diario
シルヴァーノのカルトッチョ 3 考えた結果 6月04日
シルヴァーノ・ヴェストゥリ氏のカルトッチョ額縁
イタリア・フィレンツェの額縁スタイルのカルトッチョ。
そのつづきであります。
分厚い石膏で繊細さがかくされていた彫刻木地、
一晩悩みましたが、石膏をすべて取り除くことに
意を決しました。
ボローニャ石膏は水溶性ですので、何年たっていても
水分を与えれば溶解します。
全部を取り除くとなれば、もう全体を濡らすしかありません。
たらいに入れた水をまわし掛けながら慎重に作業します。
修復用のヘラと歯ブラシを使いました。
▲水に漬け込んではいけません。
水を流しかけてはやさしくこすって取り除く。
慌てず焦らず赤ちゃんを沐浴させるような気持ちで。
濡らしてしまったことで木がふやけてケバ立ったり
膨らんでしまったりするのは仕方のないこと。
ですが紙やすりはかけません。
ちなみに
この木地は比較的新しいので直接水をかけても耐えられますが
古いの額縁修復時などにこの方法は使えません。
コットンで湿布をして石膏を柔らかくします。
くれぐれも古い木地にはご注意ください・・・。
一晩乾燥させてから彫刻刀でケバを取り除きます。
▲奥や葉の裏側など取り除けなかった石膏があります。
でもこれ以上の水の作業は負担です。
彫刻刀の素早い動きも感じられるような
シャープな切り口、繊細なラインが復活しました。
さて。
石膏をさらに取り除いてワックスを塗って
木地のまま仕上げにする選択もあります。
シルヴァーノ氏の彫刻を愛でるならそれもあり。
どうしよう、なにがこの額縁木地にベストか・・・。
さらに悩みはつづきます。