diario
Firenze 2020-14 2月18日
彫刻修行先のグスターヴォさんの
工房からの帰り道は、行きと違って
サン・マルコ教会に寄るのが日課でした。
運が良いときにはパイプオルガンの
練習が聴けたりするのです。
そんな日々で見たのが下のお知らせでした。
2月18日は我が師フラ・アンジェリコの命日で
夜6時半から記念ミサがあるとのこと。
カトリック信者ではないわたしですが
参列することにいたしました。
6時過ぎに行きますと準備が進められていました。
修道士の方が足早に物を運んだり、
後ろではパイプオルガンと合唱の練習も。
ミサがはじまる頃にはほぼ満席になりましたが
東洋人はどうやらわたしひとりだった様子。
厳粛で美しい教会音楽とともに、
アンジェリコの生涯と功績
サンマルコ美術館がいかに重要であるか
などなど、アンジェリコファンにとっては
有り難く嬉しいお話がされたのでした。
わたしは幼稚園に通う前から小学校卒業まで
教会の日曜学校へ毎週通いました。
(プロテスタントの教会でした。)
深い信仰を持つまでには至りませんでしたが
わたしにとってキリスト教はとても近しい存在です。
だけどまわりの信者の方々からしてみたら
ただの興味本位の観光客が紛れていると
思われただろうな、とお邪魔してしまったようで
申し訳ない気持ちにもなりました。
教会という固い結束のあるコミュニティに
外国人のわたしが突然参加するのは
やはり難しい一面があったと思っています。
フラ・アンジェリコが亡くなったのは1455年
ローマ滞在中の60歳のときでした。
565年後の2020年2月18日の夜でした。