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額縁の作り方 32 錫箔を貼る 3月08日
なにせ小箱ばかり作っておりますので
作品例が小箱ではありますけれど
古典技法ですので額縁にも応用できます。
ぜひご参考になさっていただければと
思いつつ、ご紹介します。
興味本位で京都で手に入れて以来
死蔵されていた錫(すず)箔を
小箱に使ってみようと思いました。
ヨーロッパの古典技法では
ボローニャ石膏地にボーロを塗り
箔押しの下地作りをします。
これはすべての箔に共通の下地ですが
純金箔を貼る場合は水のみ、
わたしはその他の箔を貼る場合には
薄いニカワ水をボーロに塗って箔を押します。
今回の錫箔には魚ニカワを使いました。
魚ニカワは、1リットルの水に対して
4シートの板ニカワを溶きます。
錫箔の印象。
とにかく丈夫です!かなり厚い。
シャカシャカ、キュルキュルしています。
石膏盛り上げ(パスティリア)の
凹凸でも破けることがありません。
(繊細な金箔では大抵破れてしまう・・・)
素手で持っても大丈夫ですが、
後々に指紋がサビて浮き上がりそうなので
やはり竹箸を使いました。
ただ、丈夫で厚いのはよいけれど
箔ナイフでは上手に切れませんので、
アルコールで拭いたハサミで切りました。
▲京都の堀金さんで購入しました。
金箔より一回り大きく、銀箔と同サイズ。
メノウ磨きは金箔よりだいぶ
早いタイミングで磨き始めたほうが良さそう。
とは言え丈夫な箔ですので
ハラハラ気分はずっと少なく済みます。
これは良い!
錫箔はかなり良いですよ。
色味もモダンで力強い感じ。
次回は完成した錫箔小箱を
ご紹介しようと思います。