diario
額縁の作り方 35 布貼りマットをつくる 7月15日
額縁の作り方の番外編と言いましょうか、
今日は額縁本体ではなくて
マットの作り方のおはなしです。
紙の作品—デッサンやパステル、水彩、
写真など―を額縁に納める場合には
額縁のガラスと接しないように
作品を固定する必要があります。
マット(イタリアではなぜか仏語
パスパルトゥPassepartout と呼ぶ)で
作品を挟んで固定し、額縁に入れます。
最近は額縁店や画材店で無酸の紙ボードで
すぐに作ってもらうことができますが
今回はラワンの合板を使って自分で作ります。
と言うのも、変形で余白もほぼ無いデッサン
だからなのです。
今回はラワンの4mm合板を使います。
本来なら合板はマットに相応しくない
(接着剤などの影響が考えられる)かも
しれませんが、この作品はわたし自身の
持ち物であること、作品に影響等変化が
見られそうな場合にはすぐに対応できること、
経過観察も兼ねて・・・と言うことで
今回はラワン合板を使います。
▲まずは作品に合わせて窓の形をトレペに取ります。
今回はイタリアの古い鉛筆デッサンを額装します。
▲そしてラワン合板に転写して形にくり抜きます。
▲線をととのえて、エッジを丸く削ります。
今回は薄い麻布を板に貼り込みます。
下の板の色が透けて見えますので
板にはアクリル絵の具で下色を塗りました。
▲薄いつや消しグレーに彩色
▲麻布にしっかりアイロンをかけてから
貼り込み、のり代を残して布を切ります。
さて、経過観察するとはいえ
合板の影響は減らしたいのです。
作品がじかに接する部分には
アルミで裏打ちされた無酸紙の
シーリングテープでカバーしましょう。
▲裏側をととのえます。使ったのは
スプレー糊とスティック糊。
左の箱はシーリングテープです。
▲テープ貼り込み完了
▲作品をのせてみました。
接するのはテープの部分のみ。
この後は、作品を中性紙ボードに
ヒンジで固定して合板でサンドイッチ。
写真撮影を忘れてしまいました・・・。
ヒンジ固定については下記のリンク
(株)絵画保存研究所さんの
「マットとヒンジ」をご覧ください!
長々したうえに尻切れトンボで恐縮ですが
これにてマットは完成でございます。
変形の窓が必要、好みの布を使いたい
などなどの場合にはご参考に。
ちなみに合板ではなく中性紙ボードを
くり抜いて布を貼っても制作可能です。