diario
風呂上りの笑顔 6月27日
ずいぶん昔、TokyoConservation のスタジオで
油彩画のクリーニングをしたとき、
ほとんど汚れていないように見えた作品がありました。
クリーニングは必要ないんじゃないかな、
なんだか無駄な作業をしているような気がするな、
などと思いながらも手を動かしていたのです。
すると主任に「汚れていないような気がしても
終わったら見てごらん、風呂上りみたいに
こざっぱり良い感じになっているはずだよ。」
と言われました。
一通りクリーニングが終わって、
離れた場所から改めて絵を見てみたら
主任の話してくれた通り、まさに風呂上り。
歴然とした違いは無いけれど、すっきりと
色つやが良くなって、ぴっかりしていたのです。
やるべきことには理由があるのですね。
額縁に入っていても絵はやはり汚れます。
今回、伯母の額縁修復とともに
油彩画のクリーニングもしました。
絵は風呂上りのようにすっきりと笑顔になって
服(額縁)も洗い立てのようにさっぱりとして
昔から知っている伯母の家の応接間の
いつもの場所に納まってくれるでしょう。