top » diario

diario

ぐりぐり屈輪模様 10月31日

 

さて、脱洋風模様第一弾。

さりとて和風とも言えないのですが

屈輪模様小箱を作りました。

 

▲小箱の模様展開図

 

屈輪(ぐり)模様とは

中国の南宋時代(日本の平安時代末期頃)

に作られていた模様でして

渦巻きが正に「ぐりぐり」している

ところから「屈輪」と言われているとか。

 

▲ふむふむ、こんな感じ

 

上野にある東京国立博物館所蔵の

犀皮盆の屈輪模様を使わせて頂きました。

 

▲画像は東博サイトからお借りしました。

 

西洋から極東の日本へたどり着く手前

中国で止まってしまった。

まぁ大きく「東洋」と言うことで、

ルネッサンスから離れただけで第一歩です。

 

 

輝く純金に連なる渦巻き模様。

東洋の模様を西洋の技法で。

 

 

なんだかちょっと呪術的な雰囲気に

なってしまったのですが、

東西折衷で謎めいていて

これもまた「秘密の小箱」らしい

仕上がりになったと思っています。

 

11月9日から開催いたします展示会

「色のカタチ」に出品いたします。

ぜひ実物をご覧ください。

 

「色のカタチ」ito to ki no katachi

松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979

11月9日(水)~11月15日(火)

初日12時開場

最終日午後5時閉場

 

 

小箱展示販売のご案内「色のカタチ」松屋銀座にて 10月27日

 

「色のカタチ」

ito to ki no katachi

 

11月9日水曜日から15日火曜日まで

松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979にて

展示会をいたします。

 

 

今年5月と同様のメンバー

ジュエリーアーティストの方々の作品と

KANESEIの小箱をご覧ください。

新作もいくつか発表いたします。

 

改装を終え新しくキレイになったスペース

「遊びのギャラリー1979」での展示で

とてもワクワクしています。

場所は、以前の「和の座」の斜め前です。

 

 

わたしは下記のスケジュールで店頭におります。

9日(水)16:00~20:00

10日(木)休

11日(金)12:00~17:00

12日(土)10:00~15:00

13日(日)10:00~15:00

14日(月)休

15日(火)10:00~17:00

 

秋のお散歩に、ぜひ銀座へお越しください。

お待ち申し上げております。

 

「色のカタチ」ito to ki no katachi

松屋銀座 7階 遊びのギャラリー1979

11月9日(水)~11月15日(火)

初日12時開場

最終日午後5時閉場

 

 

改めて考えてみる。 10月24日

 

以前すこし、イタリアの知人に

言われた事をここで書いたことがあります。

「なぜ日本に生まれ育ったのに

日本伝統の模様を使った小箱を作らないの?」

と言われた、という話。

 

じつはその前の会話がありました。

この知人にわたしは軽い気持ちで

「イタリアで小箱を販売できたらと

思っているのだけど」と言ったのです。

そうしましたら割とハッキリと

「君の小箱はミラノでは売れないよ。

もっとモダンなデザインじゃないとね。

こういった品物をイタリアで売るのは難しい。」

と言われました。

ちなみにこの人はミラノ近郊在住で

全く関係のないお仕事をされています。

でも美術に関して知識と眼を持っている。

 

 

わたしの小箱はヘンテコで古臭いのか?

売れないって簡単に言ってくれたもんだ。

それは単なるアナタの感想だろう。

やってみなくちゃ分からないでしょう!

・・・内心ムッとして

同時に「日本の伝統模様を入れた小箱を

作ってみたら?」と言われたことも

すっかり「お蔵入り」させていました。

 

だけど、後から冷静に考えてみれば

確かにそうです。

なぜに洋風模様にこだわる??

単に好きだから、だけど

別にこだわっているわけじゃない。

じゃぁなぜ和風模様の小箱を作らない?

前にも少し作ってみて楽しかったじゃない?

あの人の一言で避けていたのでは??

