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鎌倉へ 良いことも辛いことも 12月31日

 

毎年暮に行う鎌倉詣出、ことしは止めるべきか

迷いましたけれど、「人込みを避ける」を約束して

朝早くに出発しました。

 

鶴岡八幡宮、いつもの暮より人の量は

4割減といったところでしょうか。

外国の方がいないので活気は減ったけれど

おだやかでのんびりとした雰囲気でした。

 

▲狛犬もマスクをして対策は万全。

二代目大イチョウも大きくなりました。

 

神様へお礼と来年の抱負をお話してから

ことしは特別にお守りと熊手をいただきました。

 

さて・・・小町通はといいますと

やはりかなりの賑わいだったのでした。

20~30代の若い人たちがたくさん。

そしてお店の入れ替わりもさらに進んでいて

どこの観光地にもある同じ「チェーン店」と

場所柄か和風の雑貨屋さんがたくさん増えて

そこで売られているのはマスク。

食べながら歩くカップルがそのマスクを眺める・・・

という風景なのでした。

なるほど。

小町通りは人込みが恐ろしくもあり

そして興味もなくなり、早々に海へ向かいます。

 

霞がかかって青天ではないけれど暖かくて

光あふれる海岸には老若男女が集っています。

凧揚げする親子、貝拾いをする女の子たち

談笑するスーツ姿の男性グループなど。

笑顔の人ばかりで、不意に「ああ平和だな」と

独り言ちました。

皆さんそれぞれに抱える物はあるはずだけれど

この浜辺での時間はきっと平和なひとときです。

 

わたしは例年通り、海風に吹かれてボンヤリして

ヒトデを触って柔らかくて驚いたり(初めて見ました)

女の子たちに釣られて貝拾いをはじめたら

止まらなくなったりして

これまた平和な気持ちになって

さぁ、家に帰りましょう。

 

今年2020は、なんとも不思議な一年でした。

驚くほど良いことがありました。

そして経験ないほど辛いこともありました。

どうしたら良いか迷い悩む時間も長かった。

今年ほど「人生いつ何があるか分からない」を

痛感した日々もありません。

2021年は、今年得た「驚くほど良いこと」を

無くさないように、そして辛いことがあっても

乗り越えられる一年にしたいと思います。

 

 

2020年のブログ diario はこれでおしまいです。

ご覧くださりありがとうございました。

寒波来襲、どうぞさらにご自愛ください。

そしてよいお年をお迎えください!

 

 

シミーズか、シュミーズなのか。 12月28日

 

年末の大掃除、ほんの少しだけしております。

寝室はさておき(おかせてください)

作業部屋はやはり大切にしたいところ。

 

この作業部屋は東西と南の三方向に窓があり

とても明るいのが素晴らしいのですが

道から丸見えですのでカーテンが欠かせません。

大掃除ですからカーテンもガラガラと洗いました。

 

そうしましたら・・・東窓のカーテンがびりびりに。

ネットに入れなかったわたしが悪いのです。

長年の紫外線で劣化もしたのでしょう。

急きょホームセンターに走り、麻のカーテンを買いました。

いままでの白レースより落ち着いた色ですし

道からも見えづらくなって部屋の居心地もアップです。

▲いままでより一回り大きいサイズにしましたので

ギャザーも寄ってカーテンらしい雰囲気になりました。

 

さて、タイトルの「シュミーズ」ですが

びりびりになった古いカーテンが、あらためて見ると

いわゆるシュミーズ(ワンピーズ型下着)なのです。

レースのデザイン、布の雰囲気なにもかも。

今までシュミーズ的な布を窓にぶら下げていたのかと

少々無言の境地になりましたが、これはこれで

明るくエレガントなカーテンでありました。

 

わたしが幼いころ、母がわたしにシュミーズ

(綿製でレースなど無い)を着せていたのですが

当時は「シミーズ」と呼んでいたことを思い出します。

だいぶ大きくなってから「あれは『シュミーズ』

と呼ぶのである、シミーズではない」と知りました。

 

そしておそらく、今は「スリップ」と呼ぶのです。

だけどいまだ勝手に

「シミーズは綿で子供用、シュミーズはシルクで大人用」

と思っております。昭和的であります・・・。

 

 

Buon Natale 2020 12月24日

 

メリークリスマス!

