diario
あなたは何て呼ばれたい? 7月01日
わたしの名前は、ハルコと言います。
アルファベットで書くと HARUKO となりますが
イタリア語では H を発音しません。
HAHIHEHO(はひへほ音)はほぼ全て AIEO の母音のみになる。
で、わたしの名前は彼らイタリア人にとっては大変発音し難いようです。
大抵の人たちは「アル~ゴ~」と、ルにアクセント
そしてなぜかコはゴになることが多くて
ちょっと笑っちゃって楽しいのだけど、釈然としません。
「はるこ、と呼んでください」と一度だけ説明して
きちんと呼んでくれている人は数人います。
とても嬉しい。
ちなみにわたしの工房名というか屋号というか・・・
「KANESEI」かねせい、ですが、こちらは
イタリア人の皆さんには違う意味で難しいのかもしれません。
イタリア語で CANE は犬、SEI は助動詞の二人称単数
「Cane sei」と言うとつまり「お前は犬」と言う意味に取れます。
そしてCane は犬の他に「嫌なやつ、無能なやつ、情け知らず」
というような悪い意味もあって、ううう
イタリアで「Cane sei!!」カネセイ!と誰かに向かって言ってはいけません。
フィレンツェでわたしの小箱を扱って下さるお店 Eredi Paperone で
わたしの小箱解説にはKANESEIの文字は無くて、
わたしのフルネームでご紹介くださっています。
最初は「なんでかな、屋号は知らせたはずだけどな・・・」と思っていたのですが
ある時に「もしかして」と気づいたのでした。
わたしはあえて尋ねませんし、お店の皆さんは何も仰いません。
ただ屋号は使わず名前で紹介してくださっている。
そこに皆さんの優しさを感じます。
ずいぶん昔、留学時代に友人Lは愛称といいますか
短くした呼び名で呼ばれていました。
わたしも同じように呼んでいたのですが、ある日Lが
「・・・その呼ばれ方、本当は好きじゃないんだ」と
ボソッと、でもきっぱり言ったことがありました。
その日以来、彼の名前は短くせずにきちんと呼ぶことにしたのでした。
呼び名、呼び方って難しい。
それは自国でも外国でも同じことなのですけれど
相手に敬意を持っていれば自然と「お互い気持ちの良い呼び方」
に導かれていくのだから、何も難しいことは無いのだな
・・・と思っています。