diario
内職をしたら寝巻浴衣になる。 5月30日
先日ご紹介しました小箱ふたつ
「kirikami」と「丸三角四角ちらほら五角」は
3月の阪急うめだ本店での催事中
ガサゴソと内職をして考えていた
デザインなのでした。
▲小箱サイズに切った裏紙・・・
ディスプレイの影でこっそり。
ふたつは無事に形になったけれど
右のひとつは・・・なんだか
祖父の寝巻浴衣の模様を思い出し
ちょっと保留であります。
角度の問題でしょうかね。
浴衣になるかならないか、
なんとも微妙なものです。
楽しむ情熱を 5月26日
先日・・・と言ってもひと月以上前ですが
フォトグラファーの知人と話していた時のこと。
わたしが「小箱を発表するからには
もっとブラッシュアップさせなくちゃ。
だけど、ずっと以前に作った小箱を
気に入ってくださる方もいらっしゃるから
不思議だし難しい。」
と言うようなことをお話しました。
そうしたらその人は
「そうですね、ブラッシュアップも大切ですね。
だけど初期の作品から感じる情熱のようなものは
消えてしまうから難しいですよね。」
と仰ったのです。
その時大変に「はっ」とさせられたのでした。
小箱を作りはじめたばかりの頃の自分にあった
ただ好きで楽しいから作る「おおらかさ」と
迷いながら色々な装飾を試す「ひたむきさ」と。
これが知人の言う「情熱のようなもの」とするなら
今のわたしはどうなったかな?と考えました。
以前の小箱を選んでくださる方は
その「情熱のようなもの」を
汲み取ってくださったのでは?
最近作った小箱と違いはあるのだろうか?
自分と対峙してみれば
すっかり減ったように思っていたけれど
案外と実は減ってもおらず、相変わらず
迷いつつも楽しく嬉々として作っているな!
・・・と気づきました。
心の奥にすっかり追いやられていて
自分で感じられなくなっていたんだ。
ブラッシュアップ、洗練させること、
迷いを感じない仕上がりにすることに
気を取られて慌てていました。
さらに洗練した仕上がりを探求しつつ、
これからも「楽しんで作っているのが
感じられますね」と言って頂けるような
小箱と額縁を作りたいと思います。
次なる点々 5月23日
催事の「ひとりお祭り騒ぎ」が終わり
ぼちぼち日常に戻りました。
さて、先日下描きを終えた小箱です。
一時期はまっていた「マイクロ点々」装飾は
ひとまず脇に置きまして(ちょっと飽きた)、
オーソドックスなサイズの点々打ちの
刻印模様を入れることにいたしました。
この点を打つ道具、何と呼ぶのでしょう
印?タガネ?・・・とにかく
この道具は木槌で打って点を入れます。
▲奥に見える円筒形の木槌で打ちます。
尖りすぎると箔を突き抜けますし
鈍くするほど打った点が大きくなります。
サイズが大変に微妙!
好みの点を打つためにはいくつか必要。
▲KANESEI印は特注品・・・ありがたや。
今回のデザインはイタリアルネッサンス時代の
イメージですので、刻印のサイズも
正統派、クラシカルな雰囲気です。
久しぶりに凝り凝りの詰まった小箱を!
と頭の中で完成図を膨らませています。
ありがとうございました 松屋銀座「色のカタチ」 5月19日
松屋銀座「和の座ステージ」で開催しました
催事「色のカタチ」は17日に無事終了いたしました。
連休明けでお忙しい時期、そして
お天気もすぐれない日が続いた中を
お越しくださりありがとうございました。
3月の大阪阪急うめだ本店での催事
そして今回東京の松屋銀座での催事と
ほぼ連続で小箱を発表させて頂きました。
SNSで知り合い、ご来場くださった方々と
まるで古い知り合いのように感覚が通じたとき
とても良い時代だな、とつくづく思いました。
2回の催事を経て、とても励まされ
制作を続ける意欲をいただきました。
そして、大阪催事の後にうすぼんやりと
感じていた諸々の事がだいぶはっきりと
理解できつつあるようです。
1週間と言えど、人前に立つのは想像以上に
ストレスがかかることだと体感した。
「作る能力」と「売る能力」はまったく別、
自作品を販売するのは本当に大変。
だけどお客様にとっては、作った人から
直接買う安心感と喜びは格別であること。
世の中には本当に多種多様な人がいるということ。
わたしが作ったものを、目の前でお金を払って
買ってくださる方がいらっしゃる、
その「現場」を目の当たりにする恐れ多さ。
上に書いたことは「今さらやっと?!」と
呆れられてしまうような内容ですけれども、
頭では分かっていたけれど2度の催事を経験して
ようやく理解した、と言う感想です。
わたしは今まで狭いけれどホクホクした世界で
のんきに満足していましたが
これからはより沢山の方々、
私が知らない広い感覚を持った方々にも
ご覧いただけたら・・・と
そんな気持ちで発表を続けようと思います。
牛歩を自覚しつつマイペースで、でも
とにかく今は前進するべし、でございます。
この度はありがとうございました。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
縦か横か問題 5月16日
ただいま絶賛開催中(!)の
銀座松屋「和のステージ」での催事中
つくづく不思議に思ったことがあります。
わたしは長方形の小箱を作るとき、
ほぼ無意識に縦向きでデザインして
完成させることが多い。
(横の場合もたまにはあります。)
一方、どうやら一般的に箱とは
横向きにとらえるのが普通らしい。
この違いは一体?
