diario
シルヴァーノのカルトッチョ 1 5月25日
2月のフィレンツェ滞在時に手に入れた
小さな額縁は “a cartoccio” と呼ばれる伝統デザインで
今は亡き額縁彫刻師シルヴァーノ・ヴェストゥリ氏が
手がけたものです。
わたしの額縁師匠パオラから石膏と黄色ボーロが
施されたものを買い受けました。
フィレンツェから日本へ送った荷物のなかで
細かい細工部分が折れてしまったのですが
▲外側220×175mm、中にははがきが入るくらいのサイズです。
とにかく早く直さねば、と思い立ったが吉日。
ひとまず折れてしまった木部は接着します。
▲くるりと立ち上がった葉が折れてしまいました・・・。
シルヴァーノ氏には残念ながらお目にかかる機会は
ありませんでしたけれど、腕も人柄も良い
繊細な人だったと各所で聞いていました。
その上でこの額縁を眺めてみると、どうも
彫刻の繊細さが石膏の厚みで隠されている気がする。
きっと彫りはシャープで細かいラインがあるはず。
ううーむ。ひとまず直したけれども。
なんだか違和感がぬぐえません。
石膏でモッタリしている部分は彫刻刀で
リカットしてみることに決めました。
▲なにか違和感が。
つづきます。