diario
手作品の価格を決めるとき 基準は何処に 10月19日
平和島の骨董市で家族が買ってきてくれたハサミです。
手作りで切れ味は抜群、
カシメには銅が使われて可愛らしい。
よく見えないけれど、刻印もあります。
新しいもののようです。
いくらで買ったのかたずねたら 3,000円との答え。
・・・しばし無言になりました。
100円ショップでそれなりに切れるハサミが売られている今
小さな手作りハサミが3,000円。
高い?安い?
このハサミを作る時間、材料、 そして技術を考えたとき、
わたしには この価格があまりにも安く感じられるのです。
それはわたしが物作りをしているから?
わたしが作る額縁の価格は皆様に
どう受け止められているのか。
ずっと前から心にある問いがまた復活しました。
結局のところ基準なんて無いのですけれど。
売り手と買い手が納得できる価格をさぐって
すり合わせるしかないのでしょう・・・
難しい永遠の問題。
それはそうとこのハサミ、どんな人が作ったのでしょうか。
真っ赤に燃える炉を見つめる眼差し、
細い身体でひたすら働くおじいさんのイメージ。
どこかで見たと思ったら、以前に住んでいた場所近くの
鍛冶のおじいさんでした。
小学校帰りに通りかかると、金属と石炭の匂いの中から
溢れてくる熱気と機械ハンマーの大音量が 響いていたのでした。
今、その鍛冶屋さんの場所には マンションが建っています。