diario
中世の本のような 3月18日
2023年にペルージャの国立ウンブリア美術館に行った時
誰もいないとても静かな空間で
思う存分に黄金背景テンペラ画を堪能できました。
その時に見た数々の作品に登場する聖人や司教など
聖書を持って佇む様子が沢山あるのでした。
その人物が誰であるとか
持っているのが本当に聖書なのかどうか等々はさておき
その本の装飾に見とれました。
大抵描かれているのはは赤とか青とか
ハッキリした色の本に金で模様が入って、
そうして金具で閉じられているのです。
それら絵の「金具で閉じられた聖書」のイメージで作りました。
古い黄金背景テンペラ画にご興味をお持ちの方でしたら
「ああ、よく見るあの感じね」と思われるような
そんなデザインです。
当時の聖書は羊皮紙に描かれて厚い皮表紙が付いて
とても重くてとても貴重な品だったようです。
重い聖書をきちんと閉じるために
こんな感じの蝶番のついた金具が取り付けてあるのは
写本の展覧会などでも見ることができます。
この小箱には「なんちゃって蝶番金具」を着けたくて
石膏下地を磨いた後、パスティリアで金具のベースの形を盛り上げて平らに磨き
さらにその上にもう一度パスティリアで釘風に小さなポチポチを乗せました。
金具で閉じられたように感じていただけるでしょうか。
クリーム色でちょっと明るく可愛くなっちゃったかしら・・・
で、中はキリリと紺色の別珍を貼り込みました。
いかがでしょうか。