diario
Firenze 2020-22 7月26日
フィレンツェ右岸にある
オニッサンティ教会ご紹介のつづきです。
ルネッサンス本場のフィレンツェにあって
珍しくバロック様式のエレガントな教会は
天井画もさすがバロックです。
▲18世紀の天井画はだまし絵になっている。
円柱もテラスもすべて絵。
本当にそこにあるみたい!
さて、この教会の宝物のひとつは
なんと言ってもこちら
ジョットの十字架磔刑でしょう。
ラピスラズリの青が鮮烈で
まるで先日完成したばかりのようです。
でも14世紀初頭の作品なのです。
設置された場所や照明の効果もあって
劇的な演出で観る者の心を揺さぶります。
完成当時、明日の食事をこと欠くような人々が
これを目の当たりにした時の驚愕と
神様に対する畏怖は、きっと現代のわたし達の
想像を絶するものがあるのでしょう。
打ちのめされるような
身も心もすべて委ねてしまうような。
自分の隣にイエス様を感じ、頭上に神様を
感じることを可能にする鍵のようなもの。
鑑賞後もなんだか呆然としてしまう。
ひょいっとあっけなく心を
持って行かれてしまったような感覚が
しばらく残っていました。
ギルランダイオの最後の晩餐が
見られなかったのは心残りですが
このジョット作品の感動を得られたので
心ここにあらずであっても
爽やかな気持ちで教会を後にしました。
フィレンツェでくり返し訪れる場所が
またひとつ増えました。