diario
ロレンツォ、その若かりし頃 7月06日
ベノッツォ・ゴッツォリ(1421頃~1497)は
わたしの敬愛するフラ・アンジェリコの弟子で
フィレンツェで活躍した画家です。
昨年にもマギ礼拝堂フレスコ画「三賢者」の部分模写を
描いていてとても楽しかったので、今年もまず1枚。
ロレンツォ・ディ・メディチの若い頃がモデル
と言われている賢者のひとりです。
描き始めたは良いものの、顔の描写は本当に難しい。
なにせ細い線1本で表情はガラリと変わってしまうのですから。
唸りながら呼吸を止めて、線を1本ずつ描き足して
どうにかこれで完成とします。うーむ。
描けば描くほどにブラックホールに吸い込まれそう。
オリジナルの表情は、ここまで笑っていません。
もっと澄ました顔をして、眉を上げて、
王子様然としています。
それが・・・すまし顔に近づけない。笑っちゃう。
庶民的な顔、とでも言えそうな表情になりました。
もともとフレスコの大きな作品を
手のひらサイズのテンペラに模写するのですから
無理があるというか。
ゴッツォリが怒りそうですね。
それにしても・・・
いつもホルベインが出しているテンペラワニスで
仕上げているのですが、どうも艶が強い気がします。
もう少し艶を押さえた、3分艶くらいのテンペラワニスを
作ってくれたらとても嬉しいのですけれど。