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子どもに与えるもの 7月15日

 

イタリアの美術館で、可愛らしい小さな額縁に入った聖母子像や

教会で使う道具のような美しい小物が展示されていました。

かわいいなぁ・・・と単純に眺めていたのですが

後から聞いたところによりますと

 

 

その昔、貴族の次男は家督を継げないので僧侶になり

教会のヒエラルキーで上位を目指す、

そして生家に利をもたらす・・・という道が敷かれていたとか。

将来が決められていた子供たち

幼いころから教会の「お道具」などを模ったおもちゃを与えられ、

馴染まされていたのですって。

将来、実際に教会の聖具に触れても違和感なく受け入れられるように。

 

 

それを聞いて以来、単なる「美しい小さなもの」と

鑑賞できなくなりました。

そして後から、実は結構な驚きとショックを受け

でもどこかで納得したことに気づきました。

この美しい「遊び道具」にまつわる様々な思い、

人々の・・・特に両親の心境、

イタリアの文化と芸術と宗教などなど、

連綿と続いた物語に思いを馳せたのでした。