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額縁の作り方 22 裏も横も 7月12日
たいへんに久しぶりになりました
「額縁の作り方」ですが、今日は裏と横のお話。
このカテゴリー「額縁の作り方」は、
額縁に興味を持って下さった方、
額縁ってなにでできているの?
額縁をつくってみようかな?と
思われた方にむけて書いています。
額縁はおおくの場合、壁にかけて鑑賞しますので
裏と側面が目に触れることは少ないのです。
でも、特に側面は意識して見られることはなくとも
ふとした時に視界に入り、額縁と作品の印象に
案外と影響しているものです。
それくらい、側面は実は大切。
裏側は・・・そうですね、これはもう
意識と言うか好みと言うか、ですけれども
美しいに越したことはない。
そして様々な額縁を見てきて思うのは
「意識して作られている額縁は大切に扱われる」
ということでしょうか。
前置きが長くなってしまいましたが、とにかく
「裏面側面も美しく作りましょう!」でございます。
薄い額縁に厚さのある作品を額装する時、
額縁裏に高さを出すために足す部分を「ドロ足」と呼びます。
ドロって何のこと?わたしも知らないのですが。
額縁を横~裏から見て、薄い額縁とドロ足の段差が高いと
少々不安定な印象をうけます。
薄い板に箱枠が取り付けられているような感じ。
かと言ってドロ足を額縁側面ちかくまで幅広にすると
どっちゃりして重苦しい印象になってしまう。
そんな時には三角形の材を付けましょう。
下の写真は Atelier LAPIS のTさん制作中を撮影させて頂きました。
▲三角形の材の向きに気を付けて切ったらボンドで貼りつけ。
テープで補助の仮留めをします。
▲はみ出した部分は彫刻刀などで荒削りして
▲ヤスリで仕上げます。カンナがかけられればなお良し。
三角形の材はホームセンターなどで売られています。
材の高さがドロ足より低くてもOK
側面ですからこれで大丈夫です。
サイズに合わせて切って、ボンドで貼ります。
はみ出した部分はおおまかに削り取ってから
隙間があればパテなどできれいに整えて、
ヤスリで仕上げれば完成。
この三角材加工は、いわばお化粧みたいなものです。
(補強にもなりますけれども、不可欠ではない。)
壁にかけたときに出来る影の浅さ
手に持った時の安定感
裏から見た時の美しさ
それらを考えた時、意味はあると思います。
こんなちょっとした手間を重ねることで
完成度も変わってくるのではないでしょうか。