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額縁の作り方 12 木地に直接盛り上げ装飾をつくる 10月02日

 

わたしは、最初に教わった日本人の先生が

石膏盛り上げと呼んでおられたので

いまだにそう呼んでいますけれど、 多くの場合

特に海外ではイタリア語の Pastiglia パスティーリアと呼ぶのが一般的です。

そのパスティーリア石膏盛り上げ装飾は

石膏地にのせることが多いのですが

木地に直接のせることも出来ます。

何故かあまり見かけたことがありませんけれど。

 

木地全面にボローニャ石膏地を作る場合は

まず木地に吸込み止めの下ニカワを塗りますが

部分的に石膏盛上げ装飾を作る時は 特に下ニカワは塗りません。

下ニカワが無いからといって脆いとか 亀裂やシワが入る事は

今までの経験ではありませんでした。

(とはいえ、ご心配な方は万全を期して 下ニカワを塗ることをお勧めします。)

盛り上げ装飾には紙やすりはかけません。

やわらかな、ふっくらした形が失われてしまいますから。

はみ出した縁を削り取るだけにします。

紙やすりが必要無いように、手早く盛ります。

コツは石膏液の表面張力を利用すること。

 

ボーロは木地に付かないように気をつけて 石膏のみに塗ります。

箔はいつものように置いていきます。

余分な水が木地に吸い込まれますので

乾くのがいつもより早いことを念頭に

乾燥状態をまめにチェックして、メノウで磨きましょう。

木地に付いた箔は、磨き後にコットンで

乾拭きしますとおおよそ取り除けます。

残った箔は小さく切った紙やすりで慎重に。

後は木地にステイン等で着色してひとまず完成です。

全面石膏に盛り上げ装飾は豪華ですが

木地に部分的に石膏盛上げを入れるのも

軽やかなアクセントになります。