中心に 展覧会を開くことになりました。
わたしが担当させていただいている月曜日からは3名の生徒さんが出品され
ほか土曜日 火曜日の生徒さんと講師(わたし含め)総勢16人。
11月1日土曜日から11月16日日曜日まで
銀座7丁目の「ギャラリー林」にて開催です。
お近くにおいでの際には どうぞお立ち寄りくださいませ。
芸術新潮10月号 ウフィツィ美術館ものがたり 9月29日
書店ではっと目に留まり ぱらりと中を見たとたんに
「これは買わずばなるまい!」と鼻息あらくなりました。
芸術新潮10月号の “ウフィツィ美術館ものがたり” です。
イタリアのフィレンツェにある美術の殿堂
ウフィツィ美術館は大変に有名な美術館ですから
興味のある方 また訪れたことのある方も多いことでしょう。
この雑誌に掲載されている美術館内の写真のなにが良いって
所蔵展示作品が額縁つきで紹介されていることです。
展覧会カタログでも美術館のコレクション紹介本でもかならず
額縁は切りとられてしまっているのは仕方がないけれど
つねづね残念にも思っているのですが
こうして美術館全体を紹介する雑誌では
「作品を正しく見せること」に特化する必要がありませんから
額縁もそのままに美術館の雰囲気を伝えてくれています。
ボッティチェッリやラファエロ ティツィアーノにカラヴァッジョ等々
彼らの代表作ともいえる絵に付けられている額縁をみて
意外にシンプルなことに驚いたり 当時最高の技術と材料で作られた
額縁の美しさにため息をついたり。
そして以前に La nostalgia in Italia 2011 のシリーズでご紹介した
フィレンツェの額縁工房 Maselli が載っているのも要チェックです。
http://www.kanesei.net/2013/08/05.html Cornici Maselli
わたしがうっとりと眺めた Maselli のウィンドウにあった額縁は
こんな工房でこの人たちが作っていたのか・・・と納得です。
芸術新潮10月号の “ウフィツィ美術館ものがたり” おすすめです。
atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年9月 9月18日
クリスマスにむけて 盛夏のころから作りはじめた額縁が
2か月以上も余裕をもって はやくも完成しました。
Tさんの純金箔を使った額縁です。
天使の絵を額装予定ですので クリスマスをいつも以上に思い出深くしてくれるでしょう。
デザインは15世紀のイタリア・トスカーナ州で作られたものを参考にしました。
木地にボローニャ石膏 盛り上げ装飾。赤色ボーロに純金箔 刻印装飾
磨り出しとワックスでアンティーク仕上げです。
Tさん 毎週のレッスンお疲れ様でした。
すばらしい作品を作って下さり ありがとうございます。
盛り上げは雲のような植物のような おおらかな模様
大きめの刻印で縁取ることで さらに力強さが加わりました。
この刻印の効果は想像以上!
わたしも制作意欲を駆られます。
KANESEIも次回は大きめ刻印を打ってみたいと思っています。
京都 ガクブチのヤマモト 8月28日
広島から島根を経て 京都にやって来ました。
以前ご覧頂いた「Bellの箱」を買った日のことです。
http://www.kanesei.net/2014/06/23.html
京都ではお寺や神社の観光も 美味しいお食事の楽しみもありますけれど
一番の目的は 寺町通りにある「ガクブチのヤマモト」さんを訪ねること。
事前の連絡も申し上げず 突然に伺ってしまったのですが
会長と社長にお目にかかり お話することができました。
お忙しいところお邪魔いたしました ありがとうございました。
わたしが訪問した日
ヤマモトさんの東店では熟練の職人さんがお忙しそうに
マット作業をしておられる様子がガラス越しに見えて
その手さばきに見とれた後 お向かいにある西店へ。
ウィンドウには古典技法で丁寧につくられた大きな額があり 目を引きます。
入る前からワクワクするお店の構え。
純金をつかった深みのある輝きが素敵です。
そして内部には これまた会長はじめ職人さんが制作された古典技法額縁の数々。
大きな本額縁はもちろんですが 小さなもの細くて繊細なもの
とりどりに飾られていて 心の中は大興奮でした。
かすかに感じるニスなどの「作業現場の匂い」も気分を盛り立てます。
ああ いいないいな。 なんて居心地が良いのだろう!
丹精込めて描いた自分の絵に こんな額縁をつけられたら
どんなにしあわせだろう。
わたしはお店を持っていませんが もし持てたら
こんなライティングで ソファーを置いて そして
こんなふうに大小様々な額縁をぎっしりと飾って・・・
妄想が広がりました。
こうして「本物の額縁」の制作現場を訪問したあとは
わたしもまた額縁に対する愛情が深くなって
より良い額縁を作りたい気持ちが強くなりました。
さぁ しっかりやらねば!
ガクブチのヤマモト
http://www.framing-y.com/
田中 岑 展 いろいろ、そうそう 8月25日
Tokyo Conservation 絵画修復スタジオには
さまざまな作品が持ち込まれます。
それらはいわば 病気や怪我をした入院患者。
室長はじめスタッフは「絵の医者」のようです。
わたしは「額縁の医者」そして「絵の医者」の端くれとして
Tokyo Conservation に参加しています。
9月に川崎市市民ミュージアムで開かれる展覧会
「田中 岑 展 いろいろ、そうそう」には Tokyo Conservationで
わたしも修復で携わった作品がいくつか出品されます。
透明感のある水色 強くはっきりした群青
燃えるような赤 吸い込まれそうに輝く黄色。
具象と抽象の狭間のようなモチーフと
色使いにとても意志を感じる作品の数々・・・
観た人の心になにかを必ず残すように思います。
ぜひご覧ください。
田中 岑 展 いろいろ、そうそう
9月6日から11月3日まで 川崎市市民ミュージアム
http://www.kawasaki-museum.jp/
絵と料理と心のつながり 8月14日
完成した額縁をお届けに 軽井沢へ行きました。
軽井沢の駅から歩いてもいける森の中のイタリアンレストラン
PrimoPiatto という素敵な一軒家のお店です。
(写真は PrimoPiattoさんのHPよりお借りしました)
お店を囲む森は針葉樹広葉樹さまざま。
おおきな窓からはシャクナゲや楓の大木も見えて
花の時期や秋の紅葉の時期は素晴らしい景色が見られるでしょう。
そしてこのテーブルから右に目を移すと そこには
KANESEIが以前納めさせていただいた額縁があります。
今関鷲人先生が描かれた薔薇の絵に。
そして今回も今関先生の作品「コスモス」のためにご注文いただきました。
今関先生のやわらかくて暖かい それでいてぴしっとした色と画風と
レストランの雰囲気 そしてお料理との相性は抜群です。
それはひとえに オーナーの小笠原さんと今関先生の
「心のつながり」が源泉になっているにちがいありません。
そこにKANESEIも加えて頂けるのは大きな喜びです。
軽井沢は 夏は勿論秋の紅葉の時も 冬の雪の時も
それぞれに趣が変わって住んでしまいたくなる場所です。
お出かけの機会がありましたらぜひ
PrimoPiatto へお立ち寄りください。
(写真はPrimoPiattoさんのHPよりお借りしました)
RISTORANTE Primo Piatto
http://www.primo-piatto2280.com/
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢東132
上信越 碓氷軽井沢ICより車で15分
軽井沢駅北口より徒歩7分
atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年6月 7月03日
市が尾の古典技法額縁制作と卵黄テンペラの教室
atelier du LAPIS では 生徒さんそれぞれがご希望のサイズとデザインの
額縁を木地から作ったり お好きな画家の作品を模写したりと
合同個人レッスンのようなアトリエになっています。
6月に完成した生徒さんの作品をご紹介いたします。
まずはTさんの作品から。
木地にボローニャ石膏 四隅に盛上げ装飾 中央部に磨り出し装飾
赤色ボーロに純金箔の装飾。
仕上げも最後まで古典技法で!とのことでシェラックニス仕上げです。
このニスはatelier du LAPIS主催の筒井先生お手製の
「本物のシェラックニス」を特別に使わせていただきました。
沢山の技法を習得したいとのことで 側面にもミッショーネ
(箔用の糊)を使った装飾を入れています。
とても豪華で男性らしい額縁が完成しました。
そしてIさんの額縁とビーズ作品。
月に一度のレッスンで根気よく丁寧に制作された額縁です。
木地にボローニャ石膏 四隅に石膏盛り上げ装飾
内側 ライナーと四隅に純金箔装飾。黒に彩色。
ワックスによるアンティーク仕上げです。
ビーズの作品はイタリアのラヴェンナにあるサン・ヴィターレ教会の
モザイク壁画をモチーフにされたとのこと。
このビーズの輝きは写真で見るより実物のほうが
ずっと深みがあり 美しさも倍増でした。
TさんIさん お疲れ様でした!
