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記念にひとつ 12月21日

 

谷中の箱義桐箱店での展示会が無事終わり

放心状態だったとき、家族に

「なにか記念のものでも買ってみたらぁ・・・?」と言われました。

 

そうですね、せっかくの機会、記念に

何か手元に置いても良いかも・・・と思いました。

そして「これじゃ!」と買いましたのはこちら

 

 

「THE VISCONTI HOURS」

14世紀後半ミラノのジャンガレアッツォ・ヴィスコンティ公の時祷書です。

 

時祷書は、現存するものの中では

もっとも多く存在している中世装飾写本である。

内容はそれぞれ異なっているが、祈祷文や詩編を集成し、

内容に合わせた挿絵をつけて、ローマ・カトリック教会の

キリスト教徒としての信仰・礼拝の手引きとして

編集したものである。Wikipediaより

 

イギリスの古書店から送料含めておおよそ1万円。

安くはない買い物。でも欲しかった!

アトリエLAPISの書架にあって

以前から眺めていたのがようやく念願叶いました。

 

▲1972年ニューヨークで出版

 

▲目次 全編英語・・・

 

この本(写本)の特徴は、なんと言っても色使いでしょうか。

とにかく派手です。クリーム色の羊皮紙に金

そしてピンク・青・水色・緑・紫。

目がちかちかしそうです。

天平時代の色使いを彷彿とさせるような派手さを感じます。

 

 

悪趣味と綺麗のギリギリライン

中には「下品」と表現する方もいらっしゃるようですけれど・・・

 

▲確かにちょっとやりすぎ感は否めない

 

装飾模様の美しさ、大胆さに見とれてはまると出られない

ちょっと中毒性がある感じです。

有名な「ベリー公のいとも華麗なる時祷書」とは

まったく違う趣、確かにあちらの方が華麗だけど・・・

 

▲比較的落ち着いた色使いのページもあります

・・・比較的、だけど。

 

こちらも負けないくらい「思い入れ」たっぷりに描かれております。

受胎告知のシーンは厳かに、シックな色使いなのです。

ジョヴァンニーノ・ディ・グラッシと

ルキーノ・ベルベッロ・ダ・パヴィアという2人が描いたとか。

なんだかこの2人の自慢げな鼻息が感じられる気がします。

とても楽しく描きたいように描いた!と言ったような。

 

こうした「作者本人が楽しく充実した制作時間を持てたのだろう」

と感じられることが大切(わたしの勝手な想像だとしても!)です。

苦しみの中から生まれた作品には感動するけれど

わたしは身近に置くには修行が足りない・・・。

 

▲文章ページのレイアウトも聖書の雰囲気。

 

この本についての詳しい説明は省きますが

現在オリジナルの原本はフィレンツェの

国立中央図書館が所蔵しているとか。

この図書館、留学時の自宅も学校もとても近かった思い出の図書館

なんだか勝手に親近感がわいちゃったりして、

そしてとうとう手元に置くことを決めたのでした。

 

さて、せっかく入手した宝物です

汚さないようにカバーをかけました。

 

 

本体にはモリスデザイン、ケースにはピンクの紙

(頂き物の包装紙。捨てられない性格が発揮されます。)で包みました。

なんたる悪趣味!

でも良いの。強烈なカバーになりましたけれど

このフューシャピンクもモリスの色使いも

この時祷書の中で見覚えがあるのですもの・・・ムフフ。

自己満足満載になりました。