diario
Firenze 2020-17 4月01日
フィレンツェには大小沢山の
公立・私立の美術館があって
まだまだ知らない行ったことのない
美術館・博物館があるのですけれど
結局いつも決まったお気に入りの
美術館にばかり行っているようです。
せっかくなのにもったいない?
すぐに来られる場所ではないから
他のところも見てみよう・・・と
出発前には思うのですけれど
同じ美術館の同じ展示品でも
その時々の天気や自分の気持ちで
印象が変わるものですから
やっぱり2度3度と通うのです。
さて、そんな訳でして今回も
大好きなホーン美術館へ行きました。
2018年のホーン美術館訪問はこちら
この美術館はわりと大きな交差点にあって
車やバスが行きかうのですが
中庭は驚くほど静かです。
▲真っ青な空が中庭から見上げられる。
▲その足元は雨上がりの水に映る空
▲フィレンツェ独特のオフホワイトと
グレーの組み合わせ。
このシンプルな美しさはローマのバロックを
観た後はますます心に沁みます。
まずジョットの「聖ステパノ」に会います。
相変わらず爽やかで素敵な笑顔です。
▲画集などでは見られない角度で観察。
▲うろ覚えの記憶では、たしかこの
青緑色のボーロの色が特殊で、
ジョット作品と認定できたと書いてあった。
・・・だったような。記憶力が無さすぎです。
2階のちいさな道具の部屋へ。
▲階段踊り場から中庭の装飾壁が見られる。
右にはテラコッタで作った雨どいが。
フィレンツェの屋根瓦や床タイルとおなじテラコッタです。
ちなみにテラコッタとはイタリア語で terra-cotta
「焼いた土」の意です。
この時ちょうど美術館学芸員さんの
無料ガイドツアーが行われており
飛び入り参加させてくださいました。
前回からの謎、この美しい道具は何ですか?
答えはなんと、金箔を磨く道具。
つまりわたしが今も使っているメノウ棒と
同様に使われていた物なのです。
(解説によると写本用だとか。)
なんとまぁ。象牙でできた磨き道具。
美しいにも程があるではありませんか。
・・・ほ、ほしい!
こんな美しい道具を作ったのはどんな人?
これを使ったのはどんな細密画家?
そしてそれはどんな写本??
その写本はいまどこに???
想像に想像が重なって
ますますこの道具に引き込まれるのでした。
これだから「好きな美術館通い」は
止められないのでございます。
幸せな時間でした。