素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございます。
今年11月初旬に銀座で作品展を開催する予定です。
お二人の作品もほかの生徒さん作品と一緒に出品予定(恐らく!)ですので
銀座にお出かけの際にはお立ち寄り頂けるよう
またご案内申し上げます。
Atelier LAPIS 午前のコース開始のお知らせ 6月16日
市が尾にあるAtelier LAPIS では
古典技法額縁制作と黄金背景テンペラ画の講座を
受け持たせていただいておりますが
7月から午前のコースも開始することになりました。
毎週月曜日 9時30分から12時30分まで。
午後のコースと同様に3時間です。
午後のコースはご好評をいただき ほぼ満席ですが
午前のコースは満を持して生徒さんを募集いたします!
ご家族がお出かけになった後に または 午後にご予定がある方
午前中のレッスンは一日を有効に活用できます。
どうぞまずは見学にお出かけください。
アトリエでお待ちしております。
http://www.kanesei.net/2013/12/04.html
詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。
http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8
atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 4月17日
東急田園都市線の市が尾駅最寄にあるatelier du LAPIS(アトリエ ラピス)で
毎週月曜日の午後 講師をするようになって4年目になりました。
こちらでは古典技法を使った額縁の制作と
卵黄メディウムを使ったテンペラ画模写の授業を行っています。
atelier du LAPIS http://atelier-lapis.main.jp/
日当たりのよい明るい教室で
生徒さんそれぞれがご希望の作業を行います。
ひとつの部屋に数人の生徒さんがいらっしゃいますが
生徒さんひとりひとり 当然ながら目標も目的も
そして作業ペースや頻度も違いますので
合同の個人レッスン・・・のような感じとでも言いましょうか。
なので講師のわたしも毎月曜日に新鮮な気持ちになります。
下の写真はボッティチェッリの「マニフィカトの聖母」から
部分模写をしておられる生徒さんです。
難しい絵ですがコツコツと根気よく続けて
少しずつ陰影も入って来ました。
これから白いベールや金の装飾を入れていきます。
完成したらこの模写作品を納める額縁を作りましょう!
● ■ 3月10日
へんなタイトルです。
● ■ 丸 と 四角。
丸い支持体(キャンバスや紙 板)に描いた作品を入れる額縁は?
●? ■?
丸い作品は古くからあって
有名なものでは ミケランジェロの「聖家族」などでしょうか。
Tondo Doni, 1506~1508 Michelangelo Buonarroti
Galleria degli Uffizi,Firenze(画像はwikipedia より)
「聖家族」には作品の外周に合わせた円形の額縁がついています。
もちろん特注の これ以上ないフルオーダーメイド額縁。
円形の額縁は材料的にも技術的にも とても贅沢なものです。
ルネッサンス時代 富豪のパトロンや注文主がいて
街の至る所に技術が確かな職人が居た時代のもの。
最高の材料と技法を駆使することに迷いが感じられません。
さて・・・今回わたしが模写したテンペラは 丸い板に描きました。
フラ・アンジェリコの「ボスコ・アイ・フラーティの祭壇画」から
http://it.wikipedia.org/wiki/Pala_di_Bosco_ai_Frati (wikipedia イタリア)
聖母子の右側に立つ天使です。
額縁職人なら 当然合わせて丸い額縁をつくるか?
なかなか難しい問題。
今回は●に■を合わせることにしました。
正方形も安定感のある形ですので 良いでしょう・・・。
丸い木地はあと4枚作りましたので
今度は左側に立つ天使や花など描いてみようと思います。
こちらの絵と 先日ご紹介しました「最後の審判から部分」は
3月4日(火)から3月31日(月)まで 帝国ホテル本館地下1階にある
「絵画堂」併設のウィンドウで展示しております。
お近くにお越しの際は どうぞお立ち寄りくださいませ。
絵画堂 : http://www.imperial-arcade.co.jp/shop/art/kaigado.html
NHK文化センター講座のおしらせ 2月28日
5月の木曜日 2日間で完成させる
ちいさな額縁をつくりませんか?
NHK文化センターの青山教室で
「イタリア古典技法を使って額縁をつくる」というタイトルで
額縁制作を体験していただくワークショップを行います。
5月15日と29日の木曜日 時間は13時から16時半までの予定。
初日にボローニャ石膏を塗った木地をお渡しします。
磨き 装飾の線刻 彩色 そしてアンティーク仕上げまで
一連の作業をご一緒します。
額縁はハガキサイズ 色は黒 深緑 グレーから
当日にお選びください。
完成品は箱 裏板 アクリルガラス 金具等が
一式揃った状態でお持ち帰りいただきます。
その日の夜からすぐ お手元でたのしんでください。
クラシックなデザインで アンティーク仕上げを施した額縁は
記念の絵ハガキはもちろん 大切な写真や版画作品にもおすすめです。
ご自分の手で完成させた額縁はきっと一味違うものになるはず。
プレゼントの為の制作もいかがでしょうか。
詳しくは またお申込みは下記のサイトまでお願いいたします。
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_928091.html
お申し込みをお待ち申し上げております!
*上のサンプルは黒色です。
飛田英夫写真展「Le déclic」 12月09日
12月13日(金)から1月31日(水)まで
広尾にある EMON PHOTO GALLERY で行われる
飛田英夫さんの展覧会に KANESEI の額縁も
新作13点旧作5点 合計18点が登場いたします。
展覧会のタイトルは Le déclic
カメラのシャッターを押すこと そして
きっかけ などの意味があるそうです。
ちいさな写真の画面を覗き込めば
どこかで読んだ物語から切り取られた一場面のようだし
あるいは 遠い記憶に繋がる思い出の場面を突然思い出す。
生々しい現実のようであり 遠い夢の中の世界のようでもある。
たった一瞬を切り取ったような でも永遠に続く時間の中に
自分も一緒に閉じ込められたような
不思議な世界が広がっています。
そしてKANESEIの額縁18点は 小品ばかりですが
新旧ともに展示させていただくこともあり
ある意味集大成 または区切りとも言えるようです。
どうぞご高覧下さい。
EMON PHOTO GALLERY http://www.emoninc.com/
港区南麻布5-11-12,B1
平日11:00~19:00 土曜11:00~18:00
毎週日曜と12月27日~1月5日休廊
Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月04日
横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS
古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で
新しい生徒さんを募集いたします。
月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?
