diario
芸術家の家 作品とインテリアの繋がりが現すもの 11月16日
昨年だったか、旅先の美術館で購入した本です。
しばらく放置していたのですが最近改めて手に取りました。
14人の芸術家の家を写真で紹介しています。
いままで知らなかった人もいれば、何度も違う本で観た
モネやモロー、ウィリアム・モリスの家もありました。
ぱらぱらと写真を見たり、住まいにしていた芸術家の経歴を読んで
作品を検索して様々観たりしたのですが、
その人の作るものと住む家はとても似通った色調と雰囲気で、
装飾の量と配置も、まるでその人の作品を見ているかのように共通なのでした。
その人の目指すもの、そのもののような家。
当然と言えば当然? いや、でも・・・。
この家に到達するまでの葛藤と苦労もあったことでしょう。
ここまで自分の世界を貫けるのは(あるいは貫いてしまうのは)
様々な面でとても強い人たちなのだろうと思います。
迷いが無いというのか、自信があるというのか
理想と現実が融合できているというのか
なんと表現してよいのかわからないけれど。
画家の家の室内写真には、作品と併せて額縁も沢山載っており
同時に家具や窓枠、壁紙、食器のデザインや時代などからも
とても面白く見ることができます。
この人の家は居心地が良さそうだな、または
作品同様にあまり生活感が無い家だな、とか
よくまぁこんな部屋で眠れるものだ!など感想も色々。
住みたいのはスメットやクビーンの家、
どの家も訪ねてみたいけれど、特に訪問したいのは
ミュシャの家とキリコの家、といった感じでした。
その家の主人とじっくり話したり作品を見せてもらったり
出来たらすてきだなぁ、と妄想は広がります。
それにしてもキリコ邸にだけはびっくり。
客間、アトリエ、そして寝室。なるほどなぁ。
イメージが変わりました。
「芸術家の家 作品の生まれる場所」
文:ジェラール=ジョルジュ・ルメール
写真:ジャン=クロード・アミエル
訳:矢野陽子
西村書店
2012年1月27日第1刷初版発行