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Firenze 2018 tempo calma №6 3月04日

 

東急百貨店吉祥寺店での

「手のひらサイズの小さい絵展」は

お蔭さまで無事終了いたしました。

お越しくださった皆様ありがとうございました。

またお買い上げを賜りありがとうございました。

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フィレンツェの古典技法額縁制作は

分業体制になっていて、おおよそ

木地(指物師)、彫刻、金箔から仕上げの

3種の職人さんで成り立っています。

パオラとマッシモの工房は「額縁店」ですので

お客様がいらして打ち合わせをするプロデューサー、

デザイナー兼箔から仕上げまでを行います。

木地屋さんに竿を発注、それを切って組み、

彫刻師に木地を渡して彫ってもらい、

それからパオラとマッシモが石膏塗りをして・・・

という手順で制作が進められます。

 

パオラの額縁店で彫刻専門でお願いしている職人さんは

3人いらして、グスターヴォさんはそのひとり。

サン・マルコ美術館ちかくにある

グスターヴォさんの工房にお邪魔させて頂きました。

 

額縁だけではなく、家具の装飾、ランプの土台、

看板から小物まで(この時はイタリアの

超有名ハイブランドのバッグの木製ハンドルを

作っておられて大忙しでした。)

木彫ならなんでもござれ、なグスターヴォさんです。


▲イタリアの彫刻師はみな彫刻刀の刃を自分にむけて置く。

一見こわいけれど、必要な刀をすぐに見つけられる。

 

プロの机、つかう道具、工房の空気など

リアルに拝見することが出来て、自分の目がギラギラ

していたのが分かりました。

身心に刺激を受けます。

▲合板に木材を固定し、さらに合板を机に固定して彫る。

 

グスターヴォさんの彫刻用木槌(きづち)は

40年以上使っているとのことですが

半分近くにすり減っているのでした。

▲pfail社の彫刻刀。木槌で打つときはこのように持って構えます。

 

新しい木槌も準備してあるのだけど、

やっぱりこれが使いやすいんだよね、と。

手になじんで愛着がわいて、もう体の一部に

なったような木槌でした。

 

「いつでもおいで。ここで教えてあげるから。」

と言って下さったグスターヴォさん。

すっかり本気にしているわたしです。

いますぐにでも彫刻刀をかついで駆け付けたい。

彫刻技術をもっと高めたい。

またフィレンツェ滞在を必ず実現させねば!

いくつになっても、師を持って修練できる機会は

大切にしたいです。