diario
ジェイン・オースティン 料理読本 18世紀末のレシピ 3月21日
ジェーン・オースティンといえば
わたしは真っ先に「プライドと偏見」を
思い出します。
18世紀末のイギリス、田舎の下級貴族
(というのでしょうか)と上流貴族の話。
・・・ひどいまとめ方ですが
その著者オースティンの時代の
料理についての本です。
この本にでているお料理も、庶民ではなく
使用人を置いて生活する人たちのメニューです。
レシピをみると、当然と言えば当然ですけれど
鮭やヒラメならまずさばくところから、鶏や野鳥も
処理(どのように肉の状態にするか具体的に)
の方法から載っているのです。
ゼリーを作るには鹿の角をけずったもの!を
準備せねばならず、羊や仔牛ももちろん
骨や皮付きの状態から始めなければなりません。
コックの仕事とはどこからなのか?!
調理より食材の準備のほうがメイン?
食事を準備することに費やすエネルギーと情熱が
並々ならぬ量だったのでしょう。
いや、そこまでしないと食事にありつけないというか。
冷蔵庫があって、スーパーマーケットがある、
そしてすぐに火を付けられるコンロがある現代からは
手間も時間も想像を超えています。
ちなみにこの本は、18世紀末当時のレシピそのままと
現代用にアレンジしたレシピと両方が載っていて
それを比べるのがとても楽しいのです。
昔のほうが脂濃くて野性的な味付けで
今の人が食べたら胃もたれしそう、
そして卵の汎用性の高さに驚いたり。
なにか作ってみようかな、と思ったけれど
いまのところ読んではひたすら唸る本になっています。
「ジェイン・オースティン 料理読本」
著者:マギー・ブラック
ディアドレ・ル・フェイ
訳者:中尾真理
株式会社晶文社
1998年2月28日発行