月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで
午後のコースは13時30分から16時30分まで
お好きな月曜日においで頂けます。(祝日は休講です。)
中世から続くヨーロッパの古典技法を使って
お好みのデザインの額縁を作ったり
ルネッサンス時代の作品を模写したり
生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。
美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。
金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。
一度ご見学にいらしてください。
詳しく下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。
http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8
アトリエでお待ちしております。
額師風雅さんの額展 10月08日
四国の愛媛県 松山で工房をひらいておられる
額師風雅さんから展覧会のお知らせが届きましたのでご紹介します。
もう何年も前になりますが 神戸で風雅さんが主宰なさった
額縁のグループ展があり わたしも参加させて頂きました。
それ以来 お会いする機会は限られていますが
様々なことを教えて頂いたり 額縁業界の方をご紹介くださったり
そして励まして下さって・・・大変お世話になっております。
今までのイメージでは 風雅さんの額縁は
男性的な力強い雰囲気だったのですが
ハガキを拝見する限りでは なんだか作風が更に広がったような?
銀座1丁目の かわうそ画廊にて
10月7日(月)から12日(土)です。
12時~19時開廊(最終12日は17時まで)
額縁にご興味のある方 ぜひ風雅さんの展覧会にお立ち寄りください。
額師風雅的額装生活(風雅さんブログ)http://fuga.blog.so-net.ne.jp/
匙の額 6月13日
先日ご覧に入れたバースプーン用の変形額が完成し
http://www.kanesei.net/2013/05/20.html
無事にお届けしてまいりました。
上の写真 額縁を横断する白い帯3本は
図らずも写ってしまった天井の模様ですが
バースプーンと交差して なんだか十字架風になって
ドラキュラ的雰囲気を演出していたりして。
スワロフスキーとブラックダイヤモンド そしてシルバー
一番美しく見えるバックを考えました。
当初は白い薄手のシルク布 または臙脂色や深緑
色々検討しましたが 最終的に黒のベルベットに決定しました。
無難と言えば無難ですけれど・・・スプーンの白い輝きが
黒いベルベットで引き立ち際立たせられたかな と思います。
長方形の額縁では 細長くてバランスがとり辛いスプーン用額縁も
変形六角形にすることで 安定させることができました。
横から見ると 本当に棺のよう。
こちらの額縁は 浅草にあるバー用品とグラスのお店
「グラスファクトリー 創吉」さんでご覧いただけます。
もちろん この美しいバースプーンもご購入いただけます。
どうぞお立ち寄りください。
藤岡直樹写真展『flora』より 5月27日
写真家の藤岡直樹さんの展覧会「flora」の会場から。
先日の夜 レセプションが行われました。
会場は二部に分かれていて 花をモチーフとした写真はメインの部屋に。
打ちっぱなしと白の壁 そして無垢材とコンクリートの床
それぞれコントラストが美しい部屋と 野に咲く花々の写真は
モダンな空間を幻想的に感じさせます。
そしてもう一つの部屋 奥にある書斎のようなスペースに
風景と人物をモチーフにした写真が展示されています。
こちらにKANESEIの額縁を使っていただきました。
踊り回転するバレリーナの連続写真をモノクロ1枚に。
明るい日差しの入る日中と スポットライトの陰影がある夜
作品の印象がこんなに変わるなんて・・・という楽しみもあります。
藤岡直樹写真展「flora」は6月8日まで。
どうぞお立ち寄りください。
藤岡直樹展 『flora』 5月09日
先日ご覧いただいた黒にアカンサスの額縁ほか6点を
写真家藤岡直樹さんの展覧会で使って頂くことになりました。
広尾にある エモン・フォトギャラリーにて
5月14日(火)~6月8日(土)まで。
お近くにおいでの際にはぜひご高覧くださいませ。
藤岡さんの写真は どれも いつも
遠い記憶とつながる物語があるように感じて
心が揺さぶられます。
とても不思議な物語です。
EMON PHOTO GALLERY
「啄木鳥通信」にKANESEIをご紹介いただきました 4月08日
今年1月の下旬に取材していただいた記事が
いよいよ冊子に刷り上がり 手元に届きました。
「啄木鳥通信 2013年春」号です。
木造の自然派個性住宅BESSの季刊誌の連載
「意外なつながり」でKANESEIをご紹介いただいています。
タイトルは『額縁とジャパネスクハウス「程々の家」』。
額縁と玄関の意外なつながりとは?
このジャパネスクハウスシリーズの家の玄関には
「家の顔」として額縁風の意匠が施されているそうです。
玄関は家の出入り口であり 尋ねる人をいざなう場所。
そして額縁もまた 中に納める作品と周囲の環境をつなぐ役割があり
作品を鑑賞する際の玄関のようなものかもしれない・・・
そんなお話をさせていただいた内容です。
14ページの冊子ですが 毎号特集する自然現象を取り上げてあり
(今季は『風』です。)
「へぇ知らなかった!」や「わたしも試してみようかな」と思ったり
そして なんだかしみじみと励まされる言葉があったりと
読みごたえある内容です。
こちら「啄木鳥通信」はBESSの住宅展示場にて
無料配布されています。
東京では代官山に総合展示場BESSスクエアがあります。
手に取っていただけるチャンスは限られていますが
機会があればぜひご覧ください。
ジャパネスクハウス「程々の家」:http://www.bess.jp/products/jh/
啄木鳥通信:http://www.bess.jp/kitsutsuki/
Atelier LAPISの様子から 2月11日
毎週月曜日の午後 神奈川県の市が尾にある
アトリエ ラピスで額縁制作と黄金背景テンペラ画の
講師をさせて頂いて 早くも3年目になりました。
上の写真は 当初から来てくださっている生徒さんの作品。
まず黄金背景テンペラ画の模写を仕上げ
その絵に合わせた額縁を制作されています。
いよいよ完成が見えてきて わたしも感慨深い思いであり
また 完成が楽しみでもあります。
以前 大学の非常勤講師として学生十数人に
黄金背景テンペラ画を指導した数年がありましたが
若い学生(まだ半分子供のような彼ら)に指導することで
感じること 指導する喜び そしてわたし自身が学ぶこと
沢山ありました。
大人の生徒さんが来て下さるアトリエ ラピスでの時間は
学生と過ごした時間とは違う緊張感と喜びがあって
刺激をいただいています。
自分の好きな絵を描き額縁を作る・・・シンプルな喜びです。
アートミニミニ展 1月24日
毎年の暮に 池袋東武デパートで開催する
「小さい小さい絵」展にテンペラ画を出品しておりますが
この展覧会が今年から巡回することになりました。
違う時期に違う場所で また新しい出会いがあるのではと
楽しみにしております。
巡回第一弾は新百合ヶ丘にある「ギャラリー華沙里」にて
1月31日(木)から2月12日(火)までの開催です。
(水曜は休廊です。)
小田急線「新百合ヶ丘」駅南口から徒歩5分。
お近くにお越しの際は ぜひお立ち寄りくださいませ。
ギャラリー華沙里 http://www.shinyurigaoka.com/kasari/
小さい小さい絵展 2012 12月03日
毎年の暮に 池袋の東武百貨店にて開催される
「小さい小さい絵」展に出品させていただくようになり
今年で13回目になりました。
今回は初日12月20日木曜日の午後
13:00~14:00在廊の予定でおります。
暮のお忙しい時期と存じますが
池袋にお越しの際には ぜひお立ち寄りくださいませ。
よろしくお願いいたします。
レディメイド通信販売開始のお知らせ 10月01日
KANESEIの額縁や小物は オーダーメイドで
お客様にお届けしてまいりましたが
「ahico」というサイトでKANESEI額縁の
レディメイドの商品もご案内できるようになりました。
ahicoからネットショッピングでご購入下されば
数日~一週間程度で お手元にお届けいたします。
まだ始めたばかりで商品の数も揃っておりませんが
徐々に数を増やし より選んでいただける幅を
広げていく予定です。
今回はahico第一弾として3点をアップしております。
下記のアドレスから どうぞご覧くださいませ。
今後ともKANESEIをどうぞよろしくお願いいたします。
ahico artist market place: http://www.ahico.net/
丸木美術館にて 9月24日
埼玉県の東村山市にある「丸木美術館」へ行きました。
森の中に佇む静かな美術館です。
目の前には都幾川が流れ 夏も終わりだというのに
残暑のせいか 草いきれの香りでいっぱい。
館内にあったステンドグラスからの光が
まるで揺らめく炎のようでした。
ただいま丸木美術館では Tokyo Conservation が関わる企画展
「発掘:戦時下に描かれた絵画」を開催中です。
10月13日まで。
どうぞお立ち寄りくださいませ。
原爆の図丸木美術館 http://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2012/2012hakkutsu.html
イニシャル小箱講習会のお知らせ 9月03日
秋の午後に イニシャル入りの小箱を作りませんか?
