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額縁の作り方 27 ミッショーネで箔置き 11月27日
アクリル絵の具の赤色ボーロ色(赤茶)を塗った
ドイツの祭壇型額縁に純金箔を貼ります。
▲赤茶を塗って乾いたところ。金箔作業の準備ができました。
この額縁は、もともと金色ではありましたが
洋箔(純金箔の代用品)が使われており、さらに
部分的に塗装で金色に塗られ、緑青色の古色が付けられて、
何度か修理された形跡もありました。
今回は欠損部分を再成形して形の復元からはじまり、
純金箔を全面に貼り直してから改めて古色を付けて完成。
そんな計画です。
今回のような額縁にはミッショーネ、つまり
接着剤で箔を貼り付ける方法しかありません。
日本では「ニス貼り」(ニスを接着剤にして箔を貼る)
とも言うようです。
検討した結果、わたしは使い慣れた糊で安全に進めることにして
フィレンツェの画材店「ZECCHI」(ゼッキ)が販売している
「missione all’acqua」を使いました。
白い水性の接着剤で、乾くと透明になります。
酢酸ビニール系(木工用ボンド)と近い雰囲気ですが
もっとさらりとした感触です。
▲左上に見える白いボトルが接着剤です。
この糊を筆で塗って、透明になってしばらくしたら
箔を置き、やさしく押さえます。
糊の乾き具合が難しくて、生乾きでも乾きすぎでもダメ。
触ってみて「乾く寸前」くらいがベストなのです。
さぁ、全面に貼れました。
目も眩むコガネイロでございます。
ミッショーネは金箔をメノウ棒で磨くことはご法度。
剥がれてしまいますからね。
ミッショーネの糊が乾いたら次は古色付けです。