diario
額縁の作り方 13 「見る」が大切 10月23日
先日ご覧頂いた額縁 s-2 を制作するときに
紙やすりを使って余分な金箔を取り除く作業をしました。
木地にはボーロは塗っておらず、いつものように
水押しで純金箔を貼りましたが
どうしても余分な金箔が白木地に付着してしまいます。
周囲の金に傷を付けないようによく見ながら、慎重に丁寧に。
あらゆる角度から「よく見ながら」紙やすりをかけます。
さぁ、きれいになりました。
古典技法額縁の制作で、なかなか難しいのは
石膏地などを紙やすりで磨く作業でしょう。
Atelier LAPISの生徒さん方もこの作業は苦労しておられます。
立体で凹凸のある木地や装飾の形を紙やすりで整えるとき
一番多い失敗が磨き過ぎ、つまり削り過ぎ。
石膏地が無くなって木地が出てしまったり、えぐれてしまったり
という失敗の原因は・・・ずばり「見えていないから」です。
今、自分が磨いているピンポイントが大きな紙やすりに隠れて
見えていないから、つい頑張って磨き(削り)過ぎているのです。
または磨く石膏地を見ずに、無意識に紙やすりを見ている、とか。
自分の作業が見えていないって、意外だとお思いでしょうけれど
実はとても多いのですよ。
解決方法その1
細かい部分や凹凸を磨くとき、また額縁の角や端先を磨くとき
紙やすりは指の中に納まるくらい小さくカット&たたみます。
指先から紙やすりがほんのすこし出ている程度に持ちます。
そうすると紙やすりで隠れてしまう部分が最小限になって
どの程度まで磨けたか見ながら作業することができます。
「指先=紙やすり」で感触を確かめながら進みます。
解決方法その2
磨く部分が広くても狭くても、細かくても平らでも、
なんとなく漫然と作業せずに、よーーーく見ましょう。
今、やすりがどこに当たっているか、どこを削っているか
意識して観察するのです。
見辛かったら角度を変えて、あるいは覗き込んで、
こまめに確認することが大切です。
「見る」を意識し、確認しながら作業できれば
紙やすり磨きは決して怖くありません。
恐れずにいきましょう!