成城学園前駅最寄のアンティークショップ「attic」プロデュースで
さまざまな講習会が開かれていますが
今回 KANESEIも仲間入りさせていただくことになりました。
お好きな色とイニシャルで彩色し オリジナル小箱を作る講習会です。
小箱はボローニャ石膏地に下書きをした物をKANESEIにて準備いたします。
絵具や筆等の道具もこちらで用意いたしますので
どうぞお気軽にご参加ください。
日時 10月11日(木) 13時~16時
会費 5.500円(材料費 お茶代込)
持物 エプロン 短めの定規(15㎝程度の)
場所 「CAFE BEULMANS」成城学園前駅最寄
参加ご希望の方はattic(アティック)へご予約いただき
ご希望のイニシャルをお知らせください。
attic : http://www.attic-antiques.net/
tel 03-5490-6601 (11:00~19:00 火曜定休)
誠に勝手ながら6名様で定員とさせて頂きます。
ご参加をお待ち申し上げております。
制作予定の小箱外側寸法(約):60×53×33mm
内側寸法(約):46×38×28mm
いつか行くべき場所 LOWY 8月02日
Tokyo Conservation の室長宛に届いた
ニューヨークからのDMを見たのは もう6年前になります。
アッパーイーストにある LOWY という額縁店からのDMです。
アンティーク額縁の修復・販売 そして
復刻させたクラシカルな額縁を主に扱っているお店で
そのDMを見て以来忘れられず ずっと頭の片隅にありました。
先月に室長がニューヨークへ出張するとのことで
ぜひ LOWY を訪ねてみてほしいとお願いしたのですが
忙しい時間を縫って訪ね お店の様子を知らせて下さいました。
美術館で見かけるような いいえ 美術館でも稀なような
重厚で凝った細工の額縁が整然と並び 奥には工房スペースもあって
職人さんが忙しく作業していたとか。
アメリカらしくシステマチックに整った素晴らしいお店だったそうです。
室長いわく「ここは君がぜひ自分で訪ねてみるべき」とのこと。
アメリカとイタリアと日本 考え方も文化も歴史も違う国の額縁店は
営業の方法も制作・修復作業の方法にもどんな違いがあるのか知りたい
そんな「額縁職人」としての気持ちも有りますが
何より その素晴らしい額縁をため息をつきながら眺めたいという
「額縁オタク」としての気持ちのほうが強いかもしれません。
できることなら数週間でも研修させてもらいたいところですが
それはさておき いつか必ず行くべき場所 との思いが更に強くなりました。
LOWY :http://lowyonline.com/
「バーン=ジョーンズ 装飾と象徴」展 7月16日
以前のブログトピックで 藤田嗣治は
自分の作品に合わせて額縁も自作していたという
お話をしたことがありました。
自分の作品世界を完成させるには 自作の額縁を付けることが
(額縁の完成度も一定以上必要になるにせよ)
一番近い道なのかもしれないけれど 額縁職人が
作った額縁を付けることでまた新しい世界が広がる
可能性があるのではないか・・・と思いました。
先日バーン=ジョーンズの作品展を観て また改めて
同じ考えが巡っています。
三菱一号館美術館で開催されている展覧会
「バーン=ジョーンズ 装飾と象徴」展に出品されている
作品のいくつかは バーン=ジョーンズ自らが作ったと
されている額縁がつけられているとか。
ルネサンス風の祭壇額縁など 木地に石膏を塗り
盛り上げ装飾をして金箔水押しで仕上げられた
素晴らしい額縁でした。
画家が作ったとはにわかに信じられないような仕上がりです。
と言うのも 彼の父親が額縁職人で
彼自身も職人技術を身に着けていたらしいのです。
そしてやはり 自作の額縁がつけられたバーン=ジョーンズの作品は
彼独特の絵の世界が完璧に完成されていました。
19世紀末のアーツ&クラフツ運動に参加していたバーン=ジョーンズは
職人的な仕事をすることに誇りを持っていたことと思います。
油絵にはわざと修復を施されたような細工(裏打ち等)がされ
ニスも黄色く変色した古い趣を出すように工夫してあり
いわば「アンティーク仕上げ」されているのだそうです。
わたしがバーン=ジョーンズを好むのは装飾的だからだと
思っていましたが 今回の展覧会を観て
「古いものが好き」という共通の趣味があったらしい・・・
と言うことも発見のひとつでした。
それにしても やはりと言うか当然というか
図録には額縁の写真はありませんでした。
自作の額縁と判断されているのなら 額縁も作品の一部として
写真を掲載しても良いのではないでしょうか。
なかなか難しいですね。
三菱一号館美術館 http://mimt.jp/
美術品用保存箱 ART KEEPER -美術修復スタジオからのご提案- 6月04日
6月になって衣替えの時期ですね。
服を入れ替えようと押し入れを開いて奥を探ってみたら
懐かしい箱に入った画用紙や折り紙の束が出てきました。
わたしが小さなころに描いた絵 習字 折り紙や貼り絵でした。
母が整理して保存してくれていたのですね。
黄色く変色したり セロテープはぱりぱりになって
過ぎた時間を感じさせられます。
懐かしいような切ない気分になりました。
それらを飾ることはもう無いけれど
この先も大切にしようと思います。
作家やコレクターの悩みの一つとして
作品の安全な保管方法が挙げられます。
上記のような思い出の品々もしかり。
せっかく丹精込めた作品もお気に入りの作家作品も
気づいてみたらカビが生えていたり 黄ばんでいたり・・・と
その保存方法で 作品の寿命が大きく変わります。
額縁に収められた作品のように黄袋とタトウ箱で
幾重にも保護されて比較的安全なものと違い
額装する前のキャンバス作品や写真 版画等 または
お子さんが描いた思い出の絵もコラージュも
むき出しの作品は ややもするとかなり危険な状態になります。
そんな作品は どうぞこのART KEEPER に入れて
安全な状態で保管していただきたいと思います。
美術品の修復工房から考え出された保管箱で
適切なph値を保ち 劣化物質を吸着する素材を使っています。
有害物質によるダメージや酸による劣化を防ぎ
黄変や褐色 経年変化の進展を遅らせる効果があります。
サイズも色も様々ご用意しておりますので
ぜひご利用ください。
(株)ディヴォート Tokyo Conservation
アートキーパー:http://www.tokyoconservation.com/art_keeper.html
平成22年度 東京国立博物館文化財修理報告 3月26日
先日 上野の東京国立博物館から紀要が届きました。
「平成22年度 東京国立博物館文化財修理報告 Ⅻ」です。
(株)ディヴォート Tokyo Conservation の事業で
わたしが携わらせて頂いた博物館所蔵額縁の修理・改良について
報告がまとめられています。
小さな仕事でも 紀要の中にわたしの名前を残して頂けるのは
有難く 気持ちも引き締まります。
また来年度も お役に立てるよう頑張らなくては。
「手仕事」で夢をかなえる女性たち:ものづくりを生業にした24人の物語 3月22日
昨年2011年の11月に 塩沢槙さんにお会いしました。
手作りで製作している女性を取材し 本にまとめられるに当たり
KANESEIも加えてくださったのです。
頂いた名刺には「撮影業 執筆業」とあります。
ご自身で取材し 写真を撮影し 文章にまとめる とのこと。