せっかくアドバイスをくれたのに。

 

 

前置きが長くなりましたが

そんな訳でして、最近すこし

日本の伝統的な模様や中国伝来模様など

改めて本を見つつ考えております。

気持ちの扉を開けたいと思っています。

 

 

秋のしつらえに 10月20日

 

奈良東大寺、二月堂の装飾を

参考にした小箱を3つ作りました。

そのうちのふたつは内側に布を貼らず

白木のままに仕上げていました。

茶道で使う香合(お香を入れる蓋物)に

もしかしたら使えるかも・・・と

企んでいたのです。

 

先日の展示会で、お茶を教えている

友人がひとつ買ってくれたのが

3つのうちのピンク小箱でした。

さっそく飾った写真を送ってくれました。

 

▲秋のしつらえ

 

この友人はピンクが良く似合う人で

とても気に入ってくれたようです。

 

普段、何を入れたら良いのかしら?と

問われることが多い小箱ですが

「アクセサリーでも小石でも貝殻でも」

などとお応えしています。

あまり目的を決めずに作っていますが

今回ばかりは特別でした。

 

 

お勧め・・・と言いましょうか

想像した通りの使い方をしてもらえて

とても嬉しい。

ニヤニヤしながら写真を眺めています。

 

また始めてしまった点々打ち 10月17日

 

要するに、好きなのですね

わたしはこのマイクロ点々装飾が。

 

月曜日の古典技法「アトリエLAPIS」で

いそいそと新しいマイクロ点々を

開始しましたところ

生徒さん方に「あら先生、新作ですか?」と。

”嫌がっていたのに、また始めるのね~(笑)”

なんて感じなのでした。

 

▲純金箔を2枚重ねで貼った上に下描きを重ねて

 

自分でも「もう当分やりたくない」と

思っていたはずなのだけど

ムラムラと再開欲求が出たようです。

 

前回のホワイトゴールド箔

今回の純金箔とは点打ちの力加減が

全く違うので面白いのです。

たった数ミクロンの厚さの箔でも

(2枚重ねで貼ってありますけれど)

細いメノウ棒で点打ちをするだけで

ホワイトゴールドはカツカツと硬く

純金箔はヤワヤワニュルニュルした

感触の違いがあります。

 

▲ニードルで下描きをなぞって写します。

 

純金箔の方が柔らかい分だけ楽で

作業も軽快に進みます。

 

▲とは言え2時間点打ちしてここまで。

 

相変わらず根気がいる作業は

アトリエLAPISで生徒さん方とご一緒に。

もくもくと石膏を磨き、木を彫り

線描きをし、箔の繕いを続ける生徒さんに

励まされながら隣で気長に作業します。

 

 

出来たことにする・・・ 10月13日

 

8月に制作過程写真をご覧いただいた

彫刻額縁は、遡ること半年前の2月に

「これ真似してみようかな」と

下描きを始めた額縁でした。

 

▲木地の一部分に直接鉛筆描きして

それを他の部分にも転写します。

 

今年は小箱で大わらわになって

右往左往の毎日の合間にガサゴソと

作業を続けておりましたが

「そろそろいい加減にせよ」と

自分に言い聞かせまして、仕上げました。

 

▲今回はワックスとホコリ風パウダーをはたいて終わり。

磨り出しはしませんでした。

 

オリジナルは18世紀末にイタリアの

ピエモンテ州(フランスに近い北部)

で作られたものです。

 

▲バイブル的本「Repertorio della Cornice Europea」より

 

木地の形も違うのですが

(オリジナルはカマボコ形、

わたしのは内流れ形)

いつものように「なんとなくこんな感じ」で

丸め込んでしまいました。

 

▲今回は側面にも箔を。

 

なんか、ちょっと、どうだろう・・・

と思う部分も多くて

釈然としない仕上がりなのですが

今の時点では、これにて終了。

眺めて過ごすうちにきっと

具体的な改善点が見えてくるだろう!

