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やるぞエミリア、着手の日 3月30日

 

自覚はあまり無かったのですが(今はある・・・)

わたしはお調子者の面があるようです。

その場の勢いとか雰囲気で、あまり考えずに

「いいねいいね!やってみよう!やってみないと分からないよ」と口走り

いざ始めてみて「・・・あれ、大丈夫かな」などと思うのです。

これつまり後の祭りと言う。

 

今回の額縁摸刻もまさにそれ。

 

▲本の額縁はイタリアのエミリア地方で17世紀に作られた額縁です。

 

市が尾の古典技法教室 アトリエLAPIS の生徒さん数人と

「この額縁かわいい~♡こんなのつくってみた~い!」と盛り上がり

いそいそと千洲額縁さんへ木地をお願いしたのでした。

 

届いた木地を見て、そして本の写真と比べてつくづく見て

3月ついに着手する日が来て・・・

 

 

おおぅ・・・強烈。いや、分かっていたけど。

 

同じ木地を購入された生徒さん方が作る前に

講師のわたしが一通り理解していないとなりませんから

何はともあれやるべしやるべし!でございます。

 

▲上の小さなピースは別に彫ってあとから取り付けます。

 

下描きをしてみたらやっぱり可愛いムフ。

だんだんと気分が盛り上がってきました。

これまたお調子者です。

 

なにせ「曲線の額縁」は初めてですので

今回、同じ木地を2枚注文しました。

ひとつはチャレンジ用、もうひとつは完成用。

つまり、ひとつ目は間違えること前提です。

心置きなく失敗して経験して理解して

もうひとつをきっちり仕上げるつもりです。

・・・つもりです。

 

なぁに、人生何ごとも挑戦ですよ!ワハハ!

・・・ハハ・・・がんばります。

 

 

ヨーロッパの古典技法展 ―絵画・額縁の魅力― 3月09日

 

横浜市の市が尾にある古典技法の教室

「Atelier LAPIS」の展覧会のお知らせです。

わたしが月曜コースを担当させて頂いてから

早くも12年目!なんと早いこと。

こちらのアトリエの講師と生徒さん方の作品の展覧会です。

 

横浜本牧絵画館の第4回 作家・研究者支援プログラム展示

と言うことで、かなり本格的な展覧会になりました。

わたしは額縁を2点出品いたします。

 

↑16世紀半ばにフィレンツェで作られた額縁の摸刻と

 

↑18世紀にイタリア・ヴェネト地方で作られた額縁の摸刻の2点です。

展覧会のポスターはアトリエ主催の筒井先生の作品です。

 

 

水曜コース講師の井上雅未花先生の作品

古典技法で制作された生徒さんの作品

そしてわたしの額縁のご紹介ページなど。

 

 

それから、2022年秋にご紹介しておりました

「古典技法額縁制作見本」の額縁はこの展覧会で

筒井先生のご解説と共に展示いたします。

 

 

わたしは会場にてお迎えすることが出来ず恐縮ですが

ぜひ生徒さん(とわたし)の情熱のこもった作品をご覧頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

横浜本牧絵画館

Atelier LAPIS

 

 

古典技法額縁の見本を作る 仕上げワニスと完成 1月05日

 

ぼんやりしておりましたら

年を越してしまいましたこのシリーズ

見本額縁制作、本日最終回でございます。

 

前回ですべての装飾入れを終え、

しばらく寝かせて乾かした額縁に

仕上げのワニスを塗ります。

 

今回は2種類を使いました。

下写真左はホルベインのテンペラワニス

右はゼッキのシェラックニス(艶消し)

どちらもアルコールベースのものです。

 

▲それぞれ特徴が違う

 

今回の額縁、右長手のグラッフィートと

ミッショーネは特に傷がつきやすいので

装飾したらあまり動かさず触らず

緩やかに乾燥させて速やかにニスで保護!

左下の銀箔も、これまた錆びて変色するので

あまり悠長にしておられません。

 

 

ホルベインのテンペラワニスは

・下短手左の銀箔

・右長手上半分のグラッフィート

 

ゼッキのシェラックニスは

・左上角の「磨く前の金箔見本」

・右長手下半分のミッショーネ

・側面黒テンペラ塗装部分

 

以上に塗り分けました。

その他の金箔部分には基本的に

ニス等を塗る必要はありません。

なにせ純金ですから、変色もせず

メノウ磨きした古典技法水押し箔は

とても丈夫なのです。

 

 

わー、完成しましたぞー。

 

グラッフィートとミッショーネ、

同じ黒テンペラと純金箔ですが

技法の違いで表現が随分変わります。

 

 

実物は来年3月にお披露目いたします。

また詳しくご案内させていただきます。

 

 

古典技法額縁の見本を作る ミッショーネ 11月28日

 

さて、最後の技法紹介です。

Atelier LAPIS の見本額縁制作も

大詰め、ミッショーネをします。

 

ミッショーネ missione

イタリア語の辞書を引きますと

「使者・布教」とありますが

この技法がなぜ missione と

呼ばれるのか・・・知りません。

いつか調べたいと思います。

 

古典技法での missione ミッショーネ

金銀等の箔を糊で貼り付ける技法です。

今回は水性の箔用糊で模様を描き

半乾きの時に純金箔を載せて押さえ、

乾いたところで余分な箔を払い落として

模様を出します。

 

前回 塗った黒いテンペラ絵具の上に

模様をカーボン紙で転写します。

 

 

上写真の右に見えている白い液体がミッショーネ液。

ルネッサンス当時は乾性油を使いましたが

今回は水性、薄い水溶きボンドのような

糊を使います。乾くと透明になります。

 

▲純金箔を糊の上にふんわりと乗せる。

 

必死で描いて忘れてしまい糊で描いた写真が無くて

残念なのですが、白い糊が半乾きで透明になった頃

タイミングを見計らって箔を載せます。

早すぎると箔に皺が寄ったり模様がつぶれたり、

遅すぎると乾いてしまい箔が貼り付きません。

 

コットンで優しく押さえた後、丸一日乾かして

柔らかい筆で金箔を払うと

下から模様が出てきます。

この箔払いがとても楽しいのです。

 

ミッショーネ装飾の完成です。

 

綺麗な紙を敷いておいて、払った金箔は

大切に瓶に貯めておきます。

沢山貯まったら金泥制作などに使いましょう。

なかなか貯まらないので先は長い!

 

 

古典技法額縁の作り方見本を作る グラッフィート 11月03日

 

しばらく間が空きましたが

市が尾の古典技法アトリエの企画で

制作中の「見本額縁」つづきです。

前回は金箔を貼りましたので

今日は右辺の装飾をします。

 

graffito グラッフィートと言いまして、

磨き上げた金箔の上に卵黄テンペラを塗り、

細い棒で絵具を搔き落として

下の金箔を出す、という技法です。

 

▲額縁右辺(右長手)にテンペラを塗ります。

 

▲弾き止めオックスゴール、卵黄メディウム

アイボリーブラックの顔料と水を混ぜて

テンペラ絵具を作ります。

 

磨き上げた金箔は絵具をはじきますので

オックスゴールは欠かせません。

オックスゴール、牛の胆汁でございます・・・

界面活性剤的なもの。

 

ちなみにグラッフィートは右長手の上半分。

下半分はまた違う装飾技法を入れますが

ひとまず一緒に黒に塗ります。

 

さてさて、テンペラ絵具が乾きましたら

いよいよ「グラッフィート」です。

金箔を傷つけないように竹串や木の細い棒が

使われるのが一般的なのですけれど

わたしは鉄筆(ニードル)を使うのが

好みなのです。これは職人それぞれで。

 

▲カリコリ削ります。

イタリア語 graffio とは「引っ掻くこと」

そこから graffito 「掻き絵」を指しています。

 

ちょっと間違えてもテンペラ絵具で補彩可能。

搔き落とした絵具を柔らかい筆で掃除して

 

 

ひとまず完成です。

 

 

今回は金箔地に予め模様の線を入れましたが

入れない場合の方が多いと思います。

線があると書き落としが楽。

線が無ければ絵具の上に模様を転写します。

その方が繊細な表現ができるように感じます。

 

 

古典技法額縁の作り方見本を作る 8月15日

 

Atelier LAPIS の展覧会に向けて制作中の

古典技法額縁の作り方見本」額縁の続き

久しぶりになりましたがご覧ください。

 

前回、金箔の下地「ボーロ」を塗り終わり

いよいよ金箔の「水押し」です。

古典技法ではボローニャ石膏の上に

ボーロを塗り、その上に水をひき

(フライパンに油をひくように)

金箔を乗せて乾かすと貼り付く、のです。

 

水をひきますので、高い部分から開始。

今回の額縁では内側の一段高くなった

細い部分にまず箔を置き、そして平ら面へ。

 

▲この刷毛で金箔を持ち上げて移動します。

 

▲一通り箔を置き終わったら、小さな穴や

欠けた部分を繕います。

 

下の黒ボーロ部分には銀箔を貼る予定。

右下は違う装飾技法で模様を入れますので

マスキングしてあります。

 

 

うう~む。

ここで説明しても良く分かりませんよね。

百聞は一見にしかず。そして

百見は一経験にしかず、でございます。

古典技法にご興味のある方はぜひ

Atelier LAPIS へお越しください。

見学ご希望のご連絡お待ちしております。

 

 

古典技法額縁の作り方見本を作る ボーロ塗り、そして愛は必要なのか問題 7月18日

 

引き続きAtelier LAPIS の展覧会に向けて

制作中の「古典技法額縁の作り方見本」額縁

その制作風景をご覧ください。

 

1回目「木地に下ニカワ、ボローニャ石膏塗り磨き

2回目「模様下描き、パスティリア

本日3回目は箔準備の「ボーロ塗り」です。

 

古典技法(いわゆるヨーロッパの中世以来

伝統的な絵画・額縁制作技法)では

箔を貼る下地としてボーロを塗ります。

このボーロ下地が無いと「水押し」

と呼ばれる技法での箔貼りができませんので

大変重要、かつ特徴的な工程です。

 

ボーロは主に赤・黒・黄色3色。

見本ですので3色のご紹介をしてから

必要部分に赤と黒を塗り分けます。

 

▲まず黒。深くてかっこいい黒です。

・・・敷いた新聞「女性には、やはり愛が必要なのか?」が気になる。

もちろん必要です。愛が必要なのは全生物当然でございましょう。

 

▲つづいて黄色。

「若くキレイでありたい女性は、愛が必要であるはずだ。」

・・・年齢相応でいたい女性も老人も、男性でも子供でも愛は必要。

 

▲そして赤です。

下に敷いた新聞記事はもう見ないことに。

 

今回は赤ボーロに金箔、

黒ボーロには銀箔を貼る予定です。

これぞ「ザ・古典技法」でございます。

 

ボーロとはいわば粘土。

これをニカワ液で溶いて塗ります。

ボーロが乾いた後、水を塗って箔を置くと

溶けだしたニカワが糊になり箔を接着し

さらにメノウ棒(貴石のメノウ)で

磨くことでより圧着する、と言う原理のようです。

 

▲ボーロ作業終わりました。

 

このボーロの色は顔料とも違う深みがあって

とても不思議に魅力的なのです。

箔を貼らなくても美しい、と思っています。

 

「愛をください wowwow 愛をください zoo・・・」

この歌詞が頭から離れなくなりました!

 

古典技法額縁の作り方見本を作る つづき 6月23日

 

先日ご覧いただいた見本額縁制作

その続きでございます。

 

装飾模様をカーボン紙で転写して

下部にパスティリア(石膏盛り上げ)で

模様をレリーフ状に入れることにしました。

 

湯煎で温めたボローニャ石膏液を

面相筆で垂らし描きします。

こんもり、ふっくらと。

石膏が乾きますとレリーフになります。

 

▲ある程度のスピードと度胸も必要。

「手早く丁寧に!」

 

このパスティリア技法は

石膏液の温度・濃度が大変重要です。

わたしは得意な方・・・ですけれど

いまだに中々バッチリ満足な

仕上がりになることは無く、

試行錯誤を続けている奥深い装飾法です。

 

 

古典技法額縁の作り方見本を作る 6月13日

 

市が尾にある古典技法アトリエ

Atelier LAPIS では来年春に展覧会を

予定しておりまして、準備が始まりました。

その一環として、わたしが担当しましたのは

古典技法額縁の作り方を簡単にご覧いただける

見本の額縁制作です。

 

木地はアトリエ主催の筒井先生が

ご準備くださいましたので、わたしは

装飾デザインを考え、下ニカワ塗りから

開始いたしました。

 

▲下ニカワ塗りの次、石膏塗り終わり

 

左下から木地→下ニカワ→石膏下地と

手順を追っておりまして、次は

磨いた石膏地、そして装飾に入ります。

 

▲装飾模様を決めて転写準備

 

金箔や銀箔を使っていくつかの

装飾方法を見て頂けるようにします。

ザ・古典技法を詰め込もうと思っています。

 

 

ありがとうございました 月光荘より 11月01日

 

10月25日より銀座月光荘画室Ⅱにて

開催いたしましたAtelier LAPISの展覧会

「心の遠近」は無事終了を迎えました。

 

 

遠くから、また、お忙しいお時間の

合間を縫ってお越しくださった皆さま

大変ありがとうございました。

 

 

だいぶ感染者が減りつつある東京

久しぶりの銀座は予想以上の人込みで

驚き恐れ、それでもやはり賑やかなのは

嬉しくて、心が浮き立ちました。

ギャラリーでも例年以上に皆さんの

会話が盛り上がっていたように感じます。

 

 

自分が丹精こめて作った物を飾り付けて、

時間と労力を割いて見に来てくださる方々に

褒めていただいて話を聞いていただいて、

そしてお互いの心に共感して笑顔になって、

とても励まされ幸せな機会になりました。

一時期は開催も危ぶまれた展覧会ですが

開催できて本当に良かったと思っています。

 

 

今日からまた、新しい作品制作に励む所存です。

ありがとうございました。

 

 

Atelier LAPIS展「心の遠近」 10月14日

 

市が尾にある古典技法アトリエ

Atelier LAPIS の月曜日講師を担当して

いつのまにやら10年になりました。

いやはや、時間の流れは早いものです。

 

10月25日から Atelier LAPIS(アトリエ・ラピス)

の全ての講座で合同の展覧会を開催します。

 

 

コロナ禍で何度も休講になり、その間も

生徒さん方は地道に制作を続けてこられました。

そうした額縁、テンペラ画や油彩画など

古典技法の作品を発表します。

講師陣もまた、さまざまな気持ちを抱えながら

制作した作品を出品します。

わたしも2020年に制作したサンソヴィーノ2点を

展示させていただくことにいたしました。

 

 

あまり大きな声で「ぜひに」とは言えず

心苦しい気持ちもありつつ、なのですが

もしおついでがありましたら

銀座にお越しの機会がありましたら

ご高覧下さいますようお願いいたします。

29日金曜の14時30分以降、わたしも

在廊を予定しております。

 

Atelier LAPIS「心の遠近」

2021年10月25日(月)~31日(日)

11:00~18:30(最終日15:30まで)

月光荘 画室Ⅱ

中央区銀座8-7-18-1F

 

 

笑顔のために 3月30日

 

市が尾にあるAtelier LAPIS で毎週月曜に

古典技法額縁と黄金背景テンペラ画模写の

講師をさせていただいて、かれこれ9年目です。

始めたばかりの頃、自分の技術や

制作に対する心構えのようなものを

ほかの人に渡す(お教えする)のは、ある意味

心身の一部を切り取って譲渡するような気持ちで

不安があったのでした。

 

でも、今となればそんな心配は無用も無用、

月並みではありますが「得るもののほうが多い」

という充実し励まされる仕事になりました。

 

そんなLAPISの講座ですが、先日思いました。

生徒さんが「これで良いですか?」と確認を求めて

わたしに見せてくる時、まだまだ作業が足りないと思えても、

それはわたしの感覚では足りなく感じるだけで

この生徒さんにとってはこれで精一杯なのかも?

