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小箱のたのしみ 4 4月06日

 

ひきつづき小箱制作についてご紹介します。

前回テンペラ絵具をのせてグラッフィート装飾の

準備を終えました。

今日は乾いた絵具のうえに模様を転写して

掻き落とし、つまりグラッフィートします。

▲トレーシングペーパーに描いた下描き模様を

 細い棒でなぞって転写しますが、この場合は

 カーボン紙等使わず、絵具に凹み線を作ることで

 模様が見えるように転写します。

 

上の写真の中央、黒い絵の具の部分

うっすら白い線で模様が転写されているのが

見ていただけますでしょうか。

カーボン紙を使うこともありますが

今回は細かい装飾模様なので下描きも細い線で。

凹み線のみの転写にしました。

 

さて、いよいよ掻き落とし、削り出し、です。

普段は竹串やネイル用のオレンジウッド等を

細く削って掻き落としに使っていますが

今回は細い線を出すために、Gペンを使うことにしました。

▲箔を傷つけないように慎重に掻き落とします。

 

▲ちょっと厚めに絵具層を作ったので

 思いがけず絵具が硬く掻き落としにも苦労します。

 

蓋の模様はフィレンツェの旧サンタッポローニア修道院

(旧聖・アポローニア修道院)入り口にあった

テンペラ画の衣装模様をお借りしました。

この旧修道院はカスターニョの最後の晩餐で有名な場所ですが、

このテンペラ画はカスターニョではなくて・・・

作者名をメモするのを忘れてしまいました。やれやれ。

▲聖人の衣装のすそ模様だった・・・。

 

ひとまず全面に模様を入れ終わりました。

保存しておいた絵具で修正をして

なんだか気に入らなかった部分に追加で刻印を打って

今日の作業は終わりです。