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落ち着くのじゃ。 7月28日

 

いよいよ本格的に暑い毎日になって

作業部屋のカーテンを閉めて

手元のランプだけで作業しています。

明るいだけで暑いような気がしてしまう。

 

9月後半に初めての「ひとり展示会」を

予定しておりまして、これは一般的には

「個展」と呼ばれるのだと思いますけれど

ちょっと大げさなような感じがして、

なんとなく違うような気がしてしまう。

 

 

心と頭が右往左往しつつも

時間は着々と過ぎていく夏でございます。

気持ちを落ち着けたい。

 

 

黒と赤とおじさんと 7月25日

 

嗚呼、またしても、これまた

パスティリアなのでございます。

ボローニャ石膏をウサギニカワに溶き

面相筆で垂らし描きしてレリーフにする。

パスティリア装飾をいたしました。

 

▲面取りした桐木地小箱にパスティリア

 

黒の下には補色の赤を塗って、磨り出しました。

家族に見せたところ

「・・・地味だねぇ・・・」とのこと。

意外な感想です。

黒と赤って地味でしょうか?

黒ってけっこう派手な色だと思うのですが。

 

▲表に合わせて中にも赤い布を。

 

フィレンツェ伝統工芸のモザイク

ピアスを入れてみました。

黒い背景に真っ赤なサクランボです。

 

 

 

やっぱり赤と黒ってハッキリしていて

派手・・・とは言わずとも

強い色ではあるようです。

そしてまたもやこの小箱、ちょっと

おじさん風味に仕上がりました・・・。

 

中身も器も欲しいから 7月21日

 

わたしが小箱好きなのはもう

言わずもがな、ではありますが

ガラスの小瓶も好きです。

とくにマイユの瓶が好きなのです。

 

黒い地に金の文字

柔らかくカーブしたガラス瓶のかたち。

マスタードが欲しいのが瓶が欲しいのか?

どっちも!であります。

 

大きな瓶を収穫(中を食べ終わり)して

ホクホク並べたけれど

小さいほうがかわいい・・・

ということに気づく。

うむ。次は迷わず小瓶を買おう。

 

▲空き瓶は小ねじを入れるのにぴったり!

 

だけど、ラベルシールが剥がれない。

昔は食べ終わったら洗って

しばらく水に漬けておけば

ラベルはすっきりと剥がれたのに

最近は溶剤で拭かないと剥がれなくなりました。

きっと濡れるとすぐ剥がれちゃうラベルは

不便に思う人たちも多いのでしょうけれど。

 

なんだかなー・・・

と思いつつラベルをゴリゴリ剥がし

でもやっぱり集めてしまう

マイユの小瓶のお話でした。

 

 

古典技法額縁の作り方見本を作る ボーロ塗り、そして愛は必要なのか問題 7月18日

 

引き続きAtelier LAPIS の展覧会に向けて

制作中の「古典技法額縁の作り方見本」額縁

その制作風景をご覧ください。

 

1回目「木地に下ニカワ、ボローニャ石膏塗り磨き

2回目「模様下描き、パスティリア

本日3回目は箔準備の「ボーロ塗り」です。

 

古典技法(いわゆるヨーロッパの中世以来

伝統的な絵画・額縁制作技法)では

箔を貼る下地としてボーロを塗ります。

このボーロ下地が無いと「水押し」

と呼ばれる技法での箔貼りができませんので

大変重要、かつ特徴的な工程です。

 

ボーロは主に赤・黒・黄色3色。

見本ですので3色のご紹介をしてから

必要部分に赤と黒を塗り分けます。

 

▲まず黒。深くてかっこいい黒です。

・・・敷いた新聞「女性には、やはり愛が必要なのか?」が気になる。

もちろん必要です。愛が必要なのは全生物当然でございましょう。

 

▲つづいて黄色。

「若くキレイでありたい女性は、愛が必要であるはずだ。」

・・・年齢相応でいたい女性も老人も、男性でも子供でも愛は必要。

 

▲そして赤です。

下に敷いた新聞記事はもう見ないことに。

 

今回は赤ボーロに金箔、

黒ボーロには銀箔を貼る予定です。

これぞ「ザ・古典技法」でございます。

 

ボーロとはいわば粘土。

これをニカワ液で溶いて塗ります。

ボーロが乾いた後、水を塗って箔を置くと

溶けだしたニカワが糊になり箔を接着し

さらにメノウ棒(貴石のメノウ)で

磨くことでより圧着する、と言う原理のようです。

 

▲ボーロ作業終わりました。

 

このボーロの色は顔料とも違う深みがあって

とても不思議に魅力的なのです。

箔を貼らなくても美しい、と思っています。

 

「愛をください wowwow 愛をください zoo・・・」

この歌詞が頭から離れなくなりました!