それとも「まぁぼちぼちで良いかな」と思っておられる?

もうこの作業が退屈になって先に進みたいんだろうな、

でもあと一息、あと一歩頑張ればずっと良い出来になる。

励ましてもっと追及してもらうか。

「良いですよ」と言ってしまうのは簡単だけど。

 

その迷いで、つい

「あなたがこれで良ければ、これで良いですよ。」

という発言をしてしまったのでした。

 

だけど、この言い方は失礼でもあり、怖いですね。

「わたしは納得しないけど、あなたの好きにしたら良い」

という突き放した言葉ですから。

 

生徒さん方は、LAPISにたのしみに来ていらっしゃる。

励まして無理に続けさせても辛いだけなら

楽しく作業していただいたほうがずっと良い。

でもこの人ならもっと出来るはず!

そう思って、最近は「もう一息やってみましょう、

大丈夫、出来ますよ、わたしも一緒にしますよ」

と言うようにしています。

その一言を聞いたときの生徒さんの笑顔は

とても素敵なのです。

 

 

いまはこうした趣味の講座を開講するのも

むずかしい状況ですが・・・

またアトリエで皆さんと笑顔で再会できる日を

たのしみに待っています。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年3月 3月09日

 

先月に引き続きHAさんの額縁です。

白木の木地に彫刻をするところから始まり

長い時間愛情を注いで作った額縁が

ようやく完成しました。

 

木地に彫刻、ボローニャ石膏塗布

アクリルグアッシュで彩色、

洋箔をミッショーネで貼りました。

ワックスで強めの古色を付けて完成です。


▲鮮やかな青を塗ってから、最後に箔置き。

 使っているのはドイツ製のペン状の道具です。

 先にヘラ状の堅いゴムが付いていて箔を押さえます。

 

古色用のワックスは濃い茶色なので

塗りこんだら鮮やかな青のトーンも落ち着いた色に。

ラピスラズリのような大理石のような趣になりました。

 

この額縁、わたしが以前つくった額縁(下の写真)と

ほぼおなじデザインでHAさんがつくりました。

▲3年前(だったか?)完成させた額縁「hori-16c-1」

 内側寸法108×95mm、サイズも同じです。

 

おなじ木地、似たデザインで制作しても

彫りの深さや太さ、色や仕上げの違い、

作り手のイメージによってこれだけ違いがでます。

これぞ制作の醍醐味、ですね。

 

HAさん、美しい額縁を完成させてくださり

ありがとうございました!

 

 

みんな臭かった 2月20日

 

なにやら匂い(臭い)の話がつづきますが。

 

Atelier LAPIS の生徒さんがある日

「古いウサギニカワがあるのだけど、まだ

使えるかどうか・・・」とおっしゃるので

まずは見てみましょう、と持って来ていただきました。

 

下の写真、左が古いニカワ、右が現在のニカワ

どちらもホルベイン社製で

水10:乾燥ニカワ1の割合で作った溶液です。


▲乾燥ニカワは古くても、カビたりしていなければ使えます。

 

古いニカワ液の蓋を開けた途端、すさまじい臭い!

一度も洗ったことがない野良犬が濡れて蒸れたような

何とも言えないケモノの脂臭といいましょうか。

ビンの下にはすこし濁った澱もあります。

そうそう、これこれ!このニカワの強烈な臭いは

とても懐かしいのです。

 

わたしが初めてウサギニカワを使ってテンペラ画を

描いていた大学生の頃(かれこれ随分前の話・・・)

ウサギニカワと言えばこの感じ、それはそれは臭くて

研究室がこの臭いで満たされ、鼻がマヒしていました。

 

古いニカワは今のニカワより不純物が多いのでしょう。

だけど、この古いニカワのほうが古典的といいますか

ルネッサンス時代のニカワに近いでしょうし、気分的にも

「古典技法で制作しているのだ!」と盛り上がります。

 

数年前から「ニカワを溶かしても臭わないな、

鼻は楽だけど、なにか違う・・・」と思っていたのです。

久しぶりにクッサ~~い「ザ・ウサギニカワ」の臭いを嗅いで

なんだかとても楽しくなったのでした。

この臭い、フラ・アンジェリコもレオナルド・ダ・ヴィンチも

みんな嗅いで臭がっていたのでは・・・。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年2月№1 2月03日

 

さて、続いておりますLAPIS生徒さん作品紹介、

本日はMIさんの小箱です。

 

わたしがLAPISアトリエでもガサゴソと作業をしていると

生徒さん方はとても興味を持って見てくださるのですが、

小箱も「作ってみたい!」と思ってくださる

制作のひとつです。

 

小箱木地は市販の桐材でつくられたもの。

それにいつもの古典技法どおりに石膏地を作り

線刻をしてから箔を貼り磨き、

今回はテンペラ絵具で彩色しました。

 

▲サイズは90×100mmくらいでしょうか。

 この細かい模様と細い線!いやはや。

イギリス留学経験のあるMIさんなので、

イギリスの模様を入れてみたそうです。

 

前側には箱の蓋と身の合印もいれました。

蓋を閉じるときに向きを迷わないように。

入れるものは決まっていないそうですが、

それを考えるのもこれからのお愉しみです!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№2 1月23日

 

HAさんの小さいけれど手の込んだ

かわいらしい額縁が完成しましたよ。

木地を彫刻、角にボローニャ石膏

赤色ボーロに純金箔装飾、刻印で模様入れ。

木地はステインで茶色く染めて古色付けです。

 

模様も彫刻も控えめながらも

とても丁寧に仕上げてあります。

お父様のお写真を入れるために作られた

愛情のこもった額縁です。

わたしも心がじーんと温かくなりました。

HAさん、ありがとうございました。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年1月№2 1月13日

 

とても精力的に制作して下さるAさん、

はやくも3点目の額縁です。

 

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに

純銀箔、テンペラでグラッフィート。

端先の垂直面には赤色ボーロを残しています。

角度によってちらりと見える赤が印象的です。

この模様は、まず純銀箔を貼り磨き、

その上に黒色のテンペラ絵具で塗りつぶし

模様を掻き落として下の銀を出すという

手の込んだグラッフィート技法で表現しています。

銀箔を丁寧に仕上げておかないと、上に塗る

テンペラ絵具もきれいに落とせません。

側面にも模様を入れるのはまさにAさんオリジナル。

わたしには「目からうろこ」でした。

人それぞれいろいろな表現があるのです。

 

Aさん、新しい提案をありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№1 1月06日

 

本日2020年の仕事はじめ。

身体に気を付けて頑張りましょう。

 

なんと昨年2019年8月以来になってしまった

古典技法教室Atelier LAPIS の様子ですが

生徒さんの完成品記録をまたご紹介いたします。

 

NAさんの全面金箔額縁は、ご自作の箔盤初使い。

7月のこの日は箔の繕い最終仕上げの日でした。

▲奥に見えているのがピンクの美しい手製箔盤。

 使い勝手もばっちりでした。

 

今回は古色を強めにしたいとのご希望で

傷や凹み、磨り出しもしっかりして

ワックスとパウダーで仕上げました。

▲木地にボローニャ石膏、盛り上げ装飾に

 赤色ボーロ、純金箔メノウ磨き。

 ワックスによる古色。

 

デザインは15世紀イタリア・トスカーナ州で

作られた額縁の模様を参考にしています。

NAさん、全面金箔作業お疲れ様でございました。

順調に上達していらっしゃいます!

小箱完成も楽しみにしております。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年8月 8月19日

 

いやはや、毎日お暑うございますが

市が尾の古典技法アトリエ Atelier LAPIS は

外の暑さにも負けな額縁熱で満たされております。

そんな中、TAさんの額縁が完成しました。

 

全面に彫刻し、ボローニャ石膏を塗り磨き

茶色ボーロを塗って純金箔を置いて繕って

悩みながらもコツコツと丁寧に作業を続けていらしたTAさんです。

いやはや、TAさんの額縁への気持ちは熱く深い!

 

今回は「古色を強くつけたい!」とのことで

打ち傷と磨り出し加工に加え、

亀裂加工と虫食い穴も作りました。

▲ごらんください、この磨き上げられた金を!

千枚通しで虫食い穴作り中。リアルを追及するTAさん

穴の密度や数も様々計算しておられます。

 

ワックスとパウダーによる「汚し」も

今回は数回重ねて念入りに。

そうして完成した額縁です。

 

 

茶色のボーロ(金箔下地)がシックで

赤よりずっと落ち着いた色味です。

わたしの勝手なイメージですけれど、

南イタリアやスペインの渋みと色気のにじみ出る

ロマンスグレーのすてきなオジサマ・・・のような。

いや、妄想が過ぎましたか。

 

TAさん、ますます古典技法の腕をあげられました。

LAPISに通い続けてくださりありがとうございます。

額縁に傾ける熱意、わたしも負けていられません!

 

Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年7月 7月01日

 

さぁ2019年も後半に入りましたぞ。

気持ちを入れ替えて、さらに進みます。

 

今日ご紹介するIMさんの額縁は、とはいえ

6月末の様子です。

 

美しい風景画(もちろんIMさん作)用にと

制作し始めた額縁、端先に純金箔をつかって濃茶色に塗装し

さて。なんだかシンプルすぎると思われたIMさん

四隅に金で装飾模様を入れようと思う、のこと。

 

それも悪くない。でも

額縁の印象が過剰になる予感がする・・・とお話しました。

色々とご提案、ご相談の結果、まずは磨り出しをしてみることに。

▲角を木槌でほんのすこしだけ丸くして、スチールウールで磨ります。

 

 

下地に塗った赤茶色がうっすらと見えてきました。

額縁に表情ができはじめています。

慎重なIMさんですので、ひとまずこれでお終い。

茶色一色で少々重かった額縁が、磨り出しによって

柔らかさと軽さが出てきましたよ。

 

もし気が変わったら(変わらないかもしれないけれど)

もう少し磨ったり、端先になにか足したり

当初の計画通り装飾を足してみることもまだ可能です。

迷った時は仮額装して、しばらく眺めて暮らす。

そうすると徐々にアイディアや方向が見えてきます。

 

IMさん、完成したらまたぜひ披露してください!

楽しみにしております。

 

Atelier LAPIS

 

 

ボーロの持つ魅力 6月19日

 

いま Atelier LAPIS のMさん制作中の

彫刻額縁が佳境を迎えております。

こつこつと丁寧に作り続けてきた木地に

銀箔を貼ろうということで準備を始めました。

石膏地に黒ボーロを塗ったのですが・・・

 

白い石膏地のときは可愛らしさが感じられましたが

 

黒にすると印象は一変します。

▲ボーロ塗り中。まだ白が透けていますが

このあと漆黒になりました。

 

これがもうあまりのカッコ良さにほれぼれ。

力強さと優しさを兼ね備えたような雰囲気です。

黒髪の精悍な青年、でも少年の面影も残る、というか!

 

ボーロ(箔下地)には伝統的に赤、黄色、黒があり

そのどれもがとても美しい色です。

粘土ですので土の暖かさが感じられます。

額縁に興味の無い友人も、ボーロの色を

褒めてくれたことがあったのを思い出します。

土系の顔料をニカワで溶いても何かが違う、

この雰囲気はやはりボーロ特有と言えるのでしょう。

以前から彩色にボーロを使うことも考えましたが

今回Mさんの額縁を見て、改めてボーロのもつ

色の美しさにハッとさせられました。

 

Mさん、銀箔をやめてボーロ仕上げにするか

現在ご検討中。

 

わたしもボーロ彩色の仕上げを考えてみよう・・・

問題はニスですな。いや、ワックスか。

フフフ。楽しくなってきました。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年5月№2 5月29日

 

昨年暮のご入会から、毎週朝から夕方まで

精力的に制作してくださるAさんですが

早くも2点目の額縁が完成しました。

 

前回1作目はミッショーネ(黒地に箔用糊を塗り

金箔を貼り付ける)をしましたので

今回はグラッフィート(全面金箔の上に

黒絵具を塗り、絵具を掻き落として金を出す)に

チャレンジしました。

 

 

大切な作品を額装したい、とのことで

ご入会くださったAさん、はやくも目的を達成!

こちらでご紹介できないのが残念ですが

作品との相性はまさにぴったり。

額縁に粗さは残るけれど、この雰囲気が

不思議と魅力になっているのです。

これは狙ってできる雰囲気ではない、

Aさんオリジナルならでは、なのです。

 

 

完成の喜びもつかの間(?)、はやくも

つぎの制作に取りかかっておられますよ。

3作目は銀箔にチャレンジです。

このパワー、わたしも見習わなくては。

 

Aさん、パワフルな額縁を完成してくださり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年5月 5月20日

 

久しぶりになりましたが Atelier LAPISの

生徒さん作品をご紹介します。

2018年から少しずつすすめていた

花輪の額縁です。

 

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カマボコ型(半円)の木地は

思った以上にボリュームがあって

本の写真からだけでは側面がわからず悩む・・・

 

image

 

ですが努力のかいのある

美しい額縁が完成しましたよ。

アトリエの他の生徒さん方からも称賛の声!

 

image

 

入り組んだ部分の金箔作業は

大変だったことでしょう!

 

image

 

すこしだけ磨り出しをして

金の美しさを保って完成としました。

しばらく眺めて完成の喜びを味わって下さい。

Oさん、エレガントな額縁を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年3月№2 3月29日

 

HAさんの刻印額縁が完成しました。

制作中、この額縁のニックネームは いちごちゃん。

刻印の間隔と大きさが苺の種みたい!