多才! そしてインタビューも写真撮影時も
わたしや額縁など 対象に心から興味を持って
とても楽しそうなご様子だったのが印象に残っています。
その時の本「『手仕事』で夢をかなえる女性たち」が
いよいよ出版され わたしの手元にも送っていただきました。
わたしが取り留めもなく 考えながら話した内容を
とても美しい文章と写真でまとめてくださっています。
経歴やイタリアでのことなど 今までも何度か
ほかの方が文章にしてくださったことがありますが
書き手(聞き手)によって 受け取り方も
そして表現の仕方も こんなにも違いがあるのだと
新しい驚きと発見もありました。
また わたし以外の23人の女性たちも
年齢はさまざまに「ガラス・蝋・金属」「木・草・革」「紙」「糸・布」と
4つのカテゴリーで分けられて登場しています。
(KANESEIは「木・草・革」に登場します)
曖昧な趣味の域ではなく 本当の意味の「仕事」にしている方々。
共感できることも沢山あり 励まされます。
書店でお見かけの際は ぜひお手に取っていただけたらと思います。
データ : 「『手仕事』で夢をかなえる女性たち」
塩沢 槙(写真・文)
平成24年3月30日 初版発行
株式会社 淡交社
2011 小さい小さい絵展 12月01日
先日からなんどかお話しておりましたが
今年もまた「小さい小さい絵」展に出品いたします。
池袋の東武百貨店 6F美術画廊 絵画サロンにて
12月8日から21日までの開催です。
おついでの際に ぜひお立ち寄りください。
この展覧会には作品のみ参加させていただき
わたしは会場に常駐いたしません。
どうぞご了承ください。
第17回 小さい小さい絵展
前期12月8日(木)~14日(水)
後期12月15日(木)~21日(水)
池袋 東武百貨店6階1番地 美術画廊 絵画サロン
展示による印象変化の楽しみ 10月20日
6日にお知らせしました 銀座にあるギャラリー・オカベでの
「白石昌夫展 -水性絵の具による- 」が月曜日から始まりました。
今回は展覧会の搬入もほんの少しお手伝い出来ました。
まずは梱包を解いて壁際に並べ 一先ず様子を見ます。
それから イメージに合わせて並べ替え
壁につり金具を設置して吊るし ライトを調整。
最後にキャプションを取り付ければ完了です。
白い壁にライティングされ 整然と並んだ作品群は
作業中に工房で見ていた表情とまた違い
迫力も美しさも際立って迫ってきます。
画廊の「整えられた環境」での鑑賞イメージと
昨日まで工房で見ていた時のイメージの違いを感じるのも
搬入後のひとつの楽しみです。
展示は22日土曜日まで
銀座のギャラリー・オカベで開催しています。
白石昌夫展 10月06日
再来週の10月17日から始まる
「白石昌夫展 -水性絵具による-」の額縁を12点
作らせていただくことになり ただ今制作追い込みです。
たいへんシンプルでガラスも無い「木枠」のような額縁ですが
アトリエでの制作風景を再現したい とのご希望で
作家ご本人によるデザインの額縁です。
材料研究を続けてこられた方ならではの
美しい色の構成画面は神秘的です。
銀座にお越しの際は ぜひお立ち寄りください。
「白石昌夫展 -水性絵具による-」
GALLERY OKABE ギャラリー・オカベ
http://www.galleryokabe.co.jp/front.html
赤富士の影を追う 7月28日
.
わたしが日ごろ大変お世話になっている
絵画修復スタジオTokyoConservation の研究
「戦時下に描かれた絵 『弾痕光華門外』」が
先月の修復学会で発表されました。
今日はその内容を少しご紹介したいと思います。
タイトルにある「光華門」とは中国の南京にあった城門で
日中戦争中の1937年12月に激しい戦闘があった場所です。
作品『弾痕光華門外』は従軍画家として同行した作家によるもので
作者不詳ではありますが 当時の記録として
大変貴重な作品と言えるでしょう。
この作品の調査をする段階で撮影した赤外線写真には
不思議な影が映っていました。(心霊ではありません。)
さらに詳しく分析するためにX線撮影した写真には はっきりと富士山の姿が。
どうやらこのキャンバスに光華門風景を描く前
富士山の風景が描かれていたようなのです。
いったい誰が なぜ?
詳しくは「毎日jp」掲載「歴史・迷宮解:南京・光華門の弾痕描いた戦争画
/上 下層に朝日の富士山」
http://mainichi.jp/enta/art/news/20110727ddm014040159000c.html
そしてTokyo Conservation の研究発表「戦時下に描かれた絵画
『弾痕光華門外』 画家たちの描いた激戦のモチーフを知る」
http://www.tokyoconservation.com/research/pdf/kokamon.pdf
以上を併せてぜひご覧ください。
*写真資料は TokyoConservationのサイト よりお借りしました。
http://www.tokyoconservation.com/main.html
.
絵画額縁 美術研究所 Atelier LAPIS 6月16日
この春から古典技法の額縁製作と
黄金背景テンペラ画の講座を受け持たせて
いただいている研究所 Atelier LAPIS の様子を
今日はご紹介しようと思います。
田園都市線 市が尾駅から徒歩3分にある
マンションの一室が作業をする部屋です。
自然光の入る明るい部屋で生徒さんは
もくもくと作業に取り組まれており
制作にたいする真摯なお気持ちが伝わってきます。
生徒さんのご希望 どんな額縁を作りたいか
どんな絵を描きたいか・・・それぞれの方に合わせて
ほぼオーダーメイドの授業をしています。
月に1度でも毎週でも いつでもご参加いただけます。
一部材料は費用を頂きますが 必要な物は
研究所に準備してありますので(石膏 顔料 道具等)
エプロン一つでお気軽にどうぞ。
ご質問等 お気軽にお問い合わせください。
皆さまのご参加をお待ち申し上げております。
詳しくは下記のHP内「Atelier」をご覧ください。
額縁絵画 美術研究所 Atelier LAPIS
http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=4
.
額縁の簡単なリモデル 前編 5月30日
以前からずっとお持ちの大切な作品で
展示に不自由はないけれど
額装が古びた印象になってしまった・・・
という作品はありませんか?
修復や額縁本体の交換など大掛かりでなくても
木枠を磨き直しマットを交換するのは
スッキリと美しく甦らせるに効果的な方法です。
こちらの作品2点は1971年に額装された記載があります。
木枠はところどころの傷やスレが目立ちます。
マットは日焼けしていますし 色が作品と合っていません。
裏面を見ますと ベニヤ板は酸化して色が変わり
吊り金具にも錆が出て劣化が始まっています。
こうした酸化や劣化が 作品に大きな影響を与える前に
交換できるものは交換してしまうことで
作品の寿命も延びます。
今回はビフォーのご紹介。
近々 交換後のアフターをご覧いただく予定です。
どうぞお楽しみに…
.
ワークショップを開催します 3月24日
5月の連休の最終日 8日(日)に
目黒にあるアンティークショップ GEOGRAPHICA で
一日限定のワークショップを開催いたします。
午後の数時間で ハガキサイズの額縁を作ってみませんか?
