diario
ヴェロッキオ先生に許しを請うて 10月24日
今年もまた、この季節になりました。
暮に開催される「小さい絵」展への出品準備です。
今年はヴェロッキオ作の聖母子像から部分
天使の顔をアップで模写しました。
いつものように卵黄テンペラです。
「小さい絵」展に出しますので、絵のサイズは8.5×6センチ
名刺くらいの大きさでしょうか。
▲どうだどうだ、どうなんだ?影が強いような気がするが・・・
模写をすると毎度のことですが、止め時が分からない。
いじくり続けるとドツボにはまってどんどんずれてしまう・・・
という経験から、心身が「わぁ!もうだめだ!」と叫んだ時に筆を置く。
・・・ヴェロッキオ先生、お許し下され。
ヴェロッキオは、かのレオナルド・ダ・ヴィンチのお師匠様
そしてなんとなんと、我が額縁師匠マッシモ&パオラの
額縁店兼工房はヴェロッキオ工房の跡ということが判明しております。
そんな訳でわたくし、ヴェロッキオには勝手に親近感を持っているのです。
さて、今年の額縁は15世紀、ヴェロッキオが活躍していた時代に
フィレンツェで流行したプレッツェーモロスタイルです。
木地にボローニャ石膏、黒色はアクリルガッシュですが
金の模様は模写同様に卵黄テンペラで彩色しました。
古色をつけて擦り切れた印象に仕上げています。
▲木の形が「典型的プレッツェーモロ「」と違うけれど、模様は伝統的に。
オリジナル作品「聖母子と2人の天使」(ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵)
には全面金箔の額縁が付けられていますが
わたしの模写はちょっと地味に仕立てました。
▲納品用に白ボール紙でカブセ箱を作ります。
ううむ、ちょっと地味すぎましたかしら・・・。
でもまぁ、金だと絵が負けそうですし(わたしの技術不足ゆえに)
まぁ良しでしょうか。
▲右下の青い部分は、マリア様の衣なのです。青空じゃないのですよ。
いままで「小さい絵」展に出して頂く模写の額縁は
絵に比べて簡単に作って(市販の額縁を使ったこともあり。)いましたが
去年からは額縁も絵と同等程度に心を込めて作ることにしました。
何枚も描いて簡単な額縁を付けていたこともありますが
1枚入魂(念か?)の方が良いのではないかしら、と
最近は思うようになりました。
ええと、まぁ何と言いますか、はい、こんな感じで。
12月に東京・池袋の東武デパート美術画廊にて開催予定の
「小さい絵」展に出品いたします。
詳細はまたご案内させてください。
悶えて唸りつつも、やはり卵黄テンペラの模写は楽しいのです!