diario
手から手へ届けられた石膏 10月05日
イタリアのフィレンツェを訪れた
Atelier LAPISの生徒さんから頂いたのは ボローニャ石膏を1kg!
以前、雑談時に「ゼッキで販売しているボローニャ石膏は
日本で手に入るものと少し違う」とお話したことを
覚えていて下さったのでした。
フィレンツェのゼッキの店頭で買い求め、荷物に入れて
日本に持ち帰り、そして市が尾のアトリエまで
持ってきてくださったなんて
さぞかし重くてかさばったことでしょう。
申し訳無く思いつつ、とてもありがたく頂戴しました。
上の写真、ゼッキのラベルには
「gesso sottile volterra」と書いてあります。
これはヴォルテッラ産の細かい石膏、という意味です。
日本では画材で使う2水石膏を「ボローニャ石膏」と呼びますが
イタリアには2水石膏の産地がいくつかあって、
ボローニャもヴォルテッラも有名な産地です。
普段はホルベインやクサカベが販売するボローニャ石膏を使いますが、
ゼッキの石膏とは少し違うのです。
ゼッキ石膏はより軽いと言いますか、わずかに粒子が大きいのかも?
ホルベインやクサカベの石膏は、ニカワで溶いて塗り乾かしたら
ゼッキ石膏より少し硬く絞まるような印象です。
石膏を紙やすりで磨くとき、ゼッキ石膏はすこし楽。
一番の違いは箔のメノウ磨きの時の手ごたえでしょうか。
日本で手に入るボローニャ石膏にすっかり慣れましたし、
遠い日本でボローニャ石膏を手に入れられるだけで幸せなこと、
良い時代になりました。
でもこうして「本場のもの」を使う機会が得られると
心躍ります。嬉しい。
この石膏は大切に使わせて頂きます。