とHAさんがおっしゃるのです。

1度そう思うと、もう苺にしか見えない

という暗示にかかってしまいそうでした。

でも古色を付けて完成してみたら

もういちごちゃんではありません。

貴婦人のような額縁になりました。

HAさん、優雅な額縁を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年3月 3月18日

 

ずいぶんと間が空いてしまいましたが

Atelier LAPIS の様子をお伝えいたします。

Aさんのはじめての古典技法による額縁です。

 

昨年12月ご入会からとても精力的に制作されて

2か月半という猛スピードで第一作目を

完成なさいました。

木地にボローニャ石膏、ベネチアンレッドと

黒のアクリルグアッシュで着色

モルデンテで純金箔ミッショーネ装飾

艶あり仕上げ

今回は古色付けはせず、美しく輝く額縁に

仕立てました。

縁の黒と金の縞模様はイタリアの街

シエナで作られていた額縁の雰囲気です。

 

まずは古典技法を経験するために、と

額装をイメージせずにつくった額縁です。

しばらくは完成を喜びつつながめて、

どのように使うか考えてみるのも楽しい悩み。

でもAさんの娘さんが狙っているとのこと、

娘さんのお家に飾られる日も近そうです!

 

Aさん、力強い額縁を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

古典技法教室 Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年11月 11月01日

 

昨年のクリスマスに完成した

Oさんの祭壇型額縁に、聖母子像が納まりました。

 

今年の1月、フィリッポ・リッピの聖母子像の

模写準備を開始しました。

ボローニャ石膏を塗った板に下描きをして

マスキングテープを貼り、金箔を貼ります。

卵黄メデュームを作り顔料を溶いて

テンペラ絵の具で模写をすすめます。

5月から彩色をはじめ、途中すこし

額縁彫刻をしてみたりしつつも

すこしずつ完成に近づけていきました。

 

そうして10月のおわり間近になった先日、

とうとう模写も完成し、額装しました。


マリア様の赤い衣装に重ね着した

白いレースがとても綺麗に描けました。

マリア様の表情は、穏やかなOさん

そのままのようです。

額縁にかけたと同じ情熱の量を

模写にもかけてあって

額縁と模写がとても良いバランスです。

 

Oさん、長い制作をがんばってくださり

ありがとうございました。

これから毎日おそばに置いて

大切に楽しんでください!

 

 

Atelier LAPIS 展覧会クロージングパーティー 10月15日

 

1年近い準備期間を経て開催された

Atelier LAPIS の展覧会も、

始まってみるとあっという間の1週間でした。

展覧会をご覧くださったみなさまへ、

この場で恐縮ですがお礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

ふだんはアトリエで作って完成を一緒に喜び祝い

後はご自宅で楽しむという生徒さんが大半ですが、

展覧会という発表の場に出品するにあたり

制作に対する情熱もいつも以上だった気がします。

 

月曜、火曜と土曜の生徒さん方の作品が

一同に集まっている展示ですので、

皆さんそれぞれに興味が深まり刺激を受けて

とても有意義な展覧会になった様子でした。

 

13日土曜の夕方にクロージングパーティーが

賑やかに催されました。

おいしいお料理、デザートにワインもあって

初対面の生徒さん方も会話がはずみます。


みなさん古典技法に興味のある方ばかりですので

話題は尽きません。

あっという間の2時間半でした。

これで一区切り、そしてまた気持ち新たに

アトリエでみなさんと切磋琢磨する月曜日が

はじまります。

Atelier LAPIS

 

Atelier LAPIS 展覧会のおしらせ 9月24日

 

古典技法の額縁と絵画の教室

Atelier LAPIS の展覧会のおしらせです。


10月8日(月)から14日(日)まで

銀座8丁目にあります「月光荘画室Ⅱ」で

生徒さん方の成果と講師陣の作品を

展示いたします。

わたしが講師をしております月曜日の

生徒さんも多数出品しておられます。

また、今回はわたしも小さな額縁

hori-16c-1を展示させていただきます。

お近くにお越しの際は、ぜひ

お立ち寄り頂けましたら幸いです。


どうぞよろしくお願い申し上げます。

月光荘

Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年9月 №1 9月13日

 

昨年2016年の秋に計画開始した

HAMさんのテンペラ模写と額縁プロジェクトの

第1弾が8月末にいよいよ完成しました。

フラ・アンジェリコの楽奏の天使で

作品サイズが70×30センチほどある

大きな模写です。

 

支持体にカルトンを写し、石膏盛上げの

装飾を入れて形を整えます。

2017年2月6日。

金箔を磨き終え、マスキングを剥がします。

11月13日、模写もずいぶんと進みました。

 

年が明けて2018年1月22日模写完成。

額縁の木地が届き、デザインも決まりました。


2月19日、額縁のライナーを彫刻します。


5月7日、石膏を塗り、石膏の盛上げ装飾を入れます。

額縁の完成した姿が徐々に見えてきました。

全面に金箔を貼り、繕い、磨きあげました。

ピカピカな7月23日。

そしてワックスとパウダーで古色付けです。

 

8月13日、盛夏になりました。

長い長い工程を経て、完成した作品です。

 

 

 

こうして日付と写真で工程を追ってみると

感慨もひとしおです。

このラッパの天使はプロジェクトの第一弾。

同じサイズの天使をあと2枚模写する

計画だそうです。

大変だけど楽しそう!

HAMさん、2弾3弾も期待しております!

 

atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年8月 №2 8月23日

 

昨年か一昨年か・・・TAさんが彫り上げた

アカンサスの額縁木地ですが

いつの間にやらご自宅で金箔を仕上げて

先日アトリエで披露してくださいました。


彫刻の凹凸、すみずみまできっちりと

金箔が入っています。

時間を置いて丁寧になんども箔置きをして、

きっちり磨かれた金箔はまばゆくて

MIさん、IMさんの額縁にひきつづき

古色仕上げはひとまず先送りに。

この額縁に納める作品に合わせて

古色の風合いを決めても遅くありませんから。

 

皆さんの腕前にわたしは戦々恐々しつつも、

額縁制作に真摯に向き合い楽しく努力する姿に接し、

美術はもちろん、人生の様々なお話ができて

週に一度のLAPISの時間が楽しくてなりません。

 

TAさん、丁寧な作業で美しい額縁を

完成させてくださってありがとうございました。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年8月 №1 8月08日

 

遠くから通って下さっているIMさんは

油彩古典技法のプロフェッショナルで

いらっしゃいますが、ご自身の作品額装のために

月に1度アトリエに来て下さっています。

 

緻密で、そして追求の集中力には

わたしも尊敬の念を抱いているIMさんが

丹精込めた額縁が完成しました。


ここまでの完成度、脱帽です。

ボローニャ石膏を塗り磨く作業をはじめ、

レリーフの高さ、刻印の正確さ、箔の輝き

どれだけの労力と時間を費やされたことか。

お家でも地道に急がず少しずつ進められた成果。

疲れたら無理に続けない、潔く中断することが

均一に仕上げるには重要、とのお話です。


当初は古色を付ける予定でしたが

あまりの完成度の高さから

お引止めしてしまいました。

古色加工は後からでも可能ですのでね・・・。

最近は生徒さんの技術が大変向上し

古色加工が惜しくなるばかりです。

 

自分の手で自分のために、

心と技術と時間を最大限に費やすこと。

いつも同じ精神で作業を進めること。

出来るようでなかなか難しいことです。

わたしも生徒さん方も大変感化された作品でした。

IMさん、心のお手本を見せてくださって

ありがとうございました。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年7月№1 7月30日

 

久しぶりになりましたatelier LAPIS 生徒さんの

完成作品ご紹介です。

MIさんの模写と額縁、とうとう完成しました。

 

真鍮プレートをカットして書き込んだ

タグプレートを取付けます。

狭いスペースで滑るので慎重に。

 

さぁ、出来上がりです。

このプレートの存在で作品がぱしっと絞まりました。

 

美しく磨き上げた金箔は、あまりに美しく

古色を付けるのを中止するほどです。

模写もぐんぐん上達しました。

 

金箔の永遠の輝きとメディチ家の食卓を飾った

フルーツの模写を、どうぞ大切に楽しんでください!

MIさん、すばらしい作品を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年5月 5月21日

 

NAKさんの初・古典技法額縁が完成しました。

 

2017年の初夏にご入会、そして隔週で

地道な作業をつづけ

時には宿題でメノウ磨きをこなし、

さらには箔盤作りをしてみたり、

はたまたイタリア旅行にお出かけして

本場の額縁をじっくりご覧になったりしつつ

完成にたどり着きました。

 

はじめての作業ばかりでびっくり

恐々の開始でしたが、最後の頃にはもう

筆さばきもメノウ磨きもすっかり慣れて

わたしも安心して見守ることができました。

 

おこがましい発言ではありますが、

ひたむきに作業をつづける生徒さん方、

こうして「人の成長」を目の当たりにするのは

わたしにとってとても大切なことです。

自分も努力を続ければ成長できるのだ、と

励まされる気持ちです。

 

NAKさん、ピンクと金の可愛い額縁の完成

おめでとうございます!

次はぜひご自作の箔盤を使って

金箔作業をいたしましょう!

 

 

MAさんの筆収納アイディア 4月23日

 

先日、atelier LAPIS でMAさんの

作業台をふと見たら

カンペン(死語ですか?)に筆が浮いているよう。

よく見てみたら、筆がジェルパッドに

貼りつけて収納されていたのです。


これはとても良いアイディアですね。

ジェルパッドは100円ショップで売られている

耐震ジェルだそうです。

これならカバンの中でペンケースが揺れても

筆は軽いので動かず、穂先も痛みません。

ジェルパッドは水洗いできるので

ホコリがついても大丈夫。

 

なるほどなるほど!

筆巻きよりずっとコンパクト。

巻いたりほどいたりの手間もかかりません。

そして見た目も美しい。

わたしも真似しようと思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年3月№2 3月28日

 

LAPIS自慢の桜の借景が楽しい

春がやって来ました。


そして、約2年半をかけて制作したMAさんの

額縁と古典技法見本板8枚が完成しました。


額縁制作会社にお勤めで日々額縁木地を

作っておられるMAさんですので、

手先はとても器用、そして根気と集中力は

さすがです。

 

はじめて古典技法で、2015年の秋から

まずは額縁つくりから開始しました。


そして様々な技法を小さな1枚の板に作って

いわば「古典技法サンプル」が完成しました。

一通りの技法を経験して、好きな技法も見つかりました。

 

卵黄テンペラでクリヴェッリの部分模写、

大理石模様のフォーフィニッシュ、

水性モルデンテ(箔用糊)でミッショーネ、

卵黄テンペラでグラッフィート。

箔の上に絵具を塗って、絵具層を削って模様を描きます。

などなど8種類すべて違う見本板を作りました。

 

長い時間がかかり完成した姿を見て

達成感は言わずもがな、ですね。

お勤め先の社長もとてもお喜びだそうで

しばらく会社に飾られるとか。

 

MAさん、すばらしい作品を完成させてくださり

ありがとうございました。

今回見つかったお好きな技法を駆使して

素敵な古典技法額縁をぜひ制作してください!

 

古典技法の額縁制作と箔の技法

卵黄テンペラ画教室

Atelier LAPIS

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年3月№1 3月14日

 

このところLAPISの生徒さんの間で

古典技法の箔作業では欠かせない道具である

箔盤(箔床、箔台、色々な呼び名。

金箔等を切るクッション状の台です。)

を作ることが流行っています。

作っている生徒さんの様子を見て

他の皆さんも作りたい!となるようです。

これはとても嬉しいことです。

制作は自分の世界にこもりがちになるもの。

おおいに他の人からの影響を受けて

興味の幅を広げて頂きたい、

LAPISを切磋琢磨する場にして頂きたい!

と思っています。

 

さて、今回はNAKさんの箔盤です。

こちらで紹介する箔盤作りは3回目(3人目)。

そして完成した箔盤も、本当にそれぞれです。

十人十色とはこのことですね。

NAKさんの選んだ革は、とてもやわらかくて

鮮やかなピンク色。テープは淡い若草色。

下の写真は太鼓鋲の打ち始めです。

金の太鼓鋲もきらりと輝いています。

まずは四隅を打ってから等間隔に打ちます。

太鼓鋲は金にする?銀にする?

迷った結果、両方!

NAKさんが現在制作中の額縁も

サーモンピンクと金の組み合わせですから

やはりお好みが表れているのです。

 

MAさんは職人風でハンサムな盤

ISHさんはクラシカルで優雅な盤

そしてNAKさんは明るく華やかな色の盤。

いやぁ、どれもこれも素敵!

美しい道具は見ていて心躍ります。

 

わたしも新しくて美しい箔盤が欲しくなりました。

わたしの箔盤は、学生時代に

有森正先生に教わって自作したものです。

当時、何も考えずに選んだのは

紺色に黒いテープ。・・・なんと地味なこと。

実用一辺倒だけれど健気に働く箔盤ちゃん、

ずいぶんと味が出て(汚れて擦り切れて)きました。

でも使い慣れた相棒はまだまだ活躍してくれそうです。

新しい箔盤を作ってお払い箱にするのも

かわいそうですし、どうしたものか。

欲しいけれど必要ない。

でも作りたい。むむう。

もうしばらく悩むことにします。

 

箔盤の製作にご興味をお持ちの方がいらっしゃれば

ぜひAtelier LAPISへいらして下さい。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年2月 2月14日

 

昨年2017年12月にご紹介したMAさんの箔盤作り

(箔床、箔台、呼び名色々・・・)を

ISHさんもチャレンジです。

材料、手順はMAさんのトピックをご覧頂くとして

今回は前回ご紹介しなかった裏の処理を。

 

ガンタッカーで革を板裏に打ち付けたら

四隅に余った革をハサミでカットします。

革が重なると箔盤を机に置いた時に不安定ですし

見栄えも良くありませんから、

ていねいにカットしましょう。


ちなみに、タッカーを板裏ではなくて板の側面に

打てば良いじゃない?その方が裏がきれいでしょう?

とのご意見もあるでしょう。

上手に打てれば側面でももちろんOKです。

ただ、体重をかけてタッカーを打ち込むので

少々難しいこと、そして側面には太鼓鋲も打つので

それらを考慮して、側面ではなく裏をお勧めします。

 

今回は少々毛足のながい革でした。

こんな時は紙やすりをくるくると円を描くように

しっかりかけましょう。

そしてベビーパウダーもしっかり叩き込んで。

さて、仕上げです。

側面にはダークレッドのリボンを巻いて

すてきなデザインの太鼓鋲2種を交互に打ちます。


完成品はルネッサンス時代の豪華な椅子や

馬具を思わせるような雰囲気になりました。

ダークブルーとダークレッド、そして真鍮。

手作りならではの遊び心ある美しい道具ができました。

ISHさん、この箔盤をつかっての箔作業を

わたしも楽しみにしております!

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 2月04日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。

(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり

ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも

安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を

習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS の

ホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年1月№2   1月26日

 

今日ご紹介するのはTAさんの彫刻です。

果実や葉を組み合わせた

オーナメントを模刻する練習。

わたしがイタリア留学時に作った物を見本に

アユース材を彫ることにしました。

 

2017年の10月末、見本から

デザイン画を描き起こすことから開始です。

わたしは大雑把に直接木地に

下書きをして彫り始めますが、

こうした正確な図面があると

見本が無い自宅作業も可能ですね。

 

木地は四角柱でしたので

カマボコ形に削り出してから

具体的に掘り進めます。

葉の内側に入り込んだ実を彫るときなど、

彫刻刀を入れる角度を考える必要があります。

木地に対して垂直方向に彫刻刀を進めると

実が小さくなってしまったり

逆に外に開き気味になりますから

頭の中に3D完成図を入れてから 掘り進めましょう。

 

さて、2018年1月になりました。

ふたつ並べて確認中。

ひだりがTAさんの作品、右が見本です。

これから石膏を施して

金箔を貼り磨く計画だそうです。

クリスマスに合う飾りが出来そう!

