diario
額縁生まれ変わり 12月09日
ようやく完成いたしました。
▲修復後。欠損を再成形して純金箔を貼りました。
少しの磨り出しをして下地の赤を出し、茶色の古色仕上げ。
▲修復前。金色の塗装と緑青色の古色で仕上げた額縁でした。
上部の欠損部分には金色のペイント修理の跡も。
今まで古い額縁の全面箔貼り直しには積極的ではなかったこと
また、普段とはちがう方法での箔置きをしたことなどもあり
(ミッショーネは部分的に装飾で使うことがメインでした)
下地の整え方や接着剤、仕上げ方法の検討などで
時間を消費してしまう結果になりましたが
理解も深まったという大きな収穫もありました。
お客様には託してくださったことに大変感謝申し上げます。
古い額縁に全面箔貼り直し、いままで避けていたのは
どうにもちぐはぐな印象になってしまう恐れがあったから。
ひどい例えですけれど、お婆さんが若作りしているような。
今回トライして分かったことは、下地を整えて
ある程度の古色を付ければ美しく仕上がるということです。
当然といえば当然なのですけれど、これはやはり
実際に試行錯誤しながら行って自分で理解することが
必要だったということでしょうか。
「山をひとつのぼり終えた」といううれしさを
感じながら完成した額縁を眺めています。