diario
羆嵐(くまあらし) 吉村昭 9月21日
北海道の奥地、巨大な羆(ひぐま)に襲われた開拓村の人々と
羆を倒す狩人の話。 実話を元になっているとか。
お酒の席で話題に上がり、興味を持った本です。
その席には北海道の旭川と道東港町出身の方 お二人がいて、
冬の厳しさ、地吹雪の怖さ --生と死の境--を聞きました。
この「羆嵐」の何が恐ろしいって 寒さの表現
羆の食べたものの跡 (村人の遺体)の様子
人間の心の動きと表情、 暗闇で見えないヒグマの気配など
想像を掻き立てる描写です。
映像で観るより何倍も背筋がゾワッとしました。
お二人から聞いた厳冬の話、そしてなぜか
映画「エクソシスト」の白い息を 思い出しました。
寒さはそれだけで恐怖を煽ります。
残暑の時期に真冬の恐怖の描写を読んで
ホラーとは違う恐ろしさを味わいました。
わたし一人では出会わないような本も
紹介されて読むと未知の世界の入り口に 立てて
面白い読書体験が出来ました。