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クリュニー中世美術館 1929 7月11日

 

「貴婦人と一角獣」タペストリーを所蔵する

パリのクリュニー中世美術館は

ルーブルやポンピドゥー・センターといった超有名美術館とは違い

ひっそりと静かに でも大変に力強い印象で存在するパリの名所です。

薄暗い室内 むき出しの石の壁と床の空間で

何百年も昔に 人の手でこつこつと作られた重さを感じさせる

彫像や絵画 工芸品に囲まれて過ごす時間は 瞑想にも似ています。

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上の写真は 先日の「貴婦人と一角獣」展カタログから。

束柱やフランボワイヤン装飾などゴシックの美しさがそこかしこに見られます。

壁もクリーム色に輝いて 建物の保存修復も隅々まで。

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上は同じくクリュニー美術館のエントランス写真ですが

こちらは古い絵ハガキ 裏には1929年の印があります。

1枚目の写真と一見違いがないように思えますが

すすけて汚れた壁は なんだか現在の様子よりリアルに感じます。

元は15世紀に建てられた修道士の邸宅だったそうですが

装飾品で着飾った修道士が厳かに扉の向こうに見えるような雰囲気です。

そして一番の違いは 中央扉の上。

ハガキには はっきりわかりませんが窪みに彫像があります。

でも現在の写真は ただ窪みに空間があるだけになりました。

彫像の保存のために移動されたのか

戦争や様々な80年の歴史の中で失われてしまったのか・・・。

時間は確実に過ぎていく。

でも美術館内の中世の遺物は どうかこの先も今の姿のままで。