diario
サンソヴィーノの双子 強烈・・・ 9月17日
金箔を磨き終え、いよいよ箔塗りつぶしで
黒彩色をいたします。ううむ。
フィレンツェの師匠パオラは水彩絵の具を使いますが
わたしはアクリルグアッシュのジェットブラックと
カーボンブラックを混ぜたもので彩色します。
金の上は水溶性塗料ははじかれてしまいますので
これまたいつものように Fiele di bue 雄牛の胆汁液を
少量絵具に足します。
▲7mmの平筆と0号の細密用の筆を使って彩色します。
でも、あれなんだか、えーっと・・・
わたし、こんなに強烈な額縁を作るつもりは
あまりなかったのだけど。
と思うような額縁になりつつあります。
▲金と茶色や黒の組み合わせのサンソヴィーノは
存在するのです。左の額縁を参考にしたのですが。
男性的な(わたしのイメージですが)彫刻に
コントラストの強い金と黒となれば
否応なく強い印象になるのは分かっていたけれど
それにしてもこれは強烈。
このサンソヴィーノ額縁が流行したのは16世紀ですが
当時はこんな完成したばかりの真新しいサンソヴィーノ額縁に
肖像画を入れたりしていたのです。
この額縁が引き立て役に回るくらいの肖像画・・・
さまざまな想像が膨らんでしまいます。
▲金も黒も生々しくて目に刺さる派手さ。
さて、今回の実験「金塗りつぶし作戦」は
今のところ問題なさそうです。
当然と言えば当然か。
塗りつぶす場合ときっちり分ける場合とでは
ラインのイメージがほんの少し違うけれど、
それを改めて理解できたように思います。
あとは古色付けで完成です。
この強烈コントラストでは終えられません・・・。