diario
額縁の作り方 28 石膏塗りの筆選び 2月24日
古典技法額縁の制作では
ボローニャ石膏塗りは大切な工程
かつ一番難しい工程と言えるのではないでしょうか。
「手早く丁寧に!」をスローガンに
適度な濃度で適温にした石膏液を塗るには
筆選びが大切です。
わたしがいつも使っているのは
水性用の平筆、12~15ミリ幅くらいのものです。
メーカーによって微妙に号数が違いますが
この写真の筆は世界堂オリジナル筆14号。
やわらかい毛がたっぷりしていて抜け毛も少ないく
このシリーズは愛用しております。
もちろん塗る対象――テンペラ用の板なのか
彫刻の入った額縁木地なのか――によって
選ぶ筆のサイズと形状は変わりますが
やわらかい毛の筆、というのはいつも同じです。
乾いた筆をいきなり石膏液につっこまず、
まずはお湯で(湯煎した鍋の湯で)ゆすいで
ホコリを落とし、空気を抜きましょう。
ボローニャ石膏液を扱う指南書がさまざまありますが、
著者によって選ぶ道具はちがいます。
ある本によるとブタ毛の堅い丸筆や刷毛で
筆跡を残してガシガシと塗るとありました。
でもわたしは、可能な限り筆跡を残さず
石膏液の表面張力を利用して滑らかに塗るのが好きです。
滑らかな表面なら、次の辛い作業「石膏磨き」で
削る必要が少なく(つまり時短)、そして
気泡が入りづらいと感じているからです。
翌日の朝、かわいた石膏地に気泡はありませんでした。
石膏塗り成功でございます。バンザーイ。