下準備をした木地をKANESEIで用意いたします。
箔を貼って色を塗り アンティーク仕上げという
一連の作業を体験していただく予定です。
ご興味のある方はぜひ下記の
GEOGRAPHICA(ジェオグラフィカ)のH.Pをご覧下さい。
左下「お知らせ」の「ワークショップ参加募集を開始しました!」
からお申し込みが出来ます。
8名様で定員とさせて頂きますので お申し込みはお早めに。
ご参加をお待ち申し上げております!
(中の絵葉書は含まれません)
GEOGRAPHICA http://www.geographica.jp/index.html
ワークショップ詳細 http://www.geographica.jp/event/event_workshop2011.html
喜ぶ小箱たち 2月28日
こちらで何度かご紹介したことのあるアンティークショップ
atticさんで 小箱を扱っていただいています。
春を感じさせるような可愛らしいディスプレーで
小箱たちもなんだかウキウキとしています。
atticは小田急線の成城学園前からすぐ。
お近くにお出かけの際には ぜひお立ち寄り下さい。
attic http://www.attic-antiques.net
世田谷区成城6-16-4-2F
Tel / 03-5490-6601
11:00~19:00 火曜定休日
小田急線成城学園前駅 北口より徒歩2分
教室を始めます 2月21日
4月から 額縁と黄金背景テンペラ画の製作の
講座を担当することになりました。
場所は東急田園都市線の市が尾駅からすぐです。
絵画額縁 美術研究所 アトリエ・ラピスにて
毎週月曜日 13時30分から16時30分まで。
アトリエ・ラピスの主宰である筒井先生のご厚意で
お誘いいただき 機会を得ることが出来ました。
古典技法による額縁の製作や
黄金背景テンペラ画の制作をご一緒しませんか?
ご自身で描かれた作品 お気に入りの作品にあわせて
すべてオリジナルの額縁を作ったり
テンペラ技法による模写やオリジナル作品制作の
お手伝いをいたします。
詳しい内容は アトリエ・ラピスのホームページ内
左上から「Atelier」をご覧いただくか
または KANESEI のホームページ内
右上の「contact」からご連絡下さい。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
絵画額縁 美術研究所 Atelier LAPIS
http://www.d6.dion.ne.jp/~tsui/
〒225-0024 横浜市青葉区市が尾1153-2-303
東急田園都市線 市が尾駅 徒歩2分
新春素描展 画廊るたん 1月06日
銀座6丁目にある 画廊るたん にて
今年も「新春素描展」が開催されます。
この展覧会にKANESEIの額縁を使って
いただいております。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
「新春素描展」 銀座 画廊るたん
2010年1月10日(月)~1月15日(土)
11:00~19:00まで 最終日17:00まで
画廊るたん http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html
.
angelo 12月09日
フィレンツェでのわたしの額縁師匠
マッシモ氏の作る額縁の特徴には
アンティーク仕上げがあります。
色や箔などの装飾を仕上げた後に
かなり強い古色をつけていました。
様々な道具で傷をつけ ワックスで汚し・・・
表面からでは完成したばかりの額縁とは
思えないような仕上がりにします。
わたしがはじめてマッシモ氏の額縁を
お店のショーウインドウ越に見たときの感動と
「これだ!」と思った喜びは 今も鮮明です。
日本で好まれる作品や建築には 残念ながら
マッシモ氏直伝の古色は少々強すぎて
作るチャンスもあまりありませんが
自作の黄金背景テンペラの模写に合わせて
イメージ通りの古色をつけた小さな額縁を作ってみました。
久しぶりに フィレンツェの師匠や工房
いろいろな思い出がよみがえりました。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をを2点
アップいたしました。どうぞご覧下さい。
* 黄金背景テンペラ画の模写4点を下記の展示会に
出品いたします。お近くにおいでの際がありましたら
ぜひお立ち寄り下さい。
第16回 「小さい小さい絵」展
12月16日(木)~12月31日(金)
22日、31日は午後4時30分まで
池袋 東武百貨店 6階 美術画廊内絵画サロン
.
道具の美 11月29日
古典技法の絵画制作や額縁制作では
作家自らが道具類を作ることもあります。
手に入れ難い道具が多いということもありますが
それ以上に 自作した道具の使い心地の良さ
何より「道具作りが好き」というタイプの人が
多いように感じます。
わたしの黄金背景テンペラ画の先生である
有森正先生が作られたメノウ棒(箔を磨く道具)は
道具でありながらも 実用一辺倒ではなく
芸術品のように美しく 味や趣があります。
制作に対する情熱は作品だけではなく
道具類にも及んでいます。
道具類からも作家の個性が感じられる
使う道具までが美しい・・・
わたしの目標です。
有森正先生のHP : http://www.arimori-sei.jp/index.html
有森正個展 東日本橋で開催中(12月8日まで)
http://www11.ocn.ne.jp/~kanekoag/kaneko/2010/101122/arimori1122.html
.
ソフィアの夜明け 11月01日
先日観た映画「ソフィアの夜明け」をご紹介します。
久しぶりに渋谷の小さな映画館で観た映画は
ここ何年かで観た映画の中でも指折りの
印象深い作品でした。
ブルガリアの若手監督カメン・カレフの長編第一作である
「ソフィアの夜明け」です。
ブルガリアの首都ソフィアを舞台に
若者達(とは言え主人公は38歳ですが)の
苦悩と希望をたんたんと語るストーリーです。
グールド演奏のバッハ・コンチェルト974のアダージョが
とても大切な場面(下の写真)で使われていました。
観終わった直後は不思議な既視感が強く
時間が経つとともに悲しさ 激しさ
窒息しそうな記憶 さまざま思い出し また
自分が引きずって切り離せない「青さ」のようなものを
感じさせられました。
数日経った今日も 思い出しては考えさせられる作品。
「リアルでビターな青春映画」との宣伝文句ですが
もっと重く深く でも儚い「青春の名残」のような印象です。
上映期間はまだしばらくありそうですので
もう一度だけ観に行こうかと考えています。
「ソフィアの夜明け」 第22回東京国際映画祭3冠受賞
渋谷 シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
http://www.eiganokuni.com/sofia/index2.html
めぐり逢う朝 8月26日
こちらの「diario」では わたしの印象に残った本なども
ご紹介していますが 今日は映画のお話を。
「めぐり逢う朝」という作品をご存知でしょうか。
1991年フランス製作で 主演はジェラール・ドパルデューと
ギョーム・ドパルデュー親子 他3人という
登場人物も少なく 静かに深く進んでいく内容です。
「17世紀の音楽家マラン・マレと、その師サント・コロンブの
葛藤と愛を描いた人間ドラマ。全篇に二人の代表曲が流れ
また撮影は、当時と同じ光源を使って行われた。」(紹介文より)
1993年の日本での公開当時 学生だったわたしは
師と弟子の葛藤や 死者への想いなどということより
師の娘と弟子の恋に焦点をあてて観た記憶がありますが
それから20年近く経ち 改めてこの作品を観てみると
人生の終りに差し掛かったそれぞれの時期に 何を思うのか
どうのように自分の生を終えたいか というようなことを
わたしなりに理解し考える年齢になったのだ と思います。
生死 芸術と世俗に対する考えなど
観る年齢によって 感想が大きく変わる内容と言えるでしょうか。
「言葉で語れぬことを語るのが音楽であり 死者への贈り物である」
というセリフは師であるサント・コロンブが弟子に残した言葉です。
17世紀フランスに実在した作曲家・演奏家2人の音楽と
バロック時代を再現したような光と影