見本より長い木地でしたので

下部をどうしようかな?と思案中。

リボンを彫るか、茎を彫るか、

はたまた絵を描いてみるか?

これまた楽しい悩みですね。

まずは模刻完了です。

お疲れ様でございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年1月 1月12日

 

昨年12月に完成したOさんの祭壇型額縁です。

 

2016年11月に作業開始の記録があります。

11月7日、組み立てを始めました。

 

12月12日、糸ノコで切りだしたパーツの

形を整えています。

 

3月6日、彫刻をこつこつ進めて

まだまだつづきます。

 

秋になって、ボローニャ石膏塗りと磨き、

そして純金箔の水押しを終えました。

12月に入ってからグラッフィートで装飾を入れて。

 

12月25日クリスマスの日に

吊金具を取り付けて、裏の処理も終わりました。

イニシャルをモノグラムにして入れました。

この額縁を作りたいから入会した、と

お話して下さったOさん、完成おめでとうございます!

長い制作期間も頑張って続けてくださり

ありがとうございました。

新年から、この額縁にあわせて

フィリッポ・リッピの聖母子像をテンペラ模写の予定です。

 

額縁も絵もすべて自分でつくりあげるのは

大きな楽しみです。

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月24日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月17日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

額縁の作り方 番外& Atelier LAPISの様子から 2017年12月 12月15日

 

今日はMAさんの古典技法箔道具作りをご紹介します。

古典技法の箔作業で使う道具は独特で

一般的な画材店や国内の箔屋さんでは購入できません。

でも自分で作ることができるものもあります。

MAさんは箔盤作りに挑戦です。

(箔盤あるいは箔床、箔台。クッション状で

箔のまな板のようなものとお考えください。)

 

必要な材料、A4サイズ程度9㎜厚のシナ合板、ガンタッカー

脱脂綿、太鼓鋲、革、テープ (革か布どちらでも)を揃えます。

革は牛か羊、厚すぎず薄すぎず、色はお好みで。

 

さて、まず脱脂綿を3枚分切ります。

2枚は板のサイズ、1枚は1センチ四方小さくした脱脂綿を切り

板サイズの2枚の間にひと回り小さい1枚を挟みます。

以前、サイズの違う脱脂綿をピラミッド状に3~4枚

重ねると習いましたが、試した結果

あまり段差が無い方が使いやすいように感じます。

 

つぎに革のスエード側を表にして

脱脂綿と板を重ねたものを包みます。

裏からガンタッカーで打ち付けましょう。

革をしっかりと引張ってきっちりと。

この革の張りが甘いと箔を上手に切ることができません。

キャンバス張機やペンチで引張っても良いでしょう。


箔ナイフを差し込むベルトも付けましょう。

今回は革の端材を利用しました。

 

側面周囲にテープを巻いて太鼓鋲で留めます。

これは装飾でもありますが、側面は傷みやすいので

ガードの役目もあります。

そして紙やすりをかけてスエードの毛を整えます。

毛足をある程度短くして、表面を滑らかにします。


仕上げにベビーパウダーを磨り込んで完成です。

 

自分で作った道具は愛着がわいて、箔作業も楽しくなりますよ。

製作のコツは革をしっかり引張ってタッカーを打つこと

そしてタッカーは隙間を開けず細かく打つこと、です。

どうぞお試しください。

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月10日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年11月 11月23日

 

久しぶりに atelier LAPIS の様子をご紹介します。

HAMさんのフラ・アンジェリコ模写用の天使、

今年1月に完成した額縁の対になっている1枚が完成しました。

制作過程は上のリンク、1月完成額縁のページをご覧ください。


木地や基本のデザイン、工程は前作と同じですが

装飾デザインに変化を付けました。

上下の植物模様、そしてライナーの彫刻も。


1月完成の1枚目は右を向くピンク衣装の天使が入りました。

今回の額縁には左に向く赤い衣装の天使が入ります。

下の写真は赤い天使の模写作業当時の様子ですが

すでに完成して額縁に入るのを今か今かと待っているところ。


 

アトリエでは額縁の古色付けまで終えて

ニスと額装はご自宅でなさることになりました。

額縁に納まった様子、そして2枚が並んだ風景も

いつかこちらでご紹介させていただけたらと思います。

 

HAMさん、2人の天使と額縁の完成おめでとうございます!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年9月№2 9月28日

 

これぞ渾身の作、というHAさんの額縁が完成しました。

2016年4月から作りはじめた記録があります。

何年も前にご自身で彫刻、木地組み、石膏塗りまで

終わらせてからずっと手つかずだった額縁の制作を再開。

まずは石膏を磨きます。

彫刻はシンプルながらも繊細なデザインなので

細かいところも慎重に磨いていきます。

5月、デザインを練ります。

今回は全面に金箔の水押し、様々なサイズの刻印で

植物模様を入れることにして、ウィリアム・モリスの

「いちご泥棒」柄から少しずつ取り入れました。

デザイン画を石膏地に写し、線刻を入れてから

赤色ボーロを塗って、9月、いよいよ箔置きです。

11月、小さな繕いが根気よく続きました。

箔での繕いはもちろん、彫刻の奥などには金粉も使って。

 

年が明けて2月、刻印打ちが始まりました。

ここからはひたすらにコツコツと打ち続けます。

刻印は大小5種類を使って葉や花、蔦模様を繊細に表現します。

 

6月、刻印打ちが終わりましたよ。

なんて美しいのでしょう。

 

7月、さて、模様が美しく入ると彫刻部分の

繕い不足が気になりだして・・・更に繕い。

そして側面には茶色のアクリル絵具を塗りました。

 

8月になって、さぁ最後の古色付けです。

傷をつけて、磨り出しをして、ワックスで汚して・・・

完成しました。

ルネッサンス時代のお姫様の肖像画が納まりそうです。

あるいはラファエル前派の作品でしょうか。

 

とてもお忙しい中も必ずアトリエには来て下さり

ご自分の世界を額縁に表現してくださったHAさん、

ありがとうございました。

この素敵な額縁を眺めながら乾杯してください!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年9月 9月04日

 

アクリルで絵を描く作家でもある

SWさんの 純金箔水押しの古典技法額縁が完成しました。

制作開始は2016年の10月から。

木地に石膏を塗るところから始めました。

今回のメインは型取りのオーナメント作りです。

フィレンツェ製の木製オーナメントから

シリコン粘土で型取りし、紙粘土で抜きました。

細部まできれいに取ることができました。

 

磨いたボローニャ石膏地に取り付けて

赤色ボーロ、純金箔の水押しをして・・・

ひたすら模様の周りに刻印を打ちました。

いかに刻印点を同じ間隔、同じ強さで打つかがポイント。

難しかったようですが、最後にきっちり調整しました。

今回は金箔をあまり汚さず輝きを保ちたいとのこと

作った傷にだけワックスを擦り込んで完成しました。

SWさんらしいおおらかで華やかな額縁です。

根気よく作って下さってありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年8月 8月21日

 

油彩の模写をしておられるIMさんの 新しい作品は

優しい微笑みのマリア様です。

(ティツィアーノでしたでしょうか。うろ覚えですみません。)

今回の額縁はシンプルに全面を 金箔の水押しにしました。

木地が硬めの材でしたが、箔作業もとても綺麗に仕上がりました。

箔は側面にも。

わたしは普段、額縁の側面には箔は貼りません。

イタリアの額縁師匠マッシモ氏の作り方 と言いますか

イタリアでは貼らないのが ノーマルなようです。

でもこうした小品の側面に箔仕上げを施してあるのも美しいですね。

 

これから艶消しにして仕上げです。

IMさん、いつも丁寧に額縁を作ってくださり

ありがとうございます!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年7月 7月10日

 

5月6月とお知らせしていなかった

古典技法アトリエ atelier LAPIS の生徒さん作品ですが

新たに1枚誕生しました。

IMさんの素晴らしい模写作品、ロイスダールの風景画用の

シンプルだけど重厚感のある額縁です。

白木の木地に水性ステインを

(木工用の塗料でその名の通り染料。木目を生かします。)

何度も何度も塗っては拭き、を繰り返して深い茶色にして、

その上にアンティーク仕上げ用のワックスを塗り磨きました。

まるでイギリスの古い家具の様な雰囲気ではありませんか?

庭に面した大きな窓のある、お屋敷の書斎に飾りたい感じ。

IMさん、作品にぴったり合った額縁を作って下さり

ありがとうございました!

 

 

美しい道具を使いたい 6月29日

 

atelier LAPISの生徒さんがお持ちの

素敵なメノウ棒を見せてくださいました。

手作りの一本。

鮮やかなグリーンのメノウ、美しい!

とても繊細な形です。

このメノウ棒は万能形なのだそうです。

平らな面も、細かい溝も、カーブも。

ほぼすべての部分を磨くことができます。

このメノウ棒を作った方ご自身も

古典技法画制作のプロ中のプロですので

必要な機能をよくご存知なのですね。

 

 道具もまた、美しくあるべき。

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 4月27日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

 

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年4月 4月20日

 

久しぶりのatelier LAPIS の様子です。

IMさんの新作が完成しました。

ラファエル前派ウォーターハウスの模写に合わせて

当時の額縁のデザインと雰囲気で。

溝加工の入ったモールディング木地を組み、中央には丸を、

四隅の角には四角の凹みを彫り、

そこに嵌めるオーナメントを彫ってはめ込みました。

レッドオーカーを塗ってから、金色の油性塗料を重ねます。

仕上げにワックスでほんの少しの汚しをかけました。

まるで当時の作品のように仕上がりました。

IMさん、素晴らしい模写作品にピッタリの額縁を

仕上げて下さり、ありがとうございます。

次のロイスダール風景画模写の額縁も期待しております!

 

 

19世紀イギリスの雰囲気で 3月09日

 

atelier LAPIS のレッスンがある毎週月曜日には

わたしもアトリエで何かしらの 制作をしています。

ここ最近はもっぱら彫刻です。

 

アトリエには沢山の本がありますが

最近この19世紀イギリスの額縁を扱った 本をよく見ていましたので、

ここはひとつ19世紀イギリス風の額縁を作ることにしました。

月桂樹のような葉のリースを内側にぐるり、

外のラインには渦巻きリボンのデザイン。(まだ下描き)

平らな部分には箔を直接ミッショーネで貼る予定です。

KANESEIの新しいシリーズとしてのサンプルに、

またLAPIS生徒さん方の制作参考のお役に立てば、と思っております。

 

彫り始めたばかりですが楽しいです。

完成しましたらこちらでご覧いただきたいと思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年2月№2 2月27日

 

2016年の11月に作りはじめたMIさんの額縁です。

大変に根気の要る作業が、とうとう完了しました。

 

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔の水押し。

そしてひたすらに刻印を打って模様を浮き出させました。

この額縁、サイズはB5ほどではありますが

点を1つずつ、それもきちんと並べて打ち続けるには

相当の時間と努力、そして安定した心が必要でした。

アトリエには「コツ、コツ、コツ」と一定のリズムと大きさで

MIさんの木槌の音が響いていた数か月です。

まるで修業のような制作時間が終わったら、

こんなに美しい額縁が完成しました。

当初はテンペラの模写を入れてアンティーク加工をする予定でしたが

あまりに美しく仕上がったので、計画変更です。

来月からこの額縁のために改めて静物画の制作をすることに。

MIさん、努力の結晶を仕上げて下さって

ありがとうございました。

静物画が完成して額装しましたら、またご紹介させてください。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年2月№1 2月13日

 

ここしばらくでググッと彫刻の腕をあげたTAさんは

ご自宅でも作業を続けられてきました。

先日のレッスン時、朝に披露されたのはすっかり 箔置きが終わり、

素晴らしくピカピカに磨かれた額縁。

 t2016-3a

こちらをアンティーク風に古色を付けて 完成した姿をご紹介します。  

 

昨年2016年の初夏に彫り始めた額縁は、

シンプルな形の木地をカマボコ形に加工することから。

(これ、「言うは易し」で結構大変な作業です。)

こうした手間も惜しまずにチャレンジなさる姿、

わたしも見習いたいと思っています。

 

四隅にアカンサス、中央に花のリースを彫ります。

  t2016-1  

なにせご自宅での作業もすっかり問題ありませんので

アトリエにお持ちになる時には既に彫刻も進んでいます。

 t2016-4

サイズを測って、何を額装するか思案中。

そして古いフランスの絵ハガキ(最後の晩餐図)を

額装することになさいました。  

ピカピカの金は美しいけれど、

古いハガキの趣とバランスが良くない感じ。

ということで アトリエではいつものように、

金を磨ってから ワックスとパウダーで汚しを付けました。

 t2016-2

 

さぁ、額装を戻してみましょう。

 t2016-6

金の反射が抑えられたので彫刻がより際立って見えます。

バックの茶色の絹、そしてハガキとの相性もずっと良くなりました。  

彫刻の凹凸に箔を置くのは根気の要る作業です。

凹にもきちんと金が入っているのを見れば、

その努力の甲斐があります。

TAさん、いつもチャレンジ精神を忘れない

素敵な額縁を 作って下さり、ありがとうございます!    

 

 

これはアリかもしれませんよ 1月30日

 

KANESEIでは、ふだん型取りには 石膏を使っています。

硬さと密度がベストかな、というのがその理由。

ですが、以前から額縁の装飾に紙粘土を使う、という

お話を聞くことがあって気になっていました。

でも・・・小学生時代に触っていた紙粘土の感触、

繊維っぽいパサパサ、ガサゴソした印象がぬぐえず

ちょっと躊躇していたのも事実なのですけれど。

 

先日、atelier LAPIS の生徒さんが型取りをしてみたい

とのこと、ここで思い出したのが紙粘土でした。

昔よりずっと良い紙粘土があるし、実際に紙粘土で

額縁の装飾を型取りした経験がある生徒さんもいらっしゃる。

じゃあ紙粘土が手軽なので試してみましょう!

トライしてみました。

丸いオーナメントからシリコン粘土で雌型をつくって、

紙粘土を詰めてそっと抜きます。

nendo

良い感じですね!模様も繊細に再現されています。

成功のカギは、石粉配合の高級紙粘土を奮発すること

(子どもの工作用より良いもの。)

空気が入らないようにきっちり型につめること、

型から取り出すタイミング、でしょうか。

 

今回は丸い形なので問題ありませんでしたが、

細長い形だと、もしかしたら乾燥する間にゆがむかもしれません。

ともあれ、高級紙粘土での型取りは石膏より手軽ですし

精度も遜色ないようですから、これは良いかもしれません。

半乾きの時だったら曲線部分にもフレキシブルに貼れるかも。

型取りに限らず、装飾模様に粘土で作ったものを接着し、

ボローニャ石膏を薄くかければ箔の水押しだってできるかも??

