diario
額縁の作り方 31 銀を腐食させる 2月08日
8年前(もう8年!)にもすこしだけ
ご紹介しましたが、銀箔を腐食させて
趣きの変化を出す方法です。
タイトルは「額縁の作り方」ですけれど
今回のサンプルは小箱です。
ボローニャ石膏に赤ボーロ、パスティリア。
純銀箔の水押し。額縁と同じ手法でつくっています。
古典技法の銀箔の貼り方は金箔とほぼ
同様ではありますけれど、それはさておき
今回はメノウ磨きを終えた銀箔から作業開始。
▲金箔は水で貼りますが、銀箔は薄いニカワ水で
貼り付けてからメノウで磨きます。
銀箔は磨き終えても銀らしい白っぽい輝き。
銀を腐食させる(サビさせる)にはいろんな薬剤が
ありますが、わたしは硫黄と硫化カリウムが主の
溶液を使っています。
▲硫黄が入っているので黄色くて臭い・・・。
この溶液を筆でまんべんなく塗りまして、しばし放置。
▲塗った少し後の状態。
徐々に変化がはじまって部分的に艶消しになっています。
▲2時間後。良い感じにサビました。
寒い時期は暖房の近くに置いた方が早いみたい。
いわゆる「真っ黒」にしたければ、さらに溶液を
塗り重ねるか濃い溶液を準備しますが
今回はこんな感じで終わらせようと思います。
▲ラッカーで艶を出し保護しました。完成。
いぶし銀の渋い雰囲気、いかがでしょうか。
艶ピカの少年が、苦み走った紳士に
なりましたとさ・・・。