印象に深く残り 何度も観たい映画のひとつです。
データ : 映画「めぐり遭う朝」
原作・脚本 パスカル・キニャール
監督 アラン・コルノー
撮影 イヴ・アンジェロ
音楽 ジョルディ・サヴァール
出演 ジャン・ピエール・マリエル (Sainte Colombe)
ジェラール・ドパルデュー (Marin Marais)
アンヌ・ブロシェ (Madeleine)
ギョーム・ドパルデュー (Marin Marais Jeune)
カロリーヌ・シホール (Madame De Sainte Colombe)
模様違いのfrido 8月23日
成城学園前のアンティークショップ attic にいらっしゃる
お客様からご注文いただいて作った額縁は
模様違いの frido です。
銀の艶消しでハガキサイズ 形は frido-1 と同じ。
でも既にお持ちの frido-1 と模様も同じではつまらない・・・
ということで 模様を変えてみることになりました。
月桂樹の葉とリボンがモチーフになっています。
孔雀の羽のような模様で銀の艶消し frido-1
箔の色を金に変えての frido-2
そして今回の模様違いで frido-3
だんだんと展開されていくのも楽しいものです。
attic : http://www.attic-antiques.net/
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
家族の思い出に 8月12日
外国の映画を観ていると 家族の写真を
大切に飾っている様子をよく見かけます。
日本はまた違う文化ですので 頻繁に家族の写真を
眺めたりすることはあまり無いようですが
家族や先祖を大切に思う気持ちは同じです。
7月12日にご覧頂いた pink-acanthus-1 の額縁は
家族の写真をいくつか入れて インテリアとしても
日本の家庭で違和感無く楽しめるように・・・と作ったものです。
ご依頼主の曽祖父母から祖父母 ご両親
そしてご自身と奥様の写真まで 四代に渡る
ご家族の歴史を見ることが出来る額装が完成しました。
写真のトーンを統一し 人物のサイズも細かく調整して
単なる写真の寄せ集めではない額装を目指しました。
KANESEI は最後の仕上げとして額装させて頂きましたが
このご家族のお気持ちを聞き 1からすべてをまとめて
プロデュースなさったのは 有限会社ウィルウィンドさんです。
ウィルウィンドさんでは 「想いを次の世代へ繋げる」ことの
お手伝いをしています。
写真や文章 映像といった様々な形で 次ぎの世代へ
歴史と想いをつなげていく・・・
ご興味ある方はぜひ ウィルウィンドさんのHPをご覧下さい。
有限会社ウィルウィンド :
http://www.willwind.co.jp/index.html
また ブログでもKANESEIをご紹介いただきました。
willwind代表の徒然日記 :
http://plaza.rakuten.co.jp/vacancesvacances/diary/201008110000/
荻 太郎・佐野ぬい 二人展 5月21日
画廊るたん銀座開設10周年記念の展覧会のお知らせです。
荻太郎先生の作品11点にKANESEIの額縁を
使っていただいております。
「荻太郎・佐野ぬい 二人展」
6月7日(月)から19日(土)まで 13日 日曜休み
11時から19時まで 最終日17時まで開廊
http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html
銀座6丁目 東武ホテルのすぐ近くです。
銀座へお出かけの際にはぜひお立ち寄り下さい。
Tokyo Conservation 4月12日
わたしが美術修復に興味を持ちはじめたのは
幼い頃に父の肩車から鑑真和上像と出会ったときでした。
うす暗い展示室のなか スポットライトを浴びている
鑑真和上像は子供心にも感じられる威厳と同時に
「なんてボロボロなんだろう!」というのも正直な感想でした。
母に「こうした大切なものを修理する仕事もあるのよ」と聞いた
その時の気持ちは今も良く覚えています。
今は額縁制作を主にしているわたしですが
絵画修復に対する気持ちや興味は尽きません。
むかしから家にある絵だけれど よく見たら傷んでいた
ずっと大切に飾っている絵を一度きちんと手入れしたい
などお考えの方がいらっしゃいましたらぜひ
Tokyo Conservation (株)ディヴォート絵画保存修復事業部へ
お気軽にご相談下さい。
http://www.tokyoconservation.com/main.html
大切な美術品の修復・管理のお手伝いを致します。
こちら Tokyo Conservation スタッフブログに
わたしもごくたまに参加しております。
武澤信雄 線刻陶展 engraved liner 1月27日
雪深い福井も そろそろ雪が溶け始めている頃でしょうか。
福井県の越前で作陶を続けておられる武澤信雄さんの展覧会
「線刻陶」が2月1日から開かれます。
この展覧会に出品される陶板作品に KANESEIの額縁を
2点使っていただけることになりました。
武澤信雄さんは越前に登窯を構え
越前独特の鉄分の多い焼き締められた肌に
精緻な線刻を入れた作品を作っておられます。
今回わたしが額縁を作らせていただいた陶板作品も
細くカーブを描く線刻でシンプルに構成されていますが
その繊細さに驚くと共に 越前焼の奥深さに触れることが出来ました。
武澤さんご本人は一見とても明るくお喋りなロマンスグレーのオジサマ。
ですが作品のイメージ通りの緊張感と 作品作りに対するストイックさも
また別の側面として強く感じられる方です。
展覧会場はJR北陸本線福井駅の西側すぐです。
東京からは少々遠くはありますが 会期は1ヶ月あります。
作品の風合い 色 線刻の美しさをぜひご覧になって頂きたい。
お近くへお出での方がいらっしゃいましたら ぜひお立ち寄り下さい。
武澤信雄 線刻陶展 -ENGRAVED LINER.デザイン-
2010年2月1日(月)~2月28日(日)
Gallery サライ 10:00~19:00
http://www.2ndgate.jp/sarai/gallery.php?year=2010&month=2
新春ドローイング展 1月15日
銀座6丁目にある「画廊るたん」にて
今月末から新春ドローイング展が開催されます。
この展覧会にKANESEIの額縁も使って頂けることになりました。
お近くにお越しの際は ぜひ画廊るたんへお立ち寄り下さい。
画廊るたん銀座開設10周年記念
独立美術協会会員による「新春ドローイング展」
2010年1月25日(月)~2月6日(土) 1月31日(日)休廊
11:00~19:00 最終日17:00まで
画廊るたん http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html
フランスと日本の狭間 11月27日
フランス大使館旧館にて今月28日から始まるイベント
バンタンデザイン研究所主宰「Voila` Vandan!」に一足早く行きました。
このイベントは来年1月に取り壊しが決まった旧館を目一杯使って
絵画 インスタレーション モード デザインと様々な
美術を紹介・展示しています。
25日の夜はオープニングイベントでもあり 盛況で大賑わい。
マスコミ等で有名な方々のお顔もちらほら見受けます。
参加している作家の熱意に会場を訪れる人々の熱気が加わって
とても生き生きとした展示会場の空気を感じました。
広尾に行かれる方は 少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
ここは日本だけど日本ではないような不思議な感覚
そしてイタリアで感じていた「大勢の外国人の中にいる孤独感」
のような懐かしい気持ちも少しだけ思い出した夜でした。
ヴォアラ バンタン http://voila.vantan.com/pc/index.html
Bagels baked just for you! 11月06日
みなさんには今も親しい幼馴染のお友達がおられるでしょうか。
思えば幼馴染とは不思議な仲間ですね。
大人になってから得た友はいわば「自分で選択した結果」の
友情とも言えると思いますが 幼馴染は選択の余地無く
住まいが近所だったり親同士が友人だったり・・・
