diario
もし入れるものが決まっているのなら 9月23日
過日、ご注文頂いていた小箱が完成し
お引渡ししました。
お客様でもある知人の方とは
定期的にお目にかかる機会があるので
お互いの様子や好みも分かっていましたし、
ご注文の際にとても分かりやすく
ご希望を伝えてくださっていました。
ですので制作も大変に順調に進みました。
そして、この小箱はお客様にとって大切な、
とても思いの籠ったものを入れるために
ご注文下さいました。
わたしは光栄な気持ち、そして
厳かな気持ちでお引き受けいたしました。
デザインやお好みの打ち合わせも大切ですが
小箱の目的をお聞かせいただく事は
制作をする気持ちの上でとても大切なことです。
完成してお引渡し後を想像しつつ作ることが出来ました。
さてさて、その小箱ですが。
豆小箱の面取りをして
パスティリア(石膏盛上げ)で蓋にはイニシャルを、
側面にはポチポチを入れて欲しい、
仕上げは金箔に古色をつけて・・・とのご希望。
▲ K・W イニシャル。箔を磨いて装飾を終えたところ。ピカピカです。
▲パスティリアによる側面ポチポチ。
指が映るほどピカピカの金箔ですが
ここから磨り出しをしてワックスとパウダーで
アンティーク調に加工しまして、完成でございます。
金箔に深みが出ました。
パスティリアで凸になった部分は
擦り出して下地の赤ボーロが見えています。
打ち合わせ時に「中は何色にしますか?」と尋ねましたら
「グリーンにしてください、一番好きな色ですので!」
と即答してくださいました。
さてグリーンと言っても色んな緑色がありますね。
一瞬「ふぅむ」と思いつつも、そういえば彼女
腕時計のベルトがモスグリーンだったな、
冬はコートの色もモスグリーンだったなぁ・・・
と思い出し、その色を。
お引渡しの時、「ああ、この色~これこれ!」と
喜んでくださって、わたしも大変うれしく思ったのでした。
またひとつ、わたしの小さな娘(小箱)が
生まれて嫁ぎました。なんたる幸せ。