・・・と自分に期待することにします。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

*「classical」の上から3段目右から2つ目です。

ギャラリー内並べ替えが上手く行かず・・・

見づらくてすみません。

 

 

思い出の品と化す 10月10日

 

2020年春以降、増えた持ち物に

衛生管理道具、がありますよね。

替えマスクや除菌グッズなどなど。

今や最初の頃の戦々恐々とした感じは

減りましたけれど、それでも今も

「やつらはそこにいる」のですから。

 

除菌はスプレー式やボトル入りジェル。

皆さまはどんな品をお使いでしょうか。

わたしも当初はいろいろと試しました。

 

▲ビュリーの紙石鹸は美しすぎ。香りも最高。

 

▲サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のハンドジェル

ボトルに一目ぼれ

 

▲2020年春にイタリアで友人から貰ったハンドジェル。

2月、すでに入手が困難になりつつあった頃でした。

帰国時の空港や飛行機で使えてとても助かりました。

 

だけど結局、今は普段出かけるところの

お手洗いには石鹸は完備されていますから

紙石鹸はまだ一度も使っておりませんし、

除菌スプレーはそこかしこにあります。

ジェルボトルはかわいいけれど大きすぎて

持ち運びには不便だし、

イタリアのジェルはなんだかもったいなくて使えず。

 

 

結局、思い出の品と化しつつあります。

紙石鹸の香りはもうずいぶん消えました。

ジェルもそのうち蒸発しちゃうのかな?

いや、もったいないですよね。使いましょう。

 

ちなみに、わたしの手荷物はとても少ない。

いかにバッグの中身を少なくして

軽くするかが大袈裟ですが命題のひとつです。

今のところアルコールのウエットティッシュが

一番便利、と思っております・・・。

手以外も拭けますし。

ただ、ゴミが出るのが難点なのです。

一長一短でございますなぁ。

 

 

これからが正念場 10月06日

 

2日に無事「秘密の小箱展」終了を迎え

気が抜けてぼぉっとしておりましたら

風邪気味になり、でもまぁ

それだけ緊張感を持つ機会は大切!と

自分を納得させつつ過ごしております。

 

今回の展示会では数多くのお客様にご覧いただき

とてもとても嬉しい時間でした。

そしてお買い上げいただくことができました。

(目標としていた売上の倍以上でした。)

友人知人、お世話になった先生や

取引先の方々など、本当に有難いことです。

丹精込めて作った物を買って頂く嬉しさと、

同時に申し訳無さも感じています。

 

家族が「お祝いで買って下さったんだねぇ。

次の展示会をする時にまたご案内を送ったら

うんざりして嫌がられるかもね・・・」と言う。

うう・・・グサッと心に刺さる。

 

確かにその通りですよね。

暗に「また買ってくれと言われている

気持ち」にさせてしまうかもしれない。

 

後ろめたい、と言うのでしょうか。

見てほしい、買ってほしい、だけど

負担に感じてほしくない・・・

我ながら欲深いことです。

 

展示会(個展)をひらく意味と目的

気持ちと考え方、仕事としての心構え。

今が何か、わたしの「今後の作家活動」の

正念場の様です。

もちろん、今回の展示会でご購入くださった

方々全員が「ご祝儀購入」ではなく

良いなと思って下さったからのご購入なのも

理解しております。

 

最初は友人知人に買って頂くのも構わない。

「わたしの後ろに小箱がある」のだ。

でもこれからは

「小箱の後ろにわたしがいる」ように

なりたいし、そうなるのが本来でしょう・・・。

この先に不安がいっぱい。

 

 

これはすべての作家が通る道。

今更ながら痛感しています。

「応援してくださる方々がいるのだから

心を込めて作り続けるのがベスト、

それしかない!」なのであります。

 

「秘密の小箱展」ありがとうございました 10月03日

 

9月23日から箱義桐箱店 谷中店にて

開催いたしました「秘密の小箱展」は

昨日10月2日に無事終了を迎えました。

 

お越しくださった皆さま方、また

お買い上げくださった方々に

心よりお礼申し上げます。

ありがとうございました。

この場でのご挨拶をお許しください。

 

 

「中に入れる物が有っても無くても良い」

小箱は額縁とは全く違う

制作の楽しみがあって、

どちらも私を虜にしてしまう。

 

 

小さな箱にわたしの「好き」を

詰め込んで作っています。

その箱を開ければ、持ち主だけの

深遠な宇宙が、秘密が存在する・・・

というような理想を追っています。

 

 

夢のような展示会の時間は終わり

今日からまた現実生活に戻ります。

額縁の世界と小箱の世界を

行き来しながら

「古典技法KANESEI」を前進させて

参る所存です。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

ありがとうございました。