diario
祭壇型額縁をつくる8 金箔を置く 2月11日
イタリア留学から帰国してすぐ、
日本の額縁制作に携わる方々をお話をしたとき
金箔を貼ることを「箔を置く」と
仰っていたのに驚いたことを思い出します。
ほかの業界でなんと言うか不勉強ですが
絵画の世界では、箔は貼ると言うような。
とにもかくにも、祭壇型額縁に「箔置き」です。
不規則な形の額縁ですが、作業開始は
いつもの通りに一番高い場所からです。
というわけで、屋根部分から置き始め。
egg&dart の彫刻部分や柱のみぞ
そして四角の連なり模様(tooth)には
箔を入れるのが面倒です。
おおきくバーンと置いてから細かく繕うか
小さな箔を形に合せてチマチマと置きすすめるか。
今回、上のegg&dart とtooth にはバーンと置き、
下のegg&dart は小さな箔を置くパターンで
ためしに作業しましたが、好みもあるでしょうけれど
egg&dart には小さな箔をチマチマと
tooth にはバーンと置いて程よく繕う、が良さそう。
ここでもやはり赤ボーロと黄ボーロの
塗り分けが効いてくるのです。
こまかい凹凸に箔を入れるには
水の塗り方にコツがあります。
下の写真、まず手前とみぞの中央まで
ひたひたに水を置きます。
みぞ内の向こう側面には塗りません。
そして箔を置きます。
すると水に引っ張られるようにして
箔がするするとみぞの中にすべり入ります。
みぞの向こう側の棚部分に水を流し込んだら
これで完了です。
この方法ですと、いま置いた部分の水が
ひいて乾いてからでないと
隣のみぞの作業はできません。
なかなか面倒な作業ですし
この方法がお勧めという訳でもありません。
いろいろ試して自分に合う方法を
見付けるのが良いようです。
急がば回れ、でございましょう。