diario
La nostalgia in Italia 2011 Firenze -Extra 7 La cartolina Misteriosa- 6月06日
イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -番外7 不思議絵葉書-
何度かご紹介している「不思議絵葉書」シリーズですが
今回のイタリア旅行で見つけた一枚は
フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会所蔵
十字架磔刑の木彫写真でした。
細密に彫られた木彫象に さらに彩色をほどこし
イエス様がうけた拷問の傷跡 滴る血が
あまりに生々しく 痛々しい。
執拗なまでの傷の表現に対して
イエス様の表情は 穏やかです。
そして 煌々と当たる照明の反射でなお一層
印象を強くしています。
ほかの「不思議絵葉書」同様に
静まり返った深夜に物音ひとつせず
ここだけが真空の異空間のような・・・
やはり誰宛にも投函せず 持ち帰りました。
Basilica di Santa Maria Novella
Crocifisso in legno dipinto di Cultura Anglosassone
sec.XIII‐XIV
不思議絵葉書 5 1月20日
水の都ヴェネツィアにあるカフェ・フローリアンは
1720年創業 ヴェネツィア最古のカフェです。
インテリアもとても優雅で 美術館のよう。
この絵葉書の部屋は「中国の間」と呼ばれているとか。
一見 美しい部屋を広告用に撮影した写真に見えますが
じっと見ていると 不思議な感想が沸いてきます。
誰ひとりおらず 真空になったような空間
ガラス越しに撮影したせいで 写りこんだらしい
奇妙な2点の光
薄暗い天井の角の陰
壁に描かれた絵の 空の異様な青さ…
正面の鏡には 写るべきはずの
撮影者の姿は見えません。
Caffe Florian, VENEZIA-Piazza S.Marco
不思議絵葉書 4 1月17日
この写真が撮影された1914年は
日本では大正2年にあたります。
当時はモノクロで撮影した写真に
後から彩色するのも珍しいことではなかったようです。
この風景写真も単純に「空は青 地面は赤茶」と
色を入れたのかもしれません。
でも 建物も青のグラデーションになり
水没した遺跡のよう。
広場に佇む人物も赤茶色に硬直しています。
たった2色の彩色が不思議な印象を与えている…
色はとても重要 そして面白いものです。
Praha 1914 – Museum and Monument of St.Wenceslas
不思議絵葉書 3 12月27日
コルドバにある世界遺産「メスキータ」の絵葉書です。
相変わらずの下からの強い光に照らされて
なんとも不思議な世界を見せています。
赤と白の縞模様のアラビア式アーチ 真っ青な柱
その上で燦然と輝く金のキリスト聖人たち・・・
誰もいない空間にひろがる2つの文化の融合。
レコンキスタ(Reconquista)の歴史を端的に表しているようです。
La Mezquita interior,CORDOBA
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不思議絵葉書 2 12月20日
スペイン南部の都市 コルドバの聖堂で
手に入れた不思議絵葉書には
聖ラファエルの像が印刷されていました。
この写真もまた ライトによる強烈な明暗コントラスト
下からのアングルによる聖ラファエルの表情と
極彩色の世界が
「この世のものならぬ」雰囲気を漂わせ
物音一つ無いような空間を作っています。
柱から続くアーチに取り付けられた電球照明は
舞台の一場面を演出しているようです。
美しくもあり 強烈な印象の絵葉書。
The Saint Rafael,Cordoba Custodio
不思議絵葉書 1 12月13日
旅先から親しい人へ送る絵葉書を選ぶのは
沢山ある葉書に目移りして
なかなか決まらないこともしばしばです。
ヨーロッパの古い街の 昔ながらの雰囲気が残る
お土産屋さんに行くと 不思議な葉書に出会うことがあります。
おそらく撮影されたのはずいぶん前であろう写真を
くりかえし使って印刷された絵葉書です。
ライティングやフラッシュの感じ
発色もとても古めかしく
少々不気味でさえあるように見えます。
そんな「不思議絵葉書」を見つけ出しては
買い求めましたが 誰にも送りはしませんでした。
下からのライトが当たった天使の表情や
真夜中の聖堂内を煌々と照らす蛍光灯のような光
金と陰のコントラスト・・・。
ST.GILES’ CATHEDRAL, EDINBURGH
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