 

いちにちフライングですけれども。

今年も無事にクリスマスに

たどりつきました。

お疲れさまでした。

 

つぎの2021年のクリスマスは

きっともっと穏やかな気持ちで

迎えることができているでしょう!

いや、もう迎えることに決めました。

 

 

今日よりまた軽々と飛び越えて

気持ち新たに参りましょうぞ。

 

 

諸々を捨てるときなのか 12月21日

 

ことしの秋から最近まで、なぜか

ずっと長い間愛用していたものや

気に入っていた食器がぞくぞくと

壊れるのです。

毎日使っていたマグカップと昼食用の皿、

金継していたアンティークの砂糖ボウルふたつ、

なんども修理して履いていた大切な革靴、など。

 

どれも思い入れがあるので扱いにも気を付けていて

食器はぶつけたり落としたわけでもないのに

ある日突然に、持つとぱかっと割れてしまうのです。

革靴も、はっと気づいたら革が破れていた。

どれもが「とてもうつくしく壊れた」のには驚きました。

 

食器も靴も、修理しようと思えば可能だったけれど

手放すことにしました。

 

と言いますもの・・・

なにげなく読んだホロスコープに

「いまは執着を捨てるのに適したとき」とありました。

物以外にも思い当たる執着があったので

それ以来、他の占いも気になって見るようになったら

おおよそどの占いにも

「心身の整理をしましょう」

「断捨離をして部屋を整えると吉」

「執着心と物を減らせば新しいものが入ってくる」

とあるのでした。

 

占いは楽しむ程度に、と思っているわたしですが

ここまでいろんな占いに同じことをお勧めされているなら

まずは物から手放すことにしました。

これらの物がわたしの執着心も一緒に

持って行ってくれたら良いな、と期待したりして。

 

だけど物は物。心は心。あたりまですけど。

いろいろ捨てられないのは自他ともに認めるわたしです。

心の執着も手放せたら楽になるのでしょう。

でもこればっかりはなかなか難しい課題なのです。

努力目標としておきます。

 

 

何かに似ている 12月17日

 

2015年の秋に、友人のフォトグラファーと

ひらいた写真と額縁の2人展のために作った

「ishigaki」という額縁があります。

なんとなく、フィレンツェにある

メディチ・リッカルディ宮殿の外壁の石垣

(石垣ではなくて石組の壁ですが)に似ているな

と思って作った額縁なのです。

溝の入った既成品の木地を使って

互い違いに切り込みを入れただけなのですけれど

シンプルで、ちょっとだけ美味しそうでもあって

(香ばしいショートブレッドに見えなくもない)

なかなか可愛らしいデザインだな、と

我ながら思っております・・・。

 

 

小さい小さい絵展 2020 12月14日

 

毎年12月、暮の押し迫ったころに開催される

「小さい小さい絵展」ですが

今年も無事に開催されることになりました。

 

ルデゥーテのバラより部分模写と

フィリッポ・リッピよりアレッサンドリ祭壇画部分

どちらも黄金背景テンペラ画の模写です。

 

展示即売会

このような時期ではありますが

お近くにお越しの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。

よろしくお願い申し上げます。

 

第26回 小さい小さい絵展

12月17日(木)から12月23日(水)まで

池袋東武百貨店6階 アートギャラリーにて

 

 

Radio Bruno Fiorentina 12月10日

 

久しぶりにイタリアに行くと、まずは

ヒアリングに慣れなければなりません。

わたしが拙いイタリア語を話すのはもう

友人知人(お店の方も)に許していただくとして

ヒアリングだけは!1週間くらい過ぎてようやく

緊張状態から脱する感じなのです。

 

