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それにも理由があるのです。 2月27日

 

KANESEI額縁の側面には、金箔はあまり貼りません。

黄茶色の金箔に近い色を塗って仕上げます。

 

その理由を聞かれることがあるですけれど、

まずはフィレンツェの額縁師匠マッシモ&パオラが

そうしていたから、というのが始まりではありますが

わたしなりに理由を言うとすれば。

 

純金箔って結構な迫力があります。

特に古色を付けたりすると迫力に重みも加わって

ともすると額縁の印象が強くなりすぎてしまう。

また、デッサン用などの細く繊細な額縁で

側面にも箔を貼ると太く重く見えるような気がします。

 

額縁は真正面からより斜めからのほうが

人の視界に入る場面は多いのです。

側面に「金ではないけれど金に似た色がある」と

印象が軽やかに、薄味になると言いましょうか。

作品を鑑賞するために正面から観るときには

しっかり箔の装飾があり作品とバランスをとりつつ、

斜めから見たときには額縁の存在を主張しすぎない、と言うか。

 

上手く言えませんが「押しが減る」ように

わたしは感じています。

 

 

額装する作品やサイズ、額縁のデザイン、飾る場所

そしてお客様のご注文によって

側面に金箔を貼る額縁も、もちろんあります。

とくに祭壇型額縁など側面に貼らない選択はありません。

 

正面には金箔を貼るのに側面には貼らないなんて

手抜き、ケチ(びんぼっちゃま風?懐かしい)と思われると

残念なのですけれど、理由もあるのです。

結局のところ好みの問題ではありますけれども

ご参考にしていただけたらと思います。