▲催事の様子。明らかに縦模様以外はなんとなく横向き。
ひとつ考えられるとすれば・・・
わたしにとって額縁も縦長が基本の形。
それは恐らく・・・ですけれども
西洋絵画は縦長の絵の方が多いのでは、
という印象があります。
額縁の写真集等でも横向きの額縁が
並ぶのは見たことがありません。
そういえば本も縦長方向です。
わたしは何となく、縦向きに
慣れているのかもしれません。
なぜ箱を横向きにする人が多いのか。
これは日本人特有なのでしょうか。
単なる好みの差でしょうか??
▲たしかに横向きのほうが安定感はある。
考え出したら気になって気になって
仕方がありません。
もしかしたら建築とか
黄金比と白銀比と関連したり
しなかったり??
と想像ばかり膨らませています。
どっちでも良いでしょ!と言われそう。
だけど、箱を作る身としては
結構切実な疑問なのです。
ふうむ。
松屋銀座7階「和の座ステージ」での
催事「色のカタチ Ito to ki no katachi」
明日17日㈫18時まで開催です。
どうぞお立ち寄りくださいませ。
丸三角四角ちらほら五角 5月12日
先日ご覧いただきました kirikami の
白い小箱と同じ技法で凹み模様を入れた
「丸三角四角ときどき五角」小箱です。
いつものように古典技法で純金箔を貼り
艶消しで仕上げました。
名前のとおり、ランダムに
丸三角四角、ちらほらと五角形を
散らばせています。
内側は金色の反対色(補色)で青に。
箱の角もすこし丸くして
ぽっこりした印象にしました。
丸っこくなくシャープにした方が
模様と合っているかな・・・?と
迷いつつ。
いかがでしょうか。
外側寸法:62×54×47mm
桐木地にボローニャ石膏
赤色ボーロに純金箔、艶消し仕上げ
この小箱は松屋銀座7階「和の座ステージ」
で開催中の催事に出品しております。
どうぞお立ち寄りください。
「kirikami」小箱 5月09日
以前に作った額縁に
kirikami というシリーズがあります。
その模様は、折り紙を畳んで
角をランダムに切り取って
開いたらレース模様になる、という
子供の頃の思い出から作ったデザイン。
シンプルながら気に入っています。
kirikami の模様を小箱にも施しました。
この模様の特徴は、凹みで模様を
表現しているところでしょうか。
ボローニャ石膏を垂らし描きして
模様を表現する「パスティリア」
(石膏盛り上げ)は古典技法で
古くからある代表的装飾法で、
その模様は凸になります。
このkirikami の模様は逆に凹みです。
不思議なことですが、
同じ模様を作ったとしても
凸だとクラシカルに
凹にするとモダンな雰囲気に
なるような気がしています。
艶消しの白、布もライトグレー。
シンプルでクリーンなイメージで。
いかがでしょうか。
この小箱は11日水曜より始まります
松屋銀座7階「和の座ステージ」
での催事に出品いたします。
どうぞお立ち寄りください。
桐木地にボローニャ石膏
凹みで模様装飾、アクリル塗料で彩色
艶消し仕上げ
外側寸法:79×58×38mm
小箱展示販売のご案内 松屋銀座「和の座ステージ」にて 5月05日
小箱の展示販売のお知らせをいたします。
5月11日水曜日から17日火曜日まで
銀座の松屋7階「和の座ステージ」にて
KANESEI小箱をアクセサリーと一緒に
展示販売いたします。
3月大阪の阪急うめだ本店での催事に続き
東京で展示する機会をいただきました。
銀座にお出かけがありましたら
ぜひお立ち寄りくださいませ。
わたしは下記の時間に店頭にて
お越しをお待ちしております。
12日(木)15時~20時
13日(金)10時~16時
14日(土)14時~20時
15日(日)10時~15時
17日(火)10時~18時(最終日18時閉場)
きっと最後まで 5月02日
小箱の配色を考えようかな、と
棚から引っ張り出してきたのは
24色セットの色鉛筆です。
▲今は作られていない「はだいろ」がある。
これ、小学校4年生の時に買ってもらい
それからず~~~~~っと持っています。
そんなに頻繁に使わないので
(子供の頃はケチケチ使っていた)
まだ結構な長さがあります。
▲当時1200円だったようです。消費税も無い時代・・・
そしてオレンジ色のハサミも
これまた小学校低学年のときに
学年全員お揃いで購入したもの。
切れ味はいまも良いのです。
以前お話した、同じく4年生で買ってもらった
学童用彫刻刀といい、これらの物といい
物持ちが良いと言えば聞こえは良し
ケチ臭いとも言えるような!
▲銀色と金色があるのが
24色セットの喜びでした。
ほとんど使っていないけれど!
でもまぁ、それだけ長持ちするような
良い品を与えてもらっていた証しですし
中年になっても使っていられるのは
ある意味幸せなことですので
開き直っております。ハハハ。
きっと作業を続ける最後の日まで
手元に置いている気がしています。