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箔の上にもできますよ、の種明かし 9月02日

 

先日Instagramに、金箔2種類の貼り分けを載せたところ

思いがけず沢山の方にご興味を持って頂けたようでしたので

こちらブログでもご覧いただけたらと思います。

 

ヨーロッパ古典技法の箔の技法に「ミッショーネ」と言って

箔用の接着剤で貼る方法があります。

一般的にはテンペラ絵の具などで彩色した面の上に

例えば衣装の模様や天使の後輪などを入れる技法です。

今回は箔の上に箔を貼ってみます。

 

まずベースにはいつもの水押し技法(ボローニャ石膏地にボーロを塗り

箔を水で貼ってからメノウ磨き)で貼り磨いてから

その上にミッショーネ液(箔用の糊)で模様を描きます。

そして糊が半乾きの頃にもう1種類の箔を乗せます。

 

▲今回は4号箔(22カラット金箔)を水押しし

その上に水箔(14カラット金箔)を乗せます。

奥にある白い液体瓶がミッショーネ液。水性です。

 

そして、しばらくしてから筆で優しく掃うと

糊を置いた部分に模様が残る、という流れです。

 

▲これが一番楽しい瞬間

 

わたしは石膏地に模様を線彫りしてからベースの箔を貼り磨きます。

そうすると次の作業のミッショーネ液塗りが楽ですし、

わずかな凹凸でも立体感が出ますので。

 

▲こんな感じになります。ミッショーネ部分は磨けないので艶消し。

 

言ってみれば、いつものミッショーネ技法と同じなのですが

箔の上にも出来るよ、という事なのでした。

知り合いの古典技法作家の方が「水押しで貼り分けているのかと思った!

どうやっているのかと思った~」とおっしゃっていましたので

種明かし。でした。