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一年は厚かった 6月24日

 

2023年の一年間、曹洞宗の月間冊子「禅の友」の表紙に

KANESEIの額縁写真を使っていただきました。

このブログでもたびたびご覧いただいておりました。

1年間分、12冊分って結構な量だな・・・と

思っておりましたが3回の撮影が楽しすぎて

終わってしまったのが残念でなりませんでした。

 

その1年間分12冊の「禅の友」をまとめた1冊が作られて

わたしにも贈って頂きました。

 

▲2023年 第881~892号

 

表紙に1月号~6月号の表紙額縁

裏表紙に7月号~12月号の額縁がモノクロで印刷されていて

やぁやぁ、とてもカッコ良い。

12冊をそのまままるっと綴じてありますので

表紙も裏表紙もそのまま。

 

▲2月号の裏表紙の小箱と、3月号の表紙額縁。

 

▲10月号の裏表紙の小箱、そして11月号の表紙額縁

 

1冊の冊子は40ページ弱ですが

12冊合わさると厚い。そして重いです。

こつこつと毎月発行しておられる編集部の方々

ありがとうございました。お疲れ様です。

毎年この総集編が出ることで達成感も強く感じられる事と思います。

 

▲厚くて重い

 

とても嬉しく、感慨深く、大切な1冊です。

 

 

満ち足りてしまったから、その時が来るまでは 6月17日

 

先日のこと、あまりに出不精になって

リハビリが必要なレベルかも・・・と

友人と話したことがありました。

本当にもう、我ながら社会性がどんどん失われるんじゃないかと

(もともと希薄なのに!)思っています。

その良し悪しを考え始めると止まらない。

 

どうもこの傾向は2020年、コロナ禍以降顕著になったようです。

きっと世の中全体が引き籠りせざるを得なくなって、

でもその時期も終わって、皆さん否応なく元の生活に戻られたことでしょう。

そしてわたしですが、作業部屋が自宅の一角にあること

元から出不精だったこともあって、

コロナ禍が終わってもそのままの生活を引きずっています。

 

あの友人、かの人はどうしているかなと思って連絡はするけれど

出向いて会うまでに至らないことが増えた。

「あの展覧会、見たいな、会期はあと1週間しかないな」と思っても

出かけて行くことが減った。出かけたいと思わなくなった・・・。

 

どうしてこうも出不精に拍車がかかったのかな、

以前のようにもっと友人と会ったり美術展や

遠くの大きな本屋さんに出かけたりしなくなったのかな・・・と考えたのですが

 

 

つまり、小箱制作が楽しすぎて充実しすぎて

それで満足しているからなのです。

2020年春から本格的に作り出した小箱が

図らずもわたしの人生に対する姿勢まで変えてしまったのでした。

 

 

楽しくて仕方がない小箱制作と額縁制作を

ひとりで引き籠れる部屋で毎日好きなように続けることが出来て、

それらを喜んでくださる方々が居て、満ち足りている。

それなら別に、人付き合いが悪くても(もともと良くも無い)

最新の美術界情報に疎くても

今のところはまぁ、良いんじゃないの・・・という結論に至りました。

こんな風に認めるには時間がずいぶんと必要でしたが

それも併せて良いと、自分に言い聞かせています。

 

 

きっとわたしも、否応なくこの生活を変える時が来るでしょう。

その時まではこのままで。

ひとりでニヤニヤと制作を続けられる幸せを噛みしめています。

ありがとうございます。

 

隠れた異空間 6月10日

 

2024年フィレンツェ滞在記、つづきます。

 

カッライア橋のロータリーからボルゴ・オンニッサンティを進むと

右側に謎めいた施設がありました。

教会かな?でもなんだか違うな、と思いつつ

ごめんくださーい・・・図々しくドアを開けてみると

 

 

なんじゃこりゃぁぁ・・・!

 

素晴らしいエントランスでした。なんだろう、ここ。

広くないけれど迫力満載。

 

 

フィレンツェにしては珍しくバロックバリバリ。

天井画もだまし絵になっていました。

お、おもしろい・・・人が降ってきそう。首が痛くなりました。

 

 

シモーネ・デ・ピエロ・ヴェスプッチの記念碑。

ここは旧サン・ジョバンニ・ディ・ディオ病院でした。

病院本体はすでに郊外に引っ越し、現在は

どうやら本部施設の一部が残っているとか。

 

ヴェスプッチと言って思い出すのはアメリゴ・ヴェスプッチ(1454~1512)

アメリカ大陸を発見した(インドと思っていたらしいけれど)冒険家です。

アメリゴはこのシモーネの子孫だそうです。

ヴェスプッチ家はこのオンニッサンティ界隈の有力貴族で

シモーネさんがこの病院の創設者、1382年のこと、

日本では室町時代が始まってようやく50年と言った頃です。

 

700年近く前に設立された病院が今も続いていて

その跡地が改修を重ねつつも大切にされている・・・

素晴らしいことです。

 

 

階段を背に振り返った風景。

正面のガラスドアの向こうはボルゴ・オンニッサンティです。

ガラスドアを隔てて、これまた別世界が広がっていました。

ガイドブックには載っていない場所

地元の人もあまり立ち入らないような不思議な場所。

 