実験継続が必要ですが可能性大、面白そうです!

 

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年1月№2 1月19日

 

Iさんの額縁は2016年最後のレッスンで

かけこみ完成しました。

月に一度いらっしゃるIさんですので

ゆっくりペースではありますが、確実に

額縁制作の技術は進歩しています。

 

木地にボローニャ石膏をぬり磨き、

アクリルグアッシュで濃いピンクに彩色してから

刻印をひとつひとつ打ち込みました。

ishia

刻印が終わったら、上にクリーム色をうっすらかけて

刻印の点に色が残るように拭き仕上げました。

ishib

中に納めた作品は、他のお教室で制作なさったモザイク。

ishic

石のピンクやグレーベージュと色味がぴったり。

そして黒と辛子色がぴりりと効いています。

うう~む、かわいい!優しい雰囲気で素敵です。

 

LAPISの生徒さんそれぞれに心のこもった作品を

作りつづけて下さり、わたしはそのつど

おこがましいことですが「教える喜び」を噛みしめています。

(指導と言うより、伴走している感覚。)

生徒さんそれぞれにおおきな個性があって、

完成した瞬間にわたしが感じる感動もまたそれぞれです。

今回はIさんの作品(刺繍やモザイク)を納めた喜びに加えて

「世界を完結できた」喜び、その瞬間に立ち会えた喜び、

お手伝いできた喜び、そしてわたしの経験にもなっている喜び・・・

様々な嬉しい気持ちでいっぱいです。

Iさん、ありがとうございます。

次はお父様への贈り物の額縁制作とのこと。

わたしもお手伝いできることを楽しみにしています。

 

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2017年1月 No.1 1月09日

 

2017年のAtelier LAPIS 月曜コースは

遅めの16日スタートとさせて頂き、まだ始まっていないのですが

今日は昨年暮に完成したHAMさんの作品をご紹介いたします。

 

しばらく前に完成していたフラ・アンジェリコの模写を

納める額縁制作は、2016年の夏に始まりました。

わたしの写真記録が途切れ途切れになっており申し訳ありません。

木地は、シンプルな四角いものから糸ノコやヤスリを使って

上下にアーチ、左右にくびれを作りました。

そしてボローニャ石膏の塗り、磨き。

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デザインを下描きし、石膏の盛上げで装飾しました。

マスキングをして、赤色ボーロに金箔を水押ししています。

h4

メノウで隅々までしっかり磨いてから

マスキングをはがし、余分な箔をコットンで除きます。

マスキングテープをはがすのはなかなか楽しい作業です。

h3

気づけばに冬なりました。次の作業、着色です。

アクリル絵具で茶色に塗り、さらにステインをかけて

金箔にもすこし着色します。

落ち着いた色味になりました。

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HAMさんはライナーにも凝りました。

細かい彫刻を施して、こちらも金箔の水押しです。

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さぁ、いよいよ額縁に作品を納めましょう!

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ていねいに描かれた天使が、こちらも手塩にかけて作った

オリジナルの額縁に納まっています。

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ルネッサンス時代の作品がアール・ヌーヴォー風の額縁に

不思議とぴったり馴染んでいます。

作者が同じだから、なのでしょうね。

 

HAMさんは、対になっているもうひとつ、

赤い衣装の天使の模写も完成させておられます。

新年からはこちらの額縁制作も始めつつ、

リナイウォーリ祭壇画から楽奏の天使模写も始まる予定。

今年も精力的に制作なさるHAMさん、応援しております!

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年12月№2 12月19日

 

ミッショーネ技法の練習をするにあたって

TAさんは「せっかくだから飾る事ができるものを」と

クリスマスデザインのプレートを作ることにしました。

ミッショーネとは、モルデンテと呼ばれる「箔用糊」で

模様を描き、糊が乾ききる前に箔を乗せて払う技法です。

 

まずは石膏を塗り磨いたプレートに緑と赤で彩色します。

ta-4

そして 金箔をミッショーネ技法で置きました。

この払う作業はいつもとてもワクワク楽しい時間です。

ta-3

天使と十字架の模様ができました。

つづいて銀箔のミッショーネです。

モルデンテを塗って、銀箔を置きました。

コツは下の写真のように、箔を思い切って大きく使うことです。

細切れの箔を置くと部分的に厚さが変わって艶も出ません。

ta-1

コットンで優しく押さえ、柔らかい刷毛で払います。

ta-2

さあ、完成しましたよ!

緑と赤、そして金と銀。きらきら華やかなプレートです。

これでミッショーネのやり方もだいたい掴めました。

次は額縁にもミッショーネで装飾を入れてみましょう。

 

TAさん、クリスマスが待ち遠しくなるような

かわいらしい作品を作って下さって

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年12月 №1 12月05日

 

作家のIMさんの、ご自身で模写された風景画のための

額縁が完成しました。

今回は下地(アクリル系の白い塗料)がすでに施された木枠を使います。

オランダのシンプルな額縁をイメージして、作業開始。

まずは作品の背景にも使っている赤味の強い茶色を下塗りし、

その上に黒に近いこげ茶色を塗りました。

ただベッタリと塗るのではなく、微妙なムラを作っています。

そして古色付け作業第一弾、傷入れです。

ima1

木槌やクランプ(万力)の柄などを「良い具合に」打ち付けて

凹みを作ります。

強弱をつけて、打つ場所もしっかり計算しておくのがコツ。

磨り出しをして、今回は艶消しの雰囲気で終わりです。

ima2

写真が悪くて恐縮です・・・

作品が額縁にすっかりなじんで納まりました。

うう~む、素敵です!欲しくなってしまう。

ima3

IMさん、素晴らしい作品に合わせた額縁を作って下さり

ありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年11月№1 11月14日

 

作家のSUさんは、LAPISでは古典技法での

とてもクラシカルな額縁を制作しつつも

ご自分の展覧会用、作品をご購入下さったお客様の為の

額縁も同時に作っていらっしゃいます。

 

今回は購入したシンプルな細い木地を削るところから。

lapis2016-4

彫刻刀でおおらかに、気持ちの赴くままに

ザクザクと削ります。

 

そして濃紺に塗った後、作品とマットも入れて

同時に装飾を入れています。

金と銀の絵具で、光が飛び広がるイメージで。

su-cane

額縁と作品が一体になって、個性あふれる作品が完成しました。

 

額縁作家やお店で、いわば他人の意見も交えて

額縁をオーダー制作するのは

より広いパターンの展開が望めますが、

こうして作家ご自身で額縁も全て完成させるのは

「その人の世界」が観る人により強く伝わる方法です。

 

SUさん、素晴らしい額縁を完成させてくださり

ありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年9月 9月29日

 

9月も終わり間近、金木犀の香りが漂う頃になりました。

 

市が尾にある古典技法の教室 Atelier LAPIS には

額縁会社にお勤めだったり額縁工房での勤務を経験された方など

その道のプロの生徒さんもいらっしゃいます。

NAさんも現在、額縁会社にお勤めしている女性です。

とても几帳面で丁寧な作業をなさるNAさんの姿勢には

わたしもとても感化されています。

 

今月、長らく制作をしていたNAさんの額縁が完成しました。

na2016-2

お婆様の古い帯を娘たち(NAさんのお母様達姉妹)で分けたもので、

お母様の分をNAさんが裏打ちして額装しました。

お婆様は佐渡のご出身で、帯布の鳥はトキです。

na2016-3

NAさん銀箔に初挑戦。

金箔とは違ったむずかしさと楽しさがあります。

シンプルな木地にボローニャ石膏、布から採った

菊や梅の模様を盛り上げで入れ、赤色ボーロに銀箔の水押しです。

アトリエでは記念の写真を撮って、

アクリルを入れたりという作業はご自宅で。

na2016-1

銀箔もとても綺麗に仕上がりました。

きっとお婆様、お母様がお喜びのことでしょう!

この布と額縁も、家族にずっと伝わっていくと良いですね。

NAさん、記憶に残る素敵な額縁を作って下さり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年8月 №2 8月22日

 

土曜日コースで木地作り~ボーロまで終えて

月曜コースに変更なさったSUさんの

はじめての古典技法額縁が完成しました。

 

5月後半、ようやく金箔の水押し作業も終わりが見えてきました。

SU-1 (5)

装飾部分の凹凸に箔を入れる繕いに苦労しましたが

こつこつと作業を頑張りました。

 

7月、箔作業を終えて色を塗りました。

灰色がかった青。

下に補色の黄土色が塗ってあるので青に深みがあります。

SU-1 (2)

 

さて、いよいよ楽しい古色付けの作業ですよ。

傷をつけてから金箔を磨り出して、ボーロの赤を見せます。

そしてワックスとパウダーで汚しました。

SU-1 (3)

最後は手のひらで撫でてワックスとパウダーを

しっかり丁寧に定着させます。

この「手のひら磨き」で出る趣は効果大です。

 

そして完成しました。

SU-1 (1)

実物は青に落ち着きがある、上品な仕上がりです。

古色も上手につきました。

SU-1 (4)

はじめての古典技法としてはハードルの高いデザインでしたが

根気よく制作なさった成果が発揮されました。

SUさん、ステキな額縁を作ってくださりありがとうございました!

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年8月 №1 8月04日

 

小鳥の好きなMIさんがツバメのテンペラ模写を

完成させたのはしばらく前のことです。

どんな額縁にいれましょうか、悩んだ結果

「ぎゅっと詰まった濃い額縁」に決まりました。

額縁の本にあった金と彩色で装飾された額縁を作ります。

 

5月はじめ、金箔のミッショーネが終わり

(このミッショーネが一苦労でした!)

テンペラでの花、鳥などの彩色も完成間近になりました。

MI-tori (1)

箔の上に卵黄テンペラ絵の具は弾かれてしまうので

ほんの少しのオックスギャル(牛の胆汁液)を加えました。

この液は 界面活性剤の役をします。

 

今回は艶ありのラッカーで仕上げて古色はつけません。

額内側には濃紺のベルベットを貼りこんで、

ツバメの作品を額装して裏板を閉じて・・・

ドキドキワクワクの時間です。

MI-tori (3)

 

さぁできました!

ツバメのテンペラ模写は、背景がグラッフィートで

森やお城が描かれているのです。

(写真が悪くて恐縮です)

MI-tori (4)

B5ほどのサイズに納まったMIさんの世界が完成です。

物語を感じさせる素敵な作品を作って下さり

ありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年7月 7月18日

 

昨年、土曜コースのSHIさんがご注文を募って

皆さんで作ってもらった「帆立貝のタベルナーコロ」木地ですが

月曜コースで完成第1号が生まれました。

TAさんは4月末に取り掛かり始めましたが、

お家での作業も含めて約2か月での完成、お疲れ様でした!

 

5月9日、木地の彫刻に入りました。まずは egg & darts から。

ta-hotate (6)

慣れてきたところで上下の細かい部分を掘り進めます。

ta-hotate (7)

5月30日、石膏を塗り磨きました。

ta-hotate (8)

6月13日には、ご自宅で箔を磨き終えておられました!

確かに箔置き作業は一人静かな方がはかどります。

 

LAPISアトリエでグラッフィートのテンペラ絵の具を塗りました。

中に入れる聖母子像にあわせて明るめの青に。

コバルトブルーとアイボリーブラックの混色です。

ta-hotate (1)

ほりほり。

細かい作業が続きます。

ta-hotate (2)

6月27日、下部の楯状部分に「PX」のモノグラムを入れました。

イエス・キリストの意味だそうです。

様子を見ながら磨り出しをして艶消しニスで保護しました。

ta-hotate (3)

7月4日、ワックスとパウダーで汚しを付けています。

どうかな? うん、良いようですね!

ta-hotate (4)

そして完成。

お父様が小さなころにフランス人の神父様から頂いて

ずっと大切になさっていた聖母子のカードを入れました。

ta-hotate (5)

100年以上前のカードの雰囲気と額縁の仕上げが

ぴたりと合っています。

お父様も天国で喜んでいらっしゃるでしょう!

TAさん、素晴らしいタベルナーコロを作って下さり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年6月 6月20日

 

フラ・アンジェリコが描いたリナイウォーリ祭壇画の

楽奏の天使を模写していたMUさん。

途中で違う額縁の制作をなさった時期がありましたが

自宅でコツコツ描写を続けておられました。

なにせ大きなサイズですから地道な作業を要します。

IMG_1833

とうとう完成が見えてきた、とのことで

アトリエでミッショーネによる装飾を入れることになりました。

 

ミッショーネの液「モルデンテ」(箔用接着剤)には

油性・水性がありますが今回は水性を使います。

フィレンツェにある画材店 ZECCHI が販売している製品です。

 

まず面相筆で模様の部分にモルデンテを塗ります。

塗る・・・というか描くというか置くというか。

その上にフウワリと箔を置きます。

mu-tensi (2)

コットンでポフポフと、ごく軽く押さえます。

 

しばらく待ったら、やわらかい筆で箔を払います。

mu-tensi (1)

すると、モルデンテを塗った部分に箔がきれいに残りました。

この払う作業はいつもながら感動します。

 

mu-tensi (4)

モルデンテの塗り方によって、今回のように

ふっくらとしたミッショーネにもなりますし、

薄く塗ればシャープな表現も可能です。

mu-tensi (3)

ミッショーネの装飾で、天使がさらに神々しくなりました。

さぁ、あとはテンペラ用のニスを塗って完成です!

MUさん、大作の完成おめでとうございます。

つぎはこの天使の額縁制作です、わたしも応援いたします!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年5月 5月30日

 

額縁制作の会社にお勤めのMAさんは

毎日のように額縁制作をなさっていますが、古典技法は初めて。

LAPISでの第1作目の古典技法額縁が完成しました。

MA-2016 (1)

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔の水押し、メノウ磨き。

石膏盛り上げとグラッフィートの装飾、艶あり仕上げ。

今回は汚しなどの古色仕上げはせず、豪華な仕上げにしました。

 

日々のお仕事での額縁制作とはまた違う古典技法額縁の制作、

今後のお仕事の参考にすこしでもなれたら・・・と思います。

MA-2016 (2)

MAさん、古典技法額縁第1作の完成おめでとうございます。

素晴らしい額縁を作って下さり、ありがとうございました!

