diario
修復に度胸は必要ですか? 6月13日
先日、知人との会話で
「修復には度胸が必要でしょう?」
と言われました。
そうですね、修復処置をすべき額縁は
自分が作ったものではなく、多くの場合は
自分の持ち物でもない古いもの。
「代わりの物」は存在しません。
それに刃物を入れたり液体を塗ったり
様々手を入れなくてはいけない。
「さぁ始めるぞ」と言うとき、最初の一手には、
あるいはちいさな度胸が要るかもしれません。
でも、着手する前には念入りに調査し、
計画を立て、シミュレーションもして、
脳内リハーサルもしてしばらく考えて・・・
「うむ、よ~し!」となって始めます。
必要な処置を身心で理解できていれば
「恐怖」はそれだけ減るはずですから
度胸ではなくて安心を持って始められる。
そうは言っても、修復対象の額縁は
ひとつとして同じものは無い訳で、
予想外のことがおこる可能性もあります。
それを受け止めるのも「度胸」
冷静に処置するのも「度胸」
でもそれは
「覚悟」と言い換えることができる
かもしれません。