 

金の小籠箱 7月14日

 

以前に小箱木地の角を丸く加工して

それっきり放っておいたのですが

なんとな~く気分で「かご風」に

パスティリアで(またパスティリア!

石膏液を垂らし描きしてレリーフにする)

模様を入れて金箔を貼りました。

 

角を丸くしたからか、艶消し古色の

効果なのか、思っていたよりずっと

かごっぽくなりました。

 

 

イタリア語で籠(かご)は

cesto チェストと言うそうです。

これは小さなかごですので

さしずめcestino でございます。

金の小籠。cestino d’oro.

 

 

それにしても漢字で「籠」は

竹冠に龍と書くのですね!

これもまた面白く興味深い。

 

 

Cestino d’oro…spero che ti piaccia.

 

ここぞとばかりにパスティリア 7月11日

 

先日の「木地に直接パスティリア小箱

の仕上がりが気に入りまして

さらに3つばかり追加で制作中です。

 

桐の木地は柔らかくて木目も

開いている(と言うのでしょうか)ので

トノコを塗り磨いてから下描き。

 

 

そしていつもの石膏垂らし描き

「パスティリア」技法の登場です。

 

 

ここ最近しつこいくらい

パスティリアばっかり!

好きだから楽しい、良いのです。

こういう時って何か背中を押されるような

「パスティリアの流れ」があるので

逆らわず流れるままにしています。

そうすると心身ともに平穏に楽に

制作が出来るように思います。

 

 

venezia-2 完成しました 7月07日

 

1年放置して(悩んで!)いた

ヴェネト額縁の古色加工も無事おわり

完成といたしました。

 

 

 

この古色加工は奥深くて、いつも

どこまですり切れた感じにするか

どこまで汚すのか

いつどこで作られた雰囲気にするのか

などなど・・・

悩み深いものがあります。

今回は磨り出し少しにちょっと汚い感じ。

「KANESEI古色・レベル3」

と言ったところでしょうか。

 

 

なにせこの額縁は思い入れと思い出が

深すぎて多すぎて、眺めているだけで

夜通しお酒が進んでしまいそう・・・

なのであります。

 

制作していた様子は「diario」内のカテゴリー

「Firenze 2020」にちらほらと書いております。

宜しければご覧ください。

 

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

見えすぎちゃって困る・・・ 7月04日

 

最近、細かい作業の集中力が減りました。

以前はもっと、こう・・・心身が

ぐぅぅ~っと潜るように集中できたのだけど。

 

それもこれもきっと寄る年波、

目が見え辛くなっているからだろう!

と理由付けしまして

LEDライト付きルーペを買いました。

これで作業もバッチリさ、ムハハ・・・

 

▲シンプルなランプの佇まい

 

▲スイッチオン!ピカッと明るい。

LED特有の青白く目に刺さる光ですが

明るくくっきり。

 

そしてルーペを覗くと

「ぎゃっ」と叫んでしまうほど良く見える!

何と言いましょうか、別世界な感じです。

 

 

今までどれだけ見えていなかったのか。

そして見えていた人にはどう思われていたのか。

なんだか複雑な気持ちになりつつも

金箔の繕いをしました。

 

でも、ものの30分で頭痛と目の奥の疲れで

ギブアップしてしまったのでした。

ちょっと見えすぎちゃってもう・・・

 

このルーペを選んだ理由は、ガラスレンズを

交換して倍率を変えられること。

今は2.25倍のレンズなので強いのかもしれません。

1.75倍に替えて、明るい日中にライト無しで

作業して、少しずつ慣れようと思います。

 

いや、それにしても。

これがあれば作業の幅が広がる予感です。

活用しようと思います。