diario
いつか必ず行くと決めた。 7月29日
いつだったか・・・大学生だったころに
テレビで観た美術館が忘れられなくて
ずっと行きたいと思いつつ、まだ行けていません。
ニューヨークのメトロポリタン美術館分館
クロイスターズです。
中世美術を中心にしたコレクションで
美術館の建物はロマネスクの教会風。
ロマネスク時代の柱を使って回廊が再現されていて
ハドソン川と森の見える丘に建っています。
▲この風景を見ただけで想像が広がります。すてき。
写真は「The Met Cloisters」よりお借りしました。
その美術館の館長だった著者ホーヴィング氏が
クロイスターズの宝「ベリ・セント・エドモンズ十字架」を
どのようにして購入にいたったか、の物語。
「謎の十字架」です。
サブタイトルに「メトロポリタン美術館はいかにして
世紀の秘宝を手に入れたかれか」とあります。
この一言につられて読み始めました。
もうずいぶん前に出版された本ですので
ご存知の方も多いことと思います。
脚色はあるにしてもノンフィクションの内容で
映画さながらに権謀術数渦巻き、続きが気になって眠れない。
美術館の裏側が垣間見られるという
それはそれは面白い本でした。
▲二段組でぎっしり。でも面白くてどんどん進む。
そして西洋美術を学ぶにはあらためて、キリスト教、
旧約・新約聖書を身心で知り理解している必要がある、
日本と西洋諸国との文化の違いを強く感じます。
信仰とは別に、学問として聖書を学びたい
との思いをまた自分の中で再確認しました。
美術館エンターテイメントに宗教学、歴史が
プラスされたような、とにかく面白い本です。
読み終わるのが惜しいくらいでした。
機会があればぜひお読みください。
読後にニューヨークに行きたくなること請け合いですぞ。
「謎の十字架」
トーマス・ホーヴィング著
田中 靖 訳
株式会社文藝春秋
1986年4月1日第1刷発行