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カフェオレの香りがする額縁は有りか無しか 10月03日

 

古典技法で金箔を貼るには

磨いた石膏地の上にボーロと呼ばれる箔下地材(粘土)を

ニカワ液で溶いたものを塗り乾かします。

そこに普通の水、つまり水道水ですけれど

水を塗って箔を乗せます。

 

そんな風にして作業をするとき

飲み物を横に置いていることがあります。

なかなかに神経を使う作業ですので、リラックスする為に。

 

▲散らかった机は見逃してください・・・

 

上の写真、右のマグカップは箔用の水

左がカフェオレです。

 

そうです、ご想像の通りでございます。

筆をカフェオレに突っ込みました。

いつかやるだろうと思っていた失態、

とうとうやりました。

 

筆を入れた瞬間に「ギャッ」と気づいたので

幸いにもカフェオレで箔を貼ることにはなりませんでした。

ほんのりとカフェオレの香り漂う

額縁になったのかもしれない・・・と想像します。

 

でもでも、牛乳はカゼインでしょ、接着剤にもなっているでしょ

もしかしてもしかしたら水より牛乳で箔を貼った方が

より丈夫に仕上がったりして!

・・・水貼りで十分頑丈ですし

虫やらカビやらが寄ってくる方が心配ですね・・・。

 

▲大切なマグカップ、欠けてしまったので道具として更に活躍。

 

古典技法の長い長い歴史の中で

同じ失敗をした職人はぜったい、いる。

なんならワインだったかもしれないし!

そんなことを考えながら、そっとカフェオレを飲み干しました。

筆を突っ込んだことはすっかり忘れていました。