という外的理由や偶然が元で始まった(?)友情です。
その友情が大人になってもずっと続いているのは
しあわせなことだと思っています。
わたしの人生初の友・・・幼馴染が経営するベーグル店があります。
焼き上がりのタイミングやお昼前など 小さなお店の前まで
行列が溢れている様子を見ると自分のことのように
嬉しく誇らしい気分になります。
「親ばか」ならぬ「幼馴染ばか」といった感じでしょうか。
今の時期のお勧めは「いちじく」です。おいしいですよ。
ちかくにお越しのことがあれば どうぞお立ち寄り下さい。
京王線 上北沢駅南口からすぐです。
ケポベーグルズ http://www.kepobagels.com/
額縁の東西 10月31日
日本画といえば表装されるのが伝統的な形ですが
現代の日本画は油絵同様に額縁に納めて
鑑賞・保存がされる場合もとても多くなりました。
作品の内容や雰囲気によっては油絵と同じような
「洋風」な額縁との相性が良いこともありますが
主に日本画のために発展した額縁というジャンルもあります。
これは「日本独自の額縁」と言えるのではないでしょうか。
水曜日から大丸デパート東京店で開催されている「初音会」
という日本画の展覧会を30日金曜日に観に行きました。
まだ若くこれからの活躍が期待される作家22人の
個性ある作品がずらりと並んでおり見応えがあります。
この展覧会でもすべての作品が額縁に納まっていました。
日本画のための額縁は 一般的にシャープなライン
装飾や色使いは極力抑えてある というような印象です。
今日は改めて日本画と額縁の「在り方」をじっくり
鑑賞し考える機会を持つことが出来ました。
木目の美しい杉材を生かした額縁は一見装飾も少なく
とても控えめですが 緩やかに内側に入るカーブ
ほんの数ミリ間隔で入れられている段など繊細なデザイン
その技術と計算されつくした美しさと存在に
「日本的な要素」とでも言いましょうか
西洋美術の感覚とはまた違った美的感覚の表現を
しっかり感じられたような気がします。
「美しい絵」を見た充足感と それにプラスして
額縁の新しい感覚と視野が広がったような
とても有意義な時間を持つことができました。
今回得た感覚を忘れないようにしなければ。
* 第25回 「初音会」 展
大丸東京店 10階 美術画廊
10月28日~11月3日まで開催
布の額装 9月17日
額縁に入れて飾ることが出来るのは
絵や写真ばかりではありません。
こんな可愛らしい布の額はいかがでしょうか。
こちらは目白にある布と玩具のお店「LUNCO」さんで
見つけた古いハギレの一部です。
額縁に入れて飾れば世界にひとつだけの美術品として
お部屋を明るくしてくれます。
「LUNCO」には端切れのほかにもアンティークの着物
帯や和装小物 玩具などワクワクするような品揃えです。
有名なお店なのでご存知の方も多いと思いますが・・・
目白の駅からすぐ。ぜひおはこび下さい。
布と玩具 LUNCO http://www.lunco.net/
KANESEIの額縁をご覧いただけます 8月16日
以前「ラデュレが好き」というトピックスでもお話したように
その近くまで行ったら寄らずには帰れない!という場所がありますが
成城学園前にあるアンティークショップ「attic」も
確実にその場所のひとつです。
http://www.attic-antiques.net/
食器や照明器具 アクセサリーや小さな家具などが
とても大切そうに美しくディスプレーされている様子は
いつ伺っても心がふんわり温かくなります。
そのatticさんにKANESEIの額縁も仲間入りさせて頂くことになりました。
今回はポストカードのサイズのちいさな額縁2種。
こちらはアンティークのお店ですので額縁も勿論アンティーク仕上げです。
シルバーのものとベージュのもの シンプルなデザインにしました。
シルバーは「works」ページ内「classical」の2番目「frido」です。
アンティークのグリーティングカードを飾るために・・・と作りましたが
もちろんハガキサイズのお写真をいれていただくこともできますし
そのほか古い布やレースのハギレ 鏡を入れたりとお楽しみいただけます。
お近くにお越しの際はどうぞぜひ「attic」へお立ち寄り下さい。
KANESEIの額縁もお店の片隅でお待ち申し上げております。
絵画修復ワークショップ 7月30日
わたしが日々お世話になっている恩師 尾形純氏による
絵画修復のワークショップをご案内します。
来月8月22日、23日の2日間 練馬区立美術館です。
C-1:「”厚み”の向こうにナニがある?絵画の材料とその歴史」 | |
【日時】 | 8月22日(土) 14:00~16:00 |
【対象】 | 中学生から一般 |
【定員】 | 20名 |
【講師】 | 尾形純(修復家・画家) |
【参加費】 | 無料 |
【内容】 | ルネサンス時代の絵の具と今の絵の具は違うの?修復作業を通してみえてくる油絵の秘密を、豊富な資料とともに探る講座です。 |
C-2:「真夏の怪談?絵画の向こうにナニかがかくれている!」 | |
【日時】 | 8月23日(日) 14:00~16:00 |
【対象】 | 小学生から一般(10歳以下は保護者同伴で申し込み) |
【定員】 | 20名 |
【講師】 | 尾形純(修復家・画家) |
【参加費】 | 無料 |
【内容】 | 修復用の特殊なライトを当てると、いつもは見えないものが浮かびあがってくる?!展示室の絵がいつもと違ってみえるはず。 |
普段接している油彩画も違う角度から見ると沢山の発見があります。
この講座を聞いた後に展覧会場へ足を運ぶと きっと
今までより更に作品に近づいて 横から斜めから 後ろに回ってと
角度を変えて目を凝らして作品と対峙したい気持ちになること請け合いです。
ご興味をもたれたら ぜひともご参加下さい。
尾形氏の修復講座のほかに 絵の具作りや額縁作りの体験もあります。
額縁作りの講師は額師風雅の戒田光雄さん。
私も何度かお会いしてお世話になりましたが気さくでおおらかなお人柄
そして額縁に対する技術と洞察が深い方です。
くわしくは下記の練馬区立美術館のサイトをご覧下さい。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/tenji/atsumi.html
黄金背景テンペラ画作家 布施久美子さん 7月10日
今日は私のお友達のサイトをご紹介しようと思います。
黄金背景テンペラ画の作家である布施久美子さんのサイトです。
彼女と出会ったのは何時だったか…もはや記憶が定かではありませんが
かれこれ15年以上前のこと 御徒町にあるU美術研究所の
テンペラ画の授業でご一緒したときです。
穏やかでふわりとした雰囲気でもきちんとした芯がある
そんなお人柄同様に彼女の描く作品も優しさと清清しさが感じられます。
布施さんのサイトの「works」ページ内 no.11 の作品に付いている額縁は
私が作らせていただいたものです。
睡蓮がモチーフの作品なので額縁の装飾にも睡蓮を。
古代エジプトの装飾模様をヒントにしています。
どうぞご覧下さい。
着物こと初め中田堂 7月03日
このKANESEIのサイトを作ろうと思い立ったとき
友人達の運営するサイトも巡り参考にさせてもらいました。
それぞれお店や作家活動を紹介した個性のあるサイトです。
ご本人を知っているせいもあるのか サイトの雰囲気は
やはりご本人のイメージに近いように感じます。
そんな数あるサイトの中でも キリリとしつつも柔らかで
「こんなサイトが作れたら素敵!」と思ったのが
「着物こと初め中田堂」でした。
http://www.nakatado.com/blog/blog/
女性二人で運営なさっている着物の着付け教室のサイトです。
中田堂の友人に「どちらに依頼して作ったの?」と伺ったところ
なんとご自分で作られたというではありませんか。
さっそくその場でKANESEIサイトの制作をお願いしたのでした。
着付けは勿論のこと彼女は友禅染色のプロでもあり
仕立にも詳しいという正しく着物のプロフェッショナルです。
文系美術系おまけに理系にも強いなんて…素晴らしい才能!
毎日更新される「日誌」には着物と帯の着比べや
見ているとお腹がすいてくるお料理の写真など
とても充実していますのでぜひぜひご覧下さい。
浴衣着付け講習(たった2時間!)もあるそうです。
今年の夏は粋に浴衣を着こなすのも素敵です。