先日ご紹介したカスターニョの最後の晩餐画がある

サンタポッローニャ修道院跡やこの旧病院など

フィレンツェには無料で入れる素晴らしい空間があります。

そしてどこも、外界とバシャッと断ち切られたような

空気が変わる異空間なのです。

 

通りがかりで立ち入り可能なのはこのエントランスまで。

奥には美しい中庭が見えていました。

きっとヴェスプッチ家の美しいお屋敷と庭が続いているのでしょう。

次回、もうちょっと時間の余裕をもって再訪しようと思います。

あわよくば守衛さんにお願いして中庭だけでも覗かせてもらおう・・・。

 

 

リセットは必要 6月06日

 

結局、完成した小箱はまた黒なのでした。

 

 

少々抵抗して・・・というか、

自制して黒以外の箱も作りましたが

定期的に黒小箱を作ってリセットしてから

新たに色付き小箱を作る、というのが良いペースなのです。

とは言え、真っ黒ですけれど内側には

濃いバラ色の布を貼りました。

「真っ黒だな~」と何気なく開けてみて

あらびっくり、実は乙女チック!

 

 

この小箱はすでにインスタグラムでご紹介したのですが

その際に「外は真っ黒でも内側は乙女薔薇色

ツンデレ小箱」などと書きました。

ツンデレってすでに死語なのですね。そうですか、

使えるようになってきたらもう死語・・・そんなものですね。

ちなみにきっと、と言うか確実に「乙女チック」も死語。

 

 

この小箱は角に溝を入れてみたのですが

その影響なのかペルシャのような天平風なような

エキゾチックな異国情緒漂う雰囲気になりました。

 

▲パスティリアで入れた模様はイタリアの古い額縁から拝借しました。

 

 

黒い小箱を作って落ち着きましたので

また気持ち新たに明るい色の小箱を作ることにします!

 

 

身体は食べたもので作られる・・・ 6月03日

 

相変わらずダラダラ続く2024年2月の

フィレンツェ滞在記でございます。

 

なにせ普段は家族と暮らしておりますので

ひとりで家で食事をする機会はほとんどありません。

ですので、ひとり分、それも自分のためだけに準備するとなると

どうにも面倒くさい気持ちが先立つのでした。

 

言い訳はそのくらいにして、何を食べていたか少々ご紹介など。

手抜き食事の風景です・・・。

 

▲ひたすら手を抜いた晩御飯。切らない。加熱もしない。

冷蔵庫から直行野菜。

 

▲プチトマトを買うのは切らなくてよいから。

ルッコラと人参もパックから出すだけ。

でもアボカドとモッツァレッラは切った。がんばった。

 

▲この日のお昼ご飯。トスカーナのサラミとプチトマト。

パックを開けて並べました。

もちろんこれだけじゃ足りなくて、ポテトチップスなぞバリボリと。

 

▲もう見飽きたいつものサラダ。

あまりにひどいので豆追加。缶詰開けただけ。

 

▲生ハムもわすれずに。そしてお煎餅をバリボリ。

 

▲この夜はビーツもあるし、豪華に蒸し野菜もある!

ものすごくがんばった。

 

鬼平犯科帳と日本のニュースを見ながら

白ワインなど片手にノンキなものです。

色んな種類をまんべんなく食べましょう、ええ、分かっています。

でもほら、期間限定ですのでね、ちょっと勝手気ままにやりました。

 

▲お隣にお招きいただきました。

オレンジとモッツァレッラのサラダが美味しかった!

 

今回のアパートは2軒長屋のようになっていて、玄関が共同でした。

で、お隣に滞在中の日本人女性の方が夕飯にご招待くださったのです。

きちんとした家庭料理、正しいお食事。

この前菜の後には沢山の種類の野菜と豆のスープと

カリッと焼いたパン。美味しくて楽しい夜でした。

 

 

ミラノの友人が沢山の差し入れを持って来てくれた後は

一転して豪華になりました。

トリュフ風味のバジルペーストを混ぜたパスタに

美味しいオリーブオイルと美味しいパルミジャーノレッジャーノを。

(自分では買う勇気が出ない食材)

ルッコラも張り切ってトッピング。

 

友人が来てくれた時にはガサゴソと作りました。

 

 

鶏手羽先とブロッコリーのトマト煮。

白いのはポテトピュレです。これは買いました。

作ったのは煮込みだけ。この一皿の前に例によっていつものサラダ

(モッツァレラとプチトマトとルッコラと人参)も出しました・・・。

友人は優しいので喜んでくれましたよ、たぶん。

 

 

最後の夜にも友人が来てくれました。

前日に友人LとCちゃん宅でビステッカをご馳走になり

残りのお肉を持たせてもらったので(まるで実家のお母さん・・・)

ビーフシチューを作りました。

トルテッリーニと一緒に食べたら中々の美味。お肉が美味しいから。

ちなみにトルテッリーニは市販品です。

ビーフシチューの素も日本から持参・・・。

 

今回の滞在、実は初めて風邪をひかずに済みました。

ひとえに寒くなかったからだと思います。

前回はあまりに寒くてLに「凍死したくなければダウンを買え」

と言われたけれど、今回はコートが暑いくらいでした。

今までは「食事内容が悪いから免疫が落ちて風邪ひくんだ・・・!」

と思っておりましたけれど、そうじゃなかった!たぶん!

と言う訳で、きっと次回(可能ならば)の滞在でも

引き続きこんな食生活になると思われます。

まぁいいか!ハハハ