 

現在はこの額縁に入れるプレートを制作中です。

8枚のプレートに、それぞれ違う技法の装飾を施して

いわば「技法見本」のような作品になる予定です。

 

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年4月 №3 4月28日

 

この春、Atelier LAPIS は完成ラッシュを迎えています。

MUさんは遠くから新幹線に乗って月に1度来て下さる生徒さん。

MUさんも額縁店に勤務経験をお持ちで、木工もプロ並みです。

 

今回はご自身の作品に合わせて盛り上げ装飾の額縁です。

木地にボローニャ石膏を塗り磨き、垂らし描きの要領で

筆を使ってボローニャ石膏で模様を入れます。

mu-2016 (1)

盛上げた部分を削って形を整え、足りない部分には更に盛上げ。

mu-2016 (2)

焦らず丁寧な仕事が続けられます。

そしてアクリル絵具でクリーム色に塗ったら

ワックスを使って汚しを入れましょう。

塗っては磨き、凹凸を美しく表現します。

mu-2016 (3)

麻布を貼ったライナー(市販)を入れて完成です。

mu-2016 (4)

mu-2016 (5)

象牙のような肌合い、柔らかな印象の優しい額縁が完成しました。

日本の家庭に飾っても違和感なく合う額縁です。

MUさん、ステキな額縁を完成させてくださって

ありがとうございました!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年4月 №2 4月21日

 

Atelier LAPIS には様々な生徒さんが来てくださいますが

NAさんはいつかプロの額縁制作者になりたいと思っておられるおひとり。

とても熱心に丁寧に、精魂傾けて制作なさっています。

今回完成した作品も、そんなNAさんらしい完成度です。

 

昨年完成したフラ・フィリッポ・リッピの聖母子模写を納める額縁です。

まず木地にボローニャ石膏を塗り磨き、赤ボーロを塗って

全面に純金箔を水押ししてメノウ棒で磨きます。

na-2016 (1)

ゼッキから取り寄せたご自分の箔道具の初使い。

箔床、箔ナイフ、箔刷毛など、まず手入れをしてから作業します。

 

ピカピカに磨き上げた金の上に、黒のテンペラ絵の具を塗って

金をすべて覆い隠してしまいます。きゃーもったいない。

おっしゃるなかれ。グラッフィートの準備です。

na-2016 (2)

さぁグラッフィート(削り)開始です。

模様を転写して、竹串で黒の絵具を削ります。

この作業の楽しいことと言ったら!

na-2016 (3)

繊細な線が表現できるのもグラッフィートの特徴です。

削り終わったらすかさずニスで保護しましょう。

na-2016 (4)

今回は艶ありニスでクラシックな雰囲気を強調しています。

na-2016 (6)

額縁が出来上がり、いよいよ額装です。

内側に紺色のベルベット調の布を貼り、箱額に仕立てました。

na-2016 (5)

今回は模写の金とのバランスを考えて

額縁をアンティーク仕上げにはしませんでした。

とても格調高い作品が完成しました!

NAさん、誠実な作業の積み重ね、お疲れ様でした。

すばらしい作品を完成させて下さってありがとうございました。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年4月 №1 4月04日

 

2016年も4月がはじまりました。

なんて早いのでしょう・・・。いやはや。

近所の川沿いにある桜は毎年見事に咲いており

買い物ついでに必ず立ち寄る花見散歩道です。

2016-04-03 14.51.32-1

そして、今年もLAPISアトリエ前の桜は美しく咲いています。

寿命だったのか昨年秋に1本減ってしまいましたが、

残りの木が補うように、いつもに増して美しく咲いてくれていて

いじらしく思えてしまいます。

 

さて、こちら月曜コースの生徒さん方の制作意欲はいつも通り。

IWさんの額縁も、はやくも4点目が完成しました。

1月に製作開始した額縁で、初の彫刻に挑戦。

シャープな線を表現します。

デザインを決めて木地に下描きをします。

lapis2016 (7)

彫刻刀、またカッターナイフも使って彫りました。

iw-4 (2)

今回はボローニャ石膏は使わず、

トノコで整えたあとアクリル絵具で着色しました。

淡い色を何色も使って複雑な色味を作ってあります。

金も箔ではなく油性塗料で。

磨り出しをして、金に趣を出しました。

iw-4 (1)

そしてワックスで仕上げです。

丁寧に彫った彫刻の凹凸が強調されて

より立体感が感じられるようになりました。

iw-4 (3)

iw-4 (4)

フォークロアな雰囲気もある、力強い個性的な額縁が完成です。

IWさん、彫刻初挑戦ながら完成度のある額縁を作って下さり

ありがとうございました。

IWさんの次作は引き続き彫刻額縁の予定です!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年3月 №2 3月21日

 

市が尾にある古典技法アトリエ Atelier LAPIS の生徒さんは

ご入会後もずっと長く続けて下さる方が多く

講師のわたしも大変うれしいと同時に

楽しく制作しておられる生徒さん方の熱意に励まされ、

古典技法の魅力を再確認しております。

 

先日、Iさんの額縁が完成しました。

Iさんももう何年続けて下さっているか・・・。

ご自身で作られたモザイクを納める額縁です。

2016-02-22 I (1)

モザイクのモチーフである8角形の星を額縁にも入れました。

ボローニャ石膏地を濃青で彩色し、端先(内側縁部分)に盛上げでレリーフ。

盛上げには水押しで、模様にはミッショーネ技法で純金箔を装飾しました。

2016-02-22 I (3)

明るい夜空を思わせるような、とても華やかな作品になりました。

モザイクの強い輝きと立体感と、負けず存在感のある額縁。

両者が競い合うように引き立てあっています。

 

Iさんの長い時間をかけての力作。

美しい額縁を作って下さり、ありがとうございました。

次もまたモザイクを納める額縁を制作予定のIさんです。

次の完成も楽しみにしております。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年3月 №1 3月10日

 

わたしがAtelier LAPIS の月曜日を担当しはじめたのは

忘れもしない2011年3月です。

大きな震災の直後で、しばらくは生徒さんも集まらないと思いつつ

ひっそりと始めた月曜コースですが、

徐々にご参加くださる生徒さんが増え、気づけば5年目になりました。

 

ISHさんは、もう4年近く続けてくださり、

ご自身で描かれた日本画に額縁をつくって展覧会に出品なさったり

最近はテンペラ画にも興味を持ってくださって、最近ようやく

模写第1号が完成しました。

SMサイズのパネルにボッティチェッリのビーナスです。

ishi-bo (1)

当初はテンペラ独特のハッチング描写に四苦八苦でしたが

さすが日本画で筆を持ちなれておられるので

コツをつかむとあっという間に上達!

わたしも「人はこうして技術を身に着けるのだ」と

目の当たりにした感動がありました。

ishi-bo (2)

オリジナルのビーナスより優しい笑顔の作品が出来上がりました。

ISHさん、完成させてくださってありがとうございました!

残念ながらこの作品を最後にISHさんは一旦退会なさることになりましたが

またご参加下さり、次の「顔シリーズ」制作、そして

ビーナスの額縁制作をご一緒できる日を楽しみにしております。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年2月 2月04日

 

南西に向いた大きな窓からの日差しでいつも暖かな

Atelier LAPIS ですが、この冬はやはり寒いです。

朝、アトリエに着いたらまず暖房を付けて、掃除機をかけて

コーヒーを飲んで一息つきます。その頃ちょうど9時30分。

生徒さん方がアトリエに入って「あったか~い!」と

言って下さるようにしたいと思っています。

 

さて、寒さも雪もなんのその、いつも通り生徒さんは熱心です。

昨年暮にフィリッポ・リッピの聖母子模写を完成させたNAさんは

合わせた額縁を制作中。

一念発起でZECCHIから取り寄せたご自分の箔道具を初使いで

金箔も美しく貼り終えました。

辛抱強く丁寧な仕事はNAさんのすばらしい美点です。

lapis2016 (5)

半円アーチの額縁木地はIMさん。

フラ・アンジェリコのリナイウォーリ祭壇画聖母子像の

模写にあわせて、5月の展覧会用に急ピッチで制作中です。

lapis2016 (6)

 

そしてIWさんのグラッフィート額縁が完成しました。

IWさんらしくモダンでシンプル、可愛らしさもある額縁です。

lapis2016 (1)

グラッフィート技法は、まず金箔を貼り磨き、

その上にテンペラ絵の具を塗ります。

模様に沿って細い棒などで絵具を掻き落として

下の金箔を出すという、大変手が込みまた贅沢な方法です。

側面にも模様、可愛いです。

lapis2016 (4)

デザイン構想、下絵作り、そして木地を整形して

石膏を塗り磨き箔を貼り、絵具を塗って削りだし。

長い長い作業、IWさんお疲れ様でした!

素敵な額縁を作って下さりありがとうございました。

そして次のモダンデザイン額縁は初挑戦の彫刻です。

怪我に十分注意しながら、どうぞ楽しい制作を!

lapis2016 (7)

 

 

 

遠足展覧会 プラド美術館展 2月01日

 

市が尾にあるAtelire LAPIS 月曜コースの生徒さんと

第2回遠足展覧会「プラド美術館展」にでかけました。

最終日が近いこともあり、夕方もなかなかの混雑ぶり。

小品をメインに、ベラスケス、エル・グレコ、ゴヤ等

そうそうたる作品群が観られました。

prado2016 (1)

そんな中、私たちがメインに鑑賞したのは額縁。

特にゴシックスタイルの額縁に目を奪われました。

イタリアではあまり見る事ができないデザインばかりで新鮮でもあり、

ため息をつきながら、横から下から斜めから隈なく鑑賞します。

とくに角側面には中折れの金具が取り付けられており

そのデザインのすてきなこと!

繊細さと力強さが両立したカッコイイ額縁でした。

 

2009年にご紹介したスペインの本「Coleccion CANO DE P.E.A」には

今回の展覧会に出品されていた額縁が載っていました。

prado2016 (7)

下の2点、特に葉模様の額縁は10点近くあったのではないでしょうか。

実際本には「プラド美術館で多く使われている額縁のひとつ」とあります。

prado2016 (5)

prado2016 (6)

グラッフィートを施したもの、またベルベット布を貼ったものなど

展覧会で観たものにとても良く似た額縁も載っています。

もしかしたら、あれらもCANO社の額縁だったのかもしれません。

prado2016 (2)

prado2016 (4)

いくら本で観ていても、やはり実物を目の当たりにするのは

全く違うのです。

ご一緒くださった生徒さん方もスペインスタイルの額縁に

興味を持ってくださったようで、新しい扉ができました。

わたしも手の込んだグラッフィート額縁の制作意欲が湧いています。

 

生徒の皆様、ご参加ありがとうございました。

また第3回遠足展覧会、企画したいと思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年1月 1月11日

 

古典技法の教室 Atelier LAPIS の講座も

長めのお正月休みを終え、今日1月11日からはじまります。

気持ち新たに2016年も皆さんが楽しく制作できるよう

ささやかなお手伝いをさせて頂きます。

 

昨年暮に完成した作品2点は

HAさんの黒い彫刻額縁とNAさんの聖母子です。

8月のブログにおふたりの制作の様子があります。)

HAさんの額縁は製作開始時にすでに頭の中で

しっかりと完成イメージができていましたので

その姿に近づけるよう様々の工夫を施しました。

lapis2016 (1)

彫刻が美しく表現できる石膏の塗り方、磨り出しの仕方など

努力の甲斐あってほぼイメージ通りの仕上がりになりました。

 

NAさんの模写、フィリッポ・リッピの聖母子は

声をかけるのもはばかられるような集中力で描きました。

lapis2016 (4)

その成果は完成度の高さに表れています。

金の輝き、マリア様の表情、薄いベール、赤子の肌のはり、

はじめての卵黄テンペラとして素晴らしい仕上がりです。

 

HAさん、NAさん、お疲れ様でございました!

素晴らしい作品を作って下さり、ありがとうございました。

すでにHAさんは次の額縁の構想、NAさんは聖母子の額縁の

制作に取り掛かっておられます。

わたしも完成が今から楽しみです。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年10月 11月12日

 

いつの間にか立冬を迎えましたが、atelier LAPIS では

先月の10月、また新しい作品が完成しました。

IWさんの銀箔額縁です。

 

夏前から構想を練り始め、デザインをまとめ、

木地作りを開始して・・・こつこつと5か月。

ボローニャ石膏地に線刻と盛り上げでモダンなデザインを入れて

全面に銀箔を水押しで貼りました。

線刻の細かい部分も細いメノウで磨き上げます。

定規で引く線とフリーハンドで引く線で変化を付け、

盛り上げもあえて揺れを残して「ふわふわした」趣にしています。

s-2015-08-31 12.20.48

磨きも終わりました。

これで完成!でも良いのですが、もう一工夫。

s-2015-09-14 11.17.49

銀の腐食液を使って部分的に変色させます。

腐食液の濃度調整も難しいところ。

今回は真っ黒にせず、少し薄めに・・・が目標です。

そして更にもう一工夫して、ニスの塗り分けで

艶ありの部分と艶消しの部分をつくります。

細い筆で慎重に。

s-2015-10-19 11.14.05

そうして完成した額縁、すでにひとつの作品です。

額縁としてもつかえるオブジェのよう。

s-2015-10-19 16.20.34

光の角度で艶あり部分がキラキラと光ります。

これぞまさにIWさんのオリジナル額縁、世界に一つしか無いデザイン。

制作の様子を毎週拝見するわたしもワクワクしました。

素晴らしい額縁を作って下さりありがとうございました。

 

遠足展覧会 ギャラリー916へ 9月24日

 

市が尾にある古典技法の教室 Atelier LAPIS の

月曜コースを受講されている生徒さんと一緒に

以前にもご紹介しましたギャラリー916 へ「額縁遠足」にでかけました。

いつものアトリエを離れて、珍しい額縁を見学に行く遠足です。

ギャラリー916では、写真家上田義彦さんの展覧会が

会期を延長して現在も開催中です。

 

許可をいただき展示額縁の写真を撮りましたのでご紹介しますが、

作品には加工をしております。見難い点をお許しください。

2015-09-21 11.59.24

シンプルモダンな額縁から古典技法の額縁まで、様々なスタイルの額縁を

組み合わせて展示された広い空間は、とても居心地の良い場所です。

写真と額縁の組み合わせの可能性をひしひし感じます。

なかでも、アメリカのアーツ&クラフツ時代の額縁が見どころ。

これまた以前にご紹介しましたニューヨークにある額縁のギャラリー

「LOWY」から頂いたカタログ「A CHANGE OF TASTE」の時代です。

この日もカタログ片手に鑑賞しましたが、掲載されている額縁の

まさに実物が使われており、ちょっとした興奮でした。

 

2015-09-21 12.22.25

1920年頃に作られた carrig-rohane の額縁です。

外側の鎖束のような編籠のような模様も素敵ですし、

内流れの部分、石膏地に縮緬のような細かい模様が

入れられているのが印象的でした。

どうやって作った地模様なのでしょうか。

繊細な模様でありながら、力強い男性的な額縁でした。

 

2015-09-21 12.06.39

こちらもアメリカ東部で1900年代初めごろに作られた額縁。

素朴な雰囲気の彫刻に、おおらかに刻印が打たれています。

箔足は美しく、確かな技術が感じられました。

 

2015-09-21 12.12.43

こちらはイギリス風?

