diario
暗いって怖い 9月19日
またもや、忘れたころに登場のフィレンツェ滞在記です。
フィレンツェ旧市街、ドゥオーモから北東に
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会があります。
教会前広場があって、横には私が大好きな美術館
「捨て子養育院美術館」もあります。
▲前方の白いアーチがサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会
わたしが大学卒業後すぐに留学したころ
この教会前広場はドラッグ売買がされたり薄暗いイメージで、
夜にはあまり近寄らない場所でした。
最近はすっかり印象も変わって整備されて
居心地の良い広場になっています。
さて、そんな場所にありますので留学時代は近寄らない教会でしたが
わたしの彫刻師匠グスターヴォの工房からほど近く
最近は工房からの帰りに寄り道していました。
グスターヴォ曰く「フィレンツェで一番美しい教会だと思う」とのこと。
入口すぐには明るく美しい回廊のポーチがあって
いざ教会内に入りますと、こちらは別世界なのでした。
▲窓の外は青空だけど、中は別世界
歴史は古く、1481年に完成したそうですが
内部の装飾はバロック様式。
濃いグレーの大理石のせいか、暗く厳かな雰囲気です。
▲天井装飾もまるでローマの教会のようです。
入ってすぐ左には銀器が並ぶ小礼拝堂があって
▲ミケロッツォによる小礼拝堂
天使の天井画も美しい。
なのですが、どうにもこうにも怖いのです。
恐らく、暗いこととライティングの効果とは思うのですが
冬に日が暮れてから訪ねると、寒さと静けさとお香の香りと
何もかもが押し寄せてくるような。
信仰の重みと歴史の重みと、外界と隔てられた空気の重みが
圧し掛かってくるような。
大好きなサン・ミニアート・アル・モンテ教会と
サン・レミージョ教会、川向うのサンタ・カルミネ教会、
そしてこのサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会が
わたしにとって4大「怖い教会」です。
いえ、怖いなんて失礼極まりますね。
前述の通り暗いのが一番の理由です、きっと。
(でもそれだけではない気がしています・・・。)
怖い怖いと言いつつ、必ず何度も訪れてしまう教会。
まるで落語のようです。