diario
開き直って愛を貫く 8月04日
わたしはたまに、ご注文の仕事以外に
古い額縁の再現をしています。
いわば「作りたい額縁を自分の為に」
チャレンジしています。
それは楽しく悩み多い作業です。
▲見本写真を見ながら彫り彫り。
写真では凹凸や細かい部分が分からないことも。
その時はその時、想像で補う・・・
美術館に納まっているような古い額縁を
集めた写真集(額縁本)に載っている
たった1枚の写真を参考にして
自分なりに考察して再現しても
正しいのか間違っているのか
分かりません。
▲石膏を塗り始めたらいつものスローガン
「手早く丁寧に」・・・これ目標。
イタリア・・・せめてヨーロッパに
住んでいれば、実物とは行かずとも
同じ時代の同じ地域で作られた
似たような額縁の実物を間近で見て
答え合わせもできるのに。
▲ボーロの色は本に記載されている。
分からなければイタリアの額縁史先生に尋ねてみる。
今回は「rosso scuro」の記載、暗い赤色。
イタリア人の知人に先日
「君はなぜ古典技法額縁を作るんだい?
日本は世界に誇る文化と歴史があるでしょう?
小箱のデザインモチーフにしたって
日本の伝統的な模様が沢山あるじゃない??」
と問われたのでした。
なんでわざわざ遠いイタリアなんだい?
なんでって言われても。
わたしも20代に始めたころは
こうなるとは思っていなかったのだけれど。
でも熱中できるものに出会ってしまった!
遠く離れた日本に生まれ育って
古典技法額縁愛に目覚めてしまった!
これを運命というのか
成るべくして成ったというのか。
「これぞ」と思えるものに出会い
それを続けることができるのは
人生でこの上ない幸せ。
我ながら物好きだなぁと思いつつ
もはや額縁からは離れられない・・・
と、諦めて開き直って
額縁愛を貫こうと思っています。
・・・独り言でしたね
どなたかに聞いていただきたかったのです。