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知って驚くたのしみ 3月30日

 

宮本輝著「田園発港行き自転車」を読みました。

宮本輝氏の作品は、高校の国語の教科書で

出会って以来、すべてではありませんが

読み続けています。

 

その「田園発・・・」の中で

『おっしゃった』という言葉が

「仰った」ではなく「仰有った」と書かれていました。

この文章を見たとき、我ながら目が見開きました。

 

「おっしゃった」と言う言葉は日常で使います。

文字として書くとき、またwebで変換する時も

「仰った」となるのが当然と思っていました。

でも今回の「仰有った」で、「おっしゃった」の

本当の、と言いましょうか

本来の言葉の意味がようやく理解できたようです。

目上の人からの「仰せ」が「有った」。

おおせあった。おっしゃった。

そうか・・・!

 

ううむ、なるほど。

すでにご存じの方にとっては「何を今さら」なこと、

「仰せ」の意味を考えれば分かりそうなこと、

そして些細なことかもしれませんけれど

わたしにとっては新知識。

頭の片隅にさっと日が差したような気がしました。

 

新たな疑問も湧きます。

なぜ送り仮名が「仰・った」になったんだろう?

そもそも送り仮名はどうやって作られるのだろう?

 

こうした発見と疑問が自分の日々に

もっと起れば良いのに。

そのためにも、そして楽しみのためにも

読書は生涯続けようと思います。