バーン・ジョーンズの絵が入っていそうな雰囲気で

アーツ&クラフツ時代のスタイルです。

内側の平らな部分に木目が見えているのが特徴的。

これが磨かれた石膏地のつるりとした面が作られていたら

印象はまったく違うでしょうね。

 

2015-09-21 12.09.39

こちらもまた、アメリカのアーツ&クラフツ時代のもの。

ギリシャ風の装飾で、アール・デコも感じます。

内流れの部分は、おそらく木地をうすく彫った上に

石膏をかけて「揺れ」のある趣をだしています。

大げさに言えば、この「揺れ」がこの額縁の命です。

ここも上の額縁同様につるりとした面が作られていたら

印象がまったく違うはず。

もしもっと古い時代だったら、きっとつるりと平らに

磨くスタイルで作られたのではないかな、と思ったりします。

 

アメリカのアーツ&クラフツ時代の額縁を数点観ることができましたが、

コントラストがはっきりした、男性的な額縁という印象でした。

 

その他、イタリアのサンソビーノ額縁(写真撮り忘れ)や

南の地方(ナポリやシチリア、もしくはスペイン?)の額縁、

シンプルながら目を引くような額縁が色々展示されていました。

2015-09-21 12.10-tile

 

そしてやはり、額縁が生き生きとしているのは

なかに納められた写真の力によるものがおおきいのです。

写真と額縁がお互いを高めあっている。

理想の額装のかたち。

 

ご一緒して下さった生徒の皆様、ありがとうございました。

今後も「遠足」の機会を設けたいと思っています。

今回ご参加頂けなかった皆さんも、ぜひ次の機会に。

遠足展覧会のリクエストもお待ちしております。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年8月 8月13日

 

古典技法の工房兼教室 atelier LAPIS は、駅から歩いて3分という

大変便利な場所にありますが、その3分間も辛い猛暑の月曜日。

アトリエではテンペラを描いたり彫刻をしたりと

外の暑さに負けないような静かな熱気に包まれた時間が過ぎます。

 

lapis2015 (4)

NAさんはフィリッポ・リッピの聖母子を部分模写。

背景は金にアレンジしています。

lapis2015 (1)

HAMさんはフラ・アンジェリコの聖母子の天使を模写ですが、

背景は黄金のタペストリーになっていて、

写真では良く分かりませんが、すべて線で織り模様を表現しています。

lapis2015 (2)

MIさんはカマボコ板を下地に使った小さなテンペラを制作しています。

夏らしい金魚。目を入れようと構えたところです。「いざ!」

lapis2015 (3)

HAさんは今日から新しい額縁の制作に入りました。

デザインはすで頭の中で出来上がっていたので

コンパスを使ってさっと印をつけ、あっという間に彫り開始です。

アトリエにはスイスの彫刻刀も揃えてありますが、

HAさんは以前弟子入りしておられた彫師師匠の下で揃えた

日本の彫刻刀をご持参です。

lapis2015 (5)

TAさんは前回、生まれて初めて電動糸ノコとドリルを使って

丁寧に切り出した額縁に、いよいよ彫刻開始です。

エレガントなデザインはマニエリズム風?

 

筆をガラス器でゆすぐ音、彫刻のサクサクという音、

またノミを木槌で打つ音が加わって

雰囲気はすっかりルネッサンス時代の修道院のアトリエか

大きな工房のようです。

さしずめわたしは親方でしょうか!

・・・違いますね。

こっそり見守りつつ、必要以上に干渉せず、の精神で

生徒さんの影分身のような気持ちでいます。

 

根を詰めすぎると呼吸が浅くなって、気づいた時には

頭が痛くなっていることがあります。

生徒さんの質問に答えたり、相談に乗ったりということはもちろんですが、

「さぁちょっと深呼吸しましょう!」と声をかけるのも

わたしの大切な仕事のひとつです。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年7月 7月09日

 

じめじめと梅雨らしい梅雨の市が尾ですが

atelier LAPIS では今日も今日とて生徒の皆さんは

熱心に作業を進めています。

 

HAさんが精魂傾けて制作された双子の額縁が

完成を迎えました。

月曜コースに移籍なさる前、土曜コースの筒井先生のご指導で

完成した金の額縁、そして月曜コースで完成した銀の額縁です。

 

5月、すでに土曜コースで石膏磨きまで終わっていた木枠に

茶色に混色したボーロを塗りました。

ha2015-7 (2)

そして外側から順に銀箔を水押しします。

銀箔には薄い膠水を使います。

一周箔を置いたら磨き、それから次の一周、

急がば回れの精神です。

ha2015-7 (1)

そして最後の一周を終えて、根気の要る繕いもしっかりと。

ha2015-7 (3)

チョコレートがだんだん包まれていくみたい!と

他の生徒さんも興味津々でした。

 

そして7月。長かった箔の繕いも終えてメノウ磨きで輝いた銀箔は

つや消しラッカーで保護し、ほんの少しの汚しを付けて完成しました。

ha2015-7 (4)

ほんのりとした柔らかな銀と金。

金属的な輝きが抑えられて、上品な仕上がりになりました。

正方形なのも女性的な雰囲気に一役買っています。

 

竿を彫刻し、木枠に組み、石膏を塗り磨き箔を置いて・・・

まさにHAさん渾身の作です。

お疲れ様でした!

素晴らしい額縁を作って下さり、ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年6月 6月11日

 

とうとう東京は今年も梅雨を迎えました。

古典技法では少々作業しづらい季節になりましたが

atelier LAPIS  では皆さんいつも通りの熱心な制作が続いています。

 

月曜コースではグラッフィートに続き、流行している

つーとん」模様がありますが、TAさんの「つーとん」第1号が

嬉しく完成を迎えました。

まず木枠を彫刻します。もちろん「つーとん」模様。

TAさんの初彫刻額縁でもあります。

TA-tuton (1)

最初は迷いながら恐々だった彫刻刀も、数時間で

コツをつかんでしまわれました!

 

彫刻後にボローニャ石膏を塗って磨きます。

装飾にプラスする模様を写本を参考に思案中。

TA-tuton (2)

模様は線刻で入れました。

 

そして純金箔を水押しして、線刻部分を磨り出し。

ボーロの赤と金のハーモニー、線刻した蔦模様も可愛らしく

とても華やかな額縁が完成しました。

TA-tuton (4)

アンティーク風に汚しをいれようか?

中にどんな作品を納めようか??

楽しい思案は続いているようです。

 

ただいま atelier LAPIS では、火曜、金曜、土曜の午後コースで

生徒さんを募集しています。

古典技法の額縁制作にご興味のある方、また黄金背景テンペラ画を

描いてみたいと思われる方、どうぞご見学にいらして下さい。

atelier LAPIS

 

わたしが担当しております月曜コースは、現在満席で

キャンセル待ちをしていただいています。

新しい生徒さん募集再開の折には、またお知らせいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年4月№2 4月30日

 

桜の季節も終わり 日あたりの良い atelier LAPIS の教室は

ぽかぽかと気持ちの良い空気と静かな熱気に包まれています。

 

わたしはこの教室を担当するまで 額縁制作に興味を持つ人が

こんなに沢山いらっしゃるとも思わずにいましたが

atelier LAPIS の生徒さん方は皆さん大変に熱心

かつ嬉々として取り組んでおられる姿に わたしも励まされています。

 

さて 4月になってNAさんとTOさんの作品が大詰めを迎え

27日のレッスンでめでたく完成いたしました。

お二人とも細かい作業を苦とせずに 長い時間をかけて

丁寧に制作なさったかいがありました。

NAさんは目に見えて上達するなか 金箔も美しく仕上がり

いよいよ古色を付けてアンティークな仕上がりにする作業が始まりました。

na2015.4a

木槌でたたいたり ぴかぴかの額縁に凹凸を付けます。

さらに磨り出しで磨き上げた箔を落としていきます。

恐々の出だしでしたが 作業終わりころには

「この作業が一番楽しかった気がします・・・!」とのこと。

ぴかぴか状態からの変化がとても楽しいのです。

そして仕上げにワックスとパウダーで汚しを入れて完成。

na2015-4b

 

そしてTOさんの写本模写もいよいよ完成しました。

to2015.4

NAさん TOさん お疲れ様でした。

素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございます。

お二人の完成した作品は ぜひ atelier LAPIS の

生徒作品集のブログからご覧ください。

 

atelier LAPIS 生徒作品集

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年4月№1 4月09日

 

市が尾にある古典技法のアトリエ Atelier LAPIS では

ひとつの空間で生徒さんそれぞれが作りたい額縁

描きたいものをテンペラで・・・と「合同個人レッスン」で行っています。

わたしが担当させて頂いている月曜日の他にも

Atelier LAPIS主宰の筒井先生による土曜日

また奥秋先生の火曜日 伊東先生の金曜日のコースがあります。

どの曜日も合同個人レッスンは同じですが

やはり講師の得手や生徒さんのご希望によって

曜日ごとに特色が出ているのが面白いのです。

2015-04-06 10.20.48

LAPIS自慢の桜の借景。

もう散り始めていますが 花吹雪もまた美しい。

 

さて月曜コースの最近の進捗状況です。

1ヵ月のレッスン参加回数は生徒さんそれぞれで

MUさんのようにアトリエは月に1度 後はご自宅で制作続行もあれば

NAさんのようにほぼ毎週アトリエでレッスン

というようにペースはそれぞれです。

その自由さもAtelier LAPIS の良いところです。

 

MUさんの黄金背景テンペラ画の大作。

フラ・アンジェリコのリナイウォーリ祭壇画から天使です。

前月は緑の下色だった肌や 白い石膏地の見えていた部分は

mu2015.2

全体に色が入りました。

やはり肌色が入ると ぐっと見やすくなって

他の部分の仕上げも描きやすくなります。

腕鎮(わんちん)も慣れが必要ですが ぜひ使っていきましょう。

mu2015.3

 

NAさんの全面盛り上げレリーフの額縁も2月は下描きだった部分に

na2015.2

3月すべてレリーフが入りました。

na2015.3

とても丁寧な作業だったので 修正もほぼ必要なし。

そして4月。

金箔の水押しを終え メノウ磨きの仕上げです。

長い道のりでした。

初めての古典技法額縁の制作でここまで出来れば上々です!

na2015.4

今は入れ子ライナーに入れる線刻模様を思案中です。

 

こちらは月曜コースで流行中のグラッフィートに

挑戦中のHAさんの額縁です。

3月に水押しで貼った金箔は大成功 わたしの赤いセーターが

写り込むほど美しく磨き上げられた額縁には

ha2015.2

濃紺の卵黄テンペラ絵の具を塗って 削りだしです。

なにせ模様が細かいので作業も根気が要りますが

今まで通りゆっくり丁寧に進めましょう。

ha2015.3

そして4月6日のレッスンで削りの仕上げも終わり

ラッカーで保護して完成しました。

完成した額縁は atelier LAPIS のホームページ

「生徒作品」からぜひご覧ください。

TAさんのグラッフィート額縁も合わせてどうぞ。

 

上でも書きましたとおり

Atelier LAPIS はひとくくりに「古典技法アトリエ」と申せど

各曜日教室によって その時の流行や特色も出ているようで

それぞれの曜日が気になるところです。

昨年11月に開催されたAtelier LAPISの展覧会で改めて思いました。

他の曜日の生徒さんの制作過程も興味津々です。

いつかAtelier LAPIS の全曜日の生徒さん講師が一同集まって

情報交換をしたりおしゃべりが出来る機会が持てれば

と思っています。

 

現在Atelier Lapis では火曜 金曜 土曜午後のコースで

それぞれ生徒さん募集中です。

ぜひご見学にいらしてください。

また下記のAtelier LAPISのホームページから

ブログや生徒さん作品のページもどうぞご覧下さい。

Atelier LAPIS

 

わたしが担当しております月曜コースは現在満席のため

新規の生徒さんは申し訳ありませんがお受けできません。

募集再開の折には 改めてお知らせさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年3月  3月19日

 

2月19日にご紹介しましたグラッフィート技法は

TAさんの他にTOさんも着々と制作を進めています。

TAさんの額縁同様 まずは全面に金箔を水押し。

TO4

TOさんは中世ドイツの古い羊皮紙写本からのテンペラ模写です。

オリジナルは羊皮紙ですが 今回はボローニャ石膏地の板に

アレンジして石膏盛り上げ装飾も取り入れていました。

箔が乗らない周囲の部分も 羊皮紙風の色を塗ってから

徐々にテンペラ絵の具で金の上に色を加えていきます。

TO3

角の弁柄色 中央に濃い緑色と白が加わりました。

TO2

そして中央の濃い茶紫色が入ると いやぁかっこいい!

他の生徒さん方から「完成したらわたしに下さい!」

なんて声が上がっています。

わたしも欲しいです・・・。

TO1

更に濃い茶紫色を囲むようにしグレーを加えました。

徐々に金箔の面が隠されていきます。

2015-03-09 16.34.31

さぁ外側の帯にも彩色され ドラゴンの目も入りました。

いよいよグラッフィートの掻き落とし作業のはじまりです。

細い金の線がきらきらと美しく輝きます。

中央の茶紫部分にもグラッフィートが施される予定。

長かった制作も終わりが見えてきました。

次回のレッスンで完成できるでしょう。

楽しみです!

