diario
古色再考 やっぱりそうだった 1月21日
ここのところお話しております古色、
つまりアンティーク風の仕上げについて
しつこく考えている・・・といいますか
ふとした時に思い出し続けています。
「もう古色話は飽きました」とおっしゃるのも
重々承知なのですけれども、あとすこし
おつきあいくださいませ。
メディチ家所蔵の豪華絢爛な額縁は
500年経っても壊れていないし汚れていない。
金はうつくしく磨き上げて完成されていて
いまもその状態が保たれています。
ずいぶん前から気になっていたことに
「古色仕上げは昔からあったのか」なのですが
今回フィレンツェの旅で改めて理解できた気がします。
ルネッサンス時代には金箔をほどこした額縁に
古色仕上げはあり得なかった、ということです。
蝋燭の灯る薄暗がりで輝かすために施す金を、
なぜわざわざ汚したり古く見せる必要がある??
▲同じデザインの額縁。左が金そのままの輝き、右が古色つき。
輝きも色も全く違う。
古色仕上げの額縁が作られるようになったのは
せいぜいここ200年くらいなのかもしれません。
建築技術が高くなって窓の大きな家が出来て
室内がとても明るくなった。
教会だけでなく家で絵画を楽しむようになった。
蝋燭からランプ、電灯になって・・・
人々の生活も考え方も好みも、幅が広がった。
そうして額縁装飾の幅も広がった、
ということなのではないでしょうか。
そうそう、
古い金箔の輝きを再現する方法、
ひとつの案を思い浮かべています。
近々にも試してみなければ。
乞うご期待!でございます。