これはいかん・・・今がこれじゃあ

年々悪くなる一方なのでは?!ということで

イタリアのラジオを聴くことにいたしました。

なんて便利な時代でしょう、スマホアプリで

オンエア中のラジオが聴けてしまうのですね。

 

2月滞在中に通ったグスターヴォさんの工房では

いつもラジオが流れていて、耳に残っています。

グスターヴォさんとおなじ局「RadioBrunoFiorentina」

を見つけてさっそく視聴開始です。

ここは日本のAMラジオのような雰囲気です。

▲数え切れないほどあるラジオ局、その中から

「RadioBrunoFiorentina」を発見。

ニュースや宗教に特化した局もありました。

 

なにせフィレンツェのラジオ局ですので、

コマーシャルもスーパーマーケットの

週末のセールのご案内とか、かなりローカル。

それが面白く懐かしいのです。

 

もちろん聞き取れないことも多いですし

政治経済やニュースなど、単語から想像しかできません。

でもDJのおしゃべりなどは一緒に笑っちゃったり。

流行のイタリアンポップスやスラング(?)など

「今の生きたイタリア語」に触れています。

語学の本を見ながら唸っているより良いかも?

気が向いたら他の地方局、ヴェネツィアやローマの

放送も聞いてみようと思います。

方言やイントネーションの違いも聞けて面白そう。

つぎにいつイタリアに行くことができるか

今もって不明ですけれど、準備だけはしておきたい。

ヒアリングは大事だよ・・・と思っている毎日です。

 

 

気分転換はおしまい 12月07日

 

気分転換に作りはじめた小箱

古色を付けて完成しました。

 

 

デザインは額縁本「CorniciXV-XVIIIsecolo」

掲載されている16世紀末の額縁デザインから

拝借しました。

 

あいかわらず入れる物のあてはありません。

空の小箱ばかり作ってどうするの・・・ですが

まぁ楽しいですから良いかなぁ。なんて。

 

「works」ページ内「other」にアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

Firenze 2020-11 12月03日

 

フィレンツェからローマへ遠征のつづきです。

アンティークフレームのギャラリー

「La Cornice Antica」を拝見したあと、

近所の額縁修復工房へ行くというカントさんの

お供をさせていただけることになりました。

 

ギャラリーから歩いて数分、大きなお屋敷の奥深く

こんなところに工房が?と思うような場所に

明るい中庭に面した額縁修復工房があるのでした。

 

▲「患者」の額縁が修復されて元気いなるのを待っている。

 

▲額縁にとどまらず、箔物の修復全般を請け負っている。

奥には小さなコリント式の美しい柱が!

 

▲パオラの工房と似た準備台にはやはり湯煎のお鍋缶。

前日はバレンタインデーだったからか、赤いハート型の

チョコレート箱を発見・・・フフフ。

 

▲いちど分解してからサイズを変えて組みなおす。

 

この工房のミルコさん(かわいいお名前だけど男性)も

カントさん同様にとても気さくな方で

なんでも見て良いよ、聞きたいことがあれば何でも答えるよ

と言ってくださったのには感動でした。

 

さっそく「これは何、あれはどうするの、それはどう使うの」

などと遠慮なく質問をして、写真も撮らせていただいた挙句

そそくさとメールアドレスも交換させていただき・・・

これで帰国後のひとり作業時に疑問や不安があっても

相談できる方ができて、心強いのです。

 

慣れ親しんだニカワや石膏、油性塗料の香りがする工房は

なんだかとてもよく知っている場所のようであり

置かれている額縁はまったくの別世界のようでもあり。

 

ああ、こんな工房でこんな額縁の仕事ができたらなぁ・・・

イタリアでイタリアの額縁を修復する生活、してみたいなぁ。

などと夢と想像(妄想)はぐんぐんと広がりました。