 

 

 

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年2月 №2 2月26日

 

先日ご紹介しました月曜コースの流行のひとつはグラッフィート

もうひとつは「小鳥」です。

わたしがアトリエでガサゴソと小鳥の絵をテンペラ画模写していたところ

生徒のMIさんが「かわいい!わたしも描いてみたい」と言って下さり

それでは・・・とわたしの本をお貸ししたりしていたのですが

筒井先生が絶版になっていた本を探して アトリエに入れてくださいました。

そんな訳で MIさんの描く小鳥たちの可愛さに惹かれて

他の生徒さん方も「いいなぁ小鳥」「うーん次は額縁を一休みして小鳥を描くかな?」

などのお声がチラホラ。

額縁を目的に入った生徒さんがテンペラに興味を持ち また

テンペラを目的に入った生徒さんが額縁に興味を持ち・・・

広がる様子は わたしも嬉しい限りです。

M-kotori

ちなみにこのMIさんのテンペラ画支持体は 蒲鉾板の再利用です。

わたしが学生の頃 かなり熱心にこの蒲鉾板再利用をしました。

もちろん綺麗に洗い きちんと乾かしてから使います。

(いままで使って板に沁みた塩分の被害が出たことはありません。)

わざわざ蒲鉾メーカーの焼き印が裏に見えるように使ったりして。

 

最近はスーパーマーケットで見かける蒲鉾がどんどん小さくなって

焼き印が押されていなかったりしますので ちょっと物足りません。

お正月のお節用に奮発して上等の蒲鉾を買って 板をとっておきます。

板目的に蒲鉾を買う・・・本末転倒になりつつありますが

なんちゃってエコ気分も味わっています。

2015-02-23 15.55.18

MIさんの手元には周囲の方のご協力もあって

蒲鉾板がたくさん集まったとか。

2点が完成しましたので さっそく次回のレッスンで

蒲鉾板をズラリと並べて下地作りをする予定です。

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年2月№1 2月19日

 

最近のAtelier LAPIS月曜コースでは2つの流行があります。

そのひとつがグラッフィート技法を使うこと。

グラッフィート技法とは 水押しした箔を磨いた上に

絵具を塗って覆い隠し その絵具を掻き落として下の箔を見せる方法。

全面に箔を使いますので贅沢ではありますが

とても細い繊細な模様を表現できる魅力もあります。

今この技法を用いる作品制作に取り組んでいる生徒さんは3人ですが

まずはTAさんの作業風景からご紹介します。

 

1月に木地にオーナメントを取り付け ボローニャ石膏を塗りました。

lapis2015.1b

そして2月に入り 赤と黄のボーロを混ぜて茶色にしたものを塗り

全面に純金箔を水押ししました。

メノウ磨きによって金の塊りのように美しく仕上がっています。

T-graffito1

そしてそして 卵黄テンペラで箔の表面をすべて覆います。

なんだか勿体ないように感じてしまいますが・・・。

T-graffito2

さぁいよいよ グラッフィート(掻き落とし)開始です。

わたしは今までの経験で 掻き落としには竹串が最適と思っています。

箔を傷つけるほど硬すぎず 絵具に負けるほど弱くなく。

イタリアでは ネイルアートに使うようなオレンジスティックで掻いていました。

T-graffito3

箔を覆うテンペラ絵具は 卵黄の量も重要です。

少ないと絵具層が弱く また金箔に弾かれてしまいます。

かと言って多すぎるとモッタリし 掻き落とし作業も難儀します。

顔料によっても卵黄の適量は少しずつ違いますから

これはカンと経験で・・・としか言えないのですけれど。

 

このグラッフィート技法では地味な色 つまりは

金とのコントラストが強い色を使った方が よりやりがいがある・・・

地味派手とでも申しましょうか

古典技法独特の表現ができる技法です。

TAさんの額縁が完成した暁には またご紹介いたします。

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年12月no.2 12月18日

 

レッスンに毎週ご参加くださるTさんの作品が

またひとつ完成しました。

とは言っても 製作の作業ほとんどをご自宅でなさって

atelier LASPISではすこしのご相談と 最後の仕上げをしただけ。

もうすでに石膏も箔も作業手順はしっかりマスターされています。

あとはとにかく沢山作って慣れるのみ!です。

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ワックスと粉(ニセモノホコリ)で最後の加工をしています。

ワックスを付けては拭き 粉をはたいてはまた拭き・・・

徐々に凹凸に趣が加わります。

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完成した額縁 タイトルは「シンフォニー」に決まりました。

盛り上げ装飾が楽譜の音符みたいだから・・・とのこと。

小さいながらも濃密な 迫力のある額縁が出来上がりました。

Tさん また素敵な額縁を作って下さりありがとうございました。

また次の額縁の完成を楽しみにしております。

 

さぁ わたしも負けていられません!

心と頭をオープンにして アイディアを練ろうと思います。

 

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年12月 12月08日

 

今日ご紹介するMさんの額縁は

すでに9月に完成させていらしたのですが

すっかりご紹介がおそくなってしまいました。

 

額縁制作ははじめて 自分にできるか心配 と仰って

真夏にご入会なさったMさんですが

毎週の努力の甲斐あって 立派な額縁が完成しました。

Mさん 素敵な額縁を作って下さりありがとうございました。

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木地にボローニャ石膏 濃茶色に着色

細枠に純金箔水押し装飾 植物文様はミッショーネで純金箔装飾

ワックスによるアンティーク仕上げになっています。

特にベースに濃い茶色を選んだのがこの額縁のポイント。

黒だと正統クラシックな雰囲気になりますが

茶色だとすこし優しい感じ そして現代風にも感じます。

Msama

完成間近 まだピカピカの出来立ての額縁をアンティーク風にするために

凹みを作る作業をしました。

丹精込めて作った額縁に傷をつけるなんて・・・と最初は恐々のMさんが

徐々に躊躇いが消えて真剣に傷を入れていく姿を見ていて

「むむ 良い度胸・・・」と内心とても感心してしまいました。

この凹みを作る作業に大切なのは 躊躇いを無くすこと。

最初はなかなか難しいことなのです。

そして打った跡の凹みにも それぞれの人柄が表れるのが

不思議でもあり 面白いところです。

 

11月に開かれました atelier LAPIS の展覧会に出品した

キャンデラブラム装飾額縁を

「works」内「classical」にアップいたしました。

どうぞご覧ください。

 

Atelier LAPIS 「心の窓」展 終わりました 11月17日

 

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銀座のギャラリー林で 11月1日からはじまった Atelier LAPIS の展覧会

「心の窓」展は 16日の日曜日に無事終了することができました。

お忙しい中ご高覧くださった皆様 ありがとうございました。

また素晴らしい作品を出品してくださった生徒の皆様 講師の先生方

ありがとうございました。またお疲れ様でした。

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今回の展覧会は筒井先生を中心とした企画準備から

生徒さんが積極的にご参加くださり

また筒井先生と奥秋先生によるワークショップも開催され

そして何より 作品がそれぞれ個性的でアイディアも豊富

とても内容の濃い充実した展覧会になりました。

月曜の生徒さん3人 上からIさんFさんMさんの作品です。

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この展覧会で一区切り。

皆さんそれぞれにもう次の制作に取り掛かっておられます。

また完成を楽しみに わたしも新しい表現を探そうと思います。

 

この diario(ブログ)のカテゴリーに新しくatelier LAPIS を作りました。

左の欄 カレンダーと「過去のdiario」の下にある「カテゴリ」の

「atelier LAPIS」からご覧ください。

 

 

 

Atelier LAPIS 展覧会のお知らせ 10月23日

 

横浜市の市が尾にある古典技法の研究所 Atelier LAPIS では

生徒さんの作品を中心に 展覧会を開くことになりました。

写真面ー完成-691x1024

わたしが担当させていただいている月曜日からは3名の生徒さんが出品され

ほか土曜日 火曜日の生徒さんと講師(わたし含め)総勢16人。

11月1日土曜日から11月16日日曜日まで

銀座7丁目の「ギャラリー林」にて開催です。

お近くにおいでの際には どうぞお立ち寄りくださいませ。

宛名面-—完成-701x1024

 

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年9月 9月18日

 

クリスマスにむけて 盛夏のころから作りはじめた額縁が

2か月以上も余裕をもって はやくも完成しました。

Tさんの純金箔を使った額縁です。

天使の絵を額装予定ですので クリスマスをいつも以上に思い出深くしてくれるでしょう。

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デザインは15世紀のイタリア・トスカーナ州で作られたものを参考にしました。

木地にボローニャ石膏 盛り上げ装飾。赤色ボーロに純金箔 刻印装飾

磨り出しとワックスでアンティーク仕上げです。

Tさん 毎週のレッスンお疲れ様でした。

すばらしい作品を作って下さり ありがとうございます。

Tsan2

盛り上げは雲のような植物のような おおらかな模様

大きめの刻印で縁取ることで さらに力強さが加わりました。

この刻印の効果は想像以上!

わたしも制作意欲を駆られます。

KANESEIも次回は大きめ刻印を打ってみたいと思っています。

 

 

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2014年6月 7月03日

 

市が尾の古典技法額縁制作と卵黄テンペラの教室

atelier du LAPIS では 生徒さんそれぞれがご希望のサイズとデザインの

額縁を木地から作ったり お好きな画家の作品を模写したりと

合同個人レッスンのようなアトリエになっています。

6月に完成した生徒さんの作品をご紹介いたします。

 

まずはTさんの作品から。

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木地にボローニャ石膏 四隅に盛上げ装飾 中央部に磨り出し装飾

赤色ボーロに純金箔の装飾。

仕上げも最後まで古典技法で!とのことでシェラックニス仕上げです。

このニスはatelier du LAPIS主催の筒井先生お手製の

「本物のシェラックニス」を特別に使わせていただきました。

沢山の技法を習得したいとのことで 側面にもミッショーネ

(箔用の糊)を使った装飾を入れています。

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とても豪華で男性らしい額縁が完成しました。

 

そしてIさんの額縁とビーズ作品。

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月に一度のレッスンで根気よく丁寧に制作された額縁です。

木地にボローニャ石膏 四隅に石膏盛り上げ装飾

内側 ライナーと四隅に純金箔装飾。黒に彩色。

ワックスによるアンティーク仕上げです。

ビーズの作品はイタリアのラヴェンナにあるサン・ヴィターレ教会の

モザイク壁画をモチーフにされたとのこと。

このビーズの輝きは写真で見るより実物のほうが

ずっと深みがあり 美しさも倍増でした。

TさんIさん お疲れ様でした!

素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございます。

 

今年11月初旬に銀座で作品展を開催する予定です。

お二人の作品もほかの生徒さん作品と一緒に出品予定(恐らく!)ですので

銀座にお出かけの際にはお立ち寄り頂けるよう

またご案内申し上げます。

 

 

 

 

Atelier LAPIS 午前のコース開始のお知らせ 6月16日

 

市が尾にあるAtelier LAPIS では

古典技法額縁制作と黄金背景テンペラ画の講座を

受け持たせていただいておりますが

7月から午前のコースも開始することになりました。

毎週月曜日 9時30分から12時30分まで。

午後のコースと同様に3時間です。

 

午後のコースはご好評をいただき ほぼ満席ですが

午前のコースは満を持して生徒さんを募集いたします!

 

ご家族がお出かけになった後に または 午後にご予定がある方

午前中のレッスンは一日を有効に活用できます。

どうぞまずは見学にお出かけください。

アトリエでお待ちしております。

http://www.kanesei.net/2013/12/04.html

 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

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atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 4月17日

 

東急田園都市線の市が尾駅最寄にあるatelier du LAPIS(アトリエ ラピス)で

毎週月曜日の午後 講師をするようになって4年目になりました。

こちらでは古典技法を使った額縁の制作と

卵黄メディウムを使ったテンペラ画模写の授業を行っています。

atelier du LAPIS http://atelier-lapis.main.jp/

日当たりのよい明るい教室で

生徒さんそれぞれがご希望の作業を行います。

ひとつの部屋に数人の生徒さんがいらっしゃいますが

生徒さんひとりひとり 当然ながら目標も目的も

そして作業ペースや頻度も違いますので

合同の個人レッスン・・・のような感じとでも言いましょうか。

なので講師のわたしも毎月曜日に新鮮な気持ちになります。

 

下の写真はボッティチェッリの「マニフィカトの聖母」から

部分模写をしておられる生徒さんです。

難しい絵ですがコツコツと根気よく続けて

少しずつ陰影も入って来ました。

これから白いベールや金の装飾を入れていきます。

完成したらこの模写作品を納める額縁を作りましょう!

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Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月04日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり

ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ご見学にいらしてください。

 

詳しく下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

アトリエでお待ちしております。

 

 

Atelier LAPISの様子から 2月11日

 

毎週月曜日の午後 神奈川県の市が尾にある

アトリエ ラピスで額縁制作と黄金背景テンペラ画の

講師をさせて頂いて 早くも3年目になりました。

上の写真は 当初から来てくださっている生徒さんの作品。

まず黄金背景テンペラ画の模写を仕上げ

その絵に合わせた額縁を制作されています。

いよいよ完成が見えてきて わたしも感慨深い思いであり

また 完成が楽しみでもあります。

 

以前 大学の非常勤講師として学生十数人に

黄金背景テンペラ画を指導した数年がありましたが

若い学生(まだ半分子供のような彼ら)に指導することで

感じること 指導する喜び そしてわたし自身が学ぶこと

沢山ありました。

大人の生徒さんが来て下さるアトリエ ラピスでの時間は

学生と過ごした時間とは違う緊張感と喜びがあって

刺激をいただいています。

自分の好きな絵を描き額縁を作る・・・シンプルな喜びです。

 

 

 

額縁教室にて  3月15日

 

今日は 週に一度講座を持たせていただいている

atelier du Lapis の様子をご覧いただこうと思います。

毎週月曜日 午後1時30分から4時30分まで

生徒さん各人のご希望のスタイルで

額縁の製作 黄金背景テンペラ画製作 または

古典技法による金箔技術を習得したい・・・などの

ご希望に沿って講座を行っています。

木工の経験をお持ちの生徒さんは こうして

すこし凝った形の額縁製作にチャレンジなさったり

lapis1

金箔の技法を習得するための準備として

木地作りから始められる生徒さんもいらっしゃいます。

lapis2

月曜日担当の講師はわたし一人ですので

一度にたくさんの生徒さんに対応することは出来ませんが

個性的な生徒さん達とそれぞれの作業をして

わたしも初心に帰りつつ また

新しく経験することもあり

生徒さんから教えていただくことも沢山あります。

それは製作に関する実際の経験も含みますが

途中の休憩でいただくお茶の時間のおしゃべりも

大切な交流になっています。

 

様々な場所でそれぞれの人生経験をお持ちで

額縁を通じて偶然にも(?)お会いできた方々とは

最初の日からお喋りの話題も尽きなくて

つくづく「ご縁だな」と思って感謝しています。

アトリエ ラピス atelier du Lapis (市が尾)

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=6

 

 

絵画額縁 美術研究所 Atelier LAPIS 6月16日

 

この春から古典技法の額縁製作と

黄金背景テンペラ画の講座を受け持たせて

いただいている研究所 Atelier LAPIS の様子を

今日はご紹介しようと思います。

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田園都市線 市が尾駅から徒歩3分にある

マンションの一室が作業をする部屋です。

自然光の入る明るい部屋で生徒さんは

もくもくと作業に取り組まれており

制作にたいする真摯なお気持ちが伝わってきます。

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生徒さんのご希望 どんな額縁を作りたいか

どんな絵を描きたいか・・・それぞれの方に合わせて

ほぼオーダーメイドの授業をしています。

月に1度でも毎週でも いつでもご参加いただけます。

一部材料は費用を頂きますが 必要な物は

研究所に準備してありますので(石膏 顔料 道具等)

エプロン一つでお気軽にどうぞ。

ご質問等 お気軽にお問い合わせください。

皆さまのご参加をお待ち申し上げております。

詳しくは下記のHP内「Atelier」をご覧ください。

 

額縁絵画 美術研究所 Atelier LAPIS

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=4

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教室を始めます 2月21日

 

4月から 額縁と黄金背景テンペラ画の製作の

講座を担当することになりました。

場所は東急田園都市線の市が尾駅からすぐです。

絵画額縁 美術研究所 アトリエ・ラピスにて 

毎週月曜日 13時30分から16時30分まで。

アトリエ・ラピスの主宰である筒井先生のご厚意で

お誘いいただき 機会を得ることが出来ました。

古典技法による額縁の製作や 

黄金背景テンペラ画の制作をご一緒しませんか?

ご自身で描かれた作品 お気に入りの作品にあわせて

すべてオリジナルの額縁を作ったり

テンペラ技法による模写やオリジナル作品制作の

お手伝いをいたします。

詳しい内容は アトリエ・ラピスのホームページ内

左上から「Atelier」をご覧いただくか

または KANESEI のホームページ内

右上の「contact」からご連絡下さい。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

絵画額縁 美術研究所 Atelier LAPIS

http://www.d6.dion.ne.jp/~tsui/

〒225-0024 横浜市青葉区市が尾1153-2-303

東急田園都市線